※この作品はR-18です。

獣帝都学園   作:HAL

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日曜日の休暇、それでも忙しかった…

 

 

チュンチュン。雀の鳴く声が聞こえる。朝になったという事だ。起き上がり伸びをして服の準備と、箱にケースの中に服を詰め込む。とりあえず自分がいるものだけを入れていく。それから全てのバイト先に連絡して今日は休むことを伝えた。何人かの人にはどうしてもというのでそのバイトだけは外せなかったが、他は休ませてもらった。それから母親にここを売り払うように電話で伝えて、これが最後というように見回した。キッチンや母と父の部屋、自分の部屋という感じで。

 

あ……

 

自分の机の上に両親と写った自分の写真があった。ずっと捨てきれなくておいてあった写真。未練がましいと思って俺は、それを手紙と一緒に封筒へ。それから朝早くに家を出て母親の住まうマンションのポストに封筒を入れてそのまま立ち去った。これで自分に未練はない。それからまた来た道を行き、学校へ向かう。

 

学校……じゃなくて学園か…。紛らわしいんだよな…

 

どっちでもいい気がするので俺の呼びたいように呼ぶことにした。休日でも学校は空いてる。そして、理事長もいる。

 

学校までの長い道のりは吹っ飛んでるけど、本当に長い道のりだからカットでw…え?知りたい?じゃあアバウトかつ雑に教えてあげよう!

 

 

 

まず家を出る→母親の居るマンションにてポストに封筒を入れる。ここまではわかるね?次にそこから電車で学校のバスがある所まで行く→バス停でバスに乗り換えて学校の目の前まで行く→そこからあの長い林のトンネルまで一本道を抜ける→クラスの下駄箱で上靴と履き替えて→両手にバックとキャリーバッグを持ち→長い長い廊下を歩き→そして理事長室前に到着。OK?

 

 

 

という長い道のりを経てここにいる。今からノックをする所。と思ったら。

 

「おや?」

 

俺がノックをする前に扉が開いて中から人が出た。いかにも秘書って感じの人がでてきた。

 

「梅ちゃん?どうしたの?」

 

「生徒です」

 

「生徒?」

 

「あ、どうも」

 

ひょこっと顔を見せてニコッと笑う。理事長もニコッと笑って中に入るよう言われた。キャリーバッグとでかいバックを持って中に入る。そしてソファーに座らせられた。

 

「大荷物だね?生徒くん」

 

「そっすね。ここの寮に移ろうと思って来たんで」

 

「へぇ?それはまた事情がありそうだね?」

 

「説明必要です?」

 

「そうだね。どんな理由であれ、聞いとかないと色々不審がられるでしょ?有名人だったら特にね?」

 

「………、そういうことならお話しましょう」

 

俺はこれまで経緯を話した。俺がどんな人間か、俺の周りで何が起きたか、俺が今してる事、バイトのこと、最後にBLを生で見れることが増えるという話をした。オブラートに包むことをせずにペラペラと。

 

「君は面白い子だね。なるほどなるほど、そういうことがあったんだね。最後のは笑っちゃったよ、クククッ。思い出すだけでお腹が痛い…!そういえば僕達の紹介をしていないね。僕は渡狸夜狐(ワタヌキ ヤコ)だ。それからそこにいる秘書は黒烏梅(クロガラス ウメ)、通称梅ちゃん」

 

「そういうのは理事長、あなただけですよ」

 

「あんな風に凛として美しい敬語を使ってるけど、本当はもっと言葉遣いが悪k……もがっ」

 

「これ以上余計な言葉を紡ぐならその口を針で縫い合わせて、一生声を出せない体にしましょうか?」

 

「……………………………」

 

え?怖…

 

「むぐっ……んしょ、と。とまあ、こんな感じでね。敬語がぬぐえきれないのは生徒の前だからだけど実際は、もっと言葉遣いが悪くt」

 

「この口か?夜狐。テメーの口をこんな風に付ければ収まるか?ああん?」

 

言った言葉を実行するという四字熟語の意味、有言実行。まさにその言葉が合うが否か、理事長……ならぬ、渡狸先生の口を塞ぐ黒烏さん。ディープなキスをしてるので1秒間にシャッター音機能を消して10連写。それから角度を変えて10連写、からの際どい角度からの10連写をしてからソファーに座るまで約5秒。その1秒後に熱いディープなキスを終えた。

 

「今の流れ作業をそんな短時間で仕上げるあたり、本物のようだね?」

 

渡狸先生はニコッと笑いながら驚いてる。というか面白がってる。逆にやった本人が顔を赤くして俺を睨んでる。俺は口元をにやけないように必死で堪える。

 

「今からベスト一枚を3枚選んでここに提出。そうすればここの寮での暮らしを許そう。どうかな?」

 

「いいですね。それじゃあ交換できるようにライムで交換しましょう!そうすれば送れますよ!」

 

「よし、じゃあライム交換だ」

 

「ちょっ、おまっ…!?」

 

流れ作業も流れ作業ということで普通にライム交換を済ませる俺と渡狸先生。黒烏さんはとても悔しそうな顔をしてるので、何も知らない顔で聞いてみる。

 

「もしかして黒烏さんは渡狸先生のライム、知らなかった……とか?あ、そんなわけないですよねー、ごめんなさい」

 

にっこり笑いながら質問したのにあたかもしてるでしょ雰囲気を出しておちょくる俺。それの意図は渡狸先生には分かったみたいだけど、黒烏さんは余裕のない感じで。

 

「あるし!理事長のライムとか知らないとか管理下として知ってなかったら何年の付き合いだってなるわ!ちゃ、ちゃんと持ってるから安心しろ!バーカ」

 

あ、ないんですね?わかりますw

 

わかりやすい嘘を吐かれた所でさっき言われたベスト3枚選んで、渡狸先生のライムに載せる。渡狸先生は一回見てから俺にグッと親指を立てて承諾。それから誰かに電話をかけ始めてブツブツ言いながらニコニコしてる。俺はその間に黒烏さんのライムも交換する。ナチュラルかつスピーディーにそして終わった後には文句を言われながらも渡狸先生の電話は終わった。

 

「寮長に電話しておいた。そこに行けば番号札の付いた鍵が貰えると思う。部屋は寮長の気まぐれだから、それには従うように。それと寮長も腐る男子だから気が合うと思う!僕の幼馴染みだからね。ちなみに梅ちゃんは僕の1つ下の後輩だよ。でも頭がいいからこの地位にいるんだけどね」

 

OH……、知り得ない情報まで知ってしまったぜ。幼馴染みで腐男子とか、何それ同士やん!これはライム交換せねば!友達100人なんて夢かと思ったけど案外現実に出来るもんだねヾ(*ΦωΦ)ノ ヒャッホゥ☆

 

渡狸先生から地図を貰って寮の方へと歩く。カバンを2つ持つのは億劫ということで寮長の部屋の前まで荷台を持って行けるらしいから、そこまで押して行く感じになった。

 

 

 

ちなみに、あの後渡狸先生と黒烏さんは無事に素直になった黒烏さんとライム交換できたらしい。個チャから連絡が来たからさ、黒烏さんから。それから黒烏さんから「お前も梅ちゃんでいい」って言われた。だから、ライムの名前変更で『梅ちゃん』にした。理由はわからないけど本人から公認で許されたからこれからそう呼ぼうと思うので、よろしくー☆

 

 

 

しばらくして寮らしき建物の前に行く。

 

ここまでまた広くて辛かった…。何この無駄遣いしかしてない広さ……。運動するとかの長さじゃないし…。憧れの寮生活とかの次元を遥かに超えてるよ…。運動してない人からしたら地獄だぞ、この距離…

 

中に入って涼しい風を浴びながら荷物を下ろして寮長の居る部屋をノックする。

 

『コンコン』

 

どんな人かな?渡狸先生の幼馴染みでしょ?しかも腐男子同盟結んでるわけじゃん?想像つかんなぁ…。あえての硬派だったり、あえてのチャラ男だったり、あえての怖がりとか?うーん、マイナーすぎて想像つかん。まあ、会えばわかるわけだしとりあえず………まだかな???

