※この作品はR-18です。

獣帝都学園   作:HAL

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久しぶりの投稿ですが、書き溜めしてるので亀更新です。
それでも待っててくださると嬉しいです!
僕の妄想を全部書いてるので誤字脱字があるかもです。
その時はよろしくお願いしますm(_ _)m


風紀委員と生徒会と親衛隊とホスト

 

 

 

新入生歓迎会が終わりって教室に戻ってもレオと照は帰ってこなかった。俺は放課後、風紀委員長に言われた通り風紀委員室に向かう。

 

長い廊下だなぁ…、必要か?これぇ…

 

風紀委員と生徒会はここの廊下を通らないといけないらしい。風紀委員室を知ってるっていう人と今ここを歩いているわけだけど。

 

なんにしても、疲れる…

 

「この道を真っ直ぐ行くと階段がある。その階段を上がって突き当りに銀の扉がある。そっちが風紀委員室。で、向かい側には金の扉があってそっちは生徒会室になってるんだ。昔は別々の校舎にあったらしいけど、面倒だからってことで一つにまとめたらしい。いつからかはわからないけどな」

 

風紀委員室を知ってる人(名前をまだ知らない人)についていきながら説明された。

 

そんなに頻繁に行くことはないだろうから説明しなくていい気がするけど、まあいいか

 

階段を上ると本当に銀と金の扉があった。

 

うわぁ…、本当にあったよ…

 

『コンコン』

 

「あぁ」

 

「失礼します」

 

風紀委員長らしい声で返事が来てそれと同時に扉が開かれる。部屋の中はほかとは比べ物にならないくらい広かった。とにかく広くて色々整備されていた。

 

これって生徒会も比じゃないくらい広いんじゃね?てか、こんなに必要か?広すぎてなんとも…

 

「お前も入る時くらい言ったらどうだ!」

 

「んあ?あー、悪ぃw失礼しまーす」

 

名前の知らない風紀委員室を知ってる人に注意されたのでつられて言うと。

 

「本当に礼儀知らずだな貴様は」

 

風紀委員長が紙を見つめながら言われた。まあ風紀委員長だから風紀的な意味で言ってると思う。

 

「けど、敬語は一応使ってますよー?」

 

「入り方の問題だ。そこから学ばせてやろうか?」

 

紙を見つめながら言ってる。

 

仕事してるみたいだし邪魔はよくねぇとは思うけど、注意しながら仕事って器用だな…、意外w

 

「今、さりげなく俺をけなさなかったか?」

 

「イエイエ、メッソウモナイ」

 

「なぜ、片言になった?」

 

「なんのことかわかりませんが、それより本題に入りません?」

 

「………、指導は後でする。鷹田(タカダ)、席を外してくれ。それから他の皆も」

 

風紀委員長の言葉に働いてたであろう人達がみんな外に出た。人によっては巡回しに行くとも言っていた。そして静けさしか漂わなくなった頃。風紀委員長が話しかけた。

 

「改めて、1位おめでとう。先程言っていた『バイト』の件を詳しく話せ。何をしてるのかをな。バイトはしては行けないというのは貴様もわかってるとは思うが、あそこで宣言してしまった以上、貴様のみバイトを許す。が、内容による。許されないものは諦めてもらう」

 

「へーい。まあ譲歩してくれてるって思ってそこは守りますよ。……さて、俺はバイトをかけ持ちしてるんだ。えーっと、全部で5.6個くらいはあったはず…。ん?少なかったか?まあいいや、それを全部言えばいいんだよね?」

 

「あぁ」

 

俺は商店街の店の名前と商品を扱ってるバイトを全て言った。魚屋、八百屋、花屋、ケーキ屋、食用品の配達等。

 

「あ、でも数的には最後のを言ったら間違ってないか」

 

「ん?なんだ?」

 

俺はニヤリと笑った。

 

「風紀委員長さん」

 

「なんd……っ!?」

 

風紀委員長をいきなり壁ドンした。身長的には俺の方が下だけど、ビックリしてそのまま尻餅つくように落ちた。俺はそれを逃さず風紀委員長を正面から抱きしめるような格好になる。

 

「おい、貴様何を……っ!!」

 

風紀委員長の耳元に吐息がかかる。風紀委員長は肩をビクッとさせて俺を遠ざけようとする。けど、力はこっちの方が上なのか中々思うようにできないみたいだった。

 

「風紀委員長さん」

 

「ひぅっ、……なんだ…?」

 

「耳、弱いんですね?」

 

「ち、違っ…!」

 

「シッ」

 

「っ、ん…!」

 

「今の声、風紀委員長さんからしてみたら聞かせたくないですよね?」

 

「…………」

 

無言は肯定と捉えますよー?

 

「じゃあ最後のバイト、言いますね?」

 

声を抑えて風紀委員長の耳元で話す。声を抑えるように頷く風紀委員長。

 

「俺が演技で風紀委員長さんとやったアレです」

 

「っ!!?」

 

風紀委員長の脳裏に浮かんだであろう『SM倶楽部』は濃い思い出だと思う。風紀委員長さんは顔を真っ赤にして、ますます俺から離れようとした。その腕を掴んで片手で両方手首を掴み、風紀委員長を壁側に顔を押し付けるように背を向かせた。一瞬すぎて何が起きたかわからずされるがままで、気がついた頃には手遅れだった。

 

「き、きさっ…ま…!」

 

「おっと、大声出そうとしたら外にいる人達に気づかれて顔、見られますよ?」

 

「っ、…貴様が退けば済む話…っ」

 

「ふぅ〜」

 

「ひゃうぅ…!」

 

「ほら、声声♪」

 

演技の時もそうだったけど、風紀委員長さんの声って本当に可愛いよね♪

 

「はっ、はっ…」

 

風紀委員長の目からは涙が溜まり、その状態でキッと睨む。しかし、顔が真っ赤なのでなんの説得力もない。

 

「反抗的な目ですね。さすが風紀委員長さんだ、でも。そんな目をしたら煽ってるって思っちゃいますよ?」

 

風紀委員長の耳元でドスの効いた重低音が響くと背中を逸らして声を出さない方を必死に守ってる。俺の重低音ボイスは収まらない。

 

「あれ?どうしましたか、風紀委員長さん?顔が真っ赤な上に身体が震えてますよ?ヨダレもたらしてイヤラシイな〜、そんなに気持ちいいですか?」

 

「ひんっ…!…………り、せい…が、とぶ……っ」

 

「それに腰が揺れてますよ?耳だけで感じて気持ちよさそうですね?モジモジさせて何を期待してるんですか?」

 

「…アッ、ゥッ…!…ま、て…っ!」

 

「言葉遣い、どうするんでしたっけ?」

 

「……お、ねが…い、しま…すっ。ゆる、し…んんっ」

 

風紀委員長の理性はもう無く、とろけた目でこちらを見つめた。しかし、俺の勘だけど、風紀委員長の机の下に隠れた。幸い、下の隙間は空いてないなかったので風紀委員長とそこに隠れた。後から抱きしめる格好で風紀委員長の口元を手で抑える。何が起きたのかわかってない風紀委員長がこっちを見て、俺はシーッと人差し指で口元を抑える。それがわかったのか大人しくなる風紀委員長。5分も立たないうちに風紀委員の人が帰ってくる。

 

「委員長ー、巡回終わり……あれ?」

 

「どうした?」

 

「委員長がいないな…」

 

「話し合いが終わって外に出たのかもしれない。報告するためにも探してこよう。一応、他の奴らにも伝えておこう」

 

「あぁ!」

 

という会話をしていた。そのまま部屋を出て立ち去った。風紀委員長はというと、俺の吐息が耳元で吐かれるせいで随時身体がビクンと震えて涙がポロポロ流れていた。身体も少し震えている。口元にある手を離した。

 

「……も、やめ…っ」

 

震えてるせいで声まで震えてる。

 

「そうですね?風紀委員長さん」

 

「ひうっ…!」

 

やっと解放されるのかと安堵する風紀委員長に追い打ちをかけるように重低音ボイスで最後に囁く。

 

「風紀委員長さんのこんなあられもない姿を誰かに見られたら、面目丸潰れですもんね?」

 

「っ!!…そ、それだけはっ」

 

必死に嫌だ嫌だと顔を横に振る。涙がボロボロと出て懇願してくる。俺はその後に続けた。

 

「だから、これは俺の中だけで留めておきます。その代わりこのバイトを許してくれますよね?」

 

「……そ、それは…」

 

せっかくこんだけ優しく言ってんのに…。まあいいや、じゃあ締めと行きましょうかね♪

 

「ロウさん」

 

「っ、は、はいっ」

 

さっきの演技の時みたく、風紀委員長の名前を呼ぶ。風紀委員長は反射的に返事をした。ほぼ無意識に。俺はさっきよりも優しく抱きしめながら耳元で話しかけた。風紀委員長を安心させるように。

 

「黙っててごめんね?ロウさん。俺さ、あそこでバイトしてんの。ほら、俺って学生って並に顔が童顔だろ?だからよく、仕事と間違えられるけど本当にそこでしてんの。ロウさんがそのバイトのこと許してくれたら俺が本当に呼ばれてる名前を教えてあげる。これは親しい仲かバイトの人達しか知らないし、あとは信頼も信用もしてる人以外には言わないつもりだったんだ」

 

俺がしおらしい雰囲気で言うと風紀委員長は演技とかそういうの抜きにして真剣に聞く。さっきの風紀委員長の演技した奴みたいな感じに。

 

「けど、ロウさんも俺なんかに気に入られても嬉しくねぇよな…。ごめんな、無理やりこんなことして…。けど、それでもあんたを気に入ったのは本当で信用してもいいかなって思ったんだ。……、でも…迷惑だよな。ごめん、諦めるよ…」

 

俺は風紀委員長から離れるように体も動かす。演技のようにも見えないその動きは風紀委員長の気持ちを焚き付ける言い方にもなった。引き際の演技も絶妙。風紀委員長はそんな俺を見て離れて欲しくなかったのか腕の裾を掴む。そして悪態を吐きながらも意を決して言葉にする。ムッとした顔は変わらず。

