「かーすーみー生きてるかー」
「だ、だいじょぶ、です」
「こりゃあしばらくこのままだな」
地震、昨今予知されている大きいものでなくとも、それなり、部屋の高いところにあった物が落ちてきてあたりに散らばり、部屋が真っ暗になる程度には大きい地震。
「ちょっと、怖いかも…」
「香澄にも怖いもんあんだな…」
「そりゃぁ私にだって怖い物くらいあるってばぁ」
「へいへい、そうですか」
「ねぇねぇ有咲、怖いから有咲のところ行ってもいい?」
「危ないぞ」
「スマホの明かりあれば大丈夫」
有咲の声をたどってゆっくりと暗がりを進む。所々床に落ちた何かに足をぶつけながらゆっくり、ゆっくり歩を進めた。
「有咲ー!」
「いきなり抱きつくな!」
「だって、暗くてなにも見えないから怖いんだもん」
「だったら胸と尻を意味ありげに撫でるな!」
「ねぇねぇ、あ り さ」
優しく背中を撫でられて有咲の背骨から脳に甘い電流が流れた。
もうだめだった。
唇をふさがれる。口の中を香澄に存分に侵略されても有咲に抵抗の意思はなかった。暗がりの中、近い二人の息づかいを感じあう。香澄の息が熱い。
「えっちしよ?」
提案の体をとった強制。
手が這う。
「おへそをくるくる~って、きもちいい?」
「ふっっふっふふ~」
「聞く必要なかったね。まだキスとおへそだけなのにこんなになってる」
下着の間から手を入れて有咲の恥部に触れる。
「ちょっと触っただけなのに濡れてるね」
「……」
有咲の筋をなぞると彼女の背が震える。いい気になった香澄は何度も何度も指を往復させて有咲に快感を送る。
「や、やめろぉ、ばかすみぃ」
「えぇ~こんなに有咲の身体、悦んでるのに?」
下着の中から抜いた指を有咲の口に突っ込んで黙らせる。有無を言わせぬ香澄の嗜虐的な表情を幻視した気がした。
「んっ…」
いつの間にか壁際まで追いつめられていたらしい。逃げ道を失った有咲は身動いでいつの間にか晒された乳首に襲いかかってくる香澄の舌から逃げることしかできない。
「にへないれよ(逃げないでよ)」
くわえながら言うなと反論しようにも口は塞がれて上手く喋れない。気持ちよくて呑まれそうだと有咲は思った。
有咲の膝が崩れてその場に座り込んで、勢いで口から抜けた指が唇と橋を作ってすぐに弾けた。
「出来上がっちゃってるね」
香澄が濡れた指を舐める。もっとも、暗い中で有咲には見えていないが。
「うっせ、え、やるならはやくしろ」
「有咲もやる気だね」
しゅるりと、有咲の脚から下着を抜かれた。はだけたワンピースだけになって香澄に抱きつく。
「いつのまに脱いでんだ…」
「ヒミツ」
裸ん坊になって二人抱きあうと気持ちいい。お互いの温度を感じあって生きてるって感じがする。
香澄のギタリストだけあって固い指先が、有咲の身体を巡る。
心が踊って高ぶりが声になる。
踊らされてばかりは嫌で、有咲も香澄に手を伸ばす。
お互いの秘所を触りあって喘ぎ声が混ざり合う。
「ねぇねぇ、有咲、こっちに脚向けて」
「……んっ」
向かい合って相手の片足を持って気持ちいいところを擦り付けあう。
何度も、何度も、達したって止まらない。
真っ暗な部屋の中で二人の出す音だけが聞こえる。
疲れ果ててそのまま眠ってしまった二人が目をさましたのは電気が復旧していきなり部屋が明るくなったそのときだった。
「香澄、あ、あいしてる」
「え?何もっかい言って?」
「なんでもねぇよ!」
「私も愛してるよ、有咲」
「お、お前ぇっ!!?? ちょまっ!抱きつくな!べたべたする!」