「クソッ! クソッ!! クソがあァッ!!!」
明かりの消えた自室に、口汚い罵倒が何度も響く。
己の黒髪を振り乱しながら、恐らくは鬼のような形相で。顔も知らぬ誰かを呪って唾を吐く。
「何処の馬の骨がっ! 至高のっ、至高の御方とッ!! わタっ、私との会話中にィイ゛っ!!!!!」
右手が下着の中で暴れ回り、ガッシュガッシュと激しい水音をたてて自身の女を慰める。
思い起こすのは先程の報告。ナザリック地下大墳墓に未だ籍を残す唯一の至高、さば味噌さまとの短い会話。その最中に、何処のどいつか知らないが、彼の御方との情事を間接的ながら、この守護者統括たる私に聞かせてきやがったのだ。
許せない。ゆるせない。許せない。絶対に、許せなイギビビビビ――ッッ!!!!!
なんたる不敬。なんたる邪悪。なんたる淫蕩か!!
私だって未だ一度も御寵愛を頂いた事が無いのに。これがナザリックの同胞ならばまだ許せる。だが知っているのだ。さば味噌さまが幾度も外部で、現地の下等生物相手にその至高の精を注がれておられるという事実を!! 淫魔としての嗅覚が察せてしまうのだ!!
ああ妬ましい! 至高の御方の御意向だからこそ邪魔など出来ぬが、何故その相手が私では無いのだ。淫魔としての技ならば自信がある。きっと、絶対、御満足頂ける筈なのにっ。あの可愛らしく歪むお顔が私の中で果てる度に熱い涙を零し、先程の伝言のように、あるいは数日前に二の腕を撫でたあの時のように、性に似合わぬ甲高い声で喘ぎ声を――!
ああ。ああ。ああ!!!
「うっ! ……ふぅ」
ぽたぽたと黒髪から己の汗が滴った。
雫を払い、己の髪を最低限見苦しくないように撫で付ける。すぐに汗を流し、身なりを整え、万全の体制をもって至高の御方を出迎えなければ。
脳内にて準備に必要な時間を秒に至るまで細かく計算しながら、寝台から腰を上げて歩を進める。
「寝取られというのも結構クルものなのね……。くふーっ!」
酷く清々しい声音で、そんな言葉を呟きながら。
□
カルネ村に砦が建っていた。
????
なんでド田舎の開拓村に立派な砦が建ってるの? ナザリック基準で
俺の脳内は今疑問符ばっかりじゃい!!!!!!
どういう事だ。いや、まさか。……そういう事か?
未知の異世界にやって来たのにシモベを全く頼らない俺が、初めてナザリック勢に対する具体的な命令を出したから阿呆共が張り切り過ぎちゃった、とかそういう事なのか? それとも本気であいつら俺がこういうのを頼んだと思っている、とかは流石に無いですよね……?
「アルベドォ!!!!」
「はい。我等が至高の御方、さば味噌さま。守護者統括アルベド、御身の前に」
「これどういう事????」
聞けば、つらつらと説明を聞かされた。
先の偽帝国兵士による襲撃から、カルネ村一同は村の防備が必要である、という結論に達していたらしい。
今まではトブの大森林からの魔物による襲撃も無く、平和そのもの。ゆえに護りを意識した事など全く無かった。だが違ったのだ。敵は来る。予想もしない方向から、それこそ同族たる人間であろうとも。
最初は柵を設けていただけだった。
次に村の男手が声を挙げ、自分達だけでも戦えるように、と素人の生兵法だが手製の武器を揃えたり振るったりして頑張っていた。
その成果は、特に無い。
当然だろう。そもそも敵など何も来なかったのだ。仮に来たとしたら、多分村は全滅していただろう。
