「ん〜……うー……」
オレが首筋に舌を這わせると、膝上に座るフラン(剣)が、擽(くすぐ)ったそうに身をよじらせる。
舌に伝わる柔肌の感触と熱、そしてこれからしようとすることを想像して、オレの頬は熱を帯び、心臓はうるさく鳴り響く。
フランとの初めての魔力供給(性)。マスターとしてリードしたい、そう思うものの、緊張で頭が回ず、次の行動に移せない。
そんなオレを不思議に思ったのか、フランは少しだけ振り向き、心配そうな声を上げる。
「マスター……だいじょーぶ?」
「うぇ!? だ、大丈夫だよフラン。オレ、ちゃんとリードするから!」
強がってはみたものの、声は上擦り、額に汗が滲む。
そんなオレを見てフランは、口元に手を当て小さく唸ると、膝から降りて振り返り、オレの方を強く押す。
加減しているとはいえサーヴァントの力。人間のオレが抗えるはずもなく、間抜けな声を上げながら、あっさりとベッドに倒れ込む。
ギシッ……
ベッドを軋ませ、腰の上に跨るフラン。その頬は紅潮し、瞳は妖しく輝いていた。
「マスターは、寝てて。フランが、いっぱいしてあげる」
ワイシャツのボタンを一つづつ、器用に片手で外しながらそう呟くフラン。
どこでそんな台詞を覚えてきたんだと、問いただしたくなる気持ちをぐっと飲み込み、されるがままになる。
ぷち……ぷち……
ボタンが一つ、また一つと外される度、心臓が強く脈を打つ。それと同時に、緊張とも、興奮ともとれる昂りによって、下半身に血が集中していく。
膨らみ上がるズボンの布地。それに気づいたフランは、一瞬、驚いた顔で肩を震わせる。次いで、恥ずかしさに顔を染めながら、その膨らみに自身の美丘を擦り付けた。
三枚の布を隔てて尚、その美丘の感触は心地よく、これだけで達してしまうんじゃないかと心配になる。
縦に、横に、時には円状に腰を動かして愛撫するフラン。
だが結局は布越しの感触。その柔らかさも、心地良さも、もどかしさに共にある。端的に言えば、物足りないのだ。
「マスター……気持ちいい……?」
「あ、うん。とても気持ちいいよ、フラン」
不安そうなその瞳に、つい誤魔化してしまった。
本当は布越しではなく、直接ふれあいたい、繋がりたいと思う。
だから、今度はオレがリードする。
「フラン、ちょっと腰を上げてくれる?」
「分かった」
フランが腰を上げ、膝立ちの状態になる。
腰と腰の隙間、そこに手を伸ばしてズボンのチャックを開ける。
開けたチャックから手を差し込み、オレは自分の逸物を取り出した。
それは自分でも驚く程に怒張し、脈を打ってヒクヒクと動いている。
フランも、男のそれを見るのは初めてなのか、顔を赤くし息を飲んだ表情をしていた。
「マスターの、大きい……?」
「あー……、どうだろ……。他の誰かと比べたことがないから大きいかは分からないけど、いつもよりは、大きいかな……?」
実際、普段自分でする時よりも大きく反り勃っているのは確かだ。それはきっと、相手がいて、その相手がフランだからだろう。
フランが片手を着くほど体を前に倒すと、反対の手でオレの逸物を逆手に握る。細くしなやかな指の、ややひんやりとした感触が心地いい。
フランはその握った逸物を、優しい動きで扱(しご)き出す。
柔らかな手と、ゆっくりとした丁寧でぎこちのない愛撫。そして狙ったように裏筋をなぞる小指に、早くも射精感が込み上げてくる。
「マスターの、熱い……、ビクビクしてる……」
その熱さに緊張したのか、握るその手に力が入る。
オレはいきなりの痛みに、思わず顔を顰めてしまう。
「っ……! フラン、力……強い……!」
すると、ハッとした顔でフランは逸物から手を離した。
「ごめんなさい、マスター……」
申し訳なさそうな顔をするフラン、その頬にオレは右手を伸ばし、優しく撫でる。
「大丈夫だよ、初めてなんだ。落ち着いて」
「うん、ありがとう、マスター……」
安心したような顔で頷いたフランは、またオレの逸物を握って、ゆっくりと扱きだす。
フランに扱いてもらうだけでもドキドキして、気持ちよくて……、でも物足りない。
もっと、もっと良くなりたいと求めてしまう。それと同時に、視線が低くなる。
下げた視線の先、フランの水着を見れば、うっすらとしたシミが出来ていた。
あぁ、フランもドキドキしてるんだな……。そう思った瞬間、生唾を飲んで右手をフランの腰へと下げる。
「ねぇ、フラン……」
言葉を区切り、水着の縦布部分に親指をかける。驚くフランに、言葉の続きを投げかけた。
「お願い、できる?」
