※この作品はR-18です。

オバロキャラとスケベする話   作:ENE

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第八話 王国の姫君を拉致強姦する話

王都リ・エスティーゼ上空。

球体型の飛行ゴーレムの背に立って、俺は王族の住まうロ・レンテ城を見下ろしていた。

 

目的は一つ、セックスだ。

標的は一人、ラナー王女だ。

 

――もうこの時点で胃が痛い。

 

ふうふう短く息を吐き、腹部を押さえて蹲る。

此処までの足として使った球体ゴーレムが、胴体各所をピカピカ光らせ俺を気遣ってくれるが効果は薄い。

だって、あのキチ姫様だ。正直逃げたい。ヤりたいけれど、ヤりたくない。

 

ラナー・なんとか・ヴァイセルなんとか。

リ・エスティーゼ王国の第三王女。黄金と称される慈愛に満ちた美貌の姫君というのが世間の評だが、その実態はアルベドやデミウルゴスに並ぶ知性を有した性格破綻者、精神の異形種。簡単に言ってしまえば ちょー頭の良いヤンデレだ。

実の兄にさえ化け物呼ばわりされるアンチクショウ。それが今回のターゲットである。

 

「……帰ろうかな」

 

弱気の虫が鳴いている。

戦闘能力だけで考えるなら、現地住民に何をされても問題無い。まして相手は肉体だけなら戦いと無縁の御姫様。バッと押し倒してズブッと挿れてピュッと出して逃げれば良いだけだ。

しかし幾度己の武力を確認しても、内心の不安は拭えなかった。

 

率直に言おう。精神が異形とか言われる奴を相手にして、精神的にマウント取れる気が全くしない。

俺のハートは繊細なのだ。具体的に言うとナザリック内に初体験のセックス・レポートが出回ったせいで半狂乱になってゴキブリ部屋に突撃した上で恐怖公の眷属相手に大量虐殺かますくらい。

 

ズブッと行った状態でなお冷たい視線を向けられてしまったら、俺の心が死んでしまう……!

 

だけど相手は金髪碧眼のリアル御姫様、エロ的に考えても希少属性のてんこ盛りである。ナザリック一のセックスモンスターを自称するこの俺に、アレに手を出さないという怠慢が許されるだろうか。

手を出したら些細な反撃で精神死を迎えるかもしれないが、出さないと負けた気になる。気持ちは大事だ。やる気が犯る気に変わるというのは、実に理に適った話だろう。

 

うじうじと悩みながら月を見上げる。とっても綺麗な満月だった。

それによって、ふとシャルティアを思い出す。月と言えば吸血鬼、吸血鬼といえば(うち)の子だ。

 

「シャルティア、俺に力を貸してくれ……」

 

思えば初日に手を出して、ユリに預けた伝言を除いて十日以上、ほとんど放置プレイしかしていない。あの性癖盛り盛り吸血鬼ならばそれさえ御褒美かもしれないが、これは全力で埋め合わせをしなければ「わたしとのことは遊びだったでありんすか……?」とか哀しそうな顔で言われて俺が血を吐く羽目になる。というか、想像しただけで心臓が痛いくらいの衝撃を受けた。やばい。

 

一国の王女相手に夜這いックスとかやってる場合じゃねえぞ!!

 

帰らなければ。

俺はもうちょっと、身近な相手をこそ大事にするべきだ。というわけで、やはりラナーは無い。クライム君と末永くお幸せにねっ!

 

「行くぞゴーレムくん!!!!!!」

『ごっ!』

 

俺の呼び掛けに答えて、球体型ゴーレムが再度不規則な光を放つ。

宙を滑るように王城へ向けて疾走する。そう、目指す先は、――ラナー王女の私室である。

 

違う、そっちじゃない。

 

やめやめろ。行くぞと言ったが方向が逆だ。俺は墳墓に帰るんだ。シャルティアに真っ白なウエディングドレス着せてのコスプレイで数日振りのラブラブックスをするんだ!

そっちに居るのは胸パッド入り銀髪吸血鬼ではない、原作アルベドと並ぶ接触禁忌(アンタッチャブル)

だから止まれ止まってお願いします。無理無理ぜったい無理だってば! アレ相手に俺が精神的優位(マウント)取れると思ってるのか!? いいのか、酷い事になるぞ? 俺の心がな!!!

