※この作品はR-18です。

獣帝都学園   作:HAL

7 / 13

ここ、ほぼ一つのバイトの話で終わってるんですよね…
いやー、我ながら性癖垂れ流しですよ…w
楽しくてついつい長く書いちゃいました♪
ちなみに僕はここの話が一番好きで何度も読み返してます♪
あ、個人的にですけどね(*´ω`*)


不穏が地雷を産み、崩壊し、そして…

 

 

 

ちょっと早いバイトが終わって遊楽街に入った所のビルに『SM倶楽部-ギン-』という名前がある。そこのばいとをしてる。しかし、バイトのくせに俺は正職員みたいな給料で貰える。普通のバイトとは違って給料をすぐ払われず1ヶ月制。月末までの給料を月の最初に貰える。バイトでも関係なく接してくれるので他のバイトより弾んでる。

 

ここの店長、ギンさんが良い男前でカッコイイだよ!でもね?残念なことにその人無自覚にもドMでね?俺が遊楽街を散歩してた時にスカウトされて試しにギンさんを調教したらドMの道を開いちゃって☆それで今では時々、仕事終わりに調教を要求してくるようになって俺の客1号であり内緒のペットなんだよね。従業員の人も知らないと思う……多分だけど

 

ちなみにここの開店時間は配達終わる前から始まってる。つまり早い時間に来る人がいるということ。俺の時間は配達バイトが終わった後で良いと言われてる。

 

すごく優しい人なんだよね、ギンさんって♪

 

中に入ると普通のビルに見えるけどエレベーターで向かってエレベーターから出たら独特な色合いの受け付け部屋に着く。新人や新客が来ると驚かれる。慣れてる人はそうでもないけど。そしてこれが挨拶。

 

「今日も精一杯扱いてやるから覚悟しろよ!」

 

「おう!女王様、おかえりなさいませ!」

 

これが挨拶の返し。

 

これに返すのって店長のギンさんだけなんだよね。てか、女王様って名前じゃないんだけど…。なぜか芸名で呼んでくれない…。ちなみに俺の芸名はミツ。うん、そのままだよね?でも呼びやすくて覚えやすい名前ってこれしかなくない?ミツキは偽芸名だから真に受けないでね?

 

「ギンさん、俺はちゃんと芸名があるんだからそっちで呼んでくださいよ…」

 

「俺にとっては女王様なんだよ。良いだろ別に」

 

『ダンッ!』

 

恒例の壁ドン。これは従業員公認。俺だけが許された行事。ちなみに従業員も俺の重低音が好き。だから客がいない従業員はラッキーだったりする。聞けなかった人は何故か耳元で応援ボイスを聞きたがる。しかも、仕事してる最中とかにもしょっちゅう来るのでそういう時は客の前でもしてあげる。それは俺の声が好きな人からしてみればご褒美。

 

そんなわけでゾクゾクして待ち構えてるギンさんと、その他の従業員さんの前で恒例行事始まります

 

「ギン」

 

「…な、んだよ…?」

 

「何度も言ってるよな?俺にはちゃんとした名前があるって。言うこと聞けねぇのか?」

 

「……だ、だからっ、女王様で良いって」

 

「言ってないよな?」

 

「……うぅ…」

 

「次名前で言わなかったら、ギンの大好きな息抜きやこの壁ドンも無くなるぞ」

 

「えっ…?」

 

いつも言わない言葉。従業員の人も「えっ?」て顔をしてる。いつもならここで「言う事聞かない子にはお仕置きしないとな?」と言って盛り上げる所を今日は言わない。戸惑いを隠しきれないみんな。

 

「本気だぞ?」

 

「ま、待ってくれ…!いつもと違っ」

 

「…………」

 

俺はスッと顔を残すような去り方をした。そのまま部屋に行こうともした。ギンさんが咄嗟に俺の腕を掴んだ。ちょっと震えてる。これは多分演技でできるものじゃない。

 

まあ、いつも演技してんのはこっちだけど…

 

ギンさんが慌てて俺を引き止めたんだ。今しないと今後本当にしてくれないと思ったのかギンさんが思わず口走る。周りが疑うようなそんな言葉を。

 

「た、頼む…。もうやらないとか……言わないでくれ…。……そ…その上、ミツ様とのお時間もなくなったら嫌です…。ミツ様の忠実な飼い犬として、ちゃんと名前で呼びます…。だから、俺からの楽しみを奪わないでください……。お願いします、ミツ様ぁ…」

 

言ってる間に涙もポロポロとこぼれた。本気で泣き本気で震えてる。普段ドSっぷりを見せてるギンさん。だけど、今の姿を見た人は本当に誰も見たことがないみたいだった。というか明かされた俺とギンさんの関係。後で色々質問されそうなネタになったが、本気で訴えているギンさんがもう崩れそうな腰を持ち上げ、ビックリしてるギンさんを他所にみんなにも聞こえるように重低音を耳元で俺は言う。

 

「なぁギン?」

 

「は、はい…」

 

「返事が小さい。ならもう」

 

「はい!ごめんなさいっ!」

 

俺は腰に回してる腕を緩くする。するとギンさんは俺を立ち去らせないように腕を掴んでる。本気と書いてマジと読むという言葉が合う状況。

 

「今ここにいる全員に俺たちの関係が知らされたわけだけど、ちゃんとそこら辺わかってての発言だよな?」

 

「へっ…?」

 

周りを見ると羨ましい顔や睨んでる顔など幅広い従業員からの視線を、ギンさんは見た。今更ではあるけど自分の言葉のやってしまった感に青ざめる。

 

「俺は気にしなかったけど、隠したがってたのはギンだろ?この状況、確実に問いただしたいやつが山ほどいると思うがその辺りの後始末、お前に任せるけどいいよな?」

 

「いや、1人はっ」

 

「これをお前のお仕置きとする。俺の忠実な飼い犬は言うことを聞くよな?」

 

「……………………」

 

ギンさんが黙ってしまった。言葉に迷うような沈黙。俺は更に追い打ちをかける。

 

「あ、答えない?お前の忠実な飼い犬っていう言葉は嘘か。ならもうやめるか」

 

「……あ、まって……」

 

「ペット解雇、するか?」

 

その言葉に対してギンさんがこの世の終わりみたいな顔になった。体の震えが止まらなくて膝がガクンと落ちた。それに関しては本気で周りの人も心配した。俺はギンさんの言葉を待つ。ギンさんはもう必死で、必死にすがる。

 

「解雇だけは嫌ですっ、ミツ様ぁ!!お願いしますっ!!なんでも言うこと聞きますっ!!言うこと聞きますからっ、捨てないで下さいっ!!…っ…嫌わないで……ください……っ……。ミツ様に嫌われて捨てられたら……俺っ……」

 

顔をぐちゃぐちゃにしながら泣くギンさん。もう必死すぎて普通の人なら引く所を俺はそんなことはしない。ギンさんを優しく包むように抱きしめる。

 

「お前は今『なんでも』って言ったな?それならここで宣言しろ。お前は俺のなんだ?どういう関係でどういう立場か、ここでみんなの賛同を得ろ。そして公認させろ。そしたら変に隠すこともなければ俺との時間も作ってやるよ。今度は濃厚なお仕置きをしてやる。さぁ、どうする?ギン」

 

俺の言葉に頷くギンさん。俺の隣で顔を赤くしながらいつもの話し方でみんなに告げる。

 

「お、俺は…!み、ミツ様の最初の客であり……飼い主とペットの関係だ…!今までの恒例壁ドンだが、アレも俺のお願いでしてくれた。所謂、息抜きだ。……その、ずっと黙ってて悪かった。こんなことむしが良すぎるかもしれんが、どうか認めて欲しい。よろしく頼む…!」

 

言い切ったギンさん。恥ずかしくて若干声も震えてた。それでも頑張ったギンさんをフォローするように言った。

 

「店長であるギンさんがここまで言ってるわけだし認めてあげてよ。これを認めたらいつもの恒例行事でやってた壁ドン、公式になればいつでも聞けるんだよ?それにギンさんだけじゃなくて、先着3人には応援ボイスも耳元で囁いてあげる。でも、認めないならもうこの行事もしないつもりでいる。決めるのはあんたらだ。どうする?どうしたい?」

 

ざわざわと話し始める。ギンさんはずっと頭を下げたまま動かない。認めて貰えるまで頭をあげない気でいる。話し合いが終わったのか、ざわつきがなくなった。そして1人の従業員が代表で言った。

 

「店長の言葉は公認にする。ミツさんの応援ボイスも聞きたい。でも条件がある。先着を10人にして欲しい。そしたら改めて店長とお前の関係を公認する」

 

「だって。どうする?ギン」

 

「え?どうするって…」

 

「あんた、嫉妬深いでしょ?客に取られてる時のあんたは顔に出さないでもムッとしてるでしょ?知ってんよ?」

 

「うっ…」

 