 

ノックをして10秒。俺は長期な人間だけどずっと待ってられるほどでもない。短気じゃないって思ってるけど、もう少し待ってみる。

 

チッチッチッチッ………10分経過ーー。

 

うん。遅いかな。とりあえずもう一度

 

『ゴンゴン』

 

今度は少し大きめに叩いてみた。また10分待ってみる。これで来なかったらライムで渡狸先生に知らせる。

 

チッチッチッチッ………さらに20分経過ーー。

 

よし、渡狸先生に聞いてみよー★

 

そして早業で渡狸先生に連絡する。すると渡狸先生は『OK』と返してから10秒もかからない内に寮長が出てきた。すごい青ざめ赤面して服装ぐちゃぐちゃで出てきた。プルプルという音に俺はライムから渡狸先生の名前で電話が来た。

 

『やっほー☆どう?起きた?』

 

「はい、今起きたみたいです」

 

『そう。その子ね?お眠なヤンキーっ子なの。でも超イケメンでね?なんでも許されちゃう顔してるでしょ?』

 

「そうですね。確かにイケメンのヤンキーっ子ですね?どう起こしたんです?」

 

『その子にはね?ある弱点という名の秘密があるんだよ〜』

 

「秘密という名の弱て……うわっ!?」

 

その言葉を聞いてからイケメンヤンキーっ子さんは俺の腕をグイッと掴んで中に入れられた。キャリーバッグと大きいバックも後から中に入れられた。そして息を切らして俺の持ってる携帯を取り上げようとして俺がひょいっと避ける。それから背中に乗って身動き取れないようにしてから話を聞く。

 

「その秘密という名の弱てn」

 

「おい!それ以上言うな、夜狐!夜狐!!」

 

俺はスピーカーにしてイケメンヤンキーっ子さんにも聞こえるようにした。それなら怒鳴らなくても話せるでしょと思って。

 

『だって、君。僕が新しく寮に入りたい子がいるからお出迎えしてねって言った時、わかったって言ったくせにそのあと寝てたでしょ?それとも弁解しなくちゃいけないことでもしてたの?』

 

「そ、それはっ……色々やることがあってだなぁ」

 

『とにかく、どんな理由であれ20分も待たせたんだよ?それならあの事を言う権利だってあるでしょ?』

 

「そ、それとこれとは話が別っ…」

 

俺……、なんだか疎外感を覚えるような……

 

なんて思ってたら直ぐに出番は来た。

 

『腐獅くん』

 

「何でしょう?」

 

『耳元でどんな言い方でもいいから「黙れ」って一言言ってみて?』

 

「どんな感じでもいいんですか?」

 

『君に任せるよ』

 

任せるが1番面倒なんだけど……、まあじゃあ、バイト先の所でやってた感じで行くか…。…と、名前聞いとかないと!

 

「この方の名前は?」

 

『ああ、そうだね。彼の名前は狼外内兎(ロウガイ ナイト)だよ』

 

「では、下の名前。借りますね?」

 

俺はスッと目を閉じ切り替える。それから今から捕食者を食らうようなそんな雰囲気を出す。まだ狼外さんも渡狸先生もその雰囲気はまだ分かってない。

 

「な、何する気だテメ」

 

狼外さんが強気な威勢で歯向かおうとした瞬間、俺のドスの効いた重低音ボイスは狼外さんの耳元に囁く。

 

「内兎、黙れ」

 

「ヒッ!?」

 

『………っ…………』

 

言われた通りにしたのに電話越しの渡狸先生も黙り、寮長の狼外さんも今のを聞いただけで体が震えて涙を流してて怯えてる。獣耳があったら垂れ下がってると思うくらい震えてる。しかし狼外さんはここで負けたら男が廃るとか思ってるのかさらに俺を煽る。もう渡狸先生からの指示はない。つまり屈服されば合格という事だ。なら、俺の専売特許なのでどんどん攻める。

 

「……そ、そんなんで俺がビビるかってんだ!舐めんなこんのっ!!」

 

俺は狼外さんを今度は仰向けにさせて両手首を掴み上にのし上げてグッと力を込める。痛いのか掴んだ部分から力が抜けていく。俺は片耳を塞いでもう片方の耳元で話しかける。外に漏れないので狼外さんの耳元に残る形にする。

 

携帯はちゃんと近くに置いてあるよ!聞きたいだろうからさ♪

 

「まだそんな口が聞けるんだな?さすが先輩様だ」

 

「そ、そうだろっ…!?お、俺だってその力くらいっ」

 

「じゃあその力で俺をこの状況から逆転してみろ?それが出来たら逆に敬ってやるよ。こんな生意気な後輩持ちたくないだろ?それとも、こんな後輩の下にいるのがまさか快感だなんて思ってないよな?内兎」

 

「か、快感っ!?そ、んなわけないだろうがっ!!」

 

図星だろうか。声が上ずった。さっきから肩がビクンと震える。吐息混じりの声でもあるから興奮してるのかもしれない。言葉は嘘つきだけど体は素直なようだ。どんな人間も動物も本能には逆らえない種族ということになる。

 

「そうか。なら早く俺を退かしてみろ。快感でもなく力は有り余るくらいあってムキムキな内兎は、さぞ俺を地に落とし逆転するほどの力があって怯えることなく武者震いだと言えるような鋼の心を持った狼の王様なんだろうな?……なら、さっさと俺を動かして見せろよ?」

 

足で狼外さんの手首を抑えてた力を更に強くして耳元で囁く声も強弱つけて緊迫感を仰ぎ、心の余裕を持たせない程に威圧感を持ち、これでもかって程の重低音で狼外さんの精神を砕いていく。逆らえないという気持ちを持たせるのには充分で、狼外さんの顔からはだんだんと正気を無くさせていく。それでも最後の綱渡りをする狼外さん。もういつ心が堕ちてもいい程に朦朧としてる。

 

「……いっ、た…なぁっ……!?……い、まから……っ…、おし…退けて……や、る…っから……なっ…!……ま、てろ……よ…っ…?」

 

「言葉よりも行動で示せよ?できるなら口よりも体を動かせ。さっさとしろよ?できるんだろ?意気込んだもんな?」

 

狼外さんも言われるまま力を込めて上げようとしても体重で動けないというより、怖くて体が強ばって思うように動けないみたいだった。俺はまだやるかというように力を入れて耳元で囁く。

 

「で?まだ俺に歯向かうのか?内兎」

 

右から左へ行かないように止めながらなので頭の中にも響くように囁く。それが精神、最後の大打撃になり狼外さんは兎のように怯え泣きながら俺に懇願する。

 

「……ごめ、なさっい……。も、しませ……っ」

 

「謝る?なんで謝るんだ?自分で何が悪くて謝ってるかわかってるか?」

 

「……俺、が……生……意気…でし、た……。も、ゆるし…っ…」

 

「生意気だけか?他にもあったよな?」

 

「……ご、ごめんなさ…」

 

「確か、客である俺を20分も待たせたりとか、寮長って偉い奴がなる職種だよな?」

 

「……そ、それは……っ」

 

「寮長ならなんでも許されるのか?」

 

「…ち、違い……ますっ…!」

 

「なら、俺じゃなくても客を待たせるのがお前の仕事か?」

 

「……あ、……違っ……ごめんなさ……」

 

「謝る以外に言葉はねぇのか?『寮長さん』」

 

「…っ!!……や、やだ……っ…。な、まえ…っ…で、……よん、で……っ……」

 

俺は抵抗しない狼外さんの上から退く。すると狼外さんは名前を呼ばれないことが嫌で俺の足にしがみつく。怖くて震えて泣きながら俺にすがる。

 

「言葉遣いは、どうするんだ?」

 

「……な、まえ……っで……よん、でっ……くだ…さ、い…っ…。……おね、がい…っ…しま、す……」

 

俺はさっきまでの怖い雰囲気から一変して優しくて気持ちが落ち着く声で、狼外さんの耳元で囁く。

 

「よくできたな、内兎。良い子だ」

 

それだけ言って頭をよしよしと撫でる。それまで怯えて声も体の異常なまでの震えも嘘のように消えた狼外さんは、子供のように泣きじゃくり安心したのか腰が抜けてしまったように座り込む。

 

「内兎」

 

「……は、い…っ…」

 

「自分の自己紹介をしてくれないか?俺はまだお前のことがわからない。俺もまだ自己紹介してないからな、お互い知りたいだろ?それに次からどう呼ぶかも聞かないと、お前も気になるだろ?」

 

「……はい…っ…」

 

狼外さんの息が整うまでしばらく待つ。渡狸先生からは何もない。きっと多分、まだ俺たちの会話を聞いてるのかもしれない。何も言わずにただひたすら待っている。俺も狼外さんを待つ。息が整って話せる状況になってから改めて狼外さんは自己紹介し始めた。

 

「夜狐が俺を紹介してくれたように、俺は狼外内兎。名前の通り、狼の皮を被った兎って意味だな…。内面が兎で外面は……もうわかってると思うが。俺は狼と兎のハーフで生まれたんだ。だから本当にどっちの生まれ変わりなのかは正直わからねぇ。でも親父が狼で母親が兎だから、俺は男として生まれてるから狼なのかなって思ってる。まあ、母さんはいつも優しいから内面は優しくあれってことなんだと思うんだ。だから『ナイト』なわけだし。性格はなんかもうよくわかんねぇけど…、俺の」

 

「ふーん、狼外さんは」

 

「もうこの際だから、内兎でいい。今更過ぎてその呼び名は聞きなれねぇよ…。夜狐から聞いてると思うけど、俺も腐男子でって、いや…正確にはさせられたんだけどな…?俺は元々ノーマルだったから…。ただの不良だったし偏見はねぇけど自分がまさかなるとは思わなかったし…。しかもこの外面で内面こんなんじゃ舐められるから、いつも印象はあんなんだったけどそれで上手くやっていけてたのに……夜狐が避けないこと言うからっ…!」

 

『そこで僕に振られても困るけどね。まあ、自分のことを知ってもらういい機会でしょ?それに次は腐獅くんの紹介だから、そこで色々わかるよ。君の秘密も、ね?』

 

「???」

 

『ほら。疎外感を抱く前に腐獅くん、自己紹介してあげて』

 

若干疎外感をまた抱こうとしてたのをバレた腐獅くんです。まあ、声に出さないでずっと話されたらそうなりますがな…。しかも、話し阻まれたらそりゃあ話せませんがな…。というわけでここからは俺が話していいみたいだし話しましょう☆

 