それでも万が一の事態を恐れて素人同士、意見を出し合って色々試していたのだが、時間ばかりが過ぎていく。徒労に感じる、先の見えない未来への不安と、乏しい備えを見るたび感じる自分達自身の至らなさ。
そこにやって来たのが、村の恩人たる俺の配下を名乗る
……しまった。種族誤魔化すように言ってなかったな。
ナザリックの奴らも、自分の出自や所属を誇るタイプだ。俺からの命令でも無ければ偽りなど口にすまい。いや、結果として受け入れられたというのなら別に良いけど。何時の間にエンリが村長に? 襲撃での死人は居なくなったのに結局就任するとは、そういう星のもとに生まれたのだろうか。
「で、
砦を見上げる。でかい。宵闇の下で黒光りして実に強そうだ。
更に左右方向へと広がる城壁までもが建設中で、一体何と戦う事態を想定して造っているのかと疑問が尽きない。
俺が細かな調整は覇王の意向を汲んであげてね、と言ったのが原因だったらしいが、汲み過ぎだろう。明らかに過剰だよ。ちょっと事情を話しただけのエンリも、想定を遥かに高く超えられ恐縮してしまったらしい。
「はい。さば味噌さまも、随分と
だって覇王だからね。
何時も通りの判を押したような笑顔を向けてくるアルベドに、生返事をして溜息を吐いた。
まあ、大丈夫だろう。何か問題が起こっても、ナザリックのNPCが複数居て解決出来ない事態なんて中々無い。そもそもこの村への援助に関する一切はアルベドが指揮を取っているのだ、ナザリック頭良い勢の一角が見てさえいれば、少しばかり派手過ぎる結果になっても不測の事態で爆発オチなどという惨事にはならない。周りへの配慮とかもコイツなら普通に出来るだろうし。
うん、大丈夫だな。
「分かった。アルベドなら大丈夫だろ。このまま任せるよ」
「ああっ、勿体無い御言葉です!」
彼女の頭脳に対する信頼を口にすれば、感激した様子を隠しもせずに跪く。
やめてよね、此処はナザリックの外なんだから、夜間とはいえ本日の撤収作業のため未だ疎らに居残っている村の人目が チラチラこっちを向いているぞ。無駄に目立って恥ずかしいじゃないか。
ほら、あっちの方からも金髪碧眼の超絶美少女が興味深そうに俺達を見て――らっ、らららラナーだああああああ!!!!!!! あーっ!! あーっ!!
ひゅーひゅー呼吸が乱れて身体も震える。
こんな宵の口に奴と会うなんて、本気で驚いてしまったじゃないか。
見ているとクライム君が夜中に出歩くラナーに苦言を呈し、申し訳なさそうに しょんぼりする王女の姿に大慌てて両手を振って否定する様が結構笑える。しょんぼりラナー可愛いな。いや、内面を考慮しなければ、だけどね?
ちらちらラナーに視線を向ける俺を見て、傍らのアルベドが口を挟んだ。
「
覇王炎莉 VS 黄金の姫、
いやいや、流石にエンリが不利だろう。純朴な村娘が悪い影響を受ける可能性が否めない。
ラナーに関してはナザリックのシモベ達に囲まれた現状で下手な事は出来ないと思うし、此処の監督はアルベドだから大丈、……大丈夫? 裏で仲良く手を組んでたりしない?
アルベドの頭脳は信じているが、頭良過ぎるから逆に変な事しそう。
世界征服するよ! なんて言っていない俺だし、設定も弄ってないから大丈夫だよね、きっと。
余り言葉にしてしつこく訊いたら「至高の御方の信頼を得られぬ我が身などグワーッ!」とかされそうだから お口にチャックする。今こそ至高の器を見せるときじゃろ。大丈夫、俺はお前達を信じるよ!