「俺は条件を飲む。でも最終的に決めるのは店長であるギンだ。ここで飲まなかったら俺の命令を否定することになる。そうなった時に俺の言葉は、わかるよな?」

 

「っ……!!」

 

「どうする?」

 

また必死な顔になった。俺の腕の裾を掴んで不安気な顔で俺を見ていた。俺はギンさんの顔は見なかった。ギンさんは小さい声で飲むと言った。しかし聞こえない声なので相手らには届いてない。

 

「声が小さいな?ギン。なら、約束通り。かいk」

 

「飲む!!」

 

俺の声をかき消すように叫ぶ。クスッと笑ってギンさんの頭を撫でた。よく出来ましたと鼻にキスをする。ギンさんは今までされたことがなかったので顔真っ赤でまた腰から落ちそうになった。アメとムチで言うと、アメのご褒美。その周囲も顔を赤くして倒れそうになってる。俺がお姫様抱っこする。

 

あ、言うの忘れたけどギンさんって俺よりも10cm大きいんだよ?俺は164cm、ギンさんは170cm代。それをお姫様抱っこって相当の筋力ないと運べないけど、俺には前科があるからいけちゃうんだよね♪

 

「さて、ギンさんがこんな風になってるから仮眠室に寝かせてくる。今日は問いただすのやめてくれよ?俺が代人として言う。仕事だ、解散!」

 

と言うとみんな持ち場に帰って行った。俺は仮眠室にギンさんを置いていくとちょうど客が来店してきた。俺の客じゃない人、お気に入りの人の部屋へ一直線。常連客は何も言わなくても従業員が分かっていればそれでいいという場所。さて、俺もここの服装になるとしよう。客が来る前には出ないと給料が貰えない。

 

あんな風に飼い慣らしてるけど、給料に対してはちゃんとしてるんだよね〜。お金に関しては厳しい人だから遅れるとそんなに貰えない。今回のは恒例行事とは違うけど、みんなの活力としてやるのでお金とは関係ない。関係すると不公平なのでそこは俺が無しでと言った。最初はそうしようとしてたけど、止めた。それと俺、バイトの身だけど副店長でもあんのよ?すごくね?(*`ω´*)ドヤッ♪

 

着替えを済ませてメガネをつける。部屋に入るまではこのメガネは外せない。今日はチャイナ服でお出迎え。もちろん、女用のチャイナ服。これは店長であるギンさんの趣味で、みんなもそれに乗ってる。俺が女用のチャイナ服とか着てるのは正直言ってあまり似合わない。

 

他のみんなは似合うって言ってくれるけど、俺としては抵抗ある…。最初の時もそうだったし…

 

進行を決めるのはギンさんだから逆らえないけど、他にも色んな服を持ってる。SM倶楽部だから奇抜な服もあればコスプレ服もありな訳で。そして俺はここのNo.1だから品と質の良いもの着せられる。色は青。最上位の人間にしか着ることを許されていない。そして、チャイナ服だから三つ編みも欠かしてはいけない。俺の髪は短いからウィッグを付ける。ちゃんと取れないように止めて、耳より下に三つ編みを作る。いつもはギンさんがやってくれるけど、今回はあんなことがあったから寝かせてる。

 

興奮のあまり寝てない気もするけど…

 

「うーん、ギンさんの所に行くか…。三つ編みもあんまり上手くできないし…」

 

というわけでギンさんのいる仮眠室へ。案の定ギンさんは興奮して寝れていなかった。俺はスイッチを切り替えて話しかける。

 

「寝てろって言ったのに寝てないのか?ギン」

 

「ひゃっ!?あ、ミツさ……ま……っ!!」

 

俺の格好を見て顔真っ赤。そして硬直。

 

「今日はそういう日だろ?それと起きてるなら俺の髪を縛れ。三つ編みが得意なやつはギンしか知らねぇ。あ、鼻血とか出してみろ?お前に近づくこと、この日だけはやめる」

 

「だ、出さねぇよっ!そ、それで離れられたら嫌だし…」

 

俺の背中にしがみついて離さない。手の震えが腹に伝わる。俺はギンさんの手に触れて安心させるようにポンポンと撫でる。ギンさんも安心したように手の力が緩む。

 

「さて、そろそろ仕事の時間だ。早く結ってくれ」

 

「おう、ミツ様」

 

言われた通りギンさんは俺の髪を編む。ちゃんと丁寧に結んでくれる。大事にするように。俺はそんなギンさんにいつもの質問をする。

 

「本当にお前はドMだよな?」

 

「は?ドMじゃねぇ!むしろ、ドSだわ!」

 

「ほう?お前がドMなら今回の件とか反論も反抗も出来たってことだよな?」

 

「うぐっ…、それは……。てか、今回は方向性が違っただろっ!」

 

「いつもの返しが違うからっていう理由は無しだぞ?」

 

「うっ…、それ言われたらなんも言えなくなる…」

 

「ドSなお前ならちゃんと切り返して答えれたと思うけど、あの状態は間違いなく、みんなお前のことドMだと思ったぜ?」

 

「うぅ…、けど否定するからな。それに関しては」

 

いつもこの返しをする。往生際が悪い。認めない辺りが1番たちが悪い。いつものことだけど。三つ編みの方はちゃんとつつがなく綺麗に結ってくれた。どこにも髪が乱れていない。その状態をわかった上で俺はいつものことをする。ギンさんの両手首を掴み俺の腿の上に引っ張り俯かせる。その間にギンさんのズボンを脱がしてパンツの上から1回叩く。

 

『バシン!』

 

「ひぐっ!!」

 

両手首は俺の片手で抑えられてるので動きたくとも動けない。誰かに見られたらそれこそ自分の立ち位置が危うくなる。それをわかってて俺はこうしてる。

 

「往生際が悪いな、ギン?」

 

『バシン!』

 

「あうっ!!…っ、んな事したって認めな」

 

『バシン!』

 

「ひゃんっ!!」

 

言わせない。認めるまでお尻叩きはやめない。口論しながらのお尻叩きはギンさんの心のメンタルをボロボロにしていく行為。自分の言い分を言わせてくれないという絶望感から来るから。何度目かのお尻叩きをした後、俺の口は今日はよく話す。色々あったせいからくるものなのかは知らないけど、またギンさんを追い詰める。それが俺の首を絞めてると知らずに。

 

「ギン」

 

「はっ……はっ……っ、な、んだ…っよ…」

 

「俺の言葉にそんなに反論して牙を剥き出しにし、挙句逆らうならもうお前ペットとしていらねぇわ」

 

「えっ?……あ、だから…話が違っ…」

 

「認めたくないんだろ?ドMだって。自分はドSでありたいんだろ?俺の事を忠実な犬って言ったのは誰だったか、自分の言葉をよく思い出せ。そして意味を知れ。俺の『忠実な犬』はもっと素直で良い子だ。言うことを聞いて反抗しない。お前はなんだ?俺の。もし俺のペットならーー」

 

『ダンッ!!』

 

ベッドの柱を殴るギンさん。いつもならしないギンさんだけど、キャパオーバーしてキレたみたいだ。柱を殴ったせいでぐにゃと曲がった。俺は目を見開きそしてポカンとする。ギンさんは自分の身なりを整えてから俺を押し倒した。キレた目は俺が映ってた。

 

「お前はそんなに俺の心を殴って楽しいのか?そりゃあお前からくれるもんはすごく気持ちいい。けどな?今回は気持ち悪ぃんだよ。なんか私情を挟んでるような感じでよ?それと俺を巻き込むんじゃねぇ!仕事はちゃんとしてるのは知ってる、今まで通り働いていい。が、ここは俺の居場所だ。勝手に踏み荒らすな!俺の中でお前を貶すな!お前は誰だっ!お前はミツ様じゃない!!出てけっ!そしてミツ様じゃないお前なんてもう、俺の飼い主様じゃない!!」

 

あぁ…、これが今までの報いか…

 

今日一日の俺の態度は悪かった。今まではそんなこと無かった。嫌な顔一つしなかった。むしろ楽しかった。それは多分『家族』が関係してる。全部それだ。思ったより俺の中で深刻だったのかもしれない。俺の気づかない何かが壊れててそれが全部当てはまるのは『家族』で、猫先生や黒牙先輩にも八つ当たりするような言い方しちゃったのも、気づかない所で崩れていたんだ。

 

だから、俺の言葉から出てくるのが『いつもの俺』じゃないとしたら、じゃあ『俺』は一体誰なんだ?それが答えられるなら誰か教えてくれ……

 

チクッ。チクッ。チクッ。ーーズキン、ズキン。

 

あぁ…、なんかやばいかもしれない。この流れとこの気持ちで感情が落ち着かなくなってる。ここを離れた方がいいかもしれん……

 

俺はなるべく平常な声でギンさんに話しかける。

 

「言いたいことはそれだけか?」

 

「あぁん?」

 

「言いたいことはそれどけかって聞いてる」

 

俺は自分のしでかした罪を、追い込むことで壊す。自分から、人から、世界から。俺は俺を壊す。そしてギンさんに言わせた。俺自身が壊れるために。

 

「言い足りねぇくらいたくさんある!ミツ様じゃないお前の声は反吐が出る」

 

…………パリン!…………パリン!…………パリンッ!

