インフィニット・ストラトス-GRD/GHOST IN THE BULLET- 作:REDALERT
薄暗広い八角形の部屋、中央に部屋と同じ形の豪奢なテーブルが置かれ、更にその面一つひとつに同じく豪奢な椅子が置かれている。その椅子には一人ずつ黒い服装に身を包んだ8人の女性が座っている。一人は扇子を手に、一人は足を組みテーブルの上に載せ、一人は煙草を咥え、8人それぞれが思い思いに沈黙を保っていた。
やがて煙草を吸っていた女性が灰皿にそれを押し付けると、誰かが小さく咳払いをした。
「アナベラ・イーディス・コートネイより報告。ファング・クエイクの強奪に失敗、向かわせた5人の内3人が敵地で死亡、1人は自殺、もう1人は報告の後
「了解、キーリー・ビートンより報告。イギリスにて第三世代型ISブルー・ティアーズの二号機の存在を確認、名称はサイレント・ゼフィルス。現在送り込んだ工作員からの報告待ちよ」
「了解、ラドミラ・トムシューより報告。フランスとドイツからそれぞれ代表候補生がIS学園へ送られるという情報を入手。ドイツは第三世代型、フランスは
淡々と続けられていく報告。それは彼女達幹部会が定期的に行う重要な行事だ。世界中に網を持っている彼女達が手に入れた情報を伝え、知り、共有し、そして次へと繋げる。第二次大戦時に生まれ、五十年以上も前から活動している組織【
「……最後に、スコール・ミューゼルより報告。朗報よ、【パンドラの箱】を発見したわ」
最後に口を開いた女性の口から放たれたパンドラの箱、その言葉に、7人の女性達は驚愕の反応を示す。ある者はアームレストを叩き、ある者は手にしていた煙草を取り落とし、ある者は、ある者は、ある者は。
やがて部屋が静寂に包まれると、かの女スコール・ミューゼルは再び口を開いた。金髪の、豊満な肉体を強調するような服装に身を包んだ女性である。
「我々がずっと捜し求めていたもの、同士サマーズがその命を犠牲に守り通したもの、それはあの学園にあるわ」
「IS学園? 馬鹿な、あそこにはブリュンヒルデがいる。奴が気付かぬはずがない」
「ラドミラ、パンドラの箱はその身を隠すわ。誰にも見つからないように、真の姿を隠して」
「まさか、ISだぞ? 初期化も無しに別の姿のままでいられるなどと……」
ラドミラと呼ばれた女は右手の親指を口元へと持っていくと、その白く綺麗な爪を噛み始めた。噛み千切らず、ただ噛み続ける。ふやけるまで、ボロボロになるまで。それが彼女の癖。
「パンドラの箱は偉大よ、誰の常識にも捕らわれない。そしてその所有者は、浦城京介」
「浦城、ですって?」
浦城京介、その名を聞いた途端、今まで沈黙を保っていた一人の女性が身を乗り出した。長く銀色に輝く髪を持ったその女性に向け、スコールは笑みを浮かべる。まるで新しい玩具を与えられた子供を見つめる親のように。
「そうよ、イゾルデ。あの時貴方が負けた
「……ッ! 何と言う事だ……そんなことがあってたまるか!」
「何を怒っているイゾルデ、落ち着け」
「五月蝿いラドミラ! アイツは、アイツはこの私を膝で殴ったんだぞ!? このイゾルデの、シュヴァルツ家当主の顔をだ!」
立ち上がり、テーブルに乱暴に拳を振り下ろすイゾルデ。彼女は、京介が初めてISを起動した時に居合わせた一人だった。そして強奪予定だった凱龍を奪う者と守る者に別れ、戦ったのである。結果は京介の敗北、だがイゾルデは彼から一撃を貰ってしまい、激しく自尊心を傷つけられたのである。それ以降、彼女はその戦いを敗北と称し汚点としていた。
「まさか、あのISがパンドラの箱とでも言うのではなかろうなスコール!」
「もしそうだと言ったら?」