 

「…ずるいぞっ…、……ミツキさんが俺を信用して信頼してくれるなんて思ってもみなかった…。俺はそんな素直じゃないから…。けど、気に入ってくれたなんて知ったら…許しざる負えないじゃないか…」

 

風紀委員長の本心なのか、それともその演技の奴の言葉なのかはわからないけど嘘をついてるようには見えなかった。

 

「んじゃ、俺の本当の名前はーー」

 

「あれー?こんな所で何してんのー?」

 

『!?』

 

俺が名前を告げる前に見つかった。多分俺達が話してる時に気づいたんだと思う。

 

というか、いつの間にいたんだよ…

 

風紀委員長は見られたことに一瞬どうしたらいいものかと考えてしまった。どもってても仕方ないので、俺が苦しい言い訳をしてみた。

 

「いやー、俺ってこんな広ーい空間にいるとつい狭い所を探したくなるんで、まあ、無理矢理ではあるけどここに入れてもらったんすよ。そんで、無理矢理入ったから足を滑られて風紀委員長もこの中にすっぽり入っちゃったんですよ☆」

 

なるべく悟られないように言う。

 

「ふーん?なんかヒソヒソ話してるからする方に来てみれば狼も新入生も中にいるしどうしたんだろってビックリしちゃったんだよね〜?」

 

「そんなんすか、まあでも人が来たなら俺はお暇しますかね〜。色々な話はその狭い机の下でやりましたし、ではでは失礼しまー」

 

「ちょっと待った」

 

ヤバ…、あからさますぎたかな〜…

 

「はい?」

 

なるべく悟られないように返事する。内心は汗がダラダラで気持ち悪い状態。

 

「君って確か1位になった子だよね?しかもすごいお願いしたっていう。学年違うから見れなかったんだけど、噂してるんだよね。どういうのしたの?」

 

なんだかよくわからないけど、ご褒美の件を聞き出したいみたいなので素直に答える。

 

「BLですよ。告白シーンとかに今ハマってるのでそれを見せてもらおうと思いまして♪」

 

「びーえる?」

 

「はい、BLです」

 

「びーえる?って何?」

 

そこからわからないのかい…

 

「BLって言うのは」

 

「ゴホン!話は終わってる。貴様はすぐに立ち去れ」

 

「え?」

 

「いいから」

 

背中をグイグイ押された。あとの事は俺に任せて行けと言われた。締め出された。何だったのだろうか。とりあえず聞かせたくないって感じだった。

 

けど、BLを知らないってことは純粋な人ってことかな?それなら話の筋的には、風紀委員長さんの行動も頷けるけど…

 

締め出されたからには用済みなわけで、俺は階段を降りて元来た道を歩いていく。そろそろ家に帰らねぇといけない。

 

というかもう夜近いな…。まあ遅くなったとしても正当な理由あるし、いっか。さてとカバン持って帰りますかね〜

 

教室に戻りカバンを持って教室から出る。それから校門を出て坂道を下る。

 

この学園、一見金持ちに見えないけどこういう所とかあの金と銀の扉とか金たくさん使ってんだなぁ…。てか、こんなに長いとすげー面倒なんですけど…

 

しばらく歩いてると前方に人影が見えた。

 

ん?あれは……

 

後ろ姿的にも外見的にもホストだった。

 

えっと……確か名前は……

 

「ん?腐獅じゃねぇか。こんな時間まで学校にいたのか?」

 

「…んー、まあね〜」

 

誰だったっけな〜…

 

名前が思い出せない。

 

猫組だから猫関連の先生なのはわかってるんだけどなぁ…、まあわかんない時はわかってる言い方でいうべきだよな☆

 

「猫先生(ホスト)はこの時間まで仕事スか?」

 

「おい、今含みある言い方しなかったか?というか猫先生って何だ」

 

「いや〜、猫目だから猫先生的な?」

 

我ながら苦しい言い訳だ。名前を忘れましたっていえば楽になるのに言えないんだからな。ホストとは言えない。

 

俺へのフラグかな?wwwフラグ回収される気かな?ww待て待て、俺は助手なんてしたくないぞ?www

 

「………、そういうことか」

 

単純な人だった〜〜〜〜っ!!wwwww

 

「まあ、ホストって言わないだけマシだからそれでいい」

 

まあ、見た目ホストだからなんだけど…

 

「今、ホストだと思ったか?」

 

無駄に鋭い。

 

「いや、思ってないッスよ?」

 

「そうか、ならいい」

 

怖ぇ…。影で言われてんの知らねぇよな、この猫先生…

 

「なぁ、猫先生〜」

 

「なんだ」

 

「もし、猫先生のことをホストって言ったr」

 

「ああ?」

 

いつからそこに居たのかわからないけど、ものすごい近くに猫先生の顔がある。

 

「いや、もしもの話な??」

 

「………………、あぁ」

 

間があったけど納得してくれた。

 

「思ったり言ったりしたら助手という名の奴隷だろ?」

 

「奴隷言うな」

 

猫先生のツッコミはスルー。

 

「俺の名前を隠してくれるなら、猫先生のことそう言ってる人知ってるぜ?ていうか、教室にいる何人かの奴が思ってる奴と言ってる奴言えるけど、どうする?」

 

「詳しく教えろ。誰だ?」

 

「隠してくれる?」

 

「……………………………………………、わかった」

 

間、なっが……www

 

それから名前は伏せて目星つけてる人を言っていった。というかまだ自己紹介的な奴してないからわからないってのもあって特徴ある人だけを伝えた。

 

まあ、間違った情報は伝えてないからね☆

 

それからどこでそういうのを言ってるのかも言った。まだ一日目なのでそこまで把握してないけど、恐らく教室と空き教室ということを伝えた。猫先生は頷いた後ありがとうと言ってそのままそそくさと坂を降りていった。俺は一人ポツンと置いていかれた。

 

置いていくことないだろあのホストォォ…!!確かに男だし?女みたいに襲われる心配ないけどさ?それでも置いてくことねぇだろっ!?

 

いくら思っても虚しいだけなので、ため息を吐いて俺も坂道を降りていく。

 

「…………」

 

この距離でホスト呼びしたら気づくのか?というか、もう校門の前にいるんだし聞こえねぇかw

 

「ホスト」

 

試しにボソッと呟く。俺のいる位置からあそこから動く気配がない。さすがに校門から正面玄関口の間が開きすぎて聞こえないみたいだ。このまま何もなく家に帰れたら、実験成功。

 

気づくなよ〜?

 

俺は普通の顔で猫先生の方へ歩いていく。何食わぬ顔で。何も言ってない感を出しながら。そして正面玄関口まで来て。

 

「待ってんなら、先行くことな」

 

「お前さっき、ホストって呟いただろ?」

 

………………………

 

「……は?」

 

えっ?え?えっ??この先生今なんて言った??リピートアフターミー?

 

「もう一度言う、今さっきホストって呟いたか?」

 

……………………………うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?聞こえてたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?えっ!?待って!?校門近くら辺で言ったぞ!?確かに言ったけど、どんだけ耳いいんだよ!!?おかしくね!!?

 

顔には出さないが背中は汗で湿っている。猫先生が俺を睨みながら俺に近づいてきた。俺は何故か後退り立ってる木に背中を預けてしまい逃げれなくなってしまった。横に逃げようとしたら両手でホールドされてしまい本当に逃げれなくなった。いよいよヤバくて手を猫先生に向けてどうどうと落ち着かせる。

 

というかそれしかできねぇよぉぉぉぉぉぉ!!今俺ができる最大限の出来ることがよぉぉぉぉぉ!!!

 

「つ、呟いてねぇよ…?」

 

落ち着いて欲しくてとりあえず否定した。本当は言ったけどこんなにお詰められたらそれしか出ない。

 

「本当か?」

 

「ほ、ほんと……だよ…?」

 

獅子の生まれ変わりだけどさ?名前や色々は俺の方が上だよ?でもさ?立場と場合によってはさ?負けるじゃん?それに生まれ変わりの前に人間じゃん?人間にだって逆らえない何かってあるじゃん?今この時だと思うんですが、どう思う?!

 

誰に問いかけてるかわからないくらい頭はパニックになってた。とにかく目の前の人が怖くて青ざめている。理由は様々だがとりあえずこの状況が1番怖い。

 

「……………」

 

「……………」

 

沈黙が走る。早くこの辛さをどうにかしたい。ビクビクしながら猫先生の顔を見てる。

 

この沈黙が辛いんですが……

 

「嘘つきにはお仕置きだ」

 

「へ?」

 

言われるのと同時に首に何か付けられた。チョーカーのような首輪、リードが付けられる輪っかのようなアクセサリー。ファッション的に合う物だった。これを付けたということはつまり。

 

「お前は明日から俺の下僕1号な?」

 

猫先生はニヤリと笑って俺から離れた。そして俺の首の輪っかの所を掴んで引きづる。おぼつかない足取りで歩きながら正面玄関口を出る。

 

「今日はもう夜遅いから送る。明日から楽しみだな、腐獅?」

 

「………うげー」

 

「あからさまに嫌そうな声をしてんな。嘘つかなけりゃ、首輪まではしなかったっての。素直なやつにはしなかったが、お前は別だから。特別だ」

 

やっちまったし…なっちまったなぁ…。明日から弄られ確定、アイツら絶対何かしらの冷やかしすんだろ…。はぁ……

 

先生によって車に乗せてもらい家まで送ってもらった。車から出て先生が走り去った後、家の鍵を開けて部屋の中に入る。飯は食う気になれなかった。

 

本当は空いてた、空いてたけど……

 

 

『ーあなたがこんな時間まで仕事じゃなかったらー』

 

『ー俺にだって外せない用事がーー!!』

 

『ー外せない用事って何よ!!浮気でしょ!?』

 

『ーーお前だってなーー!!』

 

 

毎日これの繰り返し。照やレオの家とは違ってちゃんと親はいる。離婚もしてなければ親が亡くなった訳でもない。けど、毎日喧嘩ばっか。顔を合わせればいつもあんな感じ。もう慣れたけど、ああいうの見てると食欲失くす。体は素直だがら腹減ったけど。2人がリビングから出るまでは、自室から出られない。

 

「毎度毎度、飽きもせずによくやるよな…」

 

俺は首につけられた首輪を外して、その首輪を眺めた。自分がつけられるなんて新鮮だった。最初は嫌だなと思ったけど、猫先生の弱味でも握れば形勢逆転するかもしれないと思い前向きに考えた。

 

ネガティブに考えるのは性にあわないからな♪せいぜい、利用させてもらいましょうかねw…ま、弄られるの確定だからその心の準備だけはしときましょうか…

 

そんなことを考えてるといつの間にか寝ていた。朝の目覚ましが鳴るまでの間ずっと。この時、リビングに向かっていれば重大な話を聞けたかもしれないが今まさに寝てる俺は知らなかったこと。

 

 

 

『ジリジリジリジリジリジリ!!』

 

この音が目覚まし時計だとは到底思いたくないけど、本当の話。

 

もっと着メロ目覚ましにしてると思ったか?残念、普通の設定についてるような音しか持ち合わせていねぇのよ…。本当なら男と男の濡れ場シーンが目覚ましなら、すごく夢見のいい起き方が出来たんだけどさ?生憎、俺の携帯の中の機能では備わってないので普及すればできるようになるはず……!

