MOD盛り盛りのスカイリムでドヴァキンの従者プレイ~雇い主が万年発情期なんだが~ 作:Ingwelsh
~ウルフスカル遺跡~
儀式は、これで完遂された。
もうウルフスカル洞窟が街道を行く人々を飲み込み、狼へと変えて、生の尽きるまで乱れ狂わせることもない。
街道も解放することが出来るだろうが、一番の問題は目の前に
スカイリム最強の死霊術士。最悪の女帝。狼の女王ポテマ。
それが天谷桐士の肉体を乗っ取り、その人格を押し潰して、狼としてそこにいる。
その稀代の悪女と目される彼女を前にして、ようやく後ろ脚二本で立ち上がったRa'yeniaが不敵に笑った。未だKhajiitらしい猫獣人にはなれておらず、Lykaios同様の狼獣人の姿だが、随分とその肉体は安定しているように見える。
「どう、ポテマ。その肉体は」
その口角を持ち上げる狼獣人の女性に、四つ足の狼の姿をした女王は感情の見えない眼差しでそちらを見た。
「悪くない、むしろ随分具合が良い……私のものではないのに、私の生まれつきの肢体であったかのように馴染む。なんだ、こやつは?」
「ニルンの外から訪れた旅人です、ポテマ。何の因果かニルンに迷い込み、こうして私と旅をしています」
こちらも狼の姿から狼獣人の姿に戻ったBeatriceが、しっかとその両足で遺跡の床を踏みながら言った。心なしか、股間にそそり立つ逸物が大きくなったように見える。
天谷桐士はニルンの外、地球からの来訪者であることは限られた者しか知らない。ポテマにそれを明かすのは一種の賭けではあったが、彼女は死霊術士。ニルンの外側の領域、すなわちオブリビオンへの造詣は深い。
しかして彼女は、納得したようにこくりと頷いた。
「なるほど、ニルンの外から転がり込んだ肉体なら道理だ。ハーシーン神の大きな力を感じるだけではない、シェオゴラス老、モラグ・バル殿……数多のデイドラの力を感じる。
ハーシーン神に庇護されたのは、幸運だと言えような。あれは信者には優しい神だから」
目を細めながら感慨深そうに彼女は話した。シェオゴラスやモラグ・バル、メエルーンズ・デイゴンなど危険性の高いデイドラと接することもあった彼女のこと、デイドラと深い関わりを持つことの危険性はよくよく認識しているのだろう。
桐士がオブリビオンのさらに外、言うなればムンダスよりも外から来たことは巧妙に隠しながら、Beatriceは神妙な面持ちで口を開いた。
「やはり、デイドラの力を感じられますか」
「無論だ。ハーシーン神の庇護が大きい故に他のデイドラのそれは隠れつつあるが、なるほど、これはなかなかに面白い。肉体を再び明け渡すのが惜しくなるな」
自分の狼らしい身体を見やりながら、ポテマはその口角を持ち上げた。
確かに、こんな人間、ニルンではなかなかお目にかかれないだろう。異世界からの来訪者であることも含めて、ハーシーン神の加護を最大限に受けてウェアウルフであり、ふたなりであり、獣と交わってその種族と同一になることが出来るのだから。
しかし、ポテマ曰く、ハーシーン以外のデイドラの力も彼の中にはあるようで。これほどまでデイドラからの恩恵を受ける人間が、果たしてドヴァキン以外にもいるのかどうか。
Ra'yeniaがそのもふもふした肩を竦めながら、マズルの長い口を開いた。
「気持ちは分かるけれど、そういうわけには行かないのよ。貴女を野放しにしておくわけには行かないし、トージは元の世界に帰らないといけないのだから。
まぁ、貴女は稀代の死霊術師だから、どうせそのへんも何とかすることが出来るんでしょうけれど」
「Ra'yenia、私を打ち破った魔術師。私の力を侮ってもらっては困る。
自分の魂を分割するなど、死霊術士には造作もないこと。魂縛を応用すれば至極容易だ」
ポテマは話した。魂の大部分は新たに生まれる子の中に移し、自分の人格もそちらに移すけれども、桐士本体にも自分の魂を僅かに混ぜ込むと。
その行く末を見て、願わくば彼と共に元の世界に持って行けるように、自分の魂を本体の魂に混ぜ込んで一体化させると。
その話を聞いて、Beatriceが目を見張った。
「トージの中に、ポテマの魂を残すというのですか?」
「そうなるな。無論肉体の主導権を奪おうとは思っておらぬ、どうせ私の力は多くが奪われている。
だが、これだけの面白い逸材、見逃すのは惜しいというものよ」
あっけらかんと、まるで自分の所有物を一つ離れた場所に置くかのような気軽さで話してみせるポテマに、Beatriceはますますその目を見開いた。