「奴を殺し私が箱を手に入れる! もう油断はしない、ニーダー・ブレンネンが焼き払ってくれる!」
右手の薬指に付けられた真っ赤な宝石がはめられている指輪がキラリと輝き、イゾルデはその右腕はバッと振るった。だがその動作の後、スコールの放つ冷たい一言に彼女は固まらざるを得なかった。
「貴女に箱は荷が重過ぎるわ、イゾルデ。無様な死を演出したくなければ、私に任せなさい」
「っ……どうするつもりだ、スコール」
「今はまだ何も? 暫く様子見に徹するわ、焦っては元も子もないもの。心配要らないわ、ファング・クエイク一つ強奪出来ない部下しかいない人とは違うから、私達はね」
小さな舌打ちが何処からか響くと、イゾルデは忌々しげに顔を顰めながら座りなおした。スコール配下の実働部隊は亡国機業の中でも精鋭中の精鋭ばかり。他国から強奪・所有しているISも4機と一番多い。悔しいが、彼女に任せろと言われればその言葉に従う以外選択肢は無かった。
「より良い戦いを、より良い戦争を、より良い兵士を、より良い兵器を、より良い世界を。箱を手に入れ次第、我々は次の段階へと進むわ。それまでに確固たる戦力を、優秀な戦士達を。解散」
スコールの号令の元、部屋の電気が消され漆黒の闇が生まれる。音も無く気配も無く、幹部達は部屋を出て行く。だが次に部屋が明るくなった時、そこにはまだスコールとイゾルデの二人が残っていた。金髪と銀髪、相反する二つの色を持つ二人は互いを正面の位置に捉えていた。
「……私は解散と言ったはずなのだけれど?」
「確かに一番戦力を持っているのは貴女よ、スコール。けど私も同じ幹部の一人、立場上は同じはずでしょう?」
「……それもそうね、それで態々残った理由は何かしら?」
「さっきの報告にあったドイツの代表候補生、例の試験管ベビーよ。言い忘れていたの」
ピタッと、イゾルデの言葉にスコールの身体が固まった。それから面白そうに口元へその細く綺麗な指を持って行くと、クスクスと笑い始める。
「そう、そうなのね。ふふ、ふふふふ、良かったじゃないイゾルデ? 貴女の
「ふざけるな、あんな
「イゾルデ・ボーデヴィッヒ・シュヴァルツ、一時期そう名乗っていたのは誰だったかしら?」
刹那、イゾルデの振るった右腕から炎の線が駆けた。真っ直ぐにスコールへと向かう炎の線、だがそれは、彼女がスッと上げた右腕の前で
「……ごめんなさい、スコール。けどその話を蒸し返すのは止めて、不愉快なの」
「私も言い過ぎたわ、ごめんなさいね。それで、そのドイツの試験管ベビーをどうするつもりなの?」
「別にどうもしないわ。ただドイツの第三世代型を強奪する計画が出た場合、その任は私が受け持つ……それだけよ」
「ええ、どうぞ。イゾルデ・ゲルトラウト・ヴィクトーリア・シュヴァルツ、貴女は強い人よ。私が保証するわ」
イゾルデが鼻を鳴らして部屋を出て行った後、スコールは一人天井を見上げた。イゾルデ・シュヴァルツ、表向きの顔はIS及びその装備を開発する世界第二位の大企業シュヴァルツ社の社長である。シュヴァルツ社はヴァントという第二世代型ISを開発し、現在は第三世代型ISの研究を進めている。開発する装備はどのISでも使えることを念頭に置いている為、ISそのものの業績は悪くとも装備の売り上げだけでもかなりの収益を得ることが出来ているのだ。亡国機業の隠れ蓑として使われているこの会社を、スコールは気に入っていた。
しかし。
「彼女自体は、生き残ることが出来るのかしら? ねえサマーズ、貴女ですら死んでしまうのだから……」
懐から取り出した一枚の写真。背景は何処かの研究所のようで、そこには二人の女性と一人の少年が写っていた。白衣の下にISスーツを着込んだ女性はスコールと、サマーズと呼ばれる栗色のショートヘアをした日本人女性、そして笑みを浮かべるサマーズに頭を撫でられている少年は、十歳程で両手をズボンのポケットに入れ気恥ずかしそうにそっぽを向いている。