 

とりあえず、今日は金曜日。明日から休みなので今日頑張れば楽に休める。ただ気になるのは。

 

「猫先生が言ってた『明日から』が気になる…。もしかして明日『から』って意味なのか?ということはもしかしなくても、休みとかないってこと……?」

 

そう考えると青ざめる。俺の休日ライフが無くなるということ、それすなわち俺の充実ライフも無くなるということ。

 

いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!休日だけは無くしたくなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

 

心の叫びを挙げたところで現状が変わることは無い。とりあえずパーカーを着て上に制服着てズボンも履き替えて、最後にあのチョーカーもどきを付けてからカバンを持つ。持っても筆記用具とか色々入れてるだけで教科書はあっちに置きっぱ。

 

家に持ってくの面倒だしさ〜…

 

部屋から出てリビングに向かう。さすがにもう声は聞こえない。リビング内に入るといつものおにぎり3個と書き置きがあった。いつものかと思ったが、そうじゃなかった。

 

「……え?」

 

内容はこうだった。

 

『密へ

 

母さんと父さんはもう一緒には居られません。離婚しようと思ってます。密がどっちについても裕福な家庭は期待しないで欲しいです。

 

借金云々はせめて今月分だけは出しておきました。それ以降は貴方が何とかしなさい。

 

密が起きる頃には私達は荷造りをして出ていってると思います。密が通ってる学校には寮があったはずです、そっちに行っても問題ないです。その時はお母さんの電話番号で送って下さい。

 

それからもう1つ。父さんがどう思っていようが、母さんの言葉を聞いてください。

 

今更なのはわかってます。でも愛情を注いでた頃を思うと、今はとても申し訳ない気持ちでいっぱいです。それなのに身勝手に貴方の気持ちも聞かずにこうなってしまったことをお許しください。

 

ここに、母さんの電話番号を記しておきます。それからこの手紙を見たら捨てて下さい。未練があったら密の今後に関わるし迷惑だと思うから。

 

本当にごめんなさい。ありがとう。さようなら

電話番号:×××-×××-××××

 

母さんより』

 

 

…………………

 

本当に蒸発した。レオのとこみたいに。まだ愛ある手紙だけど、こんなにも呆気ないとは思わなかった。

 

わかってたことだ、いつかはこうなるって…。知ってた…。寂しいとは思わない。もう、慣れてる…

 

俺は母さんの手紙をどうしても捨てれなかった。未練はないけど、愛がない手紙なら捨ててた。あるから捨てれない。ずっと母さんも父さんも好きだったから。俺はその手紙を折って折ってポケットの中に入れた。それなら部屋を確認するように母さんと父さんの部屋に行った。本当にもぬけの殻だった。あるのは1ヶ月分の冷蔵庫内と俺の部屋とテレビくらいだった。それ以外は何も無い。

 

まあ、1ヶ月分の食糧があるだけマシかもな…。あと電気代もちゃんと前払いしてくれてるみたいだし、近くになったら母さんに電話するか…。いや今から連絡しようかな、うん。絶対忘れる…

 

学校行く前に母さんに連絡して今後のことと、とりあえずこの家に住むと伝えた。1ヶ月が過ぎようとしたらこの家から出るとも伝えた。母さんは了承して電話を切った。それから紙をカバンの左ポケットの中に入れて鍵を持って家を出る。鍵を閉めて通学路を歩く。

 

あ、飯はちゃんと食べたぜ?手紙読んでる最中にさ?安心してちょんまげww

 

ちょうどその時、左右の扉からレオと照が出てきた。なんだか2人とも機嫌が悪い。俺の親が喧嘩してんのはいつものことだ、それに対してじゃないと思う。

 

じゃあ何だ…?……気にしたら負け、かもな

 

「はよ、2人とも!」

 

「…ん?おはよ、密」

 

「はよ、密」

 

いつもなら出会ったら挨拶してる2人がしない。絶対なんかあった。

 

てか、あの歓迎会の後から見てないし…、そこからだよな?……うーーん、触らぬなんとかは祟なしってやつだよな、うん(´-ω-`)

 

俺は照とレオの間に入って腕を組んでいつもと同じ態度で接する。レオも照も何も言わない。他愛もない話も普通にできた。本当に気することないと思った。それも束の間。学校内に入って教室に入ると同じ列の席なのに違う方向から入って席に着く。何の意味があるのかわからなかったけど、とりあえず2人が喧嘩してて機嫌が悪いのはわかった。

 

なんか嫌だなぁ…、いやこれはマジで…。冷やかしとか関係なく…、親よりも嫌だ…。しかも俺真ん中!!真ん中の立ち位置って超辛いのよ?!2人ともっ!!?

 

そんな俺の気持ちなんて虚しく散り担任の猫先生が来る。出席を取り、名前を呼んで生徒は返事をする。という何気ない普通の学校のような光景を見る。これがずっと続けばいいのにって思う。

 

けど、これからそうもいかないんだなぁ…

 

「今日はこれと言って知らせはない。が、この教室の中でとある人間から情報を得た。俺のことを『ホスト』呼ばわりする奴をな。まだ確証はないが、見つけ次第俺の下僕だ。覚悟するように。ちなみに見せしめにお前達には伝えとく。素直に言わないやつにはこうなる。腐獅密!立て」

 

あぁ〜、俺の平和なライフは終わったなぁ…

 

俺は言われた通り立ち上がる。みんな一斉にこっちを見てくる。

 

「首につけてるもんを見せてやれ」

 

何のお仕置きだよって思うが従うしかないので、嫌々ながら従う。本当に首に首輪のようなチョーカーを付けていた。教室にいる奴らはザワザワし始めて言ってたヤツも警戒し始めた。

 

わかってんだぞ?お前ら。俺が知らないと思うなよ?お前らも道連れだ(^ω^)

 

「本当は言うつもりはなかったんだけどさ?この教室内で、『ホスト』って言ってる奴ら知ってるんだよね〜?正直に言った方が楽だぜ〜?なぁ〜?」

 

と言ってみるが、案の定挙手はしない。まあ、そこはわかってたわけだけど。

 

正直にならなかった俺が言うのも説得力ないけど

 

「俺まだ名前知らないので、俺が言うことになるんですけど〜?近くに行ったらわかっちゃうよ〜?」

 

そういうと身体をびくつかせる奴がチラホラ。猫先生の止めが入るまで続ける。俺は席から離れてその人の近くらへんまで行く。途中猫先生を見るけど、様子見らしいのか全然止める気配がない。

 

「あれ?どうして下向いてるの~?もっと堂々としてないとバレちゃうよ~?」

 

肩にポン。その瞬間、ビクッと跳ねた。

 

「はい☆おひとり様ご案内♪」

 

続けて何人かの人もポン。同じように跳ねた。

 

「はーい、あらかた目星しい人は捕まえましたよ〜?あとは………(チラッ)」

 

「……………」

 

この何も話さないやつ。名前がわからないからどう呼べばいいかわからないので、とりあえず見た目で名前を呼ぶ。

 

「怖い顔しないでよ、豹柄さんw」

 

「ひょ、豹柄!?」

 

「だって、名前わからないんだもん」

 

「だもん、じゃない!俺は豹真(ヒョウマ)だ!名前だけどな!覚えとけ!」

 

「豹真ね、覚えてたら覚えとくよw」

 

「このっ……!!」

 

「それで?」

 

「……あん?」

 

「お前はどうなの?他の奴ら見捨てるような奴なの?それとも、本当に言ってないの?」

 

「…………言ってない」

 

「…………、あ、そう。わかった」

 

豹柄の豹真ちゃんは安堵した。

 

何故って?そりゃあ脅威が去ったからでしょ?でもね、これでは終わらないのが俺なのよ?