 

「ミツ様じゃないお前なんてここから消えろっ!!二度と顔も見たくない!」

 

………………バラバラ…………………バラバラ……………

 

「死んでしまえっ!!」

 

……………バリンッ!!!

 

心にヒビができ、そこからバラバラと落ちて最後には心の玉をも下に落ちて割れた。粉々に。修復できるかわからないほど。そして俺は無になった。表情が作れない、感情が湧かない、俺の顔は真顔になる。そして1番、俺に似合わない言葉が出てくる。それがギンさんが我に返るキッカケにもなりギンさんが自分のやってしまったと自覚をすることにもなった。

 

「わかりました。『店長』がそこまで言うのなら『私』はここを辞めます。お世話になりました」

 

「はぁ!?お前何言って、……っ!!」

 

店長の気持ちは俺にはもうわからないし届かない。俺は店長を退かし立ち上がる。まだ店長は整理が追いついてない。でもこれだけはわかる。自分が言った言葉や自分が俺に対してやってしまったことを。

 

「今日は仕事はします。『いつもの俺』で。けど、今日仕事をしたら私はここにはもう来ません。No.1の座も降ります」

 

「………あ……っ」

 

「私にはもう、必要ありませんから。それから、店長との関係も白紙にします。皆さんには申し訳ないことしますね?」

 

「……まっ……て……」

 

「応援ボイス、してあげたかったですが、今日やってしまおうと思います。今日は大サービスでみんなに言いましょう!」

 

「…………ご、ごめん……なさっ」

 

「そしたらみんな喜んでくれますね。それでは、店長。仕事に行ってきますね」

 

店長は俺の手を掴もうとして止めた。もう届かないとわかってしまったから。自分の手を抑えて震える声を抑えて、泣くのも抑えながら答えた。でも俺には何で泣きそうになってるのかわからない。

 

「……っ……っ、てらっしゃい、ませ……ミツ様……」

 

その言葉を聞いて俺が出たあと、店長は布団の上で泣いた。頭が痛くなるほど泣いた。自分のしでかした行為を悔いるように。自分の犯した罪を悔いるように、泣いた。その声も叫びも俺には届かない。俺は知らない。

 

 

仮眠室から出た俺はスイッチを切り替える。舞踏会で使うようなメガネに変えて笑顔を作りそして『いつもの俺』を演じる。自分のお客が来るまでは受付をする。交代制なので、受付してる人と交代。

 

「あ、今日みんなに帰るのちょっと待つように言ってくれる?大事な話があるんだ、大丈夫だよね?」

 

「えっ?はい、大丈夫です。伝えときますね!」

 

「お願いね。今日休んでるん人達も呼んでくれると嬉しいな。そしたらご褒美あげる」

 

「えっ!ほ、本当ですか!?」

 

「うん、君に特別な応援ボイスを届けてあげるよ」

 

「っ!は、はい!伝えます!!」

 

受付してた子は照れた顔で携帯持ち部屋へと向かう。俺はその間、受付場所で待機。すると誰かが来店してきた。そこに居たのは昼間ちょっとしたきっかけで口論になってしまった黒牙先輩だった。

 

「…………」

 

キョロキョロしてる。ここに来るのは初めてだろうから奇抜なところだと思い知ってるようだ。俺はそんな黒牙先輩に声をかける。

 

「新客ですか?」

 

「え?…はい」

 

「ではこちらへ。受付をしてください」

 

「は、はい…」

 

誘導してこちらに向かわせた。そして受付前まで来た黒牙先輩。

 

「ここに名前と年齢と生年月日を。それから誰を指名したいかをお書き下さい」

 

「はい…」

 

黒牙先輩は言われた通り書いていく。するとまた誰かが来客してきた。また見なれた人が来た。というか来るなんて想定外。しかし、仕事はする。

 

「そちらの方。新客ですか?」

 

「ん?あぁ…」

 

「ではこちらへ。受付をしてください」

 

「わかった」

 

そこに居たのは猫先生だった。そして知り合いを見た2人は何も言えずに硬直してる。そんなことお構い無しに俺は割って入る。

 

「こちらに名前と年齢と生年月日、それから誰を指名したいかをお書き下さい」

 

同じ言葉を猫先生にも言う。すると我に返った2人はまた書き始める。先に来ていた黒牙先輩が俺に質問してきた。

 

「あの……、ここに知り合いがバイトで働いてると聞いてきたんですけど、名前を知らなくて…」

 

「そうですか。それではフルネームでお書き下さい。そちらの方も同様にお願いします」

 

黒牙先輩の質問に対して猫先生にも伝えた。同じ新客なら同じことを考えるはずなので。そして書き終えた2人は同時に紙を渡してきた。

 

「腐獅蜜…ですか?」

 

「はい」

 

「あぁ」

 

「わかりました。では、準備してきますのであそこのお部屋でお待くたさい。それでは」

 

俺は問答無用で席を外す。そして黒牙先輩と猫先生は俺の指示したところに入っていった。何か違和感を覚えた状態で。俺はさっきの子に受付を頼みに行った。

 

「ねぇ?」

 

「あ、ミツさん!みんなをここに連れてくることできるようになりました!」

 

「ありがとう。じゃあ君にはご褒美をあげないとね」

 

腰に手を回してグイッと近づけさせて耳元に囁く。

 

「ありがとう、シン。今日も一日頑張れ。そしてこれからもその調子で頑張れ。俺は応援してる」

 

と言って離れる。初めて名前で呼んだシンという子は腰を抜かしてペタンと座った。そして顔真っ赤にして頷いた。

 

「それと、俺に客が来たから受付よろしくな?」

 

「あ、あ…はい!わかりました!」

 

それを伝えてから俺は自分の部屋に向かう。受付を頼まれたシンはニコニコしながら受け付けに向かうが、何か突っかかるようなことを言われた気がするとふと思ったが、気のせいだと思ってまた受付の仕事に戻る。

 

 

俺は猫先生と黒牙先輩が居る部屋に向かった。そして中に入った。すると2人はえっ?っていう顔で俺を見る。俺はわかってて質問した。

 

「どうしましたか?2人さん」

 

「いや、あんたはっ…」

 

「受付の人なんじゃ…」

 

2人がポカンとした顔で俺を見てる。クスッと笑って俺はメガネを外す。するとギョッとした顔で2人は見る。俺を。俺の全体を。

 

「当店のNo.1をご指名頂きありがとうございます。俺はミツと言います。お見知りおきを。あなた方のお名前をお伺いしてもよろしいですか?」

 

慣れた口調で2人に話しかける。黒牙先輩が質問してきた。

 

「えっと……、本名はダメ、ですよね…?」

 

「はい。あだ名などでお願いします」

 

「えっと……、ロウで」

 

「はい、ロウ様ですね。そちらの方は?」

 

「んじゃあ、カズで…」

 

「カズ様ですね。わかりました。今宵の1夜限りを俺とでご堪能くださいませ」

 

お辞儀して2人の間に座る。そして沈黙が走る。先にこの沈黙を破ったのは猫先生、いやカズだった。

 

「お前、その格好は……」

 

俺はやることは終わったのでいつものように話す。

 

「今日はチャイナーデイなの♪だからこの格好」

 

「No.1ってのは…?お前バイトだろ?」

 

「ああ!ここはそういうの関係ないの。1番客を喜ばせるかが鍵だから。それが俺だったってこと」

 

「てことは、ナンバーによっては……」

 

「俺のは品も質も良くて、No.1になった者にしか着れない色と服装。チャイナ服で言うと今着てる俺のな。ま、これは店長の趣味なんだけど。店長がこれを着ないと働かせないって言われた時は参った参ったw」

 

2人はポカンとしていた。俺がバイトの身だからなのは知ってる。けど、これ程とはという顔をしてる。俺はそんな2人を見てクスクス笑う。

 

「カズ様、ロウ様?何をそんなに驚くんです?それとも見惚れちゃいました?」

 

「腐z」

 

「俺はミツです、カズ様?」

 

「み、ミツ…からかうな」

 

「すみません。さて冗談はさておき、どうしますか?」

 

無茶ぶりに程がある質問。どう返すべきなのかと悩むカズ。ロウがなんとも言えない顔で俺にお願いをしてきた。

 

「様付けはいらない…。ロウって呼んで欲しい…」

 

「わかったよ。ロウ」

 

「あぁ…」

 

嬉しそうに微笑むロウ。カズが何かにムッとして自分にもして欲しい顔をしてる。わかってて知らないふりをする。

 

「カズ様?何か俺の顔に付いてますか?」

 

「っ!………俺にも様はいらない…。カズって呼んでくれ……」

 

「はい?」

 

「だ、だから…!ロウと同じく呼び捨てで呼んで欲しい!これでいいだろ…!?」

 

「何をそんなに怒るのかわかりませんが、わかりましたよ。カズ」

 

「敬語もいらねぇ」

 

「わかった、カズ」

 

「っ…、おう…」

 

カズも目を逸らしながら嬉しそうに口元を緩ませる。ロウが先手を打つように俺におねだりをしてきた。

 

「ミツさん、俺を抱きしめてください…。う、後ろからして欲しいです……」

 

「後ろからね、わかった」

 

優しく後ろから抱きしめる。顔を赤くしながら幸せそうに笑う。それを見たカズがムッとして俺の肩を掴みカズの胸の中に無理矢理収められた。今は自分の番だったのに横取りされてカッとなったロウが俺の腕を掴み引っ張る。すかさずカズも俺の腕を掴んで引っ張る。なんたか意地を張る子どものようで所有権で争ってる人みたいな絵面。

 

俺よりも大人が子供っぽいとかどんだけハメ外してんだよ…。てか、すげー痛いんですが…!?