「じゃあ、帰るか」
「お供いたします、さば味噌さま」
そういえば、こっちに来た一応の理由である亜人種は、シモベ達の手によって あっさり殲滅されたそうだ。
そりゃそうだよね……。覇王の部下となる好機を失った彼等だが、どんなものでも貴重な資源。彼等の死骸も、きっとナザリックの地下で我等がギルドに貢献してくれる事だろう。
つい先日も、ニグン製の
人皮紙によるスクロールとか正直素手で触りたくなかったが、現状でも第五位階魔法を篭められるという事で、製作に携わったNPC及びニグン聖典には何か褒美を取らせようかと考えている。そう言ったらデミウルゴスが滅茶苦茶尻尾振って喜んでいたのは少し面白かった。ふふふ、俺は褒めて伸ばす事の出来る至高の上司だぞー。
場所は変わって数分後、ナザリック地下大墳墓にて。
力任せに揉み潰された女の乳房が、メイド服ごと大きく歪んだ。
「ああっ! そんな、さば味噌さまっ。いけません、こんな事はいけません!」
「
「ああ! ああん! こんなのナーちゃんに悪っ、だっ、そこ駄目っすう!」
背後から抱きすくめたメイドの身体が、俺の腕の中で暴れ回る。
だが逃がすわけが無い。お前はメイドで、俺は御主人様なのだ。特に今日は色々あってセクハラしたい気分だったんだ、そんな大袈裟に嫌がられても ちょっと胸が痛いだけ。この丸々と実った大きなおっぱいを好き放題貪られて喘ぐが良いわっ!
「嫌がってる癖にノーブラじゃねーか! 誘ってたんだろう!? あぁん!?」
「ち、違うんですぅ! これは、これはあ!」
「ふははははーっ!」
すっごいたのしい。
ルプスレギナが身を捩るがその動きは弱々しく、簡単に抑え込める程度のものだ。
胸元の布地からは軽く乳首の形が浮き上がり、触って嬉しく見て楽しい。口では否定しながらも身体はちゃんと反応するし、立場ゆえの消極的過ぎる抵抗も、分かり易いほど小さなものだ。
俺、今、すごくマウント取ってる。やばい、今のルプスレギナの事ちょー好きだよっ、俺!
感極まって好きだ好きだと物も考えずに耳元で囁く。耳、……ルプスレギナの耳って頭頂部のコレ? それとも顔の横に、髪で隠れたのが付いてるの?
世界の真実を解き明かすべきか否かに心が迷い、両手の動きが鈍ってしまう。しかし既に勃起している股間は変わらず彼女の豊満な尻にぐいぐい押し付けられており、先走りが俺のパンツを濡らしていた。
快楽に歪む口元を見ながら、褐色のふにふにほっぺにキスをする。耳の件は、また今度だ。
「おらっ、股開けよルプー。また、……パンツ履いてないじゃんお前ェ!?」
「あっ。それは、さば味噌さまの御姿が見えたので御手間をお掛けしないように、と……」
「やっぱり誘ってんじゃねーかオラァーッ!」
「きゃーっ! っす!」
今の俺は強引に部下を手篭めにする悪い上司だ、前戯などしない! ぬるりと湿ったルプーのまんこに俺の
しかし、二度ほど射精した辺りで俺の研ぎ澄まされた戦士の勘が警告を発した。
「――誰だッ!!!!」
アイテムボックスから取り出した神器級装備の
「あわわ……っ、も、もうしわけございませんっ!!」
其処に居たのは頬を紅潮させて半泣きになった、何時かの金髪メイド。名前は確か、えっと、……とにかく金髪メイド。長い金色の髪に整った容姿の可愛らしい、癖の無いスタンダードなメイドさんである。
覗かれていた。
それに気付いて、精神的な理由から心臓が強く締め付けられる。ちんこも縮んだ。
俺がナザリック公認の恋人シャルティアに隠れて、しかも権力に物を言わせたレイプレイに興じている姿を、至高の御方と呼び習わし心底から敬ってくれる忠誠心豊かな一般メイドに見られてしまった。
不っ味ぅーい!! これは不味いですよ たっちさん!
「ふふふ、覗き見なんて良くないっすねぇ~。良くない、これは実に良くないっすよぉ」
状況に混乱する俺を余所に、先程まで ひんひん泣いていた筈のルプスレギナが、元気溌剌な仕草で立ち上がる。
そっと金髪メイドの背後に回り、その細い肩を掴んで俺を見た。
――すごく、悪い顔をしていた。
「さば味噌さま、これは口止めをしなければなりませんね。非常に心苦しいのですがっ、主人の秘め事を覗き見たイケないメイドには罰を与えなければなりません!!!」
そっ、そうだな!