「俺は1年猫組の腐獅蜜。獅子の生まれ変わりで、百獣の王。先代の血が入ってんの。だから色々許された力を持ってんの。まあ、人間の領域でできること限られるんだけどさ?まあ、そこは秘密主義者という名の大人の事情(作者の事情)が含まれるもんだからそこは触れないでね☆」

 

「なんか…、今伏線があったような……」

 

『触れちゃダメって言われたばかりでしょ。とりあえず黙っとこうね、内兎』

 

「……はい」

 

「で。俺も腐男子で雑食なんだけど、大抵俺が主流でBLが展開していくんだけどな?俺はこの通り攻め側、つまりタチなの。まあ、バリタチかって言えばそこはよくわからん。守りたい奴は守るし攻めじゃなきゃ嫌だって訳でもない。ただ攻めれる人がいないからって理由。みんな俺にビビって動けなくなっちゃうからさ♪とまあ、そんな感じかな。あ、あとはバイトで培ってるってのも大きいかも」

 

「バイト?」

 

「掛け持ち。本当は許されてないらしいけど、俺だけ許されてるからそのバイトをしてる。今は一つ減ったけど5個はしてることになるかな。ちゃんと時間も決めてるから長いこと労働はしてないよ。今日は寮に住むための手続きがあったりしたから何個か休んだけどその内の1つはどうしてもだったから、行かなきゃ行けないんだ。まあ、それは夕方からだから気にしないで良いんだけど。んー、そんな所かな」

 

「質問」

 

「ん?何?」

 

「ひとつ辞めたって言ってたけど、何辞めたんだ?」

 

やっぱり誰もが気になっちゃうよねー?知ってたーw

 

「SM倶楽部だよ☆キラッ」

 

「え、SM倶楽部ぅ!?」

 

「正確に言うとその店長の名前から取った倶楽部なんだけど、そこで働いてたんだよ。バイトだけど、ちゃんと働けばお金も貰えてたしそこでは、キャバクラやホストでもよくあるNo.1だったのさ、俺。最初は客として入ったんだけど逆にスカウトされてそこで働いてた。従業員の全員が全員Sって訳じゃなくてMな人もいるんだけど、店長が俺を見定めしようとして逆に俺のペットになっちゃったくらい俺に心酔しちゃって、それからはって感じだけどちょっと色々あってそこ辞めたんだ。寮生活もその色々が原因で来ることになったんだけどな。まあ、また俺の気持ちが向いたら客としていくつもりなんだけど………って、どうした?」

 

なんか面食らったような顔してる。何かあったのだろうか。俺の言った言葉に何かあるのか逆に俺が質問した。

 

というか、なんか知ってそうな顔してるんだもん

 

「内兎?どうかした?俺の話の中で何か気になることでもあった?」

 

「ちなみにSM倶楽部のその店長の名前から取った倶楽部名を教えて欲しいんだけど…」

 

「ん?ギンだけど?」

 

「っ!?」

 

なんだろう、この驚いた表情………ハッ!まさか!

 

「つかぬ事をお伺いしますが、内兎さん?」

 

「……へ?…はい?」

 

「ギンと面識ある方かな?」

「……あ、……えっと……その……」

 

ん?デジャブ?前にもこんな反応あったようななかったような?…………(^∀^)

 

俺はまた内兎を押し倒し片手で両手首を掴み上にのし上げ、今度は右耳を使うために顔を横に固定して話しかける。吐息混じりなのでそれだけでも内兎は怯えて体が強ばる。震えが止まらなくて何されるのかと横目で俺を見てる。俺はまた重低音で聞き出す。

 

「言えないのか?内兎」

 

「ひぐっ…!……あ、あの……っ…!」

 

「言えないなら、……あむっ」

 

「ひゃうっ!!……かま、な……っんんぅ…」

 

「……カミカミ……噛んで欲しくなかったらちゃんと答えろ。出来ないなら……カミカミ……」

 

「ひゃ!……ひんっ、まっ、て…!はぅっ…!!…アッ…んんっ……っ……、い、います…っ!!いいますからっ…!!」

 

下半身をモジモジさせながら顔を真っ赤にして涙流しながら上目遣いで話し出す内兎。本当に怯えた兎のようにビクビクしながらなので途切れ途切れで話す。聞こえるように言わない時は甘噛みさせて大きな声を出させた。その都度肩が飛び跳ねてるけど。

 

「……ギンは……、俺の…元飼い主で……っ、俺のせいで解雇と、二度と顔を見せるなと言われた問題児……です……」

 

俺は目を見開き解放した。その話には続きがあって、その解雇理由は俺とは違うやり方でやりすぎてしまったらしい。それで愛想尽かして解雇させらた。そして、それだけだったらまだ良かったのに解雇理由が納得出来なくて店長が最も嫌うことをしてしまったんだと。それが出禁にされた理由。

 

店長が最も嫌うのはそのやりすぎたことを更にエスカレートさせたこと。俺で言うといつもと違う行動をして精神をタコ殴りにした挙句、まだ飽き足らずに精神の中心核である心まで崩壊させるまで至る苦痛を与えるって感じかな。俺の方が簡単だと思うからそっちを参考にしてね!ちなみに俺のはまだその段階まで行ってなくて回避したって思って?そうすれば出禁まで行かなかった理由もわかるでしょ?わからない?うーん、そうなるともうわかんないや☆

 

「……だから、俺はもう……あそこには行けな」

 

「よし、その時は俺も一緒に行こう」

 

「……………………………………は?」

 

「だから、俺と一緒に行こうって言ったんだ。まあ、色々心の整理ができてからだけど」

 

「いや、お前話聞いてたか?俺は出禁されてんだぞ!?そんな所に行けるわけねぇだろ!?」

 

「ん?だから行くんだろ?」

 

「お前頭大丈夫か!?」

 

今の状況下ではこの話し方は死活問題だけど、俺のあまりの突拍子もない言葉に内兎はポカンとしていつもの調子に戻っている。渡狸先生は電話越しの向こうで『ダンダンッ!!』と机を叩く音を立てながら笑っている。声を出さないようにしてるみたいだけど、ちょっと漏れてるのであまり意味はないようだ。

 

「もう、許してもらってるよ。久しぶりの顔を見たらビックリするだろ?」

 

「いや、ビックリしすぎて目玉丸くなると共に追い出されるよっ!」

 

「その時は俺も一緒に出禁になるよ」

 

「いや、何でそこまで!?」

 

「だって、友達でしょ?歳はあんたの方が上でも腐男子同盟は結束力が厚いのよ?俺は裏切らねぇから、な?もちろん、渡狸先生も了承だってよ。だから問題ないね☆」

 

『……話が進んでしまってるから今更否定はできないみたいだけど、まあいいよ。僕も息抜きに行こうかな。内兎が通って、腐獅くんが働いてた場所はちゃんと把握しておきたいし。その店長さんともご挨拶しないとだしね。僕も一緒ならなんの問題もないでしょ?』

 

「け、けど……」

 

『よしわかった。じゃあ君の腕にロープを付けて連行しよう!そうすればお前は逃げること出来ないね?じゃあ日時はこっちの都合と腐獅くんの都合が一致した日に行こう。そしたら、もう逃げること出来ないからいいね?内兎』

 

「そんな勝手に決めな」

 

「わかったな?内兎」

 

「ふぐっ…!?……うぅっ……はい……」

 

「よろしい」

 

頭をよしよしと撫でると、まだ納得出来ないという顔をしながら渋々という感じで了承した内兎。それからこの話はお開きになって、俺は改めて部屋の鍵を貰うことが出来た。部屋はエレベーターを使って3階右の1番奥の部屋らしい。渡狸先生が言うにはそこは1番調教しがいがあって、躾られてない飼い主不在の荒くれ者の集まり階らしい。暇つぶしにちょうどいい場所で快適な所だって言ってた。

 

内兎も面倒でしかたないらしいから少しでも恩を売っておくのもありだよって、生徒に言うのおかしくない?まあいいか☆

 

「調教、ね。躾に慣れてない獣達の巣窟。まずは1番偉そうな人から躾ていこうじゃないか。楽しみ♪」

 

そして俺はエレベーターから降りて言われた所の部屋に辿り着き鍵を開けて中に入るとそこは騒然としていた。

 

騒然と言うよりもうなんて言えばいいかわからない状況で俺の頭もお腹パンパンですよ…

 

そこら中、埃まみれで泥だらけでぐちゃぐちゃで歩く隙間もないとか考えられるだろうか。いや、考えれない。とりあえず俺の部屋は鍵がかかっていて入れないようにしてあるらしく、第二の鍵を使うとそこは清潔で空気も美味しい。守られてるってわかる。とりあえず内側からも鍵が閉めれるようなので誰も入って来られないように鍵を閉めておいた。

 

なんだか埃まみれだったし後であそこの掃除しておこうかな…。ここで住むなら最低限掃除をしとかないと、何が来ても大丈夫なように…

 

何せ躾のなってない獣達の巣窟。土足で踏み荒らす行為がなければあそこまでならない。となると、そういう行為をしてたやつがここを使ってたってことになる。もしくは泥だらけのままで歩き回ったかの二択。後者であって欲しいと思いつつ荷造りしてたものを広げて片付けていく。夕方までには終わらせなきゃいけないけど、ここのセキュリティ上、鍵は必須。かつ必需品も守る上では鍵一つでは心許ないので、予め内兎と渡狸先生には許可をもらってるのでドア元に仕掛けを用意して入ってきてもいいようにしておく。簡単なカラクリだけど、そう簡単には入れない仕組み。

 

時計見てもまだ行くには早いから、私物じゃないもんはゴミ袋にボッシュートして、それ以外のもんは掃除しますかね〜。んで、いつ帰ってきても文句言えるようにしといたら方が俺に歯向かうことできないっしょ♪

 

荷造りしてたものは綺麗に片付いて自分のものってわかるようにし、誰が入っても問題ないようにした。汚い奴は入れないように音声付き。しかも、それを壊したりすればすぐに理事長である渡狸先生の電話に直連するように仕掛けてあるから安心。部屋の荷物はダンボールとかないのでキャリーバッグケースも畳んで置き、机の隅に置く。それから部屋を出て鍵を閉めてラフで汚れてもいい服装になってからポケットの中にしまい自分の部屋以外を掃除していく。

 

まずは床から!