 

「今は俺の番だ!」

 

「いや、俺が先だ!」

 

「俺だ!」

 

「俺だ!」

 

客が2人ってのは相当面倒くさくて、相当疲れるということがわかった。今日で辞めるとはいえ、これは閉め出し確定になってしまうので俺は2人にドスの効いた重低音で、ほんの少し怒りを混ぜた声で2人を静止させた。

 

「いい加減にしろ。ロウ、カズ」

 

「っ!」

 

「っ!?」

 

俺は2人に目隠しをさせて、後ろで両手首を縛った。この部屋にあるネクタイやロープで。黒のマスクを目に当てて目を隠し、手枷で両手首にはめて後ろで縛るやり方。鎖は短めなので最後に鎖付き首輪をはめたら終了。鎖の方を手枷の鎖と繋げると自分の首を絞めるという状況にさせた。普通にしていれば何も痛みはない。それをものの3分で出来上がり。

 

「み、ミツさん…?」

 

「ど、どこだ…?というかこれはなんだ…?」

 

2人はそれぞれ体験は違えど、学校で色々されたので俺が見えないことに戸惑ってる。俺はいきなり2人の首輪を掴みそして両耳に囁く。怒りが混じった重低音で。2人はビクッと震え顔を赤くする。

 

「俺の腕をちぎりたかったのか?それとも俺は人形か?おもちゃか?どちらにしろ、お前らにはお仕置きだ。新客だから優しくしたかったけどな、それもいらないと見た。覚悟しろよ、2人とも」

 

「ひっ!」

 

「ひぅっ!」

 

いきなりの重低音で囁かれて体がビクッと震える。けど、お仕置きという単語に青ざめる2人。何をされるのかという不安しかない。

 

「順番を守れないカズには放置だ。その状態でな。ちゃんと待てもろくに出来ないなら放置という選択を取るしかない。最初にオネダリしてきたロウからだ。お前はそこで後悔してろ。どうしたら俺が振り向くか考えろ。それがわかった時、ロウに謝れ。大の大人がそやなことも分からないようじゃあ、俺はお前を接待することは出来ない」

 

俺はロウの服を下の裾から巻き上げ口に加えるようにした。ロウはされるがままで今から何をされるのかとドキドキと不安で仕方ない。俺が後ろからロウの体を見てそれからスーッと爪でなぞる。するとロウの肩がビクンと跳ねた。俺はロウの耳元で囁く。

 

「ロウ、ちゃんと服を抑えてろ。取ったら優しくしてやれねぇぞ?今は優しい時間だからな」

 

「ふあい…っ」

 

「良い返事だ」

 

「んっ!」

 

俺はロウの乳首をこねた。ロウは味わったことの無い感覚に感じ始める。ズボン越しではあるけどロウの息子も反応した。俺はずっとこねた。片方は優しく、もう片方は激しくという感じで。そのうちカリカリと乳首を掻く。

 

「んんっ……んっ……んぅっ…んんんっ!!」

 

ビクンビクンしながら耐えるロウ。声を出したいのに命令されたことに忠実に従ってるので自分のしたいことが出来ない。だんだんと下半身がモジモジしてきた。下半身というよりロウの息子が大きくなってキツくなってきてる。俺には見えてるから尚更恥ずかしいのかもしれない。俺はわかっててあえて下半身には何もしない。ただただ乳首を弄ってるだけ。

 

「んぅっ……っ……んんっ……っ……んんんぅっ…!!」

 

乳首しか刺激をくれないのでロウは無意識に俺にねだるようにスリスリしてきた。俺はロウが口に含んだ服の裾を外すように指示をした。解放された口からは唾液が溢れる。服にも沢山ついてる。

 

「どうした?ロウ」

 

「はっ……はっ……ミ、ツ…さっ…ん、おね、がっ…い……しま、す……。し、下、も……しげ、き…が、ほしっ…い、…で、す……っ」

 

「下?足に刺激が欲しいのか?マニアックだな?」

 

「ち、違っ…!」

 

俺はわかってて言ってる。ロウは自分の息子を早く解放したくてモジモジしてる。焦って言葉遣いを間違えてしまう。

 

「俺の息子を解放しろって言ってんだ!」

 

それはロウの本心だと思う。しかしそれはオネダリじゃなくて命令だ。今の立場でそう言えるのことではない。俺は一言。

 

「そうか」

 

その言葉だけでロウはハッと気がついた。自分が言った言葉に対して。俺はまず服の裾を全部巻き上げそれをロウの口の中に入れ込む。ロウは声を出せなくさせられ言葉が出せない。俺は真ん中だけくり抜かれた木の板を持ってきた。それは拷問器具にも似た代物。この2人以外にも俺には客がいて、これをご所望の方がいるので使用として置いてある。それを使う事にした。それをロウの後ろに置き、ロウを木の板の所に向けさせ四つん這いになるように寝かせた。尻と体を分裂するようにしておく。世間一般に知れ渡ってる壁尻というやり方。それを今、ロウにしてる。木の板に固定する所がありそこに引っ掛ければ完成。木の板は微動打にせず身動き一つできない。それから俺はいくつかの小物を持ってきた。ロウの息子につけるリングと牛乳瓶、それから小型のバイブ。玉のようなバイブは全部で3つ。それをケツの穴の部分と腿に二つ。それもロウの息子が敏感に反応する場所に設置する。まずはロウのズボンと下着を脱がし、ビクンビクンと反応してるロウの息子にカチッと付けるリングをはめ、それを牛乳瓶の中に押し入れる。その状態にさせてからまた四つん這いの状態に立たせる。次に小型バイブをさっき説明した所に設置。それから動くか1つずつテストをする。左腿から順番に右と、最後にケツの穴に刺激を与える。ロウはビクンと体を震わせて膝がズリッと落ちる。仕方なく俺は棒状の物とロープで固定する。あとはずり落ちないように重りの付いた筒を付けて完成。俺はロウの口元を取ってあげる。ロウは酷く怯えていて口元が震えていた。

 

「懺悔の言葉を聞いてやる。何か言いたいことは?」

 

耳元で囁くとロウは必死に懇願する。

 

「……ごめんなさい!!お願いしますっ、許してくださいっ!!言葉を間違えました!!ミツさんを怒らせたかった訳じゃなくてっ…!本当に刺激だけが欲しくてっ、あんな言い方するつもりじゃあ…!」

 

「自分の言葉に責任を持てよ?今回のお前へのお仕置きはこれだ。本当はここまでする気はなかったが、あの発言で気が変わった。反省してろ。今からお前は放置だその状態でな」

 

「まって……っ、お願いしますっ…!!許してくださっ、あああっ!!!」

 

俺はカチッと左腿と右腿に付けたバイブに電源を入れた。するとヴゥゥゥゥッと音を立てて刺激を与える。それから声に出さないようにもう一度口に服の裾を加えるようにして外すなと命令した。忠実に従うロウは外さないが見えない刺激に怯えながらビクンビクンと感じる。最後にケツの穴に付けたバイブもカチッと付けてあとは放置。声に出せないロウは涙をボロボロとマスクを濡れさせてその刺激に耐えることが出来ず、イかせてくれることもなくただ苦しいだけだった。俺は次にカズの所へ行った。カズも下半身をモジモジさせていた。ロウの刺激音に反応してるみたいだった。俺は音を立てずに近づきいきなり耳元で囁く。

 

「まだ反省してねぇみたいだな?カズ」

 

「ひぅっ!?」

 

いきなりすぎて全身が飛び跳ねたカズ。顔を真っ赤にして逸らす。

 

「お前はまず言葉遣いから学ばないとな?それにここでは『すまない』とか『悪かった』は自分が上位に立った時と使う言葉だ。けどお前は客だ。そしてここをなんだと思ってる?女王様が君臨するような場所だ。客は言わば家畜だ。それを良しとして来てる人が大勢いる。俺の客にもそういう人がたくさん居る。ここでの謝る言い方は『ごめんなさい』だ。それからここでは恥じらいを捨てなければお仕置きのみになる。牙を向けば来るのはムチのみ。ロウを見習ってお前もオネダリしろ。すればムチじゃなくてアメが来るぞ?」

 

「…………………」

 

黙ってしまった。今は自分から行く所じゃない。しばらく待とう。返事がなければ俺は何も出来ないのだから。しばらくてやっとカズは口を開けた。けど、口開けた言葉はまだ自分の恥を捨てきれない言葉だった。

 

「ここのルールはわかった。謝るやり方もな。けど、オネダリは俺の柄じゃねぇ。てか、お前は俺のペットだろ?それを言うならお前はどうなんだ?飼い主に牙向いてるがわからんのか?」

 

はぁ…。No.1の俺にそういう口が聞けるのはむしろ猫先生だけなのでは…?でも、そんなじゃあここではやっていけないぜ?ーーなぁ、カズ?