全くもってルプスレギナの言う通りだ。罰と言う名の口封じを敢行しなければ、俺も今度こそ第二次ナザリック事変を起こした上で、今度は帝国辺りに出奔しなければならなくなる。
アルシェちゃんペロペロ! と脳内において軽く錯乱しつつ、ちんこ丸出しの格好でメイドに近付く。
「ぁ、あうあうあう……っ」
やがて徐々に屹立する
ひたり、と俺の熱い
性的な接触に視線が泳ぎ、しかし頬の触覚と視界の端では勃起したソレを捉えているのだろう、僅かずつ乱れていく呼吸が、詳細は知れないが彼女の心中を表している。
そのまま、ゆっくりと性器で顔をなぞった。
先走りに濡れた先端が金色の毛先を軽く掻き上げ、ふるふると震える睫毛が、棒の裏筋に繊細な刺激を与えてくれる。快楽によって玉袋が打ち震え、もう出ても良いよね? と言っている気がするがまだ我慢。流石にここでは早過ぎる。
「くわえろっ」
荒い呼吸に紛れて、酷くか細くなった声で命令する。
震える唇をそっと開いて、金髪のメイドが両目をぎゅ、と閉じた表情で俺のちんこを咥えてくれた。
――で、即座に射精する。
クソァ!!!!!
先端が唇の向こう側に姿を消した時点で、腰が震えて三度目の射精が行われる。
宙に浮いた両手で掴むものも無く左右の五指を固く震えさせ、出し切った疲労による大きな呼吸で肩が弾んだ。
僅かに空気が揺れていた。ねえ誰か笑ってない? 気のせいだよね? ねえルプー?
いきなり精液を口内に注がれたメイドは、口の中のものが零れないように顔を上向け、ちんこの最先端を唇だけで咥えたまま、飲み込む事も吐き出す事も出来ずに両目を閉じ切ったまま身を震わせていた。
僅かだけ開いた口の中から漏れ出す吐息は熱く、俺のちんこを炙って癒す。
ああ、なんて健気なメイドだろう。
口止めと称した性的行為の強要に対し、彼女は何一つとして抵抗出来ず、必死になって耐えているのだ。
滾るじゃないか。再勃起した。
「飲んで?」
嬲るような口調でメイドに告げる。
それを聞いたルプスレギナが、びくびくと震えて己の股座を両手で押さえた。何やってんだコイツ。
ぐっ、とメイドの喉が動いた。
ゆっくりと、何回かに小分けして口の中の精液を飲み干しながら、それでもメイドは口からちんこを離さない。生真面目で、健気で、一生懸命な彼女の性格が窺える。もう四度目の射精をしそうになってしまう程、この女の子は仕草の全てが股間に悪い。
飲み干した辺りでちんこを離し、身を屈めてメイド服越しの乳房に、濡れた男性器を押し付けた。
ちんこの先端だけが柔らかく沈み込み、彼女の胸の真っ白な布地が、湿って僅かに色を変える。
熱に浮かされたように薄っすらと目蓋を開いた表情で、全身を震わせながらメイドが必死に耐えている。その姿に、腹の底から熱が噴き出す。
出る。
出る、出るっ、出るぅ!