並の人間だったらとても許容できない事柄であろうが、しかしここはスカイリムである。アンダーグラウンドでありながら死霊魔術が横行する世界である。
Beatriceがその目を見張る中で、いくらか彼女の性質を理解していたRa'yeniaが苦笑を零した。
「ま、いいわ。トージの人格を犯さないなら私から言うことはない。
でも、そうね。ポテマの魂が混ざり込んだら、トージはいよいよ雌になっちゃうかもしれないわね」
「今更です、ラエニヤ女史。トージはもう、生まれついてからそうであったかのようにふたなりです」
溜め息を零しながら、肩をすくめるBeatriceだ。
実際、桐士は数ヶ月前は真っ当に雄だったというのに、もうすっかりふたなりの肉体が馴染んでしまっている。元の世界に戻ったところで、その肉体がどうなるか。
ともすれば、ふたなりのままで、下手をしたら人間でない姿で、元の世界に戻されることになるかもしれない。
彼の元の世界の状況は知らないが、だいぶ不安を掻き立てられる内容だ。
しかしそんなことなど気にも留めないという風に、Ra'yeniaはポテマに視線を向けた。
「それじゃあ、落ち着いたところでそろそろ次の段階に動くわよ。
ポテマ、準備はいいかしら?」
「問題ない。既に魂は胎内の娘にそっくり移してある。あとは肉体の主導権を明け渡せば、それで終わりだ」
これまた何でもないように言ってのけるポテマだ。もうこの物言いを考えると、稀代の悪女、狼の女王という異名もどうあってのものかと思わされてしまう。
しかしこれも、彼女を打ち滅ぼした当人であるRa'yeniaがいてのことだ。彼女がおらず、彼女に同行していたIngridもおらず、一般の冒険者のみで当たっていたとしたらこうはならなかっただろう。
しかしてこくりと頷いたRa'yeniaが主導権を握るようにさっと腕を動かした。
「いいわ、勝手がわかっていて助かるわね。
ベアトリーチェ、トージの身体を寝かせて、抑えていなさい。これからトージに肉体の主導権を戻すから、きっと混乱するわ」
「分かりました、女史」
彼女の言葉を受けて、Beatriceが桐士の身体を取る。両脇に腕を差し込んで身体を固定すると、彼の身体のうちに宿るポテマがゆっくり目を閉じた。
「いいな? それでは、私はしばし眠る。後のことは任せた」
そう言って、目を閉じてしばし。
うつろな目で目を開いた時に、ポテマはそこにおらず、『俺』がそこにいた。
「……う……あ……」
「目が覚めた、トージ? 大丈夫、自分のことは分かる?」
「ベアトリーチェ……俺は……」
自分の後ろで前脚を抱え、身体を固定するBeatriceが俺の顔を覗き込んでくる。
その様子を満足そうに見遣った、Lykaiosのような姿をしたRa'yeniaが腕を組みながら頷いた。
「人格の復帰は問題ないようね。それじゃトージ、覚悟なさい。
「へ、それって……」
どういうこと、と言うよりも早く。
俺がかつて経験したものよりも何倍も強い陣痛と、快感が、俺を襲った。
「はんんんんっっ!!?」
「産気づいたわね。ベアトリーチェ、もっとしっかり押さえて!」
思わず跳ね上がる俺の身体を、Beatriceがしっかと抑えにかかる。
痛い、気持ちいい、痛い、気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい。
ポテマに肉体を乗っ取られた時よりも強い、強烈な快感の波が、俺の脳味噌を襲ってきた。
子宮から子供を排出するのが気持ちいい。自分の身体から新たな命を生み出すのが気持ちいい。
しかし、俺は確かに違和感を感じていた。生まれてくる子供の身体が、明らかに大きい。
「やっ、にゃっ、ひ、ひにゃぁぁぁぁぁっ!!」
「あらあら、随分気持ちよさそうじゃない。出産よ? 貴方はこれから狼の女王ポテマを出産するのよ、そんなに気持ちよくしちゃって、ポテマが見たらなんて言うかしら?」
「ラエニヤ女史、言葉責めにしかなっていません。トージを昂らせるだけだと思います」
嬌声を遺跡に撒き散らす俺に、Ra'yeniaが言葉をかけてくるも、その言葉は俺を昂らせる起爆剤でしかない。
ああ、気持ちいい。とんでもなく気持ちいい。俺は狼の女王ポテマを出産している。俺がポテマの母になる。
それだけで、俺の逸物はそそり立って先走りをびくびくと垂れ流してしまう。出産する喜びに震えてしまう。
俺はもう雌になってしまった、ポテマの魂が混ざっていることとは関係なく雌になってしまった。出産するのがこの上なく嬉しい、気持ちいい。