 

「さーて、皆さん!コレに注目して下さい!」

 

俺は自分のスマホを取り出し、椅子の上に上がってスマホを高々にし、そして音量MAXにして聞かせる。

 

『またあのホストだよ…。小等部も中等部もあのホストだから参っちゃうなぁ』

 

豹真ちゃんの声だ☆

 

豹真ちゃんはバッと勢いよくこっちを見た。俺はそんな豹真ちゃんにニヤリと笑った。豹真ちゃんはガタッと立ち上がり俺の持つスマホに手を伸ばす。

 

まあ、取れませんけどね♪

 

『しかも、あのホスト先生ってあの服装から何も変わってないんだよね〜。いつ洗濯してんの?って思うくらいさー?だって小等部も中等部も変わらない服装、何着持ってんだかww気に入ってんのかね?まあ、気に入ってなかったらホスト服なんか着ねぇよなwwギャハハハハ!!』

 

ここでプツンと切れた。豹真ちゃんの顔は青ざめて俺は頭をよしよしと撫でた。俺は追い打ちをかけるように豹真ちゃんに聞いた。

 

「これ、今みんな聞いちゃったけどさ?それでも自分は言ってないって言える?みんなが証人だよ?隠し通せるかな?俺なら絶対に無理だよ?」

 

豹真ちゃんは膝をついてビクビクしてた。俺は猫先生にこれで全員という顔をしてから、豹真ちゃんにもみんなにも聞こえるように。

 

「嘘は泥棒の始まりって奴だよ?みんなも覚えとくといいよ~♪」

 

俺もしちゃったしね☆

 

そして豹真ちゃんはホームルームが終わったあと、猫先生に連れていかれた。数名の奴らと共に。俺のスマホは没収されずに済んだ。今回特別にってことで。

 

「お掃除完了☆」

 

「掃除って、アレがか?」

 

輝が俺の言葉にツッコミを入れた。レオも同じような顔をしてる。

 

「そっ♪旅は道連れって言うだろ?俺だけなんて許されねぇよ!まあ、当分これは付けなきゃいけないんだろうけどさ…」

 

「休日出勤も有り得るってことだなww」

 

「笑い事じゃねぇよ!俺の生BLライフが台無しよ!あのイベントみたいにどっかに落ちてねぇかな〜、BL」

 

「落し物みたいに言うなよ。そう簡単にあるもんじゃねぇだろ?」

 

「けど、ここは男しかいない学校だぜ?言わば巣窟!BLがわんさか見れる楽園!そういう関係でなくとも見れちゃう貴重な宝庫!それがこの学校には備わってる!それを見過ごすなんて、だーれがするかよ!」

 

「お前の頭はお花畑だな…。もしくは残念な頭か」

 

目を輝かせながら語る俺にレオは呆れた表情で言う。輝は蔑む目で見てた。いつもの事だけど。

 

「残念とか言うな!俺は至って健全の高校男子!てか、お前らこそ今日はどうしたよ?いつも仲良くケンカしてる癖に、今日は静かじゃん?何かあった?」

 

「………」

 

「………」

 

「「何も」」

 

「ハモっちゃうくらい何かあったんですね、わかります」

 

「「…………………」」

 

それには触れるなと言わんばかりの雰囲気。仕方ないのでその話題からは目を瞑る。

 

追求しても何も答えなさそうだし。しつこくすると拗ね始めるやつが約1名いるし、そうなると面倒だし。うん、ここはやめとくのが正解ルートだよな!

 

「あ、でも!俺が何かに感づいてもし答えに辿り着いたその時は聞かせてもらうからな?今は聞かないでやるけどさ?な、お2人さん?」

 

2人にニッコリ笑って無理やり約束を取り付けた。すると渋々と言った感じで頷く2人。

 

暴いた時は根掘り葉掘り聞いてやる♪

 

「おい、腐獅。お前も来い、職員室」

 

「げっ……………、はーい…」

 

「「いってらー」」

 

「いってきまー」

 

立ち上がり猫先生と共に職員室に向かう。他の奴らも待っていたように俺を見てチッと舌打ちをしてた。

 

いや、あんたらに舌打ちされる義理はないだけどね?なんか俺が悪いみたいにしないでくれる?

 

「今舌打ちした奴、自分の言葉で白状すればここまでやる気はなかった。だが、腐獅の言葉でも出てこなかった自分を恥じろ。腐獅はワンクッション置いてくれていたし譲歩もしていた。これから伝えようと思ったことが少し重くなるからそのつもりでな、お前ら?」

 

やらなきゃ良かったと思ったやつが何名かいた。まあ、今思っても後の祭り。俺に舌打ちなんてするからとばっちりを受ける。まさに自業自得。というか、俺のこと見てないようでちゃんと見てくれてるんだって思うとちょっと嬉しい。

 

ま、俺も学習したしね…。あん時に…

 

歩いて職員室に向かう。ただ浸す長い道のりは苦痛でしかない。それにいろんな奴らか俺らを注目してる。けど、悪い気はしていない。

 

なんでって?そりゃあいろんな奴らが見れるから♪だってまだ上級生と会ったことないし生徒会"長"は教室で見かけたけど、他は知らない。俺ら下級生じゃああんまりここは通らないからな!拝めるチャンスでもあるわけで、ネガティブイベントだけじゃないってこと!

 

そして何事もなく職員室に入る。並んだ行列は先生達には察しの行くものだった。それは視線が俺を見たから。多分、この首輪が意味をみなしてるんだと俺は思う。過去にもそういうことがあったと言える。

 

その目、お察しします。って俺が言うのも変だけどw

 

「まずは、土田(ツチダ)」

 

「はい…」

 

豹真ちゃんが前に出る。俺と同じ首をつけられる。しかも俺のにはタグだが、豹真ちゃんには鈴が付けられている。理由とともに他の奴らにも付けていく。

 

てか、土田って言うんだ…?なんであん時教えなかったんだろうか…。生まれ変わりを主張したかった的な?

 

「お前はちゃんとした俺への侮辱が認識できた。ので、お前は俺のペットだ。腐獅と何が違うと言えば罪の重さだ。お前には俺の手足となって休日も登校してもらう。舌打ちした奴らにはこの腕輪だ」

 

舌打ちした奴らには同じ色の枷。そこにはタグがついていて、俺には『1』と書いてあるが他の奴らは『2』、『3』と書いてある。

 

俺のは特別なのかわかんないけど、他にはないリングが付いてるけどさ…。1はリングの上の方に小さく書いてあるんだよね…、とっても見づらない…

 

「舌打ちした奴らは腐獅と同じ扱いだ。しかし、罪の重さは腐獅と違う。言わば中間だ。もちろん、土田と同様にいた者達も同じ扱いだが、土田は俺の専属ペット、ならお前らはとなる。お前らはここの先生方の手足となれ。異論は認めん、わかったな?」

 

渋々と言ったように小さい声で返事をした俺以外の奴ら。その返事に猫先生はため息を吐いた。

 

「そうか、それで満足ができないなら特別に体育教師の『アノ』先生の元に行ってもらう。成宮先生」

 

ちょうどいたであろう成宮先生とやらが返事をしてこっちへ来た。見た目がラグビー系の体型。

 

うーん、もしかすると怪力系の動物の生まれ変わりかもしれんな…。俺この人といたら俺の平和な日常がさらに消える…、非常に関わりたくない…

 

「土田も例外じゃない。今ので返事をしていたら良かったが、問答無用で成宮先生について貰う。さて、まだ他の先生方についてる方が気楽だと思うが、どうする?」

 

『『『はい!異論はありませんし、その指示に従います!!』』』

 

豹真ちゃんの顔が青ざめる。そしてビクビクした体で成宮先生について行く。時々振り向いては助けを求める顔をする。が、他の奴らは目を背けて見ないフリ。俺は見ないフリはしないが口パクで。

 

『自 業 自 得』と冷めた目で見つめる。豹真ちゃんはその言葉が身に染みたのか何も言い返すことが出来ず、そのまま職員室から出ていく。

 

「なら、腐獅以外は散れ。タグと同じ席の先生のところに向かい手伝うように、どんな事でも断ることは俺の指示をも断る行為だと思え。それでは解散」

 

俺以外の奴らは先生達の前に行っては指示をもらってせっせと動く。俺が周りをキョロキョロしていると、猫先生が突然立ち上がり俺に量の多い資料を持たせた。分厚い本のようなプリント。

 

「俺もこれから数学教室に向かうからそこまでこれを持て」

 

「へーい」

 

「お前の罪はそこまで重くないが、俺の呼び出しには絶対服従だ。バイトの件も聞かせてもらう。風紀委員長には許可をもらえたのならそこで俺にも言え。把握しとかなければ、今後休日に呼び出す時にバイトの用事で来れないじゃあ意味が無いからな」

 

やっぱ休日も呼び出し食らうのか…。まああの豹真ちゃんよりはマシなのかな…?

 

「わかったな?」

 

「はいはい、わかりましたよー」

 

その後からは黙って数学教室に向かった。途中で笑われることもあったが気にせずに歩いた。俺よりも重たい奴らはそれよりも笑われてるだろうから。

 

自業自得でもそこまで俺だって鬼じゃねぇしさ?ま、可哀想だとは思わないけどね

 

しばらくしてやっと数学教室に着いた。やっぱり長い気がする。本当に金持ちの考える金の使い方は間違ってると思う。

 

「なげーよ、この道…。去年卒業した奴らの小等部からいるが、こんなに歩く必要ないだろ…。面倒だなぁ」

 

同じことを思ってた。けど、先生としてそれは言っていいのだろうか。俺はいらぬ火種を向けられないように黙ってる。ただの独り言に思わせるやり方で。

 

「お前はどう思う?腐獅」

 

振るんかーい!しかも答えづらい質問しやがって…

 

と思いつつ。

 

「長いとは思うけど、猫先生が言っちゃう?」

 

「生徒が言おうが俺たち教師が言おうが、気持ちは一緒だろ?長い距離を歩くのと短い道を歩く方がどんなに楽か。この学園の方針に逆らう気は無いが、もう少し優しい金の使い方をしてもらいたいもんだよ…」

 

大事なことだからもう一度☆猫先生が言っちゃう?