興奮がヤバイ。先程までのルプスレギナとの性交よりも高ぶっていた。
両手を伸ばして胸の両側を掴み、こちらへと引っ張り出すように おっぱいの形を強調させた。そしてそのまま、衣服の合わせ目に向かって腰を強く突き出し、僅かに先端が奥へ沈んだ所で我慢出来ずに射精した。
あ゛ぁ、ホントきもちいい。
「はっ、ふう、ふう……!」
「おぉ……っ」
己の荒い呼吸が鼓膜を震わせる中で、感嘆するようなルプスレギナの声が聞こえた。
視線を下げて見下ろした先、金髪のメイドは赤くなった顔と潤んだ瞳で、汚された自分の胸元を見下ろしている。その口元には僅かに俺の体液の残りがこびり付き、清潔感溢れる容姿との落差で男の情欲を刺激する。
射精直後で力を無くし、しかし未だ膨れた形のままの ちんこを、メイドの顔に押し付けた。
「ふあ……っ」
押し付けた先の唇、その隙間から零れた呼吸がモノを擽る。
唇と頬から始まり、少女の顔がゆっくりと粘液で濡れていく。その胸元を見下ろせば、メイド服の純白が内側に溜まる精液によって汚らしい染みを広げていた。
その細腕を掴んで、部屋の寝台へと引き立てる。
少女の体躯を軽く放れば、柔らかな夜具が大きく沈んで柔らかに弾んだ。
真横から、ルプスレギナが犬のような短い呼吸で己を慰める音が聞こえる。だがそちらに気を払うだけの余裕は無い。今の俺が手を伸ばせるのは目の前のメイド一人だけ。
「捲れ。捲って見せろっ」
メイド服のスカートを顎で指せば、真っ赤に恥じ入る顔をしたメイドが隠されたそこを、己の股間をこちらの視線に大きく晒した。
ほう、と熱い吐息が口から漏れた。
シンプルで可愛らしい飾りの付いた薄手の下着を、手で掴んで乱暴に引っ張り、中身を暴く。
正直、もう我慢出来ない。びくびくと股間が震えて、何もしなくたって吐き出しそうだ。
下着のウエスト部分を力尽くで引っ張って、形が崩れるとかゴムが伸びるとか一切気にせず、暴徒そのものの手付きで彼女の下半身から引き剥がす。小さく控えめなメイドの悲鳴が耳朶を叩くが、聞いていられる余裕は無い。
やがて晒される閉じた女性器に、俺の一物を突き付けた。
お互いに、乱れた呼吸が混ざって聞こえる。もっと濡らしたりと準備するべきなのだが、これは覗き見をした いやらしいメイドへの御仕置きなのだと言い訳をして勃起したものを押し付けた。
ちゅ、と湿り気が先端に触れて音を立てる。酷く小さいが、確かに聞いた。
だから、もう十分だと嘘を吐いて、準備不足なそこに強く肉の棒を押し込んでいく。
「ふ、ぅ――うっ!」
少女が呻いた。俺も、気持ちの良い締め付けに同じような声を上げる。
先端が埋まった時点で一度止め、呼吸を整える。間近に見える丸出しの太腿を手の平で撫でて、小さく伸ばした舌で舐めた。瑞々しい女の肌は、ただそれだけで口中を潤す。
そしてもう一度、彼女への侵攻を再開する。
途中で射精してしまったが、構うまい。もっと奥へ。もっと奥へと腰を進めていく。
半ばまで入った時点で一度引き、内側の痛みか只の肉体的な違和感か、メイドの喘ぐ声音に腰が震えた。
打ち込む。
腰を鷲掴みにして力一杯、しかしゆっくりと己の雄で彼女を味わう。何度も突き入れては ちんこを絞る膣肉の感触に声を上げ、最初は小さく、やがて大胆に腰を振り始めた。
ああ、ああ、と二人で揃って声を上げる。中で弾けた射精の快感に、それでも腰の動きを極力止めない。
キスがしたいな、と思って汚してしまった唇を見下ろす。
下げた視線が少女のそれと合わさって、己の思考が抜け落ちた。
開き直って唇を合わせる。ぬちぬちと唾液を混ぜる音が鳴り、肉の絡み合う音が口の中から鼓膜を揺らし、更に興奮を掻き立てる。止まらない腰の動きで何度目かの射精を行い、やがてどちらともなく寝台の上へと倒れ込んだ。
二人分の呼吸の音と、部屋の何処かから聞こえる駄犬の自慰をする水音が、意識の端を捉えて離さない。
そっと片手を伸ばしてメイドの金髪を軽く撫でれば、満足気な吐息が傍らから聞こえた。
落ち着いたら、遠回しに名前を聞こう。
そんな事を考えて、俺はゆっくりと目蓋を閉じた。
□
――その陰に。
「はあ、はあっ、さば味噌さまっさばみそさまっ!」
独り己を慰める幼い闇妖精が居た事を、今はまだ悪魔以外の誰も知らない。
斬った扉がそのままだった件。