そして、遂にその時がやって来た。俺の秘所がぱっくりと、大きく開く。
「んっ、んやぁっ、ダメ、イク、イクぅぅぅぅぅぅ!!」
「ん……っ」
「えっ……!?」
盛大に嬌声を撒き散らしながらイった俺。その秘所からポテマの顔がずるりと吐き出され、ポテマがやっと呼吸できたことに息を漏らす。
それを見て、Beatriceが驚きの声を漏らした。
獣人なのだ。
本来の予定では、ポテマは狼として、四つ足の獣として生まれてくる予定だった。それが今こうしてトージの股間から出産され、生まれ出ているポテマは、Lykaiosと同様の狼獣人の姿をしている。
しかも、その身体が明らかに大きい。既に二歳か、三歳か、そのくらいまで育った状態でポテマは生まれていた。
そんなことなど気にする余裕もなく、愛液と精液と母乳を撒き散らしながら桐士はポテマを出産した。羊水にまみれたポテマが、ゆっくりとその両足を踏みしめて立ち上がる。
「お疲れ様トージ、無事に生まれたわ。もう大丈夫よ。
で、どうポテマ、ちょっと当初の予定とは違っているけれど、具合はいい?」
脱力して両手両足をぐだっと遺跡の地面に曝け出す母体を放って、既に三歳児くらいの肉体に成長したLykaiosのポテマは、はっきりした眼差しでRa'yeniaを見つめた。
「処遇に感謝する、魔術師。一切何の問題もない」
「生まれたばかりの赤子だというのに……女史、これは一体」
信じられないものを見るかのように、Beatriceが俺の身体を見た。それを確認したRa'yeniaが、ポテマの身体を抱きながらくいと顎を向ける。
「ベアトリーチェ、トージのお腹を見てみなさい」
「はい……あ、これは」
促されて俺の身体を見たBeatriceはあることに気が付いた。
先程までぼっこりと、臨月の妊婦のように膨らんでいた腹が、すっかりへこんでいる。本物の狼のように腹は毛皮に覆われ、乳房が複数並んでいるものの、その身体は妊婦のそれではない。
Ra'yeniaが苦笑しながら言葉を続けた。
「トージ・アマヤはきっとたくさんの子種を注がれて、たくさんの狼を孕んでいたことでしょう。それが全部、このポテマに集約されたの。
妊娠していた狼の全てがこの中に詰まっている。数匹分の肉体が一人に集約されている。その分だけ肉体が成熟するのはある意味当然よね?」
「……死霊魔術は、私は詳しくないので、何とも申せませんが」
不思議そうな顔をしてBeatriceがポテマを見た。彼女自身、死霊魔術には明るくない。その辺りの状況は、どうしても察することが出来なかった。
Ra'yeniaが苦笑を零しながら肩をすくめる。そのままポテマの肩をぽんと叩いた。
「ま、トージが完全なふたなりになったこととか、リケイオスになったこととか、ポテマを内包することとか、いろいろあるけどそこは重要じゃないわ。
こうしてポテマは肉体を得た。力を失い、ただ一人のリケイオスとして生を受けた。生来の性質はまぁそのままだけれど、そこは教育次第だし、当人の心持次第ってわけ」
「そこは、流石に私も心得ている。旧来の悪しき私を表に出しては問題だ。新たに生を受けたからには、新たな生を謳歌できるよう、慎ましく生きるだけだ」
慎ましく、新たな生を生きる。ポテマの在位中に彼女の臣下が聞いたらどう思っただろう。
しかし、今は時代が違う。大きく違う。その時代の変化に合わせて生き方を変えていくことは、実際大事なことだ。
ポテマの身体の羊水を拭ったRa'yeniaが、こくりと頷いた。未だ精液の海に浸ったままの桐士に視線を向ける。
今までより大きな子供を産み落としたその快楽から、まだ復帰できていない桐士は喘ぎ声を漏らしていた。この様子では人間らしい姿を取るにしても、元の姿を思い出せるかどうか。
「あぅっ、あぁん、はぅん……」
「聞こえていないかしらね。さぁベアトリーチェ、トージを外に運び出すわよ。私も貴女も妊娠して、今にもお腹がはち切れそうなんだから」
「かしこまりました。我々もどこかで出産しないとなりませんね」
「母上殿たちは大変だな。武器やら防具やらは私が持とう」
そう言いながらRa'yeniaを先頭に、Beatriceとポテマは呆然自失の桐士と、全員が脱ぎ捨てた武器や防具を抱えて歩き出した。
ウルフスカル遺跡の中には、魂を抜かれて横たわる狼の死骸があるばかり。
それらはまるで何事もなかったかのように、虚空に消えてなくなって、あとは精液の濃い匂いだけが残されるのであった。