 

というか俺達もそういうの口走ってもいいんだということがわかった。別に規制があるわけじゃないとは思うけど、なんか猫先生が猫先生なので金の使い方について文句を言ったら理事長先生も黙ってない気がすると俺は思った。

 

そりゃあさ?話しかける相手が俺しかいなかったらわからんでもねぇけど、それしたって質問の仕方が危なすぎて全力でヤバい。ギリギリアウトかギリギリセーフかわからんもん…

 

とにかく回避したい俺は猫先生に数学教室に入るように促す。猫先生も立ち話も面倒だしと思って中に入った。俺も入った。そしてプリントの山を机の上に置いた。やっと解放されたので腕を回したり肩を回したり首を回したりして体をほぐす。軽いストレッチをしてる中、猫先生は話しかけてきた。まずバイトの件。

 

「バイトは俺のよく通う商店街のとこにある魚屋、八百屋、花屋、ケーキ屋、食用品の配達、あと特殊なバイトかな。風紀委員長も納得してもらってますよ♪」

 

「特殊なバイト?」

 

「うーん、こういうのは体験した方がわかりやすいのですが……。じゃあ次の時間の予鈴がなるまで実践しましょう。それにその特殊なバイトは猫先生も『見てた』ですし☆」

 

「は?見てた?……っ!?」

 

俺は猫先生を壁ドンした。猫先生は最初にびっくりしたがすぐにいつもの表情に戻る。これが何になるという顔で俺を見てきた。俺はそのバイトのスイッチを入れる。カチッとな。

 

「おい?腐獅……?」

 

何も言わない俺に少し心配なのか再び俺の名前を言った。俺は猫先生の耳元まで近づける。吐息をかける。猫先生はビクッと肩が震え、自分の反応に動揺する猫先生。俺はそのまま話しかけた。

 

「先生」

 

「んっ……、なんだ…?」

 

「先生はこういうことされたことは?」

 

「あるわけないだろ…?」

 

「したことはありますよね?」

 

「そ、うだな……っ」

 

「その時どういう気持ちでした?」

 

「どういうって……、その時は考える余裕も…」

 

「本当に?」

 

「…っ…!?」

 

さっきまで普通に会話してたはずなのに急に俺が重低音で囁くので、猫先生はまたビクッと震えた。弱々しく俺の制服の裾を掴んだ。不安になった猫先生の無意識な行動。俺はそれを逃さなかった。

 

「どうしました?体が震えてますね?そんなに俺が怖いですか?」

 

「……こ、怖いわけないだろ…?なぜお前にそう思わないといけない…!」

 

強気で答える猫先生だけど、体は素直だった。というか手が、かな。

 

「怖くない?嘘…じゃないんだ?じゃあ……このままの状態でこのままの声でこのままのトーンで良いんだ?」

 

優しいそよ風が一気に空間を制圧するかのように冷たい氷のようなひんやりとした空気。猫先生は自分の言葉が招いた空気なのだと察した。言葉にしようとしても今更な気がして申し訳ない顔をする猫先生。

 

「なんとか言ったらどうです?先生。何か言いたいなら今言わないと引き返せなくなるけど?」

 

その言葉が今は救いだと思った猫先生は前のめりになりがちな俯き加減で言葉を伝える。しかしあんまり聞き取れない俺は肩をポンッと軽く叩いた。すると猫先生は緊張していたのか瞬間に尻餅つくようにペタンと座る。何が起きたのかわからない猫先生は俺を見る。

 

「聞こえないけど?それとも本当は嘘だったの?……俺さ、嘘つく人って嫌いなんだよね?先生もそうだったよね?まさかとは思うけど、自分には甘くて人に厳しいってさ?それは大人としてどうなの?」

 

さっきの重低音がさらに重低音で、かつ冷めたような蔑むような目で見られてるような声のトーン。マジな声ってすごい効果抜群に心にグサッて来るものだから、猫先生もそれを感じていっそう体が震え始めた。猫先生は目から涙をポロポロと流しながら俺の顔を見た。それから震えた声で必死に言う。

 

「……ご、めんなさ…いっ……う、そ…つきました…。……許、して…とは…言いません……。どんな、罰も……うけ、ます……。…だ、から……っ」

 

ガチガチに体も声も震えている猫先生。俺は優しく猫先生を抱きしめる。猫先生は怖くて怖くてずっと何度も謝っていた。まるで命乞いをする貧乏な農民って感じにも見える。

 

「先生」

 

「…っ…は、い…!」

 

「俺はもう怒ってません。だからもう大丈夫です。ごめんなさい、怖がらせすぎました。先生、正直に言ってくれてありがとうございます」

 

その言葉を聞いた猫先生の体は緊張の糸が切れたのかさらに目からポロポロと涙を流し俺の胸の中で泣いた。俺は誰にも聞こえないように隠し机の狭い所に移動してそこで猫先生の背中を撫でながら泣き止むまで待った。

 

 

 

その時、ドアの向こうでは数人の誰かが聞いていたなんて俺や猫先生は知らないし、それが原因で俺はさらなる困難に立ち向かざる負えなくなるなんて知りたくもなかった。

 

 

 

しばらくして猫先生は落ち着いたのかこの状況に恥ずかしいという意味でも俺の顔を見られないでいる。俺がちょっかい出すように猫先生の顔を見ようとすると顔を背けて俯く。その状況に俺はわざと呆れたようなため息を吐くと猫先生は肩を震わせ、また泣きそうになる。また慰めるのは黒歴史にもなりかねないので、こっち見るように言うと素直に応じてくれた。

 

「そろそろ落ち着いたと思うんで、特殊なバイトのこと話してもいいすか?」

 

「……あぁ…」

 

「猫先生も内心は感ずいてると思うけど、………歓迎会ご褒美タイムでやったあのBLがバイト名。された時飴と鞭があったでしょ?つまり、そういうこと」

 

「なんとなく、わかってはいた…。『見てた』っていうヒントでな…。が、まさか俺がその体験をするとは思わなかったがな…。いつもそんな感じなのか?」

 

「人によっては物を使ってやるのもあるけど、俺は言葉攻めが多かったり癒しが欲しい人や息抜きが欲しい人、あとは懺悔をする人に対して今さっきみたいに泣かせたりってね。最後には猫先生にしたように優しく包む。すると、通ってくる人達は安心感とかスッキリした顔で帰ってくんだよ。まあ、俺もまさかそこでバイトするとは思ってなかったけどね」

 

「まさか泣かされるとは思わなかったが、確かに最後は安心やスッキリは少しした気がするな…。最初怖かった分、体の力が抜けれた気がする…」

 

「怖くないって最初は言ってたのにね?あれはやっぱり嘘だったわけっすよね?」

 

「……それは…、悪かった……。本当は怖かった…。これが、生まれ変わりをする前の先祖なら俺は食われてたかもしれない。人間界でいう裁判所で裁かれるみたいな、な。ーー百獣の王のお前に」

 

「………気づいてたんだ?」

 

「あの威圧と気迫はそこらの動物の威嚇とは違う。俺たち猫族でもできん。だからなんとなく察した。隠してるつもりは無いだろうが、お前の態度は気づかれにくい。だから怖いと思った。だが、お前の怖さは後に残る怖さじゃないから……その、安心したし心地よかった……これは本当に」

 

俺の胸の中で猫先生はギュッと体を近寄らせてきた。安心感と居心地がいいからってさっき言ってたから、それでなんだと思う。最後のも嘘を言ってるわけじゃないみたいだから、猫先生の全身が素直になったという証拠。

 

この状態ならいけるかな?

 

「じゃあさ、そのバイトもOKってことにはならないすかね?偵察に来るのも良しだし、本当に息抜き程度に来るのも良しなとこなんで。学生ももちろん入れる場所だし、先生っていう身分を隠しても別に問題ない場所だしって、いたれりつくせりだけど…、どう?」

 

「……………」

 

しばらく沈黙が続く。多分検討してくれてるんだと思う。こんなことで緊張することなんて今まで無かったけど、何故か緊張してる。そして5分もしない内に猫先生は口を開いた。

 

「……不本意だが、体験してた時に『罰を受ける』と言ってしまったからな。そのバイトを受け入れざるおえん。それにこの状態を誰かに見せるのは恥ずかしいことだが、お前にならと思った。このことは他の奴らには言えないことだが、俺はいいと思ってる。………現に俺の中でスッキリした部分もあるわけだしな………」

 

最後の方はあんまり聞き取れなかったけど、OK貰えたので良しとしよう。そこまで聞かないで置いた方が猫先生のためにもなるし。

 

何より俺の日常ライフがさらに危険になるなら、そんな危ない橋なんて渡りたくないし…(´-ω-`)

 

しばらくすると予鈴の鐘の音が鳴る。今まで鳴ってなかったのかと言われると、不思議で仕方ないけど今鳴ったのなら今なのだろう。

 

「さて、猫先生?予鈴もなったことだしそろそろ教室に行かないすか?次の授業が終わればお昼になるわけだけど、行かないと先生的にサボりっすよ?てか、俺がサボる形になるんですが?」

 

「そうだな、じゃあ戻って構わない。俺は『後処理』があるから、お前達は自習をするようにと言っておいてくれ。次は確か、俺の授業だからな。少しだけ遅くなる」

 

…………後処理とは?それになんだか猫先生、震えてる?……………うん。何かあるって感じだ

 

「ん、わかった。じゃあみんなにはそう伝えるよ。でも遅かったら迎えに来るからね?んじゃ、また後で。先生」

 

「あぁ…、って目上には敬語を使え、腐獅。偏りは読者に読まれないぞ?」

 

「読者って誰だよwwwていうかそれはメタ発言って知ってる?先生wwwこれが小説の話なら絶対乗らない茶番だし、それにこれがもしドラマならカットされてる所だからね?www」

 

「敬語」

 

「はいはい!わかりましたよ、もー。とにかく教室で待ってますから早めに来てくださいよー?」

 

と言って、俺は数学教室を出た。そのまま教室に向かう廊下を歩く。背後からつけられてるというのは気づいておきながら知らないフリ。

 

バレバレな尾行だな…

 

しばらく歩いてから教室に顔を出す。そして教壇に上がりみんなに伝える。

 

「猫先生は今数学教室で『後処理』という名の準備をしてるらしいので、来るまで自習をしててほしいそうでーす!数学教室とここからだと距離があるので、定期的に迎えにいくのは困難なのでまた今から猫先生を呼びに行ってきまーす。なので俺達が帰ってくるまで、ちゃんと自習をしてないと後で酷い目になるのが目に見えてます!……つまり、そこにいる豹柄の豹真ちゃんのような扱いをされると思ってね☆どこにカメラやらなんやらがここにはついてあります。それを全校生徒に流すことも可能なので、ちゃんとやりましょう!という訳で、皆様?ちゃんと勉強に励みましょう!それでは♡」

 

それだけ言って教室を立ち去った。それから尾行してたであろう奴らの所へ向かう。数学教室に行くついでに。何してるのかも聞き出すために。

 

 

後からの話、教室ではその事を聞いた何人かの人が教室中を探したが、結局見つからかったというのはあの二人から聞いたけど。まあ、付けてませんからね☆

 

 

しぱらくして数学教室に行くための階段を上って、そこから長い廊下を渡った先を左に曲がるところで、あの尾行した人達に出くわした。

 

止まれって言われたから止まったんだけどね?