 

俺はカズの言葉を無視してロウのいる方に向けさせ、店長とやった時と同じような体制にさせる。カズは今自分の置かれてる立場と自分の体制がどんな感じなのかわからないので不安しかない。俺はカズのズボンと下着を脱がせる。それだけでカズは何をされるのかわかった。自分自身でも少しトラウマになったアレ。今更ではあるけどもがき始めた。俺は1発、お尻を叩いた。

 

『バシン!』

 

「かはっ!?」

 

痛い。手がジンジンする。それは知り合いだからかも知らない。店長の時は店長の時のスイッチがあったからなんも痛くなった。今は何故か痛い。俺は心を入れ替えて再び叩いた。

 

『バシン!』

 

「あぐっ!」

 

カズはトラウマが蘇ったのか体が震える。小刻みに。ゴリラ達にやられたことを思い出して。

 

「どうしたカズ?何かを思い出したか?けどこれはお前のお仕置きだ。お前がこれをされるのが1番『嫌い』だろ?ならお仕置きに最適だ。好きな物をお仕置きにしても意味が無いからな。お前がオネダリの柄じゃないなんて知らねぇよ。けど、ここでオネダリができないんじゃ、ずっとお尻叩かれることになるぞ?」

 

『バシン!』

 

「あぅぅっ!!」

 

何度目かのお尻を叩かれるとカズはだんだんと素直になっていった。最初は『ごめんなさい』が言えるようになった。次に少しずつだけど敬語も使うようになった。そして今では。

 

「……み、ミツ…さっ、…ん…!…ひぐっ!……ごめ、ん…なさっ、い…!…んあっ!……ちゃ、ちゃん…と、オネ……っダリ、しま…すっ!……ひぎっ!……許し、て…くだ、さっ…い!…ああっ!」

 

「何をオネダリするんだ?」

 

「……穴、に……バイ、ブ…を…入れ、て…くださっ、い…!…ひあっ!」

 

「わかった。一旦休憩な」

 

そう言って俺は解放する。脱力感から来るのかカズはぐでっとしてる。そして自分で言った言葉に恥ずかしくなって、何を言ってんだ俺はと葛藤してる顔をしてる。俺は小型バイブにするかねこのしっぽ型バイブにするか迷った。カズはアレでもツンデレだ。猫でもいいかもしれない。首輪を変えないといけない。首輪としっぽ付きバイブを手に、戻る。そしてさっきの体制に戻す。カズはビクッと震えて体が強ばる。俺はまず鎖付き首輪を外し、鈴の付いた首輪を着ける。チリンチリンという音が鳴る。それだけでカズは自分が俺のペットになったと悟る。すごく恥ずかしいと言わんばかりに顔を赤くする。次にローションで塗ったバイブをゆっくりケツの穴の中に入れていく。カズはいきなり冷たいものが中に入ってきて力む。その都度俺は見えるところ尻を叩く。ビクッと肩を震わせたカズは頑張って力を抑える。お仕置きされたくないという気持ちがすごく伝わる。俺は奥の奥まで入れて最後にグリグリと擦らせる。するとゴリッと音ともにカズの頭が上がった。ここがカズの気持ちいいところ。そこに固定してカチッと点ける。するとヴゥゥゥゥという音でカズの息子が飛び跳ねた。俺はカズの息子にもリングをはめた。それから牛乳瓶をはめ込み寝かせる。イかせてくれないとわかった時、オネダリしてきた。

 

「……ミツ、さっ、ああっ……イきた、いっ…んぁぁっ……で、すぅ…!!」

 

「却下だ。さっき力んだだろ?そのお仕置きだ。お尻を叩かれるよりはマシだろ?」

 

「ひあっ……げん、か…い……ひゃああっ!!」

 

「お仕置きはお仕置きだ。それともお尻叩くか?その振動で辛くなるのはお前だぞ?カズ」

 

「そ、それだけ…はっ…あっひぃんっ!!」

 

「じゃあ頑張れ。カズ」

 

そしてまた放置。声を抑えようにも抑えれないカズを他所にロウの元へ来た俺。口に含まれた服の裾を外す。ロウはありたっけの気持ちを俺に伝える。もうボロボロで言葉も言えてるかわからないほど苦痛の顔をしてる。一旦バイブも止める。

 

「はっ……はっ…んんっ……はっ……んぁっ……、ミ、ツしゃ…ん……。……ご…め、な…っ…さ……ぃっ……。……こ、と……ば……っが……、しゅ、ぎ……まひ…たっ……。……どっ…か、……きや、わ…やひ…、れぇ…っ…くら、ひゃっ…い…。……おへ、はい……ひま……ひゅっ……っ…!」

 

『ごめんなさい。言葉が過ぎました。どうか嫌わないでください。お願いします』というとてもシンプルなロウの気持ち。もう言葉の呂律も回らないくらいボロボロで理性も飛んでる。俺はアメをあげるために目隠しを取った。視界が開けて眩しいと思ったロウ。慣れるまで俺は何もしないでいる。だんだん慣れてきた目で上を見上げるロウ。やっと顔が見れたことに安堵してるロウは、俺の足に擦り寄りたいのか動けない体を動かそうと必死になる。俺は一旦離れてタオルを持ってきた。ロウは不安そうに俺を見た。そのタオルで何をするのかとビクビクしているから。俺はそんな気持ちを他所にロウの口元に付いてるヨダレを拭き取る。それから俺は靴下のまま足を差し出した。嬉しそうに微笑むロウはスリスリと摩ってくる。ちょっとくすぐったい。

 

「ロウ」

 

「っ…はひっ…!」

 

やりすぎたかなと思ってすぐやめたロウ。嫌われたくないという気持ちで声が強ばる。小刻みに震えてもいる。俺は優しく頭を撫でる。ビクッと震えたロウだけど、その優しい撫で方に安堵する。

 

「イきたいか?」

 

ロウにとって、とっても聞きたい言葉だったと思う。さっきからイきたくて堪らない顔をしていた。

 

「ミツしゃんが……許ひてくれりゅとゆうなや……、イきひゃいれしゅ……!」

 

「わかった」

 

そう言って俺はリングを外した。そしてバイブも動かしロウに刺激を与える。

 

「あんっ、あぁあっ、あぁぁぁぁぁあああっ!!!」

 

ビクンビクンと体全体が跳ねた後、イった。牛乳瓶が半分以上入った。絞りたての濃厚なカルピスジュースの出来上がり。バイブを一旦止める。刺激を与えるのをやめた。タオルをロウの口元に置く。

 

「一旦休憩な。ロウ」

 

「はっ……はっ……はひっ…!…はっ……はっ……」

 

息が整うまでロウは放置。俺はまたカズの前に来た。俺が来たことを察知して俺の足まで這いつくばるけど、その間力むのでバイブに奥の方を弄られて体がビクンビクンと跳ねる。それでも俺に少しでも近づきたいと思う気持ちは抑えられないのか、カズはその状態でも膝を動かして近づいてくる。それを見てるのも面白いので、俺は机の上に座る。ここにあるはずの足が見当たらなくてキョロキョロするカズ。音を立てないように回り込みキョロキョロしてるカズを見ながら俺は尻尾を掴む。敏感になってる奥はまたゴリッと音を鳴らしてカズに刺激を与える。また力がこもる。しかしそれは逆効果で、もっとゴリゴリ擦られる。その都度声が抑えられなくて鳴く。

 

「どうしたカズ?バイブにお仕置きされてるな?力むとバイブの思うツボだぞ?」

 

「ひゃぁぁぁぁっ、あああっ、んあああっ!!!」

 

俺はわかってて尻尾をグリグリ動かす。それと同時にゴリゴリと音を鳴らして激しく刺激を与える。カズは俺に言ってるのかバイブに言ってるかわからないが謝ってる。

 

「ひゃんひゃん!……んぁっんぁっ……!……ごめんにゃひゃいぃぃっ、ゆるひてくらひゃいぃぃぃっ、あああああっ、もっ、もっ、…あんっあんっ……!……げんかひれしゅうぅぅぅっ!!!」

 

「じゃあ四つん這いになれ。そしないとバイブはさらにお前にお仕置きするそうだ。今の弱を中にしてお仕置きするってよ?四つん這いを解いたら一気に強にするってバイブが言ってるぞ?」

