放課後。全体でのランニングを終え、各々が自らの種目練習に取りかかろうとしようとする頃、未希のもとに3年生の部員が来た。
「坂下、今日の練習が終わったらちょっと時間あるか。気になっていることがあるんだ。」
「え?あ……はい、分かりました。」
「よし、それじゃあ後で部室に来て待っていてくれ。」
そう言うと3年生の部員は自らの練習へと戻っていった。何の用があるのか気になった未希ではあるが、その日の練習はしっかりこなし、今日の活動時間は終わりを迎えた。
「ふぅ……みんな、おつかれさま。」
「お、おつかれさまです。」
あの日の一件以降も、未希は何ら憚ることなく男子の使うシャワー室へと入って汗を流している。当事者であった男子部員たちとの関係にも特に変化はない。確かに数日間は顔を合ってしまえば、目を逸らされるようなこともあったが、それでも、あの日の出来事を掘り返すようなことにはなっていない。彼らとしては、あのシャワー室での出来事はなかったことにでもしたいのかもしれない。
「おつかれさまです、部長。」
「ああ、おつかれ。」
室内にいた唯一の上級生、陸上部の部長は裸である未希の挨拶に動じることなく挨拶を返してくる。彼女の振る舞いには慣れているのだ。性的な関係を抜きにして、お互いの裸を見慣れているのである。
「坂下、例の青葉高校に入学したという1年生だが、やはり只者ではないらしいぞ。」
「そうですか……。今年の夏は面白くなりそうですね。2年目にしてライバル出現!って感じです。」
両名とも陸上競技へ真摯に取り組んでいるためか、自らが裸であることなど忘れているかのように部活の話で盛り上がる。もっとも、未希のほうは最初から裸であることを気にしていないのかもしれないが。
シャワーを浴び終え、部室でさきほど練習中に自らを呼び出した3年生を待つ未希。シャワー室を出てすぐのロッカールームで、手持ちぶさたに彼が来るのを待っている。
「……女の子を呼び出しておいて待たせるなんて、いい度胸しているわね。」
1人で不満を口にする未希。しばらくすると部室のドアが開き、彼女を呼んだ男子部員が姿を現した。
「すまない、少し遅くなった。少し用があってな。」
「いえ……そんなに待ってはいませんから。それで、私に聞きたい気になっているということは何でしょうか。」
相手が上級生ということもあり、露骨な不快感こそ出しはしていないが、未希は早々に呼び出した要件を言うよう促した。
「ああ……そのことなんだがな……」
彼が話し始めてすぐ、ドアの外から3人の男子部員が部室へと入ってきた。いずれも上級生。未希を呼び出した彼とはよく一緒にいる部員たちだ。後から入ってきた3人に対して怪訝な表情を隠さないでいる未希。
「一体どういった話なんですか。私に何を聞きたくて、みなさんはここへ来たんですか?」
数的な不利を察知した未希は、あからさまな警戒感を見せるようになる。穏やかな話ではない。3人の男子が入ってきた時点で、それだけは確かだと判断した。
「細かいことまでは話さないでいいだろ。坂下、おまえ1週間前シャワー室で何をしていた?」
「えっ……?」
後から入ってきた上級生の1人が口にした、唐突な質問に驚きを隠せない未希。1週間前のことなど、特別なことでない限り正確には覚えてはいない。しかし、特別なことをしているのなら話は別だ。1週間前の部活終了後、未希はこの部室に備え付けられたシャワー室で、5人の男子部員に対して自らの裸体を見せ付け、それを糧に行う彼らの自慰行為を鑑賞していた。
「そんな……1週間前のことなんて、別に何か特別なことをしたことはないし、私は普通に練習でかいた汗を流しただけ……」
「普通にシャワーを浴びただけで、あんなにくさいわけがないだろ!臭ったんだよ!お前がシャワーを浴びた後で俺たちが入ったら、イカくせぇ臭いがな。」
「っ……!?」
言い逃れなど出来る状況ではなくなった。未希が1週間前のシャワー室で行ったことを、彼らはすでに認識している。大抵のことは知った上で彼女をここへ呼び、この場所で追い詰めようとしているのだ。
「……それで、私に何をさせるために呼び出したんですか。」
「へぇ……割と呑み込みが早いじゃないか。」
「どうする?今なら坂下のやつ、大体のことはやると思うぜ。」
「そうだな……」
下卑た眼つきで未希を見続ける4人。まるで捕えた獲物を品定めする肉食動物のような顔付きで自分たちの欲望を言い放ってきた。
「脱げ」
「っ……!!」
宴の始まりともいえる一言を、最初に未希を呼び出した部員が口にする。
「……はい。」
あっさり観念したのか、未希は素直にブラウスのボタンを1つずつ丁寧に外していき、制服の上を脱ぎ去る。次にスカートのホックに手を掛け、緩んだスカートが地面に落ちる。両足のソックスも脱いで床に置くと、飾り気のない白のブラジャーとショーツだけを身に着けた少女の身体が、4人の男子部員の前に曝される。
「くっ……」
「おいおい、いっつも俺たちの前で素っ裸になってんだろ。何をそんなキッツイ顔しているんだよ。」
「先輩たちのように、露骨な卑しい視線を前に脱ぐことに抵抗感があるだけです。裸を見られることに抵抗なんてありません!」
「あーそうかいそうかい、じゃあさっさと残ってるモンも全部取っ払ってもらおうか。」
「わ、わかっています……」
埒のあかない会話に区切りをつけ、ブラのホックを外してワイヤーを肩から外す。形の良い乳房が外気にさらされ、薄い桃色の乳頭が露わとなる。4人の視線が未希の胸へと釘付けになる。
「やっぱり……良い身体しているな。」
「ああ、下手なAV女優よりも整っているぜ。」
「陸上部だっていうのに、意外とデカい胸しているんだよな。」
それぞれが凝視を続けながら、言いたいことを言い続ける。そんな彼らの言動を前に彼女は
「このっ……もう!!」
半ば自棄になった未希がショーツに手を掛け、一気に降ろす。足に引っかかったショーツを抜き取ると自らの前へ乱暴に投げ捨てる。面積は狭く綺麗に整った陰毛が、夕方の部室で男子部員4人の前に晒された。