MOD盛り盛りのスカイリムでドヴァキンの従者プレイ~雇い主が万年発情期なんだが~ 作:Ingwelsh
ようやくソリチュード編の最後の話となります。
どうぞお楽しみください。
それから、三人で一緒に食事を取った、その後のこと。
「さて、それじゃあトージ、ベアトリーチェ、私はしばらく屋敷を留守にするわ。いつここを後にして旅立ってもいいけれど、いる間の用事はジョディスに伝えてちょうだい」
にこやかに、しかし唐突にそれを告げたRa'yeniaだった。俺とBeatriceが、揃ってきょとん顔で顔を見合わせる。
「でかけるのか?」
「ええ、ちょっとウィンターホールドまでね」
何事か、と問いながら発せられた俺の言葉に、さらりと返事を返してくる彼女だ。
ウィンターホールド。スカイリムをほぼ端から端まで横断する形になる。どうせドヴァーキンである彼女の事だから、ファストトラベルでさっと移動してしまうんだろうけれど。
Beatriceが驚きに目を見張りながら、彼女に問いを投げかけた。
「ウィンターホールド……ということは、大学に用事が?」
「そうよ。早急に調べないとならないことが出来てしまったからね」
そう話しながら、耳の付け根を指で掻くRa'yeniaだ。
スカイリムの北東の端に位置する寒村、ウィンターホールドには、スカイリムで最大の魔術師ギルド、ウィンターホールド大学がある。魔術に精通する教師たちと、魔法を学ぶ意思のある者が集まるそこは、タムリエルの第一紀から存在するとされる、かなり年季の入った組織だ。
ウィンターホールドの村は諸事情により荒廃しているにも関わらず大学の建物は無事で、村には我関せずで研究を続けているため村民からの心象は良くないが、第一紀の頃からの蔵書も多く保存している、この世界でも有数の知識の集積所である。
「なんなら、俺達も手伝いに行くけれど……」
「いいえトージ、それは駄目よ」
俺の申し出の言葉に、しかしRa'yeniaはゆるゆると頭を振った。普段から彼女が身につけている、漆黒の色をしたローブの襟を、短い毛に覆われた彼女の指がそっとつまむ。
「私はハーフィンガルの従士であると同時に、ウィンターホールド大学のアークメイジでもある。そのアークメイジが大学の書物を調べるのに、部外者を連れて行くわけにはいかないでしょう?」
「あ……」
その言葉に、俺は何を言い返すことも出来なかった。
彼女は大学のアークメイジ。すなわち大学の魔術師のトップに立つ人間だ。彼女だからこそアクセスが許される情報も、アルケイナエウムにはきっとあることだろう。あの厳格なオークの司書が、秘匿された情報を彼女以外の人物が探すことを、良しとするはずはない。
Beatriceも頷いて、そして小さく首を傾げた。
「仰る通りです、女史。しかし、そこまでして調べねばならない情報とは……?」
「そうね……その内容くらいは、言ってもいいわね」
その尤もな問いかけに鼻を小さく鳴らしながら、Ra'yeniaは小さく指を振った。
「私が調べに行くのはね、
「俺の?」
そして彼女の発した答えに、俺は目を見張った。
俺の故郷の世界。地球。その情報を、スカイリムにいながらにして調べようという。
そんな無茶な。あっちの世界は、タムリエルから知覚のしようが無いものだ。情報らしい情報が、書物の形で残っているなど考えにくい。
「いや、調べるっていったって、どうやって? 俺の故郷の世界のことは、タムリエルの人々には認識すら出来ないはずじゃ」
「そうよ、現実として、その世界のこと……エセリウスの外側の世界のことを、知っている人はいないわ。そこに世界があることを知っている人もいない」
俺の抗弁に、Ra'yeniaは腕を組みながら神妙な面持ちで頷いた。
タムリエルの人々にとって、ムンダスがあり、オブリビオンがその外側、そのさらに外側にエセリウス、という世界構造が全てのはずだ。世界とはそういうものだから。
しかし、それでも彼女はにんまりと、口角を持ち上げながら笑った。
「でも、全くそれを想像できないか、と言ったら、そうじゃないわよ。トージ、貴方はハーシーン神からいろいろと恩恵を授かっているでしょう。それと共に、貴方の帰還に際して、大いに協力していただいているはず」