 

「ここから先は行かせれない」

 

「なんで?」

 

「何でもだ。それとお前」

 

「はい」

 

「上級生に向かって何だその口の利き方は!もっと敬え!」

 

「………………。あー、コレハモウシワケナイデスネ。上級生にはあまりにも見えなかったものでー。で、本題はなんでしょう?センパイ方」

 

「………そのカタコトと言い人を馬鹿にする感じの言い方に関しては後でお仕置きしてやる。今はそんなことより本題だ」

 

見た目がムキムキのマッチョで体育会系の先輩達。体育教師の先生並みの巨体を持っている。関わりたくない相手だと思ってたけど、運命はその路線から外してはくれないらしい。

 

はぁ、めんどくさい……

 

「今、俺達のことを貶すような事考えただろ?しかも一言で終わらせられるような言葉で」

 

そして『無駄に』鋭い…

 

「言葉に対することは後で処理だ。今はここを通すわけには行かない。俺達ゴリラの末裔は誇り高いのだから!」

 

すべてのゴリラがそうってわけでもないけど、あの人達はそう信じてるなら俺は口に出さないようにしよう。というか、ゴリラの方はあんまわかってないけど…

 

「……そんな誇り高い先輩達がここを縄張りにしてるか知りませんが、俺は担任教師を連れてこないといけない義務があるんですよ。先輩方の誇りだかなんだかは今はどうでもいいんす。次数学なんで通らせてもらいたいんですが」

 

「そんなことはどうでもいい」

 

どうでもいい?

 

「お前はここから立ち去り教室に戻れ。あとは俺達が猫澤先生をお前達の教室に連れていく。さっ、お帰り願おうか」

 

「それもそうはいかないんですよ、大事な俺達の先生に何してるか知らないけど時間がかかるようなら退いてもらいたいなと思ってるです。穏便に済ませたいんですが、ダメっすか?」

 

「穏便に済ませたいならお前が去れば済む話だ。そうだろ?兄弟」

 

んー、わかってもらえないのかぁ…。本当にめんどくさいなぁ…。はぁ……、まだ様子見でこれ以上はってなったら……うん。本気で行くゾ★

 

「いや、どうしても通らせてもらえません?俺も長くここにいる訳にはいかないんですよー。もう本当に!授業妨害ってよくないと思うんですよ!その、誇り高い?ゴリラ族の先輩方がそんな下級生の担任教師と鉢合わせにできない理由なんてないじゃないですか。あ、それともなんでしょう?先輩方は俺や俺達の先生の親衛隊か何かですかね?もしそうだとしたら、それこそ大問題ですよ?親衛隊ってその人を守るのが仕事なのに、それを貶してるってことですよね?それって親衛隊の意味あるんでしょうか?熱狂的で浮気だ何だって言ってるのは個人の意見でしょ?それを拘束するってそれは親衛隊のしの字もないですよ?それにもしそれが過激化の皆さんなら、風紀委員の皆さんに言わないといけなくなるんですよー。親衛隊の皆さんがそんなことで出頭されるのは俺としても辛いんです…。なのでそこを通らせてくれたら嬉しいなって思うんですが、そこはどうでしょう?」

 

ペラペラと痛い所を言いまくる俺。ゴリラ族の先輩方も俺の言葉に引き気味。だけど、ここで粘るのも多分先輩達の威厳なんだろうという意志の表情になる。

 

ならなくてもいいのに…、めんどくさいだけなのに…

 

「我らは猫澤先生に用事があるのだ。先輩の顔を立てるのであればお前が去れ。さもなくば言葉遣いといい態度といい悔い改めさせるべく制裁を下す。それに、貴様には『相応しくない』。よって何度も言うが去れと言っている」

 

プチッ。何かの線が切れた。今の『相応しくない』に切れたのか、堪忍袋の緒が切れたのかはわからない。けど、切れたのは事実。俺は静かにスマホを取り出しどこかに電話をかける。そしてそれをスピーカーにし、まもなくプツッと止まる。

 

『……っ、もし…もし…っ』

 

「先生?」

 

『あっ…んっ…、そ、だが…?』

 

「何してるの?」

 

『後……処、理……』

 

「その割には息切れ激しいですね?そんなに長引いてるんですか?『後処理』って大変なんですね?」

 

『……そ、だな……。た、っぃ、…へん、だ…』

 

「ねぇ、先生?」

 

『んっ……ん?』

 

「その『後処理』、俺も『手伝う』?」

 

『……っ!!』

 

「どうする?先生」

 

『……………』

 

「手伝って欲しいなら叫んで?『命令だ、手伝え』って。そしたら下僕の俺はアンタのところにすぐ手伝いに行ってやるよ?だって面倒でしょ?1人で『後処理』すんの。なら、下僕第一号がアンタを助けてやるよ!…………ほら、言えよ?猫先生」

 

『………っ!!?め、っ…命令…っだ…。て、っだえ……』

 

「聞こえない。もっと大きな声で。しっかり吐け。聞こえないなら『手伝わない』よ?」

 

『……っ!!!……っ、命令だ!!手伝えっ!!!(ブツッ)』

 

「(プープー)………了解」

 

俺はニヤリと笑ってゴリラ先輩達に近づく。電話に気を取られてた先輩達は一歩遅く、俺が懐に入った時にはもう何もかもが終わっていた。何が起きたかわからない、それは一瞬だった。俺はゴリラ先輩達の中の偉い人の胸に上靴のまま置いた。もがく先輩達、だけどビクともしない。置いたと思えない力に動揺してる。

 

「さて、先輩」

 

「な、なんだ…?」

 

「猫先生があんなに息切れで、しかも若干泣いて掠れた声で応答してくれた訳なんだけどお宅ら一体何をしていたのかな?」

 

「フッ、教えるk……あがっ!!?」

 

「質問は答えろよ?今の俺さ、加減が難しいの。敬語もままならないくらい。ね?それに今の立場的にはアンタの方が不利でしょ?他と違って声が出るように仕留めたんだからさ?ほかを見てみなよ?皆動いてる?」

 

上級ゴリラ先輩は寝たまま見える範囲を見た。気絶してるかのようにピクリとも動かない。自分だけは全然普通に話せてるのに周りは指一つ動かない。そんな状態を見た上級ゴリラ先輩は一気に青ざめた。そしてさらに俺はグッと足に力が増す。上級ゴリラ先輩は苦しいのか息ができていない。

 

「答える気があるなら縦に振れ。答える気がないならもっと苦しい姿を晒すことになるけど?」

 

すると上級ゴリラ先輩は全力で頭を縦に振る。自分の命が危険にさらされるのは嫌だと思っての行動。賢明な判断と言える。少し緩めてあげる。安堵する上級ゴリラ先輩。

 

「じゃあ手短に聞きたいので簡潔に。猫先生への用事とは?」

 

「……う、浮気をした猫澤先生へのお仕置き……」

 

「じゃあお仕置きとは?」

 

「…っ…制裁……」

 

「詳しく言うと?」

 

「……強姦…っ…回しレイプ……」

 

「猫先生の許可は?」

 

「……と、取った…」

 

「強引に?」

 

「……………………」

 

「 強 引 に ?」

 

まだある質問の中でここに時間を費やそうとする上級ゴリラ先輩は無言になった。ので、俺はしゃがみさらに上級ゴリラ先輩の腕を掴む。何をされるのかと思って腕を見ると、俺は上級ゴリラ先輩の小指を持っていた。折ると一番痛いと思う所No.1だろう指を持ってる。何をする気だという目を俺に向ける。俺はニコッと笑って。

 

「折る。しかも元に戻らない方向に。関節が元に戻らないように、アンタが死ぬまでその指は今までのようには再生しない。どんなに頑張って病院を転々としても治せないほどに、ね?するんだ。痛いだろうね?苦しいだろうね?でも仕方ないよね?頷いたのに答えないんだもん。それなら何されても文句は言えないよね?俺も辛いよ。アンタが絶望と後悔でしか生きていけない状態まで、つまり精神崩壊してしまう程に恐怖を味わなきゃいけないんだからさ?あ、でも猶予もあげるよ?3秒内でアンタがちゃんと大きな声で答えることが出来てすべてを白状してくれたら俺はこの小指を折るのはしない。そんでアンタは俺からの『束縛』から逃れられる。一石二鳥だね?逃げれる保証はしないけど、まあそこら辺は頑張って?あ、でも約束ね?コレをしたのが俺だって言わないでね?言った時は………知らないよ?いい?それじゃあカウントダウンスタート★…………3………2………1」

 

「ヒッッッ!!!!!言います!!すべてを自白しますっ!!!猫澤先生を強姦回しレイプが俺達の目的で、3年の先輩達に命令されてお前の見張りを任されました!!!お前を蹴散らすことが出来たら俺達も猫澤先生の回しレイプをさせてもらえることになってます!!!これが我らが言える全てです!!!!」

 

恐怖を体験した上級ゴリラ先輩は全力の声で叫び自白した。半ば俺の威圧が怖くて答えてしまった発言は結構、危ない発言が多い。多分、このゴリラ共より上の人に怒られるよりも何倍も怖かったのだろう。言ったから見逃してほしいという顔をした。俺はニコッとまた笑って。

 

「ありがとう、上級ゴリラ先輩。ちゃんと白状したね?えらいえらい。俺のことは話さないと約束も、もちろんできますよね?………ね?」

 

「っっ!!?するっ!!します!!!しますから、小指を折ろうとしないでっ!!!!」

 

命乞いをしてきたので上級ゴリラ先輩の襟首を掴んで引きづる。少し苦しそうな上級ゴリラ先輩はどこへ連れていくのかとか子分たちはとかを心配してる模様。子分たちも首だけ動かして俺を恐怖の目で見つめていた。決定的に俺が上級ゴリラ先輩にしたことはもしかしたら自分にも当たってたかもと思ってなにもいえないようだ。俺は上級ゴリラ先輩にも子分たちにも聞こえるように脅す。

 