 

ああああああああああああ。

 

「助けてモモン様――っ!!!」

 

轟音。

 

王城を揺るがすほどの衝撃が都市内に響き渡り、俺は国の中枢へと踏み込んだ。

分厚い城壁を見事貫通したゴーレムが巨体そのままに大穴を開けて、大量の土煙の中で誇らしげにピカピカ光る。

 

「おのれ、るし★ふぁー。絶対に許さんぞ貴様ァ――ッ!」

 

おそらく多分、俺の言葉不足が原因なのだが。

今はもう居ない製作者に毒を吐き、全身を白く染める埃を払う。

へばり付くように掴まっていたゴーレムから床へと降りて、惨状としか言えない有り様を晒す王女の私室を視線でぐるりと見渡すと――。

 

身体の半分をグシャグシャにへし折られた少女が其処に居た。

 

「うぎゃあああああ――っ!!!!!?」

 

己の目にしたモノが何かを理解し、頭を抱えて絶叫する。

全身の各所から血を噴き出しながら、暗い瞳で俺を真っ直ぐに見つめるラナー王女が、瓦礫に埋もれるような形で倒れていた。

 

余りにも瀕死過ぎる。死んでいないのは単に運が良かっただけだ。

いや、むしろ暗闇の中でさえはっきり分かるほど明確に手足の折れ曲がった身体を見れば、痛みでショック死してもおかしくない。どちらが良いかは人によるだろう。俺ならどっちも御免であるが。

 

アイテムボックスから最上級の治癒薬(ポーション)を取り出し、治療が間に合わず死んだ場合も考慮して、蘇生の短杖を一緒に掴む。

相変わらず真っ直ぐこちらを見つめているラナーだが、俺をそんな目で見ても無駄なのだ。

だってお前のそれって偶にアルベドが向ける視線と一緒だし。……あれっ、俺って実は結構ピンチ?

 

過ぎった不安に首を振る。このままだと目の前の重傷者が死んでしまう。俺は彼女をレイプしに来たんだ。処女のまま死なせるなど男の名折れ。即座に治療をしなければ。

傍らに膝を突き治癒薬を、ぶっかけようとした所で声が掛かる。

 

「――こんばんわ。良い夜ですね」

 

輝きの欠けた瞳のままで、ラナー王女が薄っすらと笑った。

 

やべえぞコイツ。全然痛そうに見えない。

 

頭のおかしい奴だと知ってはいたが、身体中血塗れで一部除いて全損状態なのに声が微塵も震えていない。我慢強いとかいう域を超えている。胴体に穴が開いているのに、内臓潰れても普通に喋れるなんて人間の身体構造では有り得ないだろう。

それこそ運良く必要な器官だけが無事だったのか、あるいは一瞬の判断で不要な箇所のみで怪我を抑えた、とか。

 

要するにこいつがキモい奴なだけなので、考えても仕方ないんだけどね。

 

言葉に答える余裕は無い。このままだと本当に死んでしまうのだ、と慌てて動いた。

だばだばと治癒薬を頭から浴びせる。見る間に治っていく自分の身体を、感情の見えない視線でラナー王女が観察していた。ううむ、どんな事を考えているのか全く知りたくならないな。

 

「ラナー様!!!!!」

 

瓦礫で封鎖された扉の向こうから、血に濡れた彼女の名を呼ぶ男の声が聞こえた。

す、とそちらへ目を向けたラナーは何も言わずに、すぐさま俺へと視線を戻す。

何を考えているのか分からない。

 

おい愛しのクライム君だぞ。多分だけど。会った事も無い相手を声で判断するとか俺に出来るわけがないし。

しかし俄かに騒がしくなってきた。これだけの惨状なのだから当然なのだが、もう夜這いックスとか言ってられる状況じゃないな。

かぁーっ! 仕方無ーなーっ! ヤりたいけどなー! ナザリックの皆のためにも捕まるわけにはいかないもんなー!!

 

よし、逃げよう。

 

即時判断して治癒薬の空き瓶をアイテムボックスに放り込み、結局使わなかった蘇生の短杖も仕舞い込もうとした所で、またもラナーの声が掛かる。

 

「扉の向こうの、あの子も一緒に連れて行って頂けませんか?」

 

そう言って、俺の頬を傷の癒えた手で撫でる。

何言ってんだコイツ、と思ったが、柔らかい手の感触でふと気が付いた。

 

――俺、顔隠して無いじゃん。

 

リ・エスティーゼ王城襲撃犯。犯人は宙を舞うイケメンか!?