 

お母さんが掃除好きでよかったと今では思う。まあ、どこかに置いて忘れることが多かったから位置をわかりやすくレイアウトしたりして遊んでた時期があったので、そういう感じでゴミと物を分別していく。それから、明らかにここの住人の物だと分かる物は机の上に置きいらないゴミはゴミ袋へ。それから雑巾で拭きながら汚れを拭き落としていく。綺麗に出来たら次にそのゴミ袋を外に出して、床に散らばったゴミは綺麗に無くなっていく。完璧に。それからキッチンも使ってない洗剤を使って洗い、洗浄。あっという間に綺麗になった。

 

あ!写真し忘れたと思ってるそこのあんた!んなわけないじゃん?ビフォーアフター建築の音楽を流しながらお見せしますよwww

 

後は埃まみれの壁や電気などを持ってるモノで軽く掃除をすれば、完璧に綺麗な部屋に早変わり。そしてこれもカメラ機能で写真を取れば出来上がり。

 

まあ!なんということでしょう!あの埃まみれで住むにも足場のなかった床や壁、電気そしてキッチンがこんなにも綺麗に早変わりしてるではありませんか!これなら帰ってきた人もビックリ!さらに汚そう物なら人質ならぬ物質もできるという素晴らしい状況!落ち着いてお茶も飲み干せます!と、言うわけで電話をかけましょう!

 

『プルプルプルプル~…………ガチャ』

 

「もしもし」

 

『腐獅か?』

 

「そうだよ、内兎!」

 

『どうかしたか?』

 

「今ビフォーアフターしてたんだけど見る?」

 

『ん??どういう意味だ?』

 

「今から画像送るね?1枚目はビフォーで2枚目はアフターね♪」

 

『お、おう…』

 

一旦耳から外してライムチャット画面に戻しビフォーアフターの写真を載っける。それからまた耳に当てた。

 

「送れたと思うけどどう?」

 

『今からそっち行っていい??』

 

「ん?構わないけど?」

 

『ちょっと待ってて。ーーブツッ』

 

あらあら、そんな急がなくたって逃げないのにこのお部屋♪まあ、感想が楽しみだからいっか♪

 

そんな間もない時に内兎が来た。ガチャと開けて中に入れると内兎は目を輝かせる。俺はお茶を入れて内兎に座るように言うと、正座で座る内兎。

 

「普通にしててもいいよ?」

 

「いや、なんか……緊張する…」

 

「あははw何それww」

 

「いやマジで…。あのビフォーからアフターまで短時間でやったってことだろ?どんなことしたらこうなるんだよ…」

 

「えへへ♪」

 

「あ、夜狐にも送ってやれよ。ビフォーアフター」

 

「あ、そだね!そうする!」

 

内兎にしたように渡狸先生にも電話した。電話に出たのは梅ちゃんだった。

 

『どうかしましたか?』

 

「梅ちゃん!渡狸先生は?」

 

『会議で今居ませんが』

 

「そっか…。って何で渡狸先生の電話出てんの?」

 

『会議中に触らないように私が預かってるからですよ。今も会議室で会議してる中、電話が鳴ったから急いで部屋から出て電話に出てる感じです。何かご要件があったのでは?』

 

「ごめんね?そんな時に電話かけて…。じゃあ手短に。ビフォーアフターの写真を送るから終わったら見せてあげてくれる?」

 

『わかりました。1枚目はビフォーで2枚目がアフターな感じですか?』

 

「そうそう!そんな感じ」

 

『わかりました。私も後で見させてもらいますので、送っておいて貰えたら見ておきます』

 

「はーい!じゃあお仕事頑張ってね!それじゃ♪」

 

『はい。それでは。プツ』

 

「何だって?」

 

「仕事中だから後で見るって」

 

「そっか。まあ仕方ねぇわな」

 

「うん…」

 

とりあえずビフォーアフターの写真を渡狸先生のライムチャットに載せる。それからついでに時計を見ると、もうすぐお昼になる。夕方までまた全然余裕がある。ちょうどその時、お腹の音が鳴る。

 

「もしかして腹減った?」

 

「もしかしなくても腹減った…」

 

「んじゃあ、お昼にするか!」

 

「飯作れんの?」

 

「お前は?」

 

「まあ、材料さえあればなにか簡単なもんは作れるけど…」

 

「何作れんだ?」

 

「ほぼ一人暮らししてたもんだから、カレーとかハンバーグとかオムライスとかかな」

 

「おー!んじゃあオムライス食いたい!」

 

「材料があればな…?」

 

「ねぇの?」

 

「掃除してただけだから冷蔵庫の中を見て「パタム」

 

オムライスを食べることになった俺と内兎。キッチンに向かって冷蔵庫を開けるとなんとって所で閉めた。

 

「俺達は何も見てないOK?」

 

そう内兎は俺に真顔で聞いてくる。しかしこの現状もなんとかしなくてはいけないので、やむ負えず俺は内兎に指示を出す。

 

「とりあえずそこにある袋を取ってくれ。それから害虫駆除用のスプレー、それから軍手を用意!急げ、内兎隊員!」

 

「サー・イェッサー!隊長!!」

 

指示した事を素早く済ませ、冷蔵庫と睨み合いっ子。しかし直ぐにその瞬間はやってきた。

 

『息を飲んで呼吸を合わして挑む。戦いの舞台が今始まる!新感覚お掃除ゲーム!大量の虫VS人間!勝つのはどっちだ!!』

 

っていう、ゲームが出たらみんなやるかな?やらないかwww後でどんな虫がいたか教えるね☆

 

冷蔵庫を開けた瞬間、虫達と俺達は同時に動きそして袋の中に冷蔵庫の全ての物を詰め込み、そして害虫駆除スプレーを吹きかけてバタンと閉める。ボタボタという音を鳴らしながらそのまま何も鳴かなくなった。もうしばらくこのままにしておく。それから、少しこの袋にもスプレーをかけて中の虫らを殺虫する。

 

いやー、良い汗をかいた♪

 

「お前ってすごいな…?」

 

「そう?このくらい平気だよ♪」

 

「いや、普通あんなの見たら気絶するぞ…?」

 

「あー、今の掛け持ち以外にも辞めたけどそういう感じのバイトも受け持ちしてたからさ。今はそこも移転しちゃって辞めざるおえなかったのが現状だけど、慣れてるのはそのおかげかもなw」

 

「害虫駆除のバイトって蜂も請け負うことあるらしいじゃん…」

 

「うん。だって依頼が来たら断れないでしょ?まあ、そのおかげで優秀な社員って言われてたけどね♪」

 

「へぇ…」

 

バイトの話は1時まで続いた。つまり1時間経過したことになる。冷蔵庫の中を開くと死んだ虫がうじゃうじゃいた。それを軍手でササッと仕上げて布巾で一通り吹き終えると良い汗かいたみたいな顔で清々しい程の爽やかな笑顔を見せる。眩しく輝いていて見てる人が眩しいと思わせるくらいの輝きを帯びていた。サングラスがないと見られない、いやサングラスを割らすくらいの勢いかもしれない。そのくらい良い仕事をしたと思ってる俺。

 

あ、ちなみに冷蔵庫にいた虫は蟻とゴキブリと蜘蛛が生存してた。冷蔵庫の機能が停止してたから蜘蛛も生きやすい場所だし食べ物あるしだったのかもね…。ご飯食べてる最中だったらごめんね?いやー、本当にどうしてくれるのかな?ここの住人さんは、顔を見たらお仕置きしなきゃ(^∀^)★

 

「よし、これでこの冷蔵庫も機能するかな♪ここで済むのに冷蔵庫が使え物にならないってありえないからな!ほら、虫1匹いないだろ?」

 

「そうだな。いないな。よし、飯にしよう!俺今回何もしなかったから、買い出し行くぜ!金は部屋にあるから後から持つとして、何買えばいいかメモしてくんね?」

 

「ん、わかった!ちょっと待ってね♪」

 

どこからか紙とペンを取り出しオムライスの材料を書いていく。料理器具もないのでとりあえずフライパンさえあれば、卵焼きや目玉焼き、野菜炒めに魚も焼けるし肉も焼ける。あとは炊飯器も必要。ご飯がないとやっばり変だからと書き足していく。器具は業者の人か手分けして買い足すとして、その他は今は必要ない。あ、蓋も必要かと思い出しそれも書き足す。書き終えるとそれを内兎に渡す。

 

「ん、わかった。まずは器具を買う前に材料買ってからにするかな。その方が時間短縮できるし性能も多分いいのがいいと思うし。そこら辺の流通は俺わかるから俺が調達しといてやるよ!色々と」

