オレはこの物語の主人公である青山ユウト。
今年で30歳になるサラリーマンで、某地方銀行に勤めている。
そんなオレはある日の休日、よくいつパチンコ店で不思議な台に当たってしまう!!
『次でくればいいな!』
と思うたびに、すぐ当たるのだ!!
だいたいその感覚は、30ゲームから50ゲーム前後だ。
そして、次でそろそろ終了しようとしたその時、不思議な老人に話しかけられた。
「お主、どうやら言葉の才能を持っておるな?」
「はっ、何言ってるんだあんた?人の発する言葉に才能なんて...!!」
「閉店まで打てばかなり出るぞ?それなのになぜ辞める?」
「時間がもったいないんだよ!!オレにはまだ、やることがたくさんあるから!!」
「そぅか...、ならっ!!」
その老人は不思議な人物だった。
「ちょっとそこのお姉ちゃん、『コイツに証拠を見せたいから、少しイヤらしい格好をしてくれ!!』」
「はぃ...分かりました!!」
なっ!?何したんだじいさん!?
いい年こいで若い子ナンパかよ?しかも何、ナンパされてるのにその子、普通に受け入れようとしてるし...。
「お主、余計な事を考えるではない!!これがワシの持つ"言霊"の力じゃ!!」
ちょっと待て!?じぃさん今何と言った?
言霊って、ホントにあの...!?
「この力を使ってワシは今まで人生を過ごしてきたが、もうこの年じゃ...。力も上手く使えなくなったりしてきた...。そこでじゃ、この言霊を使える担い手を増やそうと、ワシは今日から動き始めたんじゃ!!」
言霊って言えば、一種の催眠みたいなもので、しゃべった事が現実のものとなって現れる...不思議な力と言われているが、実際には存在しない架空の力。
だが、時代は22世紀を迎え、科学的技術も色々と進化を遂げた。と言うことは架空とされてきたモノも現実のモノとなって現れてもおかしくないと、オレはとっさに思い始めた...。
「じぃさん...何でアンタが言霊使いに選ばれたのか教えてくれよ!!そして、力の効果がホントにちゃんと証明されたらオレがもらってやるから!!」
「近頃の若いもんは話が通じてこちらも嬉しい気分になるぞい!!では、まず力の効果について説明しよう!!」
そう言うとじいさんは、隣でパチンコを打っていた20代後半のOLに次々と指示をしていくのである。そして、そのOLはそれが当たり前かのように、次々と実行していくのだ。
気づけばそのOLは全裸姿になっていた!!
「どうじゃ?これでも信用せぬか!?ワシはこの世界をこの力でよきモノに変えるべく働いてきたが、この年よりの力ではここまでが限界じゃ...」
話を聞くと、じぃさんのその力は天から捧げられたと告げた。だが、年老いたせいかちょっとしたイタズラは出来ても、本番まではできないと言う...。
一瞬唖然となったオレだが、心の奥底では『前置きが長いんだよこのジジィ!!早くその力、オレによこせ!!』と叫んでいた...!!
すると...。
「いくら前置きしても聞くだけ時間のムダじゃな!!これよりお主は言霊使い!!その力でこの世を素晴らしいものにせよ!!ワシは天国から見守っておるぞ~♪」
と、不気味な笑みを浮かべて去っていった。その後、あの老人はオレの行きつけのパチンコ店に、姿を見せることは二度となかった。