「また会いたいわね、君に」
少年を見つめるスコールの目は、何処か憂いを帯びていた。
セシリアとの決闘の後、俺が目覚めてからもう三日程経っていた。凱龍の修理も終わり、何時ものように授業を受け、一夏達と談笑し、ISを操る。少なくとも、暫くはこのまま平和に過ごせるはずだった。
「……で、俺に話って何ですか織斑先生」
とある日の放課後、俺は職員室に呼び出されていた。呼び出したのは織斑先生、何故か職員室に他の先生が誰もいないのが気になったけど、それ以上に俺を見る先生の視線が鋭く、立ったままでいた俺はずっと冷や汗を掻いていた。何かは分からないけど、凄く嫌な予感がするのだけは確かだった。
「ああ、先日のオルコットとの決闘後、お前が長期間意識を失っていたことについてだ。取らせてもらったデータから、漸く原因らしきものが判明した」
「原因、ですか?」
「ああ」
自身の椅子に座り足を組んでいた織斑先生は腕を組んだまま俺を見上げるようにすると、そのまま口を開いた。
「お前の心臓、他人のものだろう」
「……はい」
否定することも誤魔化すこともせず、俺は織斑先生の言葉を肯定する。確かに俺の心臓は、俺自身のものではない。
「四年前にお前の姉が起したIS事故、それが原因か」
「……そうです。死に掛けた俺を助ける為に死に掛けた姉さんは、自分の命を俺に託してくれました。医者も言ってました、あの手術が成功したのは奇跡だって」
忘れてはいけない、だが思い出したくもない四年前のあの日。俺は姉さん、浦城夏希の乗ったISの実験場に見学に行っていた。日本重化学工業共同体の開発した第三世代型試作機【
「浦城!」
「っ!?」
突然発せられた織斑先生の一喝に、俺は身体をビクつかせた。何時の間にか、頭の中をあの日のことで一杯にしてしまっていたらしい。織斑先生の少しだけ心配そうな視線が俺の目を捉えている。
「す、すいません。ちょっと、昔のこと思い出しちゃって……」
「そうか、それはすまなかったな。それでだ、凱龍の中にあったお前のバイタルサインを調べてさせてもらったが、エネルギーが無くなり掛けていた辺りから激しく乱れ始めていたのだ。その時何か身体におかしなところは感じなかったのか?」
言われて思い返そうとしても、その時特に身体に異常は感じなかった気がする。しいて言えば息が上がっていたくらいだが、それはIS同士の戦闘後だったから普通のはずだ。そのことを伝えると、織斑先生は少しだけ悩む素振りを見せてからISを使用する時は気をつけるようにとだけ言って俺を職員室から追い出した。今の話からまたすぐに何か調べるのだろうか。
(結局、嫌なこと思い出しただけじゃねえか……)
乱暴に頭を掻いてから教室へと戻る通路を歩いていると、一組の教室から何やら喧嘩のような大声が通路に響いていた。何事かと思いやや小走りでドアの前まで行くと、俺が開く前に向こう側から勢いよくドアが開かれた。
「アンタ、覚えてなさいよ! ギッタンギッタンのメッタメタにしてギャフンと言わせてやるんだから------あうっ」
そして教室から怒号を振りまきながら出てきた小柄なツインテールの少女がぶつかって来て、俺は思わずその両肩に手を当てて受け止めてしまった。よく考えてみれば、痴漢とか叫ばれないかなと心配になってきた。
「あ……と、ごめん。大丈夫?」
「ううん、こっちこそ悪かったわね。……ふんっ」
鼻を鳴らしてズカズカと去って行った少女の背を目で追った後教室へと視線を移すと、そこにいたのは首を傾げる一夏と何故か怒っている様子の箒とセシリアの姿があった。