 

「おっ!助かる~♪じゃあ俺はお茶飲んで寛いでるから早めに行ってこいよ?」

 

「おう!じゃあ行ってきまーす」

 

「行ってらっしゃーい」

 

さて、もう一度お茶を組んで温かいお茶を飲みながらホッと一息。あっ、と思ってお風呂も設備されてるということを聞いていたのでお風呂を見る。案の定汚れきってるのでまずは隅々まで綺麗にし浴槽も綺麗にピカピカにして最後に洗い流す。それから床と壁を綺麗にして完璧。清潔な状態で入れるようにした。終わったと同時に外からガチャという音が聞こえた。

 

「ん?こんなに早く終わるわけないし、何か忘れ物したのかな?」

 

そう思ってお風呂場から出る。そして最初に見たのは泥だらけの足場のない廊下。そしていくつもの土足で入ってると思われる靴跡。これは間違いなくここの住人であり、俺とルームシェアする人間。と、その一味。俺はとりあえず床を掃除して足場があるようにしながら進み、リビングへ行くと。

 

「兄貴!部屋が金ピカ金ですよ!?」

 

「あんなに汚れきってた部屋がこんなになるなんて!」

 

「またあの寮長がやったんすかね?」

 

「けど、ここ最近は面倒くさくなってやらなくなったって聞いてるけど…」

 

「んじゃあまた汚しゃあいいだろ?どうせまた面倒になってしなくなr」

 

「コラーッ!!」

 

『『!!?!』』

 

俺は聞き捨てならない言葉に怒った。激怒じゃないけど怒った。家政婦的な格好で怒っても威厳はないけど、背後から怒鳴ると人は何が起きたのか動揺して挙動不審になる。まあ、リーダー格はどうか知らないけど大抵の奴はそれでビビる。俺は声を大にして5人に怒鳴る。

 

「せっかく俺が頑張って短時間でピカピカにしたのをまた踏み荒らすだって!?冗談じゃないっ!!そんなこと許されないからね!?ほら、靴今すぐ脱ぐ!!さっさとしな!!」

 

『『は、はいっ!!』』

 

勢い任せに不良達に靴を脱ぐように強制。

 

「はい!次は自分達で床を拭きな!!ほら、さっさとする!!」

 

『『はいっ!!』』

 

さらに自分たちが汚した床を渡した布巾で拭かせる。

 

「拭き終えたら今着てるもん全て脱ぎな!!パンツもだよ!?」

 

『『はいっ!!』』

 

言われた通り全裸になる不良達。靴下も脱いだ。

 

「そのまま風呂に行って体洗ってきな!!服は全部洗い物にするから!!さっさとしな!!」

 

『『は、はいぃぃっ!!』』

 

全裸の不良達は言われるがまま風呂に行き洗いに行った。俺はその間、本当に洗濯物として洗いに出し服を全部洗う。そしてまたお茶を入れ直して一服。

 

「また良い汗をかいてしまった☆キラッ」

 

どこかのアニメのセリフをパクリながらも不良達が出てくるのを待った。しばらくしてタオルを腰に巻き髪をタオルで乾かしながら出てきた。

 

「さっぱりして気持ちよかったぁ♪」

 

「ずっと汚れてたからスッキリしたぁ♪」

 

「何日ぶりの風呂だったんだろ…」

 

「洗うと心も体も温かいっすね兄貴!」

 

「そうだな。……って、何してんだ俺達は!?」

 

やっと我に返る不良番長。その合図にみんなも我に返る。しかも見知らぬ人が自分達に命令していたことに今更気づく。ハッとしは5人は俺を取り囲んだ。俺は携帯で動画を取りながら、囲まれてる状況でも楽しんでいた。

 

ギャグ線もいけるのかコイツらww

 

「おい、テメー!?何してんだ!!」

 

「んー?もうちょっと待ってね!あ、自己紹介してもらってもいいですか?」

 

「えっ?あ、はい。俺は兄貴の子分の一人目、吉之助(キチノスケ)!通称きっちゃん!天下一の狼族だ!」

 

狼族……多くね?この学校…

 

「俺は兄貴の子分の二人目、勝之助(カツノスケ)!通称かっちゃん!」

 

「俺は兄貴の子分の三人目、左之助(サノスケ)!通称さっちゃん!」

 

「俺は兄貴の子分の四人目、右之助(ウノスケ)!通称うっちゃん!」

 

「そして!俺達が愛してやまないお方こそ、俺達の頂点に値する兄貴!その名も!!」

 

「狼関俊之助(ロウゼキ トシノスケ)だ。愛称も通称もトシだ。これでいいか?」

 

生まれ変わりの名前とか関係ない名前が出てきてたけど、多分立派な狼族の仲間ってことだろうし。それに全員『之助』が入ってるってことはそういうことだよね?本当に族っぽい感じだし今だけ信じようw

 

とりあえず俺はピッと動画を辞めて、ニコッとした顔で囲んでる人達に言った。

 

「OKです!ありがとうございます!えっと、この場合は通称の名前で呼んだ方がいい感じっすかね?」

 

「通称の方がいい感じっす!」

 

ノリのいい狼族さんのようだ。

 

 

 

というわけで、これからこの人たちのことは通称の方で呼んでいきまっす☆あっ、でもわかりにくいから最初の漢字一文字入れて呼ぶのでご心配なくw

 

 

 

「それじゃあ俺は失礼して~」

 

「待て。お前も名乗れ」

 

「デスヨネー☆」

 

「さっさとしろ!」

 

「俺は腐獅蜜。生まれ変わりは先代の百獣の王後を持つ獅子だ。ちなみに俺1年生だよー♪」

 

『&☆$#<⚔︎⚑✝︎!!?』

 

「…………百獣の王……獅子の生まれ変わり……?」

 

5人がヘナヘナと座っていく。逆に俺は立ち上がる。威圧感半端ない笑顔を向ける。

 

あ、威圧感半端ない笑顔はあくまで5人が思ってることであって俺は普段と変わらない笑顔を向けてるからね?そんな怖くないヨ♪

 

「そだよ♪」

 

「んじゃあ、あの噂も本当なのか!?」

 

「噂?」

 

「新入生歓迎会の時に悪夢と衝撃を与えた奴がいるって言ってて…」

 

「うんうん」

 

「悪魔みたいに怖くてゴリラ族を従えさせ、恐れられたと言われる…」

 

「ふむふむ」

 

「教師にも生徒にも崇め奉ってるとか布教して従うようにしてるとか…」

 

「ふ…む?」

 

「脅迫して従わないと息の根を止めるとか言って回ってるって噂の…」

 

「……んん?」

 

「残酷で卑劣で冷酷で恐怖の悪魔って言う1年か…」

 

おっと~?尾びれが素晴らしい方向に曲がって、素晴らしいほどの誤解をして、素晴らしいほどのあらぬ罪を犯してるぞ俺~?まだ刑務所行きたくないよ?というか、誰がそんな情報を流しているのかな?(^ω^)

 

「ちなみに皆さん、学年はおいくつ?」

 

「俺ら4人は1年で、兄貴は2年だけど長く出席日数が足りないってことで留年連続をキメてる超カッコイイ人っす!!」

 

うん。全然かっこよくなければ誇れる問題じゃないぞ?バカ4人組(^ω^)★

 

「てことはトシさんは留年して何年になりますかね?」

 

「もうすぐ3年目だ」

 

はいアウトーw20代ですね、わかります☆

 

「てことは結構なお年の2年生ってことですね?」

 

「そういうことになるな。てか、結構なお年とか言うな。失礼だろ」

 

「いや~、恥ずかしくありません?20代で学生してて、しかも出席日数という理由で留年してて、さらにずっとそこに入り浸ったってるとか、大人として恥ずかしいですよ?しかも学生の服とか…。俺ならその時友達に会ってそれで弄られたら笑いじゃすまないですし、なにより恥ずかしいです。そんな大人になりたくないので、俺は健全に生きますね?まさに、反面教師って奴です。ありがとうございます☆」

 

ニコニコしながら言うと周りの子分達もトシさんも青筋が出てて、今にも血がプシャーって吹き出しそうなくらいキレてる。そしてトシさんが俺の胸ぐらを掴み殺す勢いで俺にガン飛ばす。

 

「…………。お前俺に喧嘩売ってんのか?そうなのか?そうなんだな?今からお前を血祭りにあげてもいi」

 

「血祭り?ふーん。じゃあ試してみようか」

 

俺が静かにそう言うとトシさんは「は?」と思った次の瞬間、自分の腕が動けなくなってる事に驚いてる。一瞬すぎて何が起きたのかわかっていない。余った部分と足で腕が上がらないように固定しながらキツく縛ると。声にならないような苦痛の顔をし始めるトシさん。子分達は動揺してどうしたらいいのかあたふたしてる。ニコニコしながら俺は子分達に言った。

 

「君達は動いちゃダメだよ?君達の慕う兄貴さんが逆に血祭りされちゃうから。嫌でしょ?いなくなったら寂しいでしょ?嫌なら動かないことが兄貴さんを失わないで済む鍵だよ」

 

『……っ……』

 

『…はい…』

 