意地の悪い言い方だと、自分でも思う。遠回しだとも思う。
でも、そんな言い回しでもフランには伝わった。その証拠に、フランは左手をオレの右手に重ね、縦布をズラしながら、恐る恐る腰を下ろしていく。
僅かに顕になった恥丘が頭に触れる。濡れた団子のような柔らかい感触が、徐々に飲み込んでいく。
ちゅぷっ……と湿った音と共に中に包まれた途端、火傷しそうな温かさと、水飴のような滑(ぬめ)りが襲う。
そのまま時間をかけて腰を下ろしきると、甘い息が漏れてしまう程の快楽が逸物を包み込む。
それはフランも一緒なのか、普段の無邪気な表情から、未知の快感を噛み締めるような、艶やかな表情へと変わっている。
「フラン、大丈夫? 痛くない?」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ……。マスター、動く、ね……」
人造人間だから初めての痛みが無いのか、フランは平気そうな様子で、腰を動かし始めた。
ゆっくりと腰を上げ、時間をかけて下ろす。上げる度に襞(ひだ)は全体を甘く撫で、下ろす度に優しく包み込む。
穏やかな動きでありながらその快感は凄まじく、気を緩めれば直ぐにでも射精(だ)してしまいそうだ。
「ん……ふっ……うぅ……」
小さな喘ぎと、大きな水音。それらが部屋に響き、甘く熱い吐息が混ざる。
フランは動きを徐々に激しくし、消えいりそうな声で
「マスター……」
と呟いて、右手をそっと伸ばす。
オレはそれに応えるように左手を伸ばし、鏡写しのように掌を重ねて、優しく握る。
その掌から伝わる温もりは、オレが、フランが、今ここに生きてるんだってことを、強く証明してくれているような気がした。
オレが手を握ったことに安心したのか、切なげな表情から、安堵したような、それでいて喜んでいるような表情に変わる。
その表情に、俺の心臓は一層強く鼓動する。自分の中から『好き』が、『愛しさ』が溢れてくる。もっと、もっとと求めてしまう。
フランが腰を振るリズムを確認しながら、フランが腰を上げるのを待つ。
水を叩き、肉を打つ音が何度も何度も鳴り響く。
そしてそのタイミングは来た。フランが息をあげながら腰を上げたその瞬間、オレはフランの腰を掴んで勢いよく下ろす。
「ぅ……っ……!?」
自分のペースをいきなり乱され、唐突に襲うその快楽は、文字通りフランにとって衝撃的で、静かな呻き声を上げて腰を震わせていた。
動きが止まったその隙を、わざわざ逃すようなことはしない。
オレは体を起こして、そっとフランを抱きしめる。柔らかな胸の感触を堪能しながら、オレは体を反転させてフランを押し倒す。
まだ快楽の余韻に浸り、惚けた様子を見せるフラン。オレはそんな彼女の耳元で、こう告げる。
「ごめん、もう我慢出来ないや……」
え……? と困惑するフランの腰を掴んで、オレはただガムシャラに腰を振った。
貪るように、味わうように、求めるように、愛するように、与えるように、オレはフランを犯していく。
主導権を奪われ、暴力的に快感を打ち込まれるフランは、小さな悲鳴を連続させる。
そこに見えるのは、戸惑いと多幸感。欲し、自ら味わうさっきまでの快楽と違い、今訪れているのは、求められ、貪られるような、刺激的で恐怖混じりの快楽。
与えられる快楽に喜びと、いつ終わるかも分からないという恐怖。その二つが綯(な)い交ぜになって、感情がぐちゃぐちゃになったようなフランのその表情(かお)は、より一層オレの欲望を刺激する。
楽しく幸せな時間は、いつかは終わりを告げるもの。
必死に我慢し続けた射精感も、もうすぐ限界を迎える。何度となくフランの中を掻き混ぜながら、オレはその瞬間を待つ。
もう限界、そう思った瞬間、オレはまたフランの耳元に近づき、抱きしめ、奥の奥を突くと同時に囁く。
「大好きだよ、フラン」
一気に放たれる情欲と愛情。それは今まで我慢したこともあってか、いつもよりも長く、強く放たれる。
それがフランの中をいっぱいに満たすと、余剰分が外に溢れ出す。
オレが出すのと同じタイミングでフランもイッたのか、中と身体を、軽く痙攣させていた。
無茶しちゃったな……、と軽く反省しながら、フランを優しく抱きしめる。すると、フランもオレの背中に手を回して、ギュッと抱きしめ返してくる。
それがなんだか嬉しくて、また耳元で好きだと言う。すると、フランが拙く、緊張したような声でこう言った。
「フラン、も……。マスターのこと、大好き、だよ……」
胸いっぱいの愛情を噛み締め、泣きそうになりながら、オレは強く、フランを抱きしめた。
~fin~