「じゃあアンタはこのまま数学教室まで行ってもらおうか。他の人はまだそこから動くことできないだろうけど、意識はあるはずだよね?君らはこの人を見捨てるような人達じゃないよね?だって誇り高い先輩方だもんね?友を売るなんてことしないでしょ?なのでこの人が精神崩壊起こさないためにも君らも俺には逆らわないでしょ?」

 

子分たちは俺の目を見て、まるで心臓を貪り食い尽くすような悪寒が走ったのか全力で首を縦に振る。振りすぎて体が硬直したように首も動けなくなってしまった。俺はニコッと笑って上級ゴリラ先輩を引きづって数学教室に向かった。

 

 

 

その後、残されたゴリラ子分達は巡回中の風紀委員達に身柄を拘束され現在は風紀委員室で、取り調べを受けてる最中。しかし誰にやられたかや何をされたかは答えず、ただひたすらに自分の行いに対して謝っていたという。それには風紀委員もお手上げ状態らしい。今も難航してるという。

 

 

 

しばらくして数学教室に着く。予定なら俺は潰されて子分たちを連れてここに戻るという算段らしい。

 

まあ、返り討ちで逆に潰したけど♪

 

俺は上級ゴリラ先輩に命令して開けるように言う。もちろん片腕を掴んで小指をいつでも折れるようにしながら、平然と言うように注文する。上級ゴリラ先輩は声を震わせないように中のいる人たちに声をかける。

 

「目標を始末しました。開けてください」

 

そう言うとカチャという音が鳴り入っても良いと言ってきたので、俺は勢いよくガラッと開ける。すると潰したと思ってたヤツが現れて動揺する超級ゴリラ先輩達。俺は堂々と入ると、まず最初に見たのは猫先生。猫先生は後ろも前も口もゴリラ先輩達によって『後処理』をしていた。ある意味では猫先生の『後処理』という発言の意味が分かる。

 

これはもう本気でキレるしかない。良いよね?先生

 

そんな目で猫先生を見ると涙を浮かべた状態で目配せさせてOKのサイン。もう割と限界っぽい猫先生。

 

「さ、ゴリラ先輩。言うことあるよね?自分の置いてる立場を考えてどっちについた方がいいか考えてみんなの前で言おうか、ね?」

 

「……………っ……」

 

悩む上級ゴリラ先輩。超級ゴリラ先輩達も上級ゴリラ先輩に言う。

 

「何をされたか知らんが、ここで我らを裏切るのであればそれ相応のお仕置きが待っているが?」

 

「………………うっ…」

 

さらに悩む上級ゴリラ先輩。揺らいでる。俺はさらにさらに追い打ちをかけていく。

 

「ねぇ、ゴリラ先輩?ゴリラ先輩は自分の子分たちを蔑ろにするような腐った誇りは持ち合わせていないですよね?だって誇り高くて頼りになって優しくて誰よりも子分たちの味方であるゴリラ先輩は、ここの野蛮な超級ゴリラ先輩達みたいな汚れて腐ってしまった使い物にならないほどの誇りなんて無いはずです。よね?ゴリラ先輩」

 

俺は上級ゴリラ先輩の腕を前に出しその小指を掴む。上級ゴリラ先輩は涙を流して嫌だ嫌だと頭を横に振る。超級ゴリラ先輩達もそれを見て脅しだとわかった。

 

「貴様、本気か?やるなら本気でやれよ?そんな度胸があるならな?そこにいる猫澤先生もそういう脅しは何度があったが、今の状態にまでなった。果たしてお前はどうだろうな?まあ、本気でやるわけないよな?警察沙汰になるぞ?ギャハハハハハ!!!」

 

猫先生はその一人の発言に希望が絶望に変わる目をした。俺は猫先生に問いかけた。

 

「猫先生。もし俺がこの挑発に乗ってあらぬ罪が出ても助けてくれる?そしたら俺、猫先生を助けるために行動するからさ?頷くか頭を横に振るか、決めてよ?」

 

「猫澤先生に委ねんのか?責任感ねぇやつだな?ギャハハハハハ!!!」

 

俺はこの超級ゴリラ共の言葉なんて聞かず猫先生の返事を待つ。すると猫先生は少し考えはしたが「うん」と頷いてくれた。俺はニコッと笑いゴリラ先輩の腕を掴んだまま猫先生に近づき、頭をよしよしと撫でる。とても優しいその手つきは猫先生の希望を与えるのに充分すぎる勇気だったと思う。猫先生は加えたままだったが嬉しそうに笑った。それを見た超級ゴリラ先輩達は激怒した。猫先生の髪を掴み苦しむ猫先生を他所にネクタイで両腕を後ろで縛り、尻からゴリラの棒を抜いて机に叩きつけた。そして猫先生のお尻を思いっきり一発叩いた。

 

「っっーーーー!!!!」

 

声にならない程の痛みに猫先生は苦しくて痛くて怖くて震えて泣いている。俺は理性が吹っ飛ぶくらいに完全にイカれた。そして俺はレオや照でないと直せない、止まらない怪物とかした。

 

 

 

えー、ここでひとつ悲報です。なんと、こうなった俺って制御不能でして。なのでここからの語りや想いは多分無理っす。なので、音声のみの視聴となります。語りもあった方がわかりやすいと思いますが、何せ完全にキレてしまったので簡単な説明だけ。キレてしまったということは当然口調も変わります。そしてゴリラ先輩達も当然悲鳴を出すと思われます。その後の展開は多分猫先生が処理してくれるとは思うけど、俺は多分暴れ足りずに徘徊しそうになります。そこで上手くレオと照が来てくれたら万事解決OKってなります。そう簡単にことが進むとは思えませんが、そんな感じで話が進みます。あと、これも伝えときます。えー、ゴリラの指がボキボキに折れて関節も折れるかと思います。今回はまだ流血になることは無いですが次はあるかもしれません。言い足りないですがそれだけ伝えときます。では、キレて我を忘れてとんでもない怪物になり果てた俺とその時の出来事をご覧ください。あ、無理な方は次の章まで飛ぶことをおすすめします。どこで終わるかわからないので、あらかじめ言っときます。それでは改めて、どうぞー☆

 

 

 

『ボギギッ!!』

 

「ギャァァァァァッ!!!!!」

 

「な、なんだっ!?」

 

「あ、折るつもり無かったのに折っちった。これ使い物にならない。ごめんな?ゴリラ先輩にはもうしない。次はそっちの人にするから。あ、ゴリラ先輩はちゃんと痛くても見届けてくれよ?俺を怒らせた末路はちゃんと見て記憶しないと。けど、絶対に誰にも俺のことは喋っちゃダメだぜ?喋ったら次はゴリラ先輩の関節という関節が使え物にならなくなって病院で寝たきりになっちって、二度と病室から出られない体になるかもだからよ。わかったか?」

 

「わか、わかっ…、わかりましたっ…!!」

 

「うん、いい返事♪」

 

「は、はいっ!!」

 

「さて、次は超級ゴリラ先輩達の番だ。俺もう歯止め効かないんで助けを求めても無駄だから★まずやる人は今猫先生の尻を叩いたアンタからな?」

 

「ちょっおい!なにす」

 

『ボキッボキッ……ボギギギギギッ!!!』

 

「ア"ァ"ア"ーーーーーー!!!!!!!!!」

 

「痛い?なぁ、痛いのか?痛くねぇよな?猫先生の苦しみからしたらこんなもんじゃなかったもんなっ??こんなの気持ちいいくらいだろ?ほら、次は逆」

 

『ボギギッ…ボギギギギギッ!!!』

 

「ア"ッーーーーッンガッ………はっ……はっ……!」

 

「うるさいんだよ。質問に答えないやつは叫ぶな。次は……じゃあ、指行こうか?腕よりインパクトはないかもだが、そこも痛ぇよな?いや、気持ちいいか?屁でもないもんな?」

 

『ボギギッ!!!』

 

「アゥガッ!!!!!」

 

「ああ!一本ずつやるつもりが全部やっちったわ!ははっ、俺っておちゃめさん☆仕方ないからもう片方の指を掴んでと」

 

『ボギギギギギッ!!!』

 

「ひぐっ……あ"ぁ"あ"ーーーっ!!!!」

 

「あっ。折る物無くなったな♪仕方ない、足を折るしかなくなっちった!けど、大丈夫だよな!足だけじゃなくて首も腹も関節という関節、まだまだ山ほどある。それを一本一本折っていけばいけるよな?よし、じゃあ罪の重たい奴らから順番に『お仕置き』してあげるな?好きだもんな、アンタらはさ?今見本を作ってやるな?お前らもこうなるんだぞっていう見世物を。なぁ?好きなんだろ?汚れきった誇りの持ち主である超ゴリ先輩達は友の無残な姿を見てよ、笑えるよな?……な?」

 

「「「……………………………………」」」

 

「笑えれるよな?笑えれないなんて言わねぇだろ?『強引』にしてると思ってんのか?ちゃんとした『合意』の上だよな?そのための『お仕置き』だもんな?違うか?なぁ、アンタ?(ガシッ)」

 

「ヒッッッ!!!そ、そう……です……!!」

 

「そうだよなぁ?これを猫先生にもしたんだよなぁ?『強引』に『合意』させ『お仕置き』をしてる。俺の言ってること間違ってるか?」

 

「ま、間違ってませんっ!!!」

 

「そうだよなー?間違ってないよなー?じゃあこの猫先生にしでかしたこれは何だ?まず『お仕置き』する前に『合意』は取ったか?」

 

「と、取って……」

 

「取って?」

 

「…………ません………」

 

「はいアウトー!はいお仕置きでーす!」

 

『ボギギギギギッ!!!』

 

「ヒギィィィィィィ!!!!」

 

「次の質問です。『合意』を得ずに『強引』に『お仕置き』したんだよな?俺もこの目でしっかり見たぞ?俺の目の前で。さっき『強引』な『合意』はしてないと言った。………さて、今のは?」

 

「……ご、ご……ういん…、に……しまし、た……」

 

「はい正解です。ちゃんと言えましたね!ちゃんと言えた家畜ゴリラにはご褒美に」

 