「……確かに、そうだ」
「そういえば女史も、ハーシーン様の信徒でありましたね」
彼女の言葉に、俺もBeatriceも揃って手を打った。
確かにハーシーン様は、俺のMODによる世界改変を認識していた。それに伴い、俺を地球に返すために非常に尽力してもらっている。色々と、あちらの世界では不都合なのではないかと思われる加護もいただいたが。
俺達の言葉に頷いて、俺達と同じくウェアウルフでもあるRa'yeniaが、両手を大きく広げる。
「ハーシーン神が、この世界に貴方が
その言葉に、行動に、俺は言葉を返せないでいた。
ハーシーン様とは違う側面から、ニルンに生きる、学者としての側面から、彼女は俺に協力を申し出てくれている。俺を、ニルンからは知覚も出来ない世界に送り返すために動こうとしてくれている。
ありがたい。ありがたいが。
「どうして……そこまでしてくれる?」
そう、口をついて飛び出した俺の言葉に、Ra'yeniaは人差し指をそっと立てた。
「エセリウスの外側の世界が本当に実在するのか……学者として、興味があるというのがまず一つ。もう一つは……そうね」
もう一本、中指を立てながら彼女は宙を見上げる。そのまましばし思案してから、Khajiitの賢人はそっと目を細めながら言った。
「トージをその世界に帰す術を見つけた先に、何があるのか見てみたい……ってところかしらね」
その透き通ったアクアマリンの瞳が、俺に向けられる。彼女の右手が俺の方にゆるく差し伸べられる。そうして、彼女は歌うように言葉を紡いだ。
「トージ・アマヤ。異世界からの迷い人。人間でありながら獣になり、雄でありながら雌になったもの。そして異端の生命となったまま、異世界に帰ることを望むもの。その道の行く末が、気にならないわけはないでしょう?」
「それは……まあ」
その発言に、俺はうっすらと口角が持ち上がるのを抑えられなかった。
この人は、純粋な好奇心から、俺に助力を申し出てくれているようだ。我がドヴァーキンの一人ながら、随分と
俺とBeatriceが今度こそ納得したのを見て、Ra'yeniaはさっと身を翻した。イスハーク邸の自室に戻るべく足を踏み出す。
「じゃあ、そういうことだから。何か分かったら配達人をよこすわ。いつになるかは分からないけど、分かったら必ず知らせる。いいわね」
「はい、ラエニヤ女史。よろしくお願いします」
「……ありがとう」
その、確証に満ち溢れた言葉に、Beatriceも俺も、揃って言葉を返した。
彼女に任せられる部分は、お任せしよう。そして俺達は、俺達に出来ることを。
と。
「あ、あのっ」
「ん?」
早速歩き出して俺達に背を向けるRa'yeniaに呼び掛ければ、彼女が足を止めて振り向いて。
再び此方を向いた彼女に、俺はおずおずと言葉をかけた。
「よろしく頼む、Ra'yenia。それと、もう一つ……」
「なあに? 今なら聞けるわよ」
少しもじもじしながら話す俺に、くいと顎をしゃくりながら彼女は促す。
その視線を受けながら、俺は内に湧きあがっていた欲望を発露した。
「地下の搾乳機も……使わせてもらって、いいか? 出来れば、長期間……」
そう、イスハーク邸の地下にある、搾乳機のことである。
あの時は二時間だけしか使わなかったが、あれだけでもかなりの快感を得られたことはその通り。あれを、もっと長時間、一日とか二日とか使い続けて、絞られ続けたらどれだけ気持ちいいことか。
ちらりと隣を見れば、Beatriceが肩を竦めながら苦笑している。こうなることは、彼女にも予想できていたらしい。
そして、持ち主であるRa'yeniaは、小さく笑みを零しながら何度も頷いた。
「……ふふっ、貴方もすっかりあれの虜になっちゃったのね? いいわよ、好きに使いなさい」
そうして改めて、彼女は自分の仕事をするべく去っていった。
それからというもの、俺はソリチュードを旅立つまでの数日間、イスハーク邸の地下に籠もって、搾乳と搾精を行った。以前に比べたら格段に精液の生産量が上がっていることを知ったのは、ここだけの話である。