「何だ? 今の」
「あら京介さん。今の方、今日二組に転入された中国の代表候補生らしいのですが……どうも一夏さんの幼馴染だそうでして、ねえ篠ノ之さん?」
「ああ、私が一夏と離れた後にやってきたそうなのだが……どうも毎日酢豚を食べさせてあげるなどという約束をしていたそうでな?」
「「今から少し話を聞くところだ(ですの)」」
「い、いや、だから二人共、あれは子供の時の話だからさ、鈴だってそんな深い意味があったって訳じゃ------」
「言い訳無用だ、来い」
箒とセシリアにズルズルと引き摺られていく一夏を見送った後、俺はざわつくクラスメイト達の間を抜けて自分の椅子に座った。一夏達と話して気でも紛らわそうかと思ったが、流石にあの箒とセシリアにいついて行く気はしない。仕方なく教科書を机の上に放り出してから、少しだけ睡眠を取る事にしたのだった。
そうして放課後、何時もの様に一夏が箒とセシリアによるISの特訓に引っ張られるのを見送ってから、俺は一人学園の敷地内を散歩していた。凱龍の修理自体は終了しているのだが、修理に使った予備パーツがまだ馴染んでいないらしくコアが展開を拒んでいるのだ。無理矢理展開させることも出来るのだが、そうするともし先々に何かあった場合が怖い為、それに従うしかない。勿論展開を拒むと言ってもお勧めはしないといった感じで、授業等で戦闘以外を行う時はすんなりと展開出来る。専用機持ちが専用機を使えない程、無様な話はない。
と、ブラブラと歩いている俺の視界に、向かい側から歩いてくる小柄なツインテール少女の姿が映り込んだ。例の鈴とかいう中国の代表候補生だ。彼女は俺の姿を見るやいなや、何故かニコッと明るい笑みを浮かべて駆け寄って来た。そして開口一番、こう言い放った。
「ねえねえ! 一夏が今何処にいるか分かる?」
「ん? あ、ああ、えーと、確か第二アリーナだったかな。そこでISの特訓してるよ」
「サンキュー! アンタ、浦城京介でしょ? アタシは凰鈴音、宜しく! じゃあね!」
そう言ってズイと突き出された右手を思わず握り返すと、彼女……鈴は握手した手をブンブンと上下に大きく振ってから走り去ってしまった。流れ作業のように終わってしまった挨拶に何だかなぁと思いつつ、同時にまた一夏の周囲が騒がしくなってしまうのかと辟易してしまう。
「……ま、いっか」
考えたって仕方ない、凱龍が完全にならなければ何も出来やしないのだから。
そして翌日、俺は激昂した鈴と困惑する一夏に遭遇することとなる。更に知らされる五月に開かれるクラス対抗戦の存在、息巻く鈴と混乱する一夏を振り回す箒とセシリア。俺に若干の疎外感を感じさせながら、再び波乱に満ちた生活が始まろうとしていた。
「やっぱりそっかぁ。アレはちーちゃんのところにあるんだねぇ」
地球上の何処かに存在する謎のラボ。その中の一室、スパナやネジといった工具類が乱雑に玩具のように置かれた部屋の真ん中にその女は立っていた。不思議の国のアリスをそのまま絵本の中から引っ張ってきたような青い服装、そしてその頭に装着された異様な機械のウサ耳。彼女こそ、ISを開発し現在は各国から追われる身となっている天才科学者【篠ノ之束】である。
『ああ、コアの中にお前が設定したものではないブラックボックスがあった。間違いないだろう』
束は携帯もインカムのようなものも一切持っていない。だというのに、虚空に向けて言葉を飛ばせばそれに対する返事が虚空から帰って来る。それは彼女の創ったISの通信機能を応用した、ちょっとした遊び道具だった。その話し相手はIS学園にいる織斑千冬、世界最強の名を持つその人である。
「そっかぁ、ちーちゃんがプロテクトを解除するっていうのは無理だよね?」