大人しく見ていることしか出来ないと悟った子分達。俺がニコニコしながら4人の頭を撫でる。良い子だねと言う感じで。褒め慣れてない4人は顔を赤くしてそっぽを向いた。トシさん少し羨ましそうに見ていた。俺は横目で見ていたけど欲しそうな顔をしてる。

 

「どうかしたの?トシさん」

 

「…っ!……なんでもねぇ」

 

「そう?ならいいけど、なんだかさっきして欲しそうな顔してたからして欲しいのかなって思ったけど違ったみたいだね。勘違いしちゃった。やってあげようと思ったけどさ♪」

 

「……え……」

 

「でも要らなそうだから、必要ないね?」

 

「……っ…、……おう…」

 

うーん、素直に言えないか…。じゃあそれなら♪

 

「この中にネクタイ持ってる人ー!」

 

「えっ、はい……ありますけど…」

 

「貸して?」

 

「……え?はい……」

 

勝っちゃんからネクタイを借りた。それをタオルで縛った上から、さらに少しキツめに縛る。また少し残した状態でグッと力を入れてキツくする。さっきよりももっとキツく縛られたトシさんはつらそうな顔で俺を見てくる。なんでこんなことになってるのかわかってないようだ。俺はニコッと笑ってその少し残った部分のネクタイを引っ張りトシさんを引き摺り俺の部屋のドアノブに括りつけて縛る。鍵をかけてあるので開かないしきつく縛ったので外せないしでちょうどいい。そしてトシさんには立膝になってもらって、1枚写真を撮る。ビクッと震えて顔を歪めるが自分の姿を改めて見てバッと俺を見る。俺は気づいたトシさんに今撮った写真を見せる。すると顔を真っ赤にしてもがき始めた。消して欲しいとせがむように。俺はトシさんの耳元で、いつもの重低音ボイスで囁く。

 

「ダメだぞ。壊したら。そしたらこれをそこの子分達に見せる。ここな?子分達のいるリビングからは少し見にくいんだ。だから今からこれを見せるために戻ってもいいけど、どうする?」

 

「っ!!」

 

もがくのをやめて、全力で頭を横に振るトシさん。涙目でビクビク震えてる。

 

「しかもな?玄関からも死角になってて玄関からも見えないようになってる。まあ、お前が声を上げたら気づかれるだろうな?」

 

口を強く噛み締めて声を出さないようにしてる。それでも怖くて泣きそうになるのを必死で堪えてるので少し漏れる。そして俺はニコッとした顔でトシさんの耳元でこう囁いた。

 

「で?誰を血祭りにあげるんだ?言ってみろ」

 

「……あ……っ…」

 

さっきの自分の言葉でこうなったのかと改めて気づくトシさん。立膝してるせいもあってさらにガタガタと震え出した。自分の招いたことが自分に返ってきてることに今更後悔するトシさん。俺はさらに追い打ちをする。

 

「言えよ。誰を血祭りにあげるんだ?」

 

悪魔の囁きとはまさにこの事。逃げれない状況で耳元に囁かれたら誰だって従ってしまう。今の状況がそうだ。謝っても許してもらえない立場。それでも口から出るものは謝る言葉。強いと思ってた弱いもんが本当に強いもんに屈する時になる現象。

 

「……ごめ、……なさっ……」

 

「俺は謝れとは言ってない。『誰』って言ってんだ。『誰』を血祭りに上げるんだ?って。答えろ」

 

「……ぁっ……、ふ、じ……みつ……、…で、す…」

 

謝る言葉を求めないと悟ったトシさん。名前を呼んだら怒られるとわかっててちゃんと素直に名前を呼んだ。でも怖くて泣きそうで過呼吸気味に少しなってる。俺はそんな状態を承知の上でさらに追い打ちをかける。これが最後として。

 

「名前を言えって言われてちゃんと答えたのは偉いと思うけどな?今の状況で呼び捨てするのな、お前。いい度胸してんな?なぁ、『兄貴』?」

 

今の言葉でトシさんは過呼吸になった。言葉の選び方を間違えた。そのせいでさらに悪化した。しかも名前を呼ばれなくなった。さっきまで呼んで貰えてたのに。呼んでもらいたい。呼んで欲しい。褒めて欲しい。褒められたい。頭撫でてもらいたい。撫でて欲しい。アイツらにしたように。自分にも。嫌だ。お願い。言うこと聞くから。自分を見て。お願いだからとトシさんの目が顔がそう思わせるように俺を見てる。

 

そこまで察せれるかと言われたら半分以上かもしれないけど、さっきまでので植え付け与えてたものが大きいからこそのトシさんの気持ちの表れだと思うんだよ、俺はね?まあ、その後の俺のやり方はみんな知ってるでしょ?ちゃんと飴と鞭を使い分けてるから許してね☆

 

「…っは…っ、…み、つ……さま……。…っは、…ごめっ……っさ…い……っは、っは……」

 

「もう一度フルネームで」

 

「…っ…ふ、じ……っは……みつ、さ…っま……っで、す……っは……」

 

ガタガタと震えながらも見下すように見る俺の顔を見て名前を呼ぶ。怖くて恐くてでもちゃんと言った、ちゃんと素直になった、褒めてくれる、撫でてくれるはずだと期待してるトシさん。しかし、一向に話そうとしないことに不審になるトシさん。また自分が何かやらかした?名前を呼ぶだけじゃダメだったか?まだ怒ってるんじゃないか?謝り足りなかったとか?謝るだけじゃ許してもらえないしどうしたら?という百面相を浮かべるトシさん。

 

そろそろ許してあげますかね。ただ百面相するトシさんが可愛くてついつい、焦らしちゃったけどもう限界っぽいし読者の人が怒りそうだしねw

 

「『トシ』」

 

「っ!?」

 

パニックになってたトシさんは自分の名前を呼ばれてビクッと震えた。名前を呼んでもらえたのは嬉しいけどまだ怖くて体が震える。怒られると思ったトシさんは目を瞑った。俺は優しくトシさんを抱きしめた。何が起きてるのかとトシさんは目を見開いていた。

 

「よく言えたな?素直に言ったトシは偉いぞ。たくさん怖かったな?よしよし、良い子だ」

 

「……み、つ……さま…っ…、俺…」

 

「けど俺にそんなことしたら次はもう二度と名前を呼ぶことも褒めたり撫でたり抱きしめたりしてやらないからな?お前が素直になったからこうしてるんだ。ちゃんと俺の聞きたいことを言えたからご褒美だ」

 

「…っ…ごめ、なさ……いっ……」

 

「俺と二人っきりの時は様付けで呼べ。出かけた時は様付け強制な?誰が見てるかわからないスリルを味わってもらう。今回やらかしたお仕置きだ。それが終わったら普通に呼びたいように呼べ。いいな?」

 

「……は、い……」

 

恥ずかしいのか顔を赤くして俯くトシさん。声もそのせいで小さくなる。俺はつい悪戯心に火がついて意地悪する。

 

「声が小さいな。じゃあ俺が大きな声で外にもあの子達にも聞こえるように話そうか?」

 

息を大きく吸って声を発しようとした瞬間、全力でもがきそして頭を横に振った。また泣きそうになりながら目で訴える。言うこと聞くからと、あなたの言葉に従うと、ちゃんと良い子にするからという気持ちで何度も何度もごめんなさいを繰り返して頭を下げる。

 

「なら、ちゃんと聞こえるように返事しろ」

 

「……はい…っ!」

 

さっきよりは大きな声で言ったトシさん。でもすぐに顔を赤くして俯いてしまう。またここで悪戯に意地悪すると話が進まないのでここで許してあげた。それからネクタイとタオルを外してあげて、みんなの所に戻る。フルチンで正座しながら待ってた。

 

「とりあえず皆さんさ?服着た方がいいのでは?特にトシさんは。お部屋の中もどうせ汚部屋でしょ?大丈夫?」

 

「うっ…」

 

「反論できないっすね…」

 

「ほぼ俺たちのせいだし…」

 

「どうしましょう…」

 

「他も同じ感じで部屋汚いしなぁ…」

 

まあ、このままってのもあれなので今回だけは俺が汚部屋を掃除してあげることにした。せっかくスッキリさっぱりしたのにまた汚されるのも嫌なのでということで。トシさんは申し訳なさそうに俺を見るので、トシさんの頭を優しく撫でながら良いよと笑う。それから部屋の中を掃除しに行った俺は、後ろで顔を真っ赤にしてときめいた5人に気づくことなく夢中で綺麗にして行ったのだった。

 

 

 

しばらくして掃除が終わると共に洗濯洗浄も終わり、今は乾燥機にかけている。トシさんは自分の綺麗になった部屋を見て自分の部屋じゃないかのような顔で自分のラフな服に着替えた。黒無地の七分袖に黒のベルトいらずの長ズボン、アクセサリーとして双子リングの腕輪とタグ付きペンダントを付けて部屋から出てきた。いつの間にか机の上に置いておいたアクセサリーらがないので全部トシさんの私物だということがわかった。指輪は嵌めてないみたいだったけど。

 

「やっぱりそれあんたのか。すげーカッコイイな!それでいてイケメンw」

 

「そ、そうか?褒められたら素直に嬉しいけどよ…」

 

いや、超嬉しそうな顔してるやんw満面の笑みやんw顔が緩みまくってますやんwwみんな見てますよーw

 