『ボギギギギギッ……ゴキュッ!!!』

 

「あっギィィ!!?……も、やめ……っ!!」

 

「もうすぐ標本ができるよー?みんなー?楽しみだなー?さて、最後の質問だー」

 

「ひっ……ひっ……あぐっ……うぅ……っ…」

 

「今この場でこの先輩を見捨てて、誇りも忘れて奴隷のように頭を垂れておでこをなすりつけるように、命乞いをするかのように、汚いゴリラならぬ汚い家畜として働き生涯、奴隷として俺に従い俺の命令を聞き俺の言葉一つで生き死に決められるという条件で生け贄のこの先輩と同じ道を辿るのをやめるか、それともこのまま運命に抗うことも逆らうことせずにこの先輩と同じ道を行くかどっちがいい?」

 

「……はっ……はっ……っ……」

 

「「「…………………………………」」」

 

「答えねぇなら問答無用でアンタらもこのゴリ先輩みたいになるぜ?いいんだよな?」

 

「い、嫌だ!!!俺は……いや、私はあなた様の奴隷となり足となり手となりすべてを捧げます!!!あなた様を生涯使えあなた様からの命令もどんなに汚いことでもあなた様の言葉は絶対服従します!!!ですから、標本になりたくありません!!!!」

 

「他は?」

 

「俺も!!」

 

「我らも!!!」

 

「ヒーフーミー…………全員、だってよ?ゴリ先輩。アンタと共に病院行く奴らはいないってよ?残念だな?ゴリラの誇りってのはこんなに脆くて崩れていく存在みたいだぜ?残念だよな?」

 

「………うぐっ……っうぅ……」

 

「泣いてもこれが現実だぜ?」

 

『ボギギギギギッ!!!』

 

「ンギィィィィイ!!!!ごめんなさいっ!!もうしませんっ!!もうしませんからっ!!!もうやめてください!!!!俺もあなた様の奴隷にさせてくださいぃぃっ!!!!」

 

「じゃあアンタは病院確定して、まだ物足りないんだよな?俺の怒りが収まらねぇつーか?俺の奴隷なら従うんだよな?嫌とかせずに聞くなら俺のサンドバッグ?いや、こいつみてぇになろうか?な?まずはお前から、なっ!!!」

 

『ボキッ…バキッ…グギッ…ゴキッ!!!』

 

「アギィィィィ!!!!」

 

「ヤギャァァァァ!!!!」

 

「オギャァァァァ!!!!」

 

「アハァァァンッ!!!!」

 

「最後、キモッ」

 

「ありがとうございます!!!」

 

「この中でこのゴリ先輩のように病院送りされたい人ー?」

 

「はーい♡ご主人様ぁー!!」

 

「1人、と。じゃあ他の奴らは猫先生にしでかしたことの後始末。何かしたらお前らも猫先生と同じことするからな?さっさとやれ」

 

「「「はいっ!!!」」」

 

 

 

はい、ここで速報と悲報です。まず、悲報はここからの記憶はございません☆速報はえー、あの後聞いた話によると、暴れたりなくなった俺は猫先生を介抱してた一人に手を出し同じように病院送りにしようとしたところでレオと照が遅いってことで迎えきて取り押さえたらしい。3人は病院へ残りは風紀委員に引き渡し、猫先生は落ち着くまでそこから動かず、俺は取り押さえられた後縄で縛られ今に至るという。という訳でここから語りもちゃんと入れますので、今後もありそうですがよろしくお願いします( ´ ▽ ` )ノ

 

 

 

「なぁ、お二人さーん?もう暴れたりしないからこれ取ってくれなーい?」

 

「ダメだ!そう言ってお前、昔暴れただろ?そんな奴を信用したら痛い目に合うのわかってるし」

 

「もう!そんな子供の時みたいなこと今はしないっての!」

 

「嘘つけ。お前そう言って俺達を弄んだ時期があっただろ。俺達はそれで誓った。もうお前は信用しねぇと。だからこのままだ。いいな?」

 

「ぶー(*`3´)」

 

「そんな顔してもダメだ!」

 

「(´•ω•`)シュン…」

 

「そんな顔してもダメだ」

 

「んわぁぁぁぁ!!解け解け解けー!!」

 

「「うるさい」」

 

俺の口をペタッとガムテープで貼り付ける。

 

「ん"ーーん"ーーー!!!」

 

「「反省しろ、バカ」」

 

「ん"ーー!!?」

 

ゲシッと蹴られ済みの方へ。ムッとしながら見てると、猫先生がこっちを見ていて話しかけてきた。今まで大人しくしていたけど、話の腰をおらないようにしていたところはさすが大人だなと思う。

 

それ以外は子供っぽいか寡黙かな?

 

「今回だけは見逃してやるよ。悪口的なことを考えててもそうじゃなくても。今回は助けてくれたし」

 

「助けた?」

 

「こいつが?」

 

俺をなんだと思ってんだ、コイツら…

 

「あぁ、今回は本当に助けてくれた。ありがとう、腐獅。意外とカッコよかったぞ」

 

「コイツが…」

 

「カッコイイ…?」

 

だーかーらー、コイツら俺をなんだと思ってんだよ!非人道的なのは暴走した時くらいだろ?それ以外はだいたい善人だ、ブァーカ!!

 

顔がそんな顔をしていたのか2人が俺をゲシゲシと蹴り始める。幼馴染みあるあるの仲良しじゃれ合いという勝手な解釈。

 

「はっ……はっ……ふぅ。まあ、確かにこいつはカッコイイ部分は否定しないな。俺を助けてくれる時もあるし…。すごく優しいし、俺達の幼馴染みがこいつで良かったって思えるほどにはイイヤツだと思う」

 

そう思うなら蹴るなよな…、そんな良い奴を…

 

「確かに。俺達が喧嘩した時は止めてくれるし、苦しい時辛い時真ん中に入って中和してくれたりな。そういう意味では良い奴だな」

 

だからそう思うなら蹴るなよな!本当に!!

 

「「けど、残念なことに腐ってる」」

 

「BLか?」

 

「「それ(だ)」」

 

いいだろ別に!!俺の趣味だ!!俺の趣味に口出しすんな!!ったく……

 

「まあ、そんな奴だけどそばいると落ち着く」

 

「居心地いい居場所になる」

 

「そんなお前が俺たちは大好きだぜ!」

 

そんな良い奴をさっきまでお前ら蹴ってたけどな?蹴り倒してたけどな?良いムードで良い話だけど、俺今すげー格好で聞いてるんだからな?自覚あるか?お二人さん、無いよね?お二人さーん!

 

「そろそろ、放してやれ。もう暴れたりしないだろ?」

 

「………、そうですね。じゃあ取ってやるか」

 

「あぁ」

 

縄を外されガムテも剥がれた。全てにおいて解放された俺。翼があったら飛び立てるほどに解放感パない。

 

「んーーー!!っはぁー。やっと解放されたー」

 

「お疲れさん」

 

「お疲れ」

 

「全くだぜ(*`3´)」

 

「お前その顔好きな?」

 

「うっせー、仕方ねぇだろ?読者に伝えるために俺は生きてるんだから( ・´ー・`)」

 

「その顔、ムカつくからやめろ」

 

「それと、決め顔あんまりカッコよくない」

 

「うるさーい(´;Д;`)」

 

「鬼樣、詰蛇。ちょっと席を外してくれ。授業の方は終わりにしてくれていい。アイツらも、いつまでも縛られたくないだろ?授業終了の知らせを告げてやってくれ」

 

「はい」

 

「わかりました」

 

散々俺をいじった後、猫先生の一言で立ち去る二人。泣きべそかく俺に猫先生は頭を軽く撫でてくれた。

 

「ありがと、先生…」

 

「いや、今日のお礼という訳じゃないがこのくらいはしてやらねぇと。お前もしてくれたしな」

 

「あれは、本当に猫先生のためにしてやっただけだし。アイツら俺の猫先生に何してくれやがんだって話だぜ!まっ、もうアイツらが猫先生に何かしてくるとは思わねぇからさ!猫先生ももう自由だぜ?誰かに縛られることもなくなるわけだ!めでたしめでたし♪」

 

「……本当にな。すごく俺にとってはカッコイイ騎士だった。しかも、下僕だとわかってる上で言葉を選んで尚且つ俺を安心させてくれるなんて、今まで出会った奴らよりもイケメンだった。アイツらは中等部からの付き合いでな。ここまでの奴らじゃなかったが、俺の至らない点が原因で過激派して今に至る。半分は俺が悪いようなもんだ。だから、アイツらを悪く言わないでやってくれよ?」

 

「……それが猫先生の命令なら聞く」

 

「……命令だ」

 

「ん、命令ね。じゃあわかった。聞いてやるよ」

 

「それと」

 

「ん?」

 

「今度、時間がある時にお前のバイト先に行ってもいいか?」

 

「え?なんで?」

 

「どんなとこか知りたい」

 

「んー、金を出す客として来てくれるなら構わねぇけど?」

 

「それでもいい」

 

「ん、じゃあ最低でも5千〜1万くらい持っていけばいいかな。そうすれば客として扱ってくれるよ」

 

「行くならお前の客になる」

 

「それは嬉しい♪」

 

ニコッと笑って猫先生の頭を撫でる。撫でられた猫先生は嬉しそうに顔を緩めて気持ちよさそう。

 

これじゃあどっちが下僕かわかんないよ、猫先生

 

昨日から今日まで濃い日が続いてたけどそれも今日で終了。だって今日は金曜日。明日はバイトの日。ゆっくり休める日。早く寝て起きて、ダラダラしてゲームしてくつろぐ。そんな生活が待ってる。そんなわけで、猫先生と別れた後何も音沙汰なくHRが終了し帰路を歩いて風呂に入って飯食って歯磨きして寝た。めちゃくちゃ疲れてた俺は超熟睡するのだった。





相変わらず今回も長い文章ですねw
まとめるのやキリのいい所で終えるのが苦手な僕は健在です。
まあ、そこを気にしたら負けですねw
という訳でまた出来上がって溜まったら投稿します。
何卒よろしくお願いしますm(_ _)m
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