 

そんな言葉が脳裏を過ぎり、素顔を晒した間抜け(じぶん)を罵る。現実に国際指名手配されたとしても、ナザリックの総力をもってすればどうにでもなる。しかし、それはつまり俺の所業をNPC(あいつら)に暴露するという事だ。

 

『デミえも~ん! 王女様に夜這いックスしに行ったら、城壁壊した上で顔バレしちゃったよ!』

『万事私共にお任せください さば味噌さま!』

 

いかん。

あの阿呆共は張り切るだろうが、俺の自尊心がマッハでヤバイ。

 

情報の漏洩は、それすなわち俺の精神への大ダメージを意味するのだ。第二次ナザリック事変の幕開けである。

謀ったなラナー、と他者に責任を押し付ける事も出来ない。完全に俺が悪い。あるいはゴーレム。

 

「おれはっ、」

 

至高の脳細胞が唸りを上げる。

選択肢は多くない。最低限、目の前の女だけはどうにかしなければ。

しかし俺は魔法の一つも使えない脳筋職だ。今までのセックスだって全部小道具(アイテム)頼りのプレイが多い。ぶっ殺す事にかけては随一だが、それ以外ではちょっとだけ不器用だった。ちょっとだけね。

 

記憶を操るような都合の良過ぎる道具は無く、有ったとしてもすぐさま取り出せるほどの覚えは無い。そして今の俺に頼れる相手は誰も居ない。常に単独でレイプしていた弊害である。

それでも、動かねばならない。

時間は待ってはくれないもので。俺には一つの使命があった。

 

「俺は、セックスがしたいだけなのに――!」

 

自分の頬をむにむにしながら、こちらを見上げるラナー王女。

その顔が、何言ってんだコイツ、と言った気がした。

 

 

 

 

――この男は化け物だ。

 

腐敗した弱小国家とはいえ、国の中枢たる王城に真っ向から攻め入る、常軌を逸したその行動。

想像さえした事の無い詳細不明の巨大なゴーレムを操り、城の壁面をああも容易く粉砕し、重傷によってもはや死を待つしかなかった私の肉体を瞬く間に癒した道具の数々。

自分が、実の兄にさえ化け物と呼ばれる黄金の思考が、思い描く事さえしなかった複数の事象。

 

それらは、まさしく神話の域にある。

 

貴族の派閥。八本指。バハルス帝国。あるいはスレイン法国。各種大小の秘密結社。

可能性を列挙しても正答は無い。これだけの大事を為せるのならば、もっと別の方向で発揮するのが暴力の真価だ。

 

王国の第三王女を襲って何の利益が生まれるだろう。

だって、殺害するよりも取り込んだ方が利益は大きい。貴族の派閥が発端ならば、何れかの家に降嫁させるという手段こそが常道だ。そもそも王城を破壊するなど意味不明な上に派手過ぎる。国を騒がせて得をするなら他国だろうけれど、繰り返すがこれだけの力があればもっと別の、いわゆる賢い手段というものが無数にあるのだ。

 

利益の追求をせざるを得ない組織的な犯行ではないだろう。では個人か、他の何かか。考えた所で理解出来ない。思考を一旦全て放棄。――否。放棄する前に、もう一度思考を僅かに戻す。

理解出来ない。

そう、つまり、己の常識を超えている。考えた所で分からない、そういうモノとして判断しよう。

 

目の前の男は疑いようの無い化け物だ。

黄金と称されるような美貌はあるが、たかが女一人との性交(セックス)目当てで王城の一角に大穴を開けるなど、力も異常だが発想が異次元過ぎて正気じゃない。賢者や愚者あるいは英雄と呼ばれるような、知り得る現実の延長線上を、尋常の域を超えていた。

 

しかしこれは一つの好機でもある。

 

ガゼフ・ストロノーフ戦士長および麾下戦士団の失踪から始まり、今や宮廷内の政治的均衡は完全に崩れた。

レエブン侯の奮闘虚しく、次の帝国との小競り合いが終われば順当に貴族派閥の勝利が決する。

 

むしろそこまで時間をかけて軟着陸する目処を立てた事こそ褒められるべきだが、その先に王国の未来は無い。此度の王城襲撃はリ・エスティーゼの国名と歴史に決して癒えぬ傷を遺すだろうが、語るべき歴史など、早ければ数年以内にも終わりを迎える。

民の声望を大きく集める黄金の姫がこうも公然と誘拐されれば、内外を問わず、国体への圧力は否応なしに暴走し、王国の滅びは目前だ。

 

ラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフにとって、祖国の未来などどうでも良かった。

たった一つ大切なクライムも、今は別室。共に攫われた先、山腹に設けられたこの屋敷の一角で眠っている。

国は滅ぶ。余計な(しがらみ)は必要無い。姫でなくなった悲劇の少女と、そんな自分を守る一人の男。二人が寄り添い合う望んだ未来は、もはや手の届く位置にある。

 