トシさんを褒めたところでピーッという音が鳴る。乾燥機が合図をしている。俺がぐちゃぐちゃ入れたので全部出してから5人に分けてもらった。というかトシさんが何を見て分けたか知らないけど的確に4人に渡してトシさんとこにも行き渡った。そして4人も制服を着て輝いた目で俺を見てきた。

 

「吉っちゃんも勝っちゃんも左っちゃんも右っちゃんも、泥だらけの時よりもかっこよくなったよ!今の方が俺は好きだな♪」

 

『えへへ…』

 

『嬉しい…』

 

デレデレに顔が歪む。すると勝っちゃんが提案してきた。続いて3人も提案する。

 

「なんか、特別な名前で呼んで欲しい!」

 

「兄貴は愛称もトシだから、俺達も2文字にしたい!」

 

「兄貴の子分なのは変わらないけど、あんたの下にもつきたいから!」

 

「それは兄貴であるトシさんにも聞かないとでしょ?君達の上はトシさんなんだし俺は今日初対面なんだから、まず最初は俺じゃなくてトシさん。違う?」

 

『『お願いします!!兄貴ぃ!!』』

 

懇願するように土下座する4人。トシさんは不服そうな顔でかつしかめっ面をしてる。そりゃあこの4人の上は自分なのに、俺を優先に聞いてきたあたりは許せないのかもしれない。でもここで怒ってもという感じで深い溜息を吐いてから答えた。

 

「わかった。だが条件だ。俺の愛称も通称もカタカナで『トシ』だ。お前らも俺と同じがいいならカタカナで収まるようにしろ。それなら文句はねぇ。まあでも、お前らは俺よりも今日あったばかりのやつの方が良いみたいだ。移転してもいいぞ?いや、すればいい」

 

そう言って部屋に去っていくトシさん。4人は黙ってトシさんの部屋を見つめた。沈黙が走る。この沈黙を破ったのは1番に名乗り出た吉っちゃんだった。

 

「俺は最後まで兄貴のそばを離れねぇよ!?だって恩を仇で返すような男はただのクズだ!そんなの昔助けてくれた人に恩返しをせずに兄貴の傍から離れるなんてそんなこと出来ねぇ!!みんなもそうだろ?」

 

左っちゃんも右っちゃんもうんうんと頷く。でも勝っちゃんだけは縦に振らなかった。

 

「確かに恩はあるし仇で返すようなことは良くないってわかってるけど、さっきみたいな事がごく稀にあったじゃん。それも兄貴の性格だってわかってるけど…、それでも今回のは言い過ぎな気がする。しかも移転なんて言われたことないこと、そこまで思い詰めるほどか?って思ったらなんか、俺には縦に振れれない」

 

また沈黙が走ってしまった。それはさっきまでうんうんと頷いていた左っちゃんも右っちゃんもそれに対しては何か思い入れがあるようでそれに対してもうんうん頷く。吉っちゃんだけは断固としてその気持ちは曲げずに、吉っちゃんだけトシさんの部屋に向かった。3人はまだ動けないでいる。俺は3人に質問した。主に左っちゃんと右っちゃんに聞いた。

 

「吉っちゃんと勝っちゃんは自分の意見を言ったよ?2人の気持ちは?傾いたままだと解決なんてしないけど?」

 

「………俺達は…」

 

「達じゃないよ。左っちゃんと右っちゃんは別々の人間で、別々の気持ちを持ってる。なのに達じゃあどっちの気持ちも嘘か本当かわからない。一卵性二卵生関係なく、俺は個人の気持ちが聞きたいんだ。同じ気持ちでもいいからちゃんと君らの口から聞かせてよ。勝っちゃんもまだトシさんのことを思ってる以上はここにいること。いいね?」

 

「…はい…」

 

勝っちゃんをちゃんとここに留ませることはできた。後は2人の気持ちを聞くだけ。心のことまでは2人だって同じ気持ちとは限らない。それが俺の狙い。喧嘩をさせたいわけじゃない。話し合いをしないと今後やっていけないと俺が仲裁人になる。先に右っちゃんから話してきた。

 

「僕は、その…。どっちの気持ちも分かるというか。きっちゃんやかっちゃんは僕達が入る前から居たから…。何度も見てきてるんだと思います。だから、恩があっても貫けれる自信がないのかもしれない。逆にきっちゃんはどんな理由があってどんな事をしても1番は兄貴で、それくらい強い想いがあるから貫ける自信があるんだと思います…。それに比べて僕はただ兄ちゃんであるさっちゃんの後をついてきただけでの金魚のフンというか…。本当に兄貴が助けたのはむしろ兄ちゃんの方で、僕は兄ちゃんの自慢する兄貴って人がどんな人か見てみたいって言って無理に入ったから、恩とか持ってなくて…。時々ああなる兄貴を見て俺は何も言えなくて…。だって、恩があって居るなら何かしらできるかもしれない!でも、何もないから!僕に選ぶ権利はないもん!兄ちゃんにあっても僕にはないもんっ!!だから移転しろって言ったって、僕の居場所は兄ちゃんの隣しかなくて兄ちゃん以外の人は兄貴しか居ないんだもんっ!!」

 

気持ちを伝える言葉がだんだん不安になって泣き出した右っちゃん。俺はよしよしと優しく抱き締めながら俺は優しい声で言った。

 

「そっか。右っちゃんは偉いな!ちゃんと自分の気持ちが言えた。兄ちゃんのそばも好きだけど兄貴のそばも好きなんだね。じゃあ、話をざっくりまとめると右っちゃんは兄貴の傍からは離れないってことか?他に行く宛がないのも理由の一つだけどさ?」

 

泣いてるせいで頷くことしか出来ない右っちゃん。

 

「最初は恩がなくても入った右っちゃんだけど、兄貴であるトシさんは快く受け入れてくれた。右っちゃんのことを面識なくても傍に置いてくれた。どんなに理由がなくたって、今はトシさんのそばに居る。今じゃあトシさんなしじゃあ生きていけないほど、トシさんに惚れてる。そんな惚れてるトシさんから離れろなんて言われたら悲しいね。でも貫くほどの力のある言葉が言えないから勝っちゃんの気持ちもわからなくもない。だから、板挟みになっちゃって不安になっちゃった。そうだね?」

 

「…うん…」

 

「じゃあそんな右っちゃんに質問です!」

 

「…??」

 

抱き締めながら話してた俺は一旦離れて右っちゃんに明るく聞いた。

 

「この際だから、勝っちゃんの気持ちと吉っちゃんの気持ちは気持ちとして大切だけど今は右っちゃんの気持ちが大切だから置いとくとして。右っちゃん自身は純粋に兄貴のそばに居たい?それとも離れたい?」

 

少し沈黙はあったけど、直ぐに答えは来た。

 

「そばに居たい……そばに居たいよぉ…!」

 

また泣いちゃった右っちゃん。よしよしと優しく撫でてから右っちゃんを勝っちゃんを任せた。泣きじゃくる右っちゃんは勝っちゃんの服にしがみつき勝っちゃんは右っちゃんの背中を優しく叩きながらあやす。次に俺は左っちゃんに体を向けて話しかける。

 

「じゃあ次は左っちゃんの気持ちは?」

 

「俺は弟であるうっちゃんと違って本当に恩があるからここに居るけど、でもうっちゃんのことを金魚のフンとか思ったことなんて1度もないです!むしろ、居てくれて嬉しいというか。兄貴のそばもうっちゃんのそばも俺にとっては居場所で大切にしたいと思ってます!それにきっちゃんもかっちゃんも俺達が入りたての時は本当に優しく受け入れてくれて、兄貴やうっちゃんと同じくらい居場所だと思ってます…。でも、今回のようなことが時々あると俺もうっちゃんと同じで何も答えられない…、自分たちよりも長くいる2人が対立すると俺達もどうしたらいいかわからないから…。でも移転は初めてで…。前にもあったのかもしれないけど、俺達からしてみれば初めてだから気持ちはわかってもどうしたらいいかわからないが答えになるんです…。2人の気持ちがわかるからこそです…。どっちにもつけれないのが現状です…。どっちかを味方にすればどっちかが傷つく、それは違う気がするから…。俺もうっちゃんと同じでみんなが好きだしみんなと離れたくない…、だからずっとここに居たい…。ここに居たいです…」

 

兄ちゃんだからという気持ちは今はなく右っちゃんと同じように泣いてしまった左っちゃん。でもはっきり答えを出した。『ここに居たい』と。それだけでもう答えは出てる。俺は最後に勝っちゃんにももう一度質問した。気持ちを知ってる上で。

 

「勝っちゃんはさっき気持ちを表に出した。それは勝っちゃんの気持ちだ、否定する気は無い。でも、心の底では吉っちゃんと同じで兄貴のそばに居たい。でも毎回毎回同じパターンを繰り返す兄貴に対して少し変わって欲しいという気持ちもある。兄貴の性格はわかってる上で、それでも自分の思う気持ちがある。だから吉っちゃんのような結論を出せない。それも板挟みになっちゃって右っちゃんと同様に不安がある。それは吉っちゃんだって同じように思ってると思うよ?貫く想いが強くても不安にならないわけないんだ。勝っちゃんはもうそんなことどうでもいいから離れたい?それとも恩という未練があって、兄貴に返したい気持ちがあるからまだここに居たいと思うかい?」

 

右っちゃんを左っちゃんに預けさせて勝っちゃんの気持ちを待つ。すると口元を震わせて答えてくれた。

 