 

四つん這いになるということは一旦力まないといけない。力を出して膝を立たせないといけないので尻も力が入る。つまりそれはバイブのお仕置きにも耐えなきゃいけなくて、奥をゴリゴリ擦られお仕置きされる。カズはそのお仕置きに何度も負けて力が出せない。でもイきたくてイきたくて仕方ないカズは頑張ってお仕置きに耐える。鳴きながらも四つん這いになることに成功する。だがその体制も尻をつき出すので力が入る。そしてまたゴリゴリとお仕置きされる。それに耐えるカズ。俺は更に難易度高い要求をする。

 

「四つん這いになったなら、顔を上げろ。そして俺の腿を下に敷くように上げろ。それが出来たらバイブもお仕置きをやめるとよ」

 

「はへっ!?」

 

もう何がなんでもイきたくて無我夢中で頭を上げる。力も入る。お尻の奥をゴリゴリ言わせながら耐える。なんとかあげることに成功したカズは俺が来るのを待っている。俺はタオルを持ってくる口実でまた要求。

 

「そのままの状態で待て。崩れたら中にされるぞ」

 

随時お仕置きが絶え間なく続く。そのままを保つのは俺に尻を叩かれるように苦痛。力みたくなくとも力むのでバイブにお仕置きされて苦しい。俺はゆっくりタオルを持ってきて、座る。そしてタオルを自分の腿あたりに置きまた要求。

 

「俺がストップっていうまで膝でここまで歩いてこい。何、そんな離れた場所にはいない。1.2歩行くだけの距離だ。あともう少しだ、頑張れ!」

 

俺からしてみれば短い距離、けどカズからしてみれば長い距離。動くのも辛いのに動かされるのだから力が入らない。お仕置きされすぎて一歩も動けない。

 

「ほら、どうした?来ないのか?…ん?何々?小から中にする?バイブがお怒りだ。俺はバイブの気持ちも組み入れないといけない。よって小から中に」

 

「んぁっ!待っへくらひゃいっ!!!ああっ!!行きましゅ、行きましゅからっ!!ひゃぁぁぁぁっ!!!」

 

声の力みようが尻に伝わりそれがまたバイブの思うつぼで、擦られお仕置きされる。一歩動こうとした瞬間、ゴリゴリと擦られる。カズの体がガクンと落ちそうになる。しかし落ちたら中のお仕置き。息ができていない。顔も赤くてのぼせている。そしてまた一歩前に進む。汗もすごい量でぽたぽた流れてる。全身が汗まみれ。カズの体から蒸気が流れてる。

 

「カズ、ストップ」

 

定位置に来たので止める。もう力が入らないのか顔を上げられない。涙でマスクも濡れる。限界すぎてもうよくわかってないという状態だ。

 

「ゆっくり頭を下ろせ。四つん這いは解くなよ?」

 

言われた通りカズは指示された通りに頭を下ろす。そしてタオルがある場所に頭を落ち着かせた。バイブを一旦切る。刺激がなくなってぐてっとする。

 

「カズ、イきたい時はどうするんだっけ?」

 

「っ!!!ミツしゃん、イかせてくりゃしゃい!!おねにゃいしましゅ!!!」

 

「わかった」

 

カズのもリングを外した。そしてもう一度バイブで刺激を与える。そんなに経たずにカズはイった。、

 

「ああああああああああああああっ!!!!」

 

牛乳瓶に半分以上入った。牛乳が入ってる時と同じ量。結構溜まっていたみたいだった。こっちも絞りたての濃厚なカルピスジュースの出来上がり。バイブを止めて目隠しを取ってあげる。ロウと同じで眩しいのか、生まれたての子犬みたいに目が開けられないでいる。慣れるまで待つ。だんだんと視界が良くなってきてちゃんと目も開けられるようになった。そして今俺の膝枕にしてることにビックリしてる。優しく頭を撫でてるとビクビクした顔で俺を見る。まだ何がするんじゃという顔。信用性がない。

 

「そんなに疑うなら本当に与えようか?」

 

俺がニコッと笑うと自分がそんな顔していたのかと思って頭グリグリと振った。小刻みと言わず本気で震えている。

 

「何か言いたいことは?」

 

「……ごへんはひゃい…っ…!うはがっへまへん…っ…!きはほ、むふひも……あひまへん……っ…!……ごへんはひゃい……ごへんはひゃい……っ…。きひゃひゃわいへぇ…っ…!」

 

『ごめんなさい。疑ってません。牙をむく気もありません。ごめんなさい。ごめんなさい。嫌わないで』と。こちらも呂律が回っていなくて、カズの素直な気持ち。怖くて震えていて信じて欲しくて涙が溢れて零れて、そして顔をグリグリと押し付ける。俺はその状態のカズの尻からしっぽ付きバイブを取り出す。鳴きながら四つん這いも楽になった。けど瓶があるので解くことは出来ない。それでももう刺激がないから少し楽になったカズ。疲れた顔をしてる。音無写メで記録として2人の写メを残しておく。いつもそうしているので今日が最後ということを記念に。携帯を机の上に置き。カズの牛乳瓶を外す。それからティッシュでカズの息子を拭き取る。それをゴミ箱に入れて牛乳瓶はびんの蓋を付けて机の上に。解放されたカズはやっとぐでっとした。そのまま放置。次にロウの所へ。ロウの牛乳瓶も外してあげる。カズと同じことをしてあげる。牛乳瓶はびんの蓋を付けて机の上に。あとはロウの付けてる拷問器具を外す。全てにおいて解放されたロウもまたぐでっとした。息が整うまで俺は離れた椅子に座って眺めてる。するとトントンとドアを叩く音が聞こえた。

 

「時間です。ミツさん!終了です」

 

「あ、わかった。もう少し待って?お客様がまだ息を整えてないからもう少しだけ時間をくれる?」

 

「わかりました。一同お待ちしてます」

 

「はーい」

 

という会話。その会話を聞いて2人が急がないといけないのではというように力の入らない足腰で立とうとする。俺はそんな2人に静止をかける。

 

「いいよ、ゆっくりで。お客様第一に考えてるから心配いらないよ。座れるようになるまで待ってあげる」

 

見られてると意識すると顔を赤くする2人。そんな2人に変な質問をする。もう終了の時間ってのもあって聞く気はなかったことを言う。

 

「ゆっくりでいいからさ?聞きたいんだけど、答えられたらでいいんだ。無理なら無理って言って構わない。『いつもの俺』ってどんな感じだと思う?」

 

その質問の意味がわからないって顔をしてる。そんな顔をするのはわかってた。難しい話をしてるのも今の状況で頭回らないということも知ってる。知ってて聞いてる。答えられないのも知ってる。それでも絞り出そうとして2人は答えてくれた。

 

「チャラチャラしてるようで…」

 

「助けてくれるヒーロー」

 

「怒った時とか怖いけど…」

 

「意外とちゃんと心配してくれる」

 

「どんな時でも笑ってて…」

 

「自分の弱い所を見せない」

 

「と、俺は短期間ではあるけど思う」

 

「左に同じく」

 

交互に言われた。同じ気持ちだからこその言葉。ゆっくり動く。そしてゆっくり起き上がり座る。そして俺の顔を真っ直ぐ見てくれた。だいたい今がそうだったりするけど、それを言わないのが俺らしい。

 

「そっか、2人からはそう見えるんだね。ありがとう2人とも」

 

近くに行き2人の頭を撫でる。嬉しそうに微笑む2人。それから首輪や手枷を外す。終わり際にいつもする恒例の儀式。

 

儀式と言っても鼻にキスだけど、店長にはしなかったな。今まで…。だからムッとしてたのかもしれないな

 

その儀式を終えると2人は顔を真っ赤にさせて俺の顔を見つめる。名残惜しそうな顔。でももう終わり。本当の意味で終わり。服装を整えさせて荷物も持ってもらい受付場所へ行く。それから勘定をしてもらってタクシーを呼ぶ。タクシーが来ると2人を見送って俺はそのままSM倶楽部に戻る。そしてみんなが広間に集まり俺の言葉を待つ。突然どうしたのかとかなんで呼ばれたのかとか何かあったのかなとかそういうざわつきがあった。口々にみんなそう言ってる。見渡す限りでは店長がいない。ので、誰かに行ってもらうことにした。

 

「俺はこれから着替えてくるから店長呼んでおいて?まだ仮眠室に居るはずだからさ?連れてきといて?それと何人かで行かないと駄々こねるだろうから、よろしくね?」

 

「はい、わかりました」

 

それから俺は色々と着替えたり準備をして控え室にお辞儀をして出る。バックと携帯と財布、それから給料袋もちゃんと確認してからみんなのいる場所に戻る。行ってる見ると店長はまだだった。遠くから叫び声が聞こえる。店長の声だ。行きたくないと叫んでる。1人が引きずってもう1人が足を持って他何人かで店長の胴体を持って連れてきた。すごい絵面。