この化け物の、おおよその性情は理解した。彼は力も思考も常軌を逸した生粋の怪物だが、だからこそ言葉に嘘が無い。比較も出来ない圧倒的な格下相手に、上位者が嘘を付く必要などどこにも無いのだから。

 

失敗すれば全てを失う。己が全霊をもって、この状況を望む方向へと動かしてみせる。

貞操を差し出す程度で輝かしい未来を手にする事が叶うのならば、真綿で首を絞められ続ける王女の立場などより余程素晴らしい窮地ではないか。妊娠等の懸念はあるが、遠い未来まで見通してしまえば些細な事だ。むしろより一層クライムを縛り付ける材料にだって出来るだろう。

だからやる。やらねばならない。他の選択肢は、自分で捨てた。

 

瓦礫に埋もれた私室の片隅で作り上げた無垢な乙女の貌を使って、あとは化け物の歓心を買うだけだ。千載一遇、二度とは訪れない絶対の好機。一生に一度の大舞台。

踊りきってみせよう。娼婦のように。奴隷のように。家畜(ペット)のようでも構わない。

 

私の世界にクライム以外は要らないのだから。

 

――そう思って、いた。

 

 

 

 

何故だか知らないけどラナー様がセックスして良いよ、って言うからセックスする。

 

迷いは捨てた! 今の俺はただ只管に腰を振る機械!! やることは簡単、穴に挿れて出すだけだ!!!

心の内で宣言すると、俺はラスボスへ向けて足を踏み出した。

 

手を伸ばして、擽るように黄金の髪を指で梳く。

首筋をなぞって軽く指で押し、肌の感触を味わった。

肩に手を置き、腰を手の平で撫でて、太腿から足先まで確かめる。

 

華奢な女の子だ。

 

中身はアレだが、頬を薄く朱に染めて恥らう様子からは、内面の異形っぷりは窺えない。

こいつは王国の御姫様。スタンダードな金髪美少女。キャベツ畑を信じる清らかな乙女だ。――そうやって自己暗示を繰り返しながら、ただ一心に少女らしい体付きを味わう事にのみ己を(やつ)す。

そうすると、僅かずつだが下腹部へと熱が下りていく。

 

首筋に鼻を押し付け匂いを嗅ぐと、怪我をした際の血の匂いが残っているのが分かる。そのつもりも無いのに強いた傷だ。ごめんよ、と小さく呻いて唇を押し付けた。ん、とラナーの口から声が漏れる。

空色のドレス越し、細い肢体を隅々まで味わい続ける。薄い膨らみに手を置いて、痛くないよう上下に摩ってはすぐに手を離す。細い。柔らかい。女の子の身体である。力で競えば決して俺に勝てない、弱々しい少女のものだ。

 

そう考えると興奮してきた。

 

「んっ、あぁ」

 

髪を撫でる度に、頬に触れる度に、首筋を舐める度に、胸を軽く擦る度に、ラナーの口から細く甘やかな声が聞こえる。こいつ、反応が逐一かわいい。声色に至るまで股間に響く。

 

まったくもって大した演技力だ。経験豊富な俺でなければ絶対に騙されていただろう。

だが敢えてここでは騙されてやる。だってその方が興奮するから。

マウント取る事は諦めた。俺がラナー様に勝てるわけないだろ!

 

ドレスの胸元を無理に引っ張れば、乳房を覆う補正(コルセット)付きの下着(ビスチェ)が姿を現す。それに、きゃっ、と恥ずかしがって思わず悲鳴を上げる様子まで愛らしい。愛らしいのだが、内面知ってると逆に萎える時もあるから、もうちょっと控えてくれないだろうか この処女。

下着から零れた乳の上部を指の腹でつついて、そのまま内側へと潜り込ませる。

誰も触った事の無い、王国の至宝。柔らかな感触と先端の突起を、手の平で確かめて呼吸を止める。己の下半身から先走ったものを感じて、不快感と同時に煮え立つような情欲を自覚した。

 

動きを止めたこちらを不思議そうな表情で見上げるラナーを寝台の上に転がして、ドレスのスカートを引き裂いた。

 

「きゃっ!」

 

王女の秘所を覆う下着と、ガーターベルトにストッキング。

それら全てが白一色で、成程、これを見立てた奴は分かっているなと関心する。

 

こいつは絶対処女だろう。

 

御姫様の貞操だ、未婚の身の上で奪われている事など想定できない。こっそりクライム君に逆レかましている可能性は除外したとして、挿入するならば準備をするのが当然だ。

だけど、もう我慢出来ない。

隠されたラナーの本性とか、上手なセックスの手順とか、そういうのは全部どうでも良くなった。

 

勃起している。

 