『ああ、通常のISなら兎も角アレではな。こっちでは設備が不十分だ』
「今持ってる子をサクッと殺しちゃってさ、機体ごと持ってきちゃいなよ」
『馬鹿を言うな、流石に不自然過ぎる。それに今の所有者は少し問題を抱えていてな、すぐに封印が解けることはないだろう。それまでに対策を考えられるだろう? お前なら』
そりゃあね、と返事を返した途端、束のウサ耳がビクッと震えた。通信が切れたのだ。暫く虚空を見つめていた束だったが、つまらなそうにため息をつくと両手を前に伸ばした。刹那、その掌の下に多数のウィンドウが展開されていった。それぞれに一つずつISの設計図が描かれているそれを眺めながら、彼女はその十本の指を目にも留まらぬ速さで動かしていく。その指の動きに連動して、ウィンドウの中のISが次々と立体化されていく。
「全く、ちーちゃんも律儀だなぁ。ま、気持ちは分かるんだけどね。でもでも、束さんは今忙しいから手伝うことは出来ないのだ! てへっ」
一機、また一機とISがウィンドウの中で完成していく。まるで流れ作業のように、子供がブロックを積み重ねて遊んでいるかのように。彼女にとって、ISを作るのは至極簡単な作業なのだ。
「さーて、みんな大嫌いなテストの時間だね」
パチン、と束が指を鳴らせば、彼女が今いる部屋が一瞬にして透明と化した。壁も床も透明になり、その部屋があった巨大な空間が露になる。部屋はその空間の一番上の部分に位置し、真下には廃墟のような街の模型が広がっていた。全てが、実物と同じサイズで。
「今回は数が多いけど、大丈夫かな? くーちゃん」
『はい、問題ありません』
何処からか聞こえてきた少女の声に満足げに頷くと、束は新たに目の前に表示させたウィンドウを人差し指で軽く突いた。赤いボタンのような絵が描かれていたそれが指先に反応して押されると、眼下の廃墟で幾つかの閃光が瞬いた。廃墟の間を縫うように飛んでいる紅のIS、そしてそれを追い掛けている多数のIS。追い掛けている方のISは、さっきまで束がデータ上で立体化させていたものと同じだった。
集団で襲い掛かるIS達を紅のISは翻弄し、一方的に破壊していく。その様は正に圧倒的と言う他無い。斬り、撃ち、潰す。廃墟に砂のように撒き散らされていくISの破片を冷めた目で一瞥し、束は紅のISの挙動に注目する。彼女がある人物の為に心血を注いだ、言い換えれば本気で製作したIS、そのスペックの高さを確かめる為に。
やがて紅のISが
「流石だねくーちゃん、紅椿も完璧だよ! お疲れ様、機体は整備ドッグに回しておいてね!」
『了解。……ありがとうございます』
紅のIS【紅椿】を操っていた少女に労いの言葉を掛けた後、束は部屋の透明化を解除した。そして嬉しそうにクルクルとスカートを翻しながら一回転し、懐から一枚の写真を取り出した。そこには彼女と、彼女の
「もう少しだからね、箒ちゃん。もう少しすれば、前みたいにみんなで暮らせるから。私と、箒ちゃんと、ちーちゃんと、いっくんの四人でね。ふふっ、ふふふふっ」
小さく笑った後、束は天を仰ぐ。無機質な天井で塞がれていても、彼女にはその先に広がる空が見えているようだった。その空へと写真を翳し、束は小さな声で呟いた。背筋の凍るような、冷たい声で。
「あーあ……早くみんな、死ねば良いのに」
遂に亡国機業と篠ノ之束の登場です、あと鈴も←
亡国機業はまだどのような組織か不明な点が多いので、こちらで考えた設定を使っています
亡国機業はISメーカーの一つである、とかいう話もあるようなので、案外間違ってはないかと思うのですが
次回はクラス対抗戦、漸く一夏の戦闘シーンが描かれるはず……です
お楽しみに!