 

「これだとどっか行きそうだから縄で縛ろうか」

 

「ミツさんがやればいいのでは?」

 

「俺はダメだよ。それに、『店長』が嫌がる」

 

「………?」

 

「ほら、とにかく縛る縛る。逃げちゃうよ?」

 

この会話をしてる時も店長は逃げようとしていた。俺が言わなきゃ気づかなかったと思う。みんなが一斉に店長を取り囲み、そして縄で縛りあげそしてポンッと投げ飛ばされた。俺は店長を起こしてちゃんと座らせる。店長の周りも座らせて俺は語る。

 

「みんなに集まってもらったのは重大なお知らせと応援ボイスをやろうと思ってなんだ。今日は大サービスでみんなにやろうと思ってるの。重大なお知らせはその後かな。まず最初にしてもらいたい人は一列に並んで?押したらその人は後ろに回ってもらうよ?横入りもだめ。さっ、並んで?」

 

一斉に並んだ。1番早く来た人から壁ドンしてからの応援ボイス、それからこれからの応援ボイスを告げた。今はまだみんな意図がわかってない。わかってない状態でやる応援ボイス。ここで働いてる30人近くいる人に言うから結構時間がかかった。やっと従業員が終わって最後に店長となった。店長は嫌みたいだけど俺が無理矢理立たせて壁ドンをする。店長は今にも泣きそうになってる。わかってて俺はやる。

 

「店長。俺がいないなくなっても店長は店長のままでね?俺はもうあんたの知るご主人様じゃない。だから、俺の事はきれいさっぱり忘れてくれ。今までゴメンな、それからありがとう。さようなら」

 

みんなには聞こえない声で言う。これが重大発表の一つだから。店長はズルズルと壁に背中を預けて三角座りをする。顔は上げない。俺はそのまま店長を放置してみんなの前に出る。

 

「次に重大なお知らせだ。単刀直入言う。俺はここを辞める」

 

「…………………………」

 

単刀直入過ぎてみんな絶句。無理もないこと。俺の話は終わらない。

 

「だからNo.1の座も降りる。次は誰がNo.1になったか楽しみにしてる。俺がここで働くことは無い。客としてなら来ることあるかもだけど、働く気はない」

 

「……………………………」

 

「せっかく店長との関係を了承、公認までしてくれたのに悪いね?俺と店長の関係は白紙だ。もう何の関係もないよ。詳しい話は店長から聞いてくれ。俺はここから出る身だからあとのことは知らない。なんの相談もなしに急に終わってごめん。でも決めたことだから」

 

「…………!!待ってください!!」

 

みんながザワザワした時1人の子が俺を引き止めた。俺を引き止めたのはシンだった。

 

「何故ですか!!何故やめようとしたんですか!?俺何かミツさんを辞めさせることしましたか!?それなら俺、謝ります!!だから辞めないでください!!」

 

シンの言葉にみんなもそうだそうだと言ってくる。俺はここの人間じゃなくなる。そう思ってスイッチを切り替えた。壊れた自分に戻った。

 

「じゃあ皆さんに問います」

 

聞き覚えのない声。聞き覚えのない言葉。聞き覚えのない話し方。みんなが動揺してる。店長だけがビクビクしてる。

 

「『いつもの俺』とは何ですか?」

 

「…………し、質問の意味が……?」

 

「だから、皆さんの言う『いつもの俺』とは何ですか?具体的でなくても構いません。断片的でもいいです。『俺』ってなんですか?」

 

みんな黙ってしまう。多分考えてるんだと思う。俺の背中で見えてないけど、店長は自分のさっきの言葉を思い出して泣いてる。決して顔はあげないけど。1人ずつ思ったことを言っていく。

 

「カッコよくて、優しくて……」

 

「男前で、頼れて……」

 

「時に怖い時もあるけど……」

 

「心配してくれる……」

 

「そんな兄貴みたいな感じ……」

 

「店長をも虜にさせちゃう……」

 

「魅惑と魔性を兼ね備えた……」

 

「前代未聞の女王様……」

 

それがみんなから見る俺なんだろう。それは演技をしてるから。本当の自分はわからない。

 

「それが皆さんの言う『いつもの俺』なんですね。では今回はどうしたか?『いつもの俺』は出てましたか?違った点とかありましたか?」

 

「確かに…いつものミツさんじゃなかった気がする」

 

「というか、いつもの恒例行事がなんだか殺伐としてた気がする。あれはご褒美じゃなくてムチしかなかった気がする」

 

「それと何か関係が?」

 

「はい。あります。今日はチャイナーデイだったので店長に三つ編みを編んでもらってた時に、言われてしまいました。それはーー」

 

「……っ!!ま、待てっ!!それはっ!!」

 

既に泣いてる店長は俺の背中に向けて叫んでる。俺は話し続ける。

 

「『お前は俺の知ってるご主人様でもミツでもない。ミツじゃないお前は出てけ。もう顔も見たくない。ミツじゃないお前は消えてしまえ』と言いました。俺はもうみんなや店長の知る俺ではなくなった。そう思った店長が俺に解雇命令を出したんです。店長も苦渋の決断だったみたいです。『いつもの俺』が消えしまった。仕事にならないと判断したのでしょう。今日の分は働いて、次から来るなと。そう宣言されました」

 

「………………………………………………」

 

「俺は疑問に思いました。『いつもの俺』とは何でしょうか?『いつも接してる俺』とは?『いつもじゃない俺』とは?……と。みんなや店長と一緒に何か行事をすることが『いつもの俺』で、そこから道を外したら『いつもの俺』では無くなる。それはつまり、じゃれてる時じゃない時の俺は受け入れてもらえてなかったということになりますね?みんなはどうか知りませんが、少なくとも店長は受け入れて貰えませんでした」

 

「ち、違っ!!お、俺はっ…!?」

 

「最終的に言われた言葉、なんだと思いますか?」

 

「っ!!!?待って、お願いっ!!それだけは言うなっ!!!それだけはっ!!!」

 

「死んでーー」

 

「言うなーーーーーーーーーっ!!!!!!」

 

俺の言葉を遮るように叫ぶ。多分その叫びで俺の言葉はかき消されただろう。周りも何を言ったのかはわかってない。俺はモゾモゾと動く店長を見下す。涙でボロボロの顔。俺の足に擦り寄る。一筋の希望というような感じで。俺はしゃがみ店長を見る。店長はビクッと震える。俺は最後だけスイッチを入れる。

 

「じゃあみんなひと仕事してもらうよ。これを最後の記念にね。背もたれがない椅子を持ってきて?」

 

「え?は、はい!」

 

店長は何をされるのかと言う顔で不安げに俺を見る。俺は今だけ名前で呼ぶ。

 

「ギンにお仕置きだ。俺の言葉を遮ったこと、俺にいろんな罵声を言ったこと。その事への懺悔をしてもらう。ここにいる従業員全員に一発ずつ尻を叩かれるっていうな」

 

「へ?……い、嫌だっ!!そ、そんなっ…!?」

 

「なら、最後の言葉を口にしてもいいんだな?」

 

「そ、それだけは勘弁してくれっ!!」

 

「なら腹をくくれ」

 

「うぅ…」

 

俺と店長が話してる時背もたれがない椅子が届いた。

 

パイプ椅子みたいなやつって言ったらわかるかな?

 

そこに店長の胴体を乗せる。それから無理矢理ズボンと下着を脱がして上から抑える。店長は顔を真っ赤にさせてもがくが押さえつけられてるので動けない。余ったロープで足と椅子を固定して本当に動けなくした。

 

「それじゃあみんな一列に並んで?今から店長が俺やみんなに懺悔の言葉を言うから、みんなは思いっきり店長の尻を叩いて欲しい。軽くはダメ、痛くしてね。ただし一発まで。従業員全員からのお尻叩きだからね、二発もしたら時間が無くなっちゃうから。ギンも持たないしね?わかった、みんな?今回辞めさせられるのは店長が俺を解雇させたこと。みんなになんの相談もなくだからみんな結構何かあるでしょ?もしなくても日頃のでもいい、ありったけの力で店長の尻にお仕置きしてくれ。店長は懺悔の言葉を言うこと。それじゃあ俺は真正面から見てるね」

 

一方的に告げて俺は店長やみんなが見える位置で座る。そして俺が始まりの合図をする。従業員は戸惑いながら言われた通り思いっきり店長の尻を叩いた。

 

「あぐっ!!」

 

その声に何かのスイッチが入った従業員は店長の尻を叩く。また鳴く。その繰り返し。けど、懺悔の言葉が聞こえない。俺はつかさず店長を追い込む。

 

「一巡終わっも懺悔の言葉を言わなかったら、またみんなにお仕置きされるぞ?お前の懺悔の言葉が終わるまでみんな叩きつけるからな?」

 

「ひぎっ!!……そ、そんなっ…!うぐっ!!」

 