誰も触れられない筈の御姫様を、今、俺が好きにしている。直に胸を揉んでも抵抗の一つも無い。見た目だって最高水準だ。肉体をじっくり味わいたいのなら後でも出来る。今は一秒でも早く、ちんこ挿れて射精したい。中に出して、気持ち良くなりたかった。

 

「そんなっ、急に」

 

ただの演技、上っ面だけの抗議は聞かない。

乱暴に下着を引き下ろし、膝の上辺り、半端な位置で動きを止める。揃えた両脚を抱えて持ち上げ、晒された生尻と綺麗なまんこを軽くしゃぶって、取り出したちんこを突き立てた。

 

「――っ!」

 

苦痛に呻く両者の吐息。先端を突き入れようとしたが、本当に固い。だから無理矢理に押し込んだ。

腰を回して捩じり込むように挿入しながら、腕で抱きしめている王女の足の膝裏を舐めた。ストッキングごと口で吸い、無理に引き下ろして布地がくしゃくしゃになった下着に唾液が落ちる。変態染みた行為に興奮したせいで、まだカリ首まで入ってもいないのに一度目の射精を行った。

 

僅かに溢れる白濁の中に、更に強く腰を突き込む。

揺すって、押し込んで、僅かに引き抜き、その気持ち良さに呼吸が乱れる。

 

細い両脚に絡まる下着を力尽くで引き抜いた。

 

今までの人生で一度も無いだろう程、王女の両脚を大きく限界まで押し開く。軽くその腰を持ち上げて、仰向けに寝そべった彼女からよく見えるようにと、白濁と混じる僅かな()を、互いに繋がった性的な部位を、俺は笑って見せ付けて。

 

 

王女が泣いた。

 

 

「えっ」

 

輝きの消えた、異形の気配が瞳に宿る。

余りにも暗過ぎる視線が己の女性器を真っ直ぐに捉えて、表情は何も変わらないのに その両目から音も無く雫が二筋(ふたすじ)落ちた。

 

それを、少女は殊更ゆっくりと伸ばした指で拭い取る。

濡れた指先。小さく濡れたそこを目にして、ラナーは本当に不思議そうな顔で首を傾げた。

 

やがて。ああ、と得心したような吐息が漏れる。

 

「わたくしにも、()ったのですね」

 

そう言って小さく笑う。

多分、じゃない。絶対に、それは偽りの無い笑みだった。

 

己の大切な貞操(もの)を失くした事実を悲しむ、泣き笑いの表情だった。

 

 

絶叫する。

 

ほんの数秒間、俺は、屋敷中に響き渡るほどの大声を上げていた。

落差(ギャップ)が酷い。精神的にあらゆる人類を超越していた筈のラナー、そんな彼女に対する歪な信頼が一瞬で砕けた。人の心など持っていない化け物め、何をしてもコイツなら大丈夫だろう、傷付く事なんて有り得ないんだ。そういう身勝手な俺の考えが目の前で完全に否定された。

 

そして叫びながら射精した。身体は素直だ。死にたくなる。

 

 

「どうして貴方が泣くのですか」

 

よしよし、と頭を撫でられる。

泣いていた筈のラナーに慰められた。これが俺を懐柔するための策略かどうかも、今はちょっと考えられない。衝撃を受けたが泣いてはいない、と否定してみたが目元を軽く拭われて口を噤んだ。

 

悲しかったわけでない。ただ、気構えが出来ていなくて、想定外の事態に少しショックを受けただけだ。

心を踏み躙るような行為なら、エモット姉妹で散々楽しんだ。俺はレイプも楽しめる万能選手(ユーティリティー・プレイヤー)。これは、ただ単に事前通告の無い寝取られ系エロ漫画を読まされたような辛い心境に陥っただけであり、多分数日後には立ち直っている。

 

つもり(・・・)が無いのに傷付けたから落ち込んでしまっただけなのだ。

 

そう説明すれば、そうですか、とラナーが怖い目をしたまま頷いた。

話している最中も彼女の膣はぬるぬる動いて俺のちんこを刺激して、膣内への射精回数が増えていたりするのだが欠片も動じた様子が見えない。さっきの涙は何だったのだ。俺の胸の苦しみを返して欲しい。……自業自得だけど。

 

「改めまして、」

 

ん、と疑念を表せば、目の前の少女が笑って続ける。

 

「リ・エスティーゼ王国第三王女、ラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフです」

 

よろしくお願いしますね、とラナーが笑った。

 

股座にちんこ入れたまま、告げる彼女の顔を見て。

やっぱりコイツが分からない、と俺は大きく顔を歪めるのであった。




リ・エスティーゼ王国崩壊の引き金を引く話。
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