叩き続けられてもまだ懺悔の言葉を言わない。そして一巡が終わる。しかし宣言通り言わないとまた二巡と続く。早く終わらせたい店長は言葉を発しようともバシン!バシン!と叩かれて言いたくても言えない。痛くて涙がポロポロ流れる。俺はずっと店長を見てる。見られて感じ痛くて感じてきた店長は我慢汁を出した。俺はそんな店長を見て用意した物が。

 

「下が汚れるからこれに出しなさい」

 

牛乳瓶だった。さっきよりもっと恥ずかしい状態にされた。それにムラムラと湧き立つ従業員。俺はそんな何人かの従業員の頬を叩く。指示した通りのことが出来ないなら見学してろという目で見据える。俺の目は従業員の心を鷲掴みするのが得意のようだ。直ぐに言うことを聞いて店長の尻を叩く。しばらくして店長の理性が吹っ飛んだ時、店長の口から懺悔の言葉を言うようになった。

 

「ごめっなさっ!あんっ!!消え、ろとかっ!ああっ!!死ね、とかっ!あひんっ!!言って!いぎっ!!ごめんな、さっい!ひぎっ!!み、つ…さまっ!あぐっ!!お許しっ、くださっ!んあっ!!もどって、きてっ!んんっ!!くださ、いっ!あああっ!!!」

 

最後の叩かれた衝撃でイった店長。牛乳瓶の中に尿とカルピスが出てきた。その状態を写メに写す。記念写真だ。俺は静止した。みんなピタッとやめて店長の顎をクイッと上げる。恥ずかしいところを見られて顔を真っ赤にしてる店長。俺はニコッと笑う。

 

「俺はまだイけとは言ってないけどな?」

 

「ひっ、ごめんなさっ」

 

「それとみんな?今後の励みになるだろうから参考までにお尻を叩く時の強さを教えとくね?」

 

俺が店長の背中を掴んで押し付け、そして勢いよく振り上げて思いっきり店長の尻を叩く。その音はいつものバシンではなく、『バチンッ!!』だった。

 

「〜〜〜〜〜〜っ!!!?」

 

店長も言葉にできないほどの衝撃。赤いお尻がさらに手形を残して赤くなる。その衝撃でまたカルピスを出す。みんなビクッと震えて自分のお尻を隠す。自分がされてるようなそんな音。もう一度『バチンッ!!』とお尻を叩く。店長は衝撃に耐えられなくて何度もイった。そして泣きながら謝り続けた。三発してから終えた。店長の縄を外してやり、牛乳瓶を外してティッシュで拭き取り下着とズボンを履かせてもう一度優しく叩く。それだけで店長は悶絶する。

 

「こんな感じでやるんだよ?これがムチ。で、頑張ったご褒美がないと長続きしないからこうやって」

 

俺は店長を起き上がらせて優しく抱きしめる。すると店長は優しくされて嬉しそうに微笑む。よしよしと頭を撫でてから背中も撫でる。

 

「よく頑張ったな?ギン。偉い偉い」

 

「…っ、俺…がんばった……。がんばったよ……?褒めて……もっと、褒めて……っ。ミツ様ぁ…っ…!」

 

「あぁ、凄いよギンは。ちゃんとできたね。でも、もうあんなことしちゃあダメだよ?そんなことする子にはまたキツイお仕置きをしなくちゃいけないからね?」

 

「っ!!や、やだっ…!ちゃんと言うこと聞くからっ!!ごめんなさいっ!!」

 

「うん、ちゃんと言うこと聞けるギンは好きだよ」

 

「っ!!じゃ、じゃあ…!」

 

「でも」

 

俺は店長の鼻を指で擦る。それがどういう意味を持つのか、鼻にキスということは愛玩という意味。つまりそれを消すってことは、そういうことだ。もうしないという証。店長はやっぱりダメかというように涙を流しながら笑って、懐の中から袋を出した。結構シワシワでぐしゃぐしゃだったけど、店長は渡してきた。

 

「今まで働いてきた給料分全部とNo.1だった時の稼ぎと、俺やみんな、それから客を喜ばしてきた稼ぎが全部こん中に入ってる。お前からしたら札束かもな…。お前はいらないって言うかもしれねぇけど、せめてこれだけは受け取ってくれ。客としてきたらおもてなしするから、これは俺達の気持ちとして受け取って欲しい。…………ミツ様、3年間ありがとうございました。またのご来店、…楽しみにしてます。いつまでも大好きです…」

 

そこまで言うならと頭を撫でながら受け取った。みんなを見るとやっぱりいなくなるんだと思うと泣いてしまってる。ごめんねという感じで苦笑いすると崩れていく人もいた。店長は涙を拭いて笑顔で見送ってくれた。俺のここでの仕事は幕を閉じた。袋はバックにしまってちゃんと鍵もかけた。帰路を歩くとチラホラと家族で帰る人や家族を思う会社員の人がいた。

 

「あぁ、終わったのか。今日という日もあのバイトも…。仕方ないよな、自業自得だ…」

 

独り言を言いながら走って帰った。それから家に着いて誰もいないソファーに倒れた。疲れてそのまま寝てしまった。明日のために何か作らなきゃいけないのに作る気になれない。何か食べたいとも思わない。とにかく寝たい。そう思った俺は目をつぶってそのまま深い眠りについた。

 

 

 

ーーーん?ここは?真っ暗だ。てことは夢の世界かな?自分が夢見てるなんて自覚すんの初めてかも…

 

『だってそうでしょう!?』

 

『お前は何も分かってないんだよっ!!』

 

ーーーまたやってるよ。よく飽きないでずっと喧嘩していられるよ。てか、これが見たかったとか俺の夢大丈夫か?……って、ん?あの子は…?

 

「……おかあさん、おとうさん…」

 

ーーーああ、子供の時の俺か。まだ2人の痴話喧嘩のことをよく知らない時か。そういやそん時からか、俺が2人の痴話喧嘩に口出さなくなったのって…

 

『ほら見なさい!!蜜が起きちゃったじゃないっ!!』

 

『お前の声が大きいからだろう!!』

 

『何よ!!あなたも声が大きいでしょう!?』

 

『なんだとっ!!?』

 

「………け、けんかはやめようよ……?……ね?」

 

ーーーあーぁ、口出さない方がいいのに…

 

『蜜は黙ってなさいっ!!』

 

『蜜はさっさと寝なさいっ!!』

 

ーーーこう言われるのがオチなんからさ…

 

「………………っ!!おかあさんとおとうさんがやめてよっ!!!」

 

『なんですって!?』

 

『なんだとっ!?』

 

ーーーっ!

 

「おかあさんとおとうさんが、いつもよるおそくにけんかしてるのは、しってるよ!?でもね、うるさいの!!なんでけんかするのっ!?なんでなかよくなれないのっ!?なんで、りこんしちゃったのっ!!!」

 

ーーーやめろ…

 

「おかあさんとおとうさんが、りこんしちゃったせいで、みらいのぼくがたいへんになるのに!!」

 

ーーーやめてくれ…

 

「どうしてなかよくできないのっ!!!」

 

ーーーお願いだからそれ以上は…

 

「どうしてぼくをおいていくのっ!!!」

 

ーーー聞きたくない…、聞かせないでくれ…

 

「おいていかないで!!!」

 

ーーーやめてくれ!お願いだからっ!

 

「いかないでよっ!!おとうさん!おかあさん!!」

 

ーーーやめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!

 

 

 

ブツッ。俺は悪夢から目が覚めるように目を開けた。テレビの音が切れたような音と共に起きた。汗でベタベタしてる。

 

風呂に入ろう…

 

あの夢は良くない。色々とありすぎて、こんな夢を見るのかもしれない。風呂の中であったかいお湯を浴びながら俺は思う。

 

この家にいたらダメな気がする…

 

ここが居づらない場所になった。あれは夢の中の話。俺の経験はあんなこと言ってない。だけど、ここに居たら確実に俺はダメになる。俺は明日の朝早くに学校に行き、いるであろう理事長の元へ行って寮に移ることを伝えようと思う。元々どっちでもいい学園だから本人が希望した方に移れるからその点は楽。ただ一つ嫌なのはルームシェアということ。もしかしたら小説や漫画の1ページにもある不良男子とのルームシェア。

 

別段俺は構わないけど、俺で回るBL劇場になったらと思うと迷う。まあ、ペットのような感じで躾ればなんの問題もないわけだけど、上手くいくかわからんなぁ…。まあここにいるよりはマシ、か…

 

明日は明日の風が吹く。まだ午前2時。早い時間に起きてしまった。とりあえず飯を食ってまた寝ることにした。

 

明日のバイトは……休もう。あと母さんに連絡してここを出ることを言って……それから……ぐぅ…

 

色々済ませてからベッドの中でそのまままた寝た。色々考えたせいで夢を見ることなくそのまま朝まで眠った。





次の話はまだ書き途中です!
また、書き終えても多分また溜めます。
溜まったら更新します!
更新した分を楽しんで下さい(*´ω`*)♪
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