「……俺だって……、俺だってずっと兄貴のそばに居たい……。そばに居たいよ…?でもさ、いつもカッコイイ兄貴が時々ああなると面倒臭いって思っちゃうのはダメなことなのか…?考えちゃいけないことなのか…?そりゃあ兄貴に失礼だってわかってるよ…?けどさ、思っちゃうんだよ…っ、俺は元々面倒くさがりだから思っても口にしないようにしてても、結局心の中で思ったことが顔に出ちゃう…。多分その辺も兄貴は見抜いてんのかなぁ…?わかんねぇけど…。きっちゃんはスゲーよ…、俺にはあそこまで貫く自信が無い…。恩があっても気持ちまでは本物になれない…。きっちゃんが羨ましい…。俺もきっちゃんみたいな人間だったらもっと兄貴を支えれたのかなぁ…?もっと…もっと…自信持てたのかなぁ…?俺も…もうよくわかんねぇよ……」

 

「それでも?」

 

「……っ…、…こんな俺でもそばに居させてくれるなら……そばに居たいよぉ……」

 

顔をぐちゃぐちゃにして泣きじゃくる勝っちゃん。メンバーにとっては初めて見る光景なのかもしれない。いつもどんな人だったのかは俺にはわからない。当事者しか知らないことだ。でも今3人は吉っちゃん程の信念はなくとも、ちゃんと自分の気持ちを持っていた。吉っちゃんと同じような志を持っていた。それだけでも宝だと思う。俺は3人を連れてトシさんの部屋へ向かった。部屋の前では吉っちゃんがトシさんの怒鳴る声にも折れることなく自分は兄貴のそばから離れませんと何度も言っていた。このままでは埒が明かないと思った俺は吉っちゃんに話しかけた。

 

「俺が話をしてあげるから、俺の後ろに並んで?3人もそこに整列して。ちゃんと俺がトシさんを泣かして外に出させるからさ?ね?ここで、祈っててくれるかい?」

 

『『……はい…』』

 

「良い返事だ」

 

3人によしよしと頭を撫でてから俺は部屋の中に入った。鍵はかけていないようだったのでトシさんがいるであろう、ベッドの前に来た。トシさんは顔を壁側にしてたので背中は俺の方に向けられていた。

 

「何か用か…?」

 

今2人っきりでもそんな雰囲気じゃないので、そこは触れずに本題に入った。

 

「トシさんの気持ちは気持ちであると思うけど、あの子達にも気持ちってのがあるからそれを伝えに来た。あの子達には内緒で録音して撮ったから、俺の声もあるけど聞いてあげて?ちゃんと、ほら座って」

 

背中を向けてもいいからと俺が言うと渋々といった感じで体を起こし、こちらに背中を向けて座るトシさん。俺は録音した物を流す。すると沈黙の後の吉っちゃんから発言する冒頭が流れる。

 

『「俺は最後まで兄貴のそばを離れねぇよ!?だって恩を仇で返すような男はただのクズだ!そんなの昔助けてくれた人に恩返しをせずに兄貴の傍から離れるなんてそんなこと出来ねぇ!!みんなもそうだろ?」』

 

『「確かに恩はあるし仇で返すようなことは良くないってわかってるけど、さっきみたいな事がごく稀にあったじゃん。それも兄貴の性格だってわかってるけど…、それでも今回のは言い過ぎな気がする。しかも移転なんて今まで言われたことないこと、そこまで思い詰めるほどか?って思ったらなんか、俺には縦に振れれない」』

 

吉っちゃんの気持ちの後に勝っちゃんがそれに反論するように言葉が入る。それだけでも2人の気持ちに確かな想いが感じ取れる。吉っちゃんの場合なら信念、勝っちゃんの場合なら不安。吉っちゃんが4人から離脱してトシさんの部屋に向かってから少し沈黙してから俺の声が入る。それから左っちゃんと右っちゃんの気持ちを流した。初めは右っちゃん、次に左っちゃん、最後にまた勝っちゃんの気持ちが流れる。みんな泣きじゃくって声が小さい時もあったけど、それでも自分の気持ちを素直に、そしてちゃんと答えた。『ここに居たい』という気持ちを。吉っちゃんと同じようにみんなにもその気持ちは持っていたことを。録音はそこで終了。次はトシさんの番。俺はまたわからないように、録音してトシさんに話しかける。

 

「トシさん?みんなの気持ち、わかった?」

 

「………………」

 

「みんなトシさんのこと好きなんだよ?それを突き放していいの?」

 

「…………………」

 

「トシさんのことを愛して、トシさんのことを慕って、トシさんのことを支えたいと今でも思ってる子達を、簡単に突き飛ばせるの?」

 

「…………………………」

 

「トシさんが今までどんな風にあの子達の前で今回のようなことを言ってきたか、俺にはわからない。俺は今回が初だし、まず初対面だし。だから、みんなの言ってる言葉は正直言って俺にはわからない。それは重みが違うから。一緒に生きた年数と日数が違うから。俺はまだみんなのことを今日見てきたことしかわからない。それでもこんな短時間内で、みんながすごく良い子ですごくトシさんのことが好きなんだってことが伝わった。トシさんと離れたくない一緒に居たい、トシさんとだからついてく、トシさんとだからどんな困難でも乗り越えていける、トシさんとならどこまでも行けるってそう思ってるのが伝わる。トシさんじゃなきゃこんな気持ちにならないし、トシさんの性格を他の人が代理でしても絶対に無理だし、トシさんの代わりなんていない。トシさんが俺達の神様、なんて思ってるんじゃないかな?俺はまだそんな日も浅いし助けられた恩もない。だから俺にはその気持ちになることは無い。でもあの子達にしてみればトシさんはそれくらい大切で大事で恩人で、今度は自分達が助けて守ってあげたいって思うほどトシさんの存在は偉大ってことだと思うんだ。あくまで俺の考えでそうだったらいいな程度だけど。少なくとも、トシさんと4人の絆って俺が思ってるよりも強いはずだよ?違う?トシさん」

 

俺が長く語ってトシさんに話しかける。半ばトシさんにとって恥ずかしい言葉を連発すると少し見える肌が赤くなって恥ずかしそうに頭を下げたりしてる。肩がピクピクと小さく飛び跳ねる。多分頻繁に飛び跳ねるから名前を呼ばれた時だと思う。ちゃんと話を聞きながらも俺が名前呼びすることに嬉しさもある表れなのかなと俺は話しながら思った。

 

俺の名前呼びより内容に集中してくれよ…。いいこと言ってるって思ってんだからさ…?まったく…

 

しかし、俺も言いたいことを言い終えてしまったので黙る。次はトシさんが喋る番。しばらく沈黙は続いてトシさんがぽつりぽつりと話し始めた。

 

「……最初は、子分ができるとは思わなかった。俺はただ通行の邪魔だとか卑怯な手口でカツアゲする連中や相手のミスを人のせいにして慰謝料払えとか言ってる奴を、俺がイラついたって理由で殴って病院送りにしてただけ。そいつらを助けたとか思った事は1度もなかったし助けたつもりはなかった。それなのに『子分にしてくて下さい』とか、『仲間にして下さい』とか、出てくるから好きにすればいいと思って放置してたけど…。ここまで一緒にいることになったのは正直ビックリしてる。俺はただ気まぐれにイラついてたのをぶっ飛ばすためだけにした行為をそう捉えたアイツらが、そんな風に思ってたなんてさ…。俺の性格が面倒なのは昔からだ。けどそれは生まれ変わりじゃない人からの影響から来た性格だ。もう昔の記憶はあんまりない。いじめられてたし。だからってのがあって、このなりで柄にもなくネガティブ思考で言うと、俺はいつもどこかで『不安』なのかもしれないと。アイツらにだって好き嫌いはある。これが好きあれは嫌いみたいなヤツだ。3年も付き合いあれば愛着もわくってもんだ。俺だってあの4人といると楽しいと思うほど居場所になってきてたからな。かなり恥ずいけどよ…。だからこそ、誰か一人でも『あれが好きで今自分の中でブームなんだ』とか『アレ知ってるか?今人気の女優でさ、ハマってんだ!』とか言われたら俺よりもか?ってなって、そんな重てぇ俺なんて見たくないだろ?だから、ブームだハマっただ言ってるなら邪魔しねぇように離れようとも思った。だから毎回今回みたいなのをしてきた。アイツらにとってはいい迷惑だな…。こんなくだらない理由で掻き回してよ…。勝之助が俺に不安を言いたくなる気持ちをわかるぜ…。俺だって他のボスがこんな俺みたいの性格で掻き回されたら、俺なら恩があっても抜けてる。俺も面倒くさがりだからわかる。それでもそばに居たいとか言えんだな?俺にはお前らみたいな信念なんて欠片も考えたこと無かったわ…。俺よりもお前らの方がスゲーよ。誇りに思っていいんじゃねぇの?俺には思える資格ねぇし…。今回の不安はあんただ。あの4人だってすぐ心を開いた。俺にはできない早さでな…?しかも、俺もあんたになら心開いてもいいかもとかマジで柄にもなく思ってる。移転も俺よりあんたの下につけばいいって思った。だからああ言った。アイツらにとってはとんでもなく失礼極まりない程の提案だけどな。けど、俺もあんたの下につきたいって思ってるから…。だからした。まあ、ちゃんとした理由を知ったらアイツら怒るんだろうけどな…。それも承知の上だ。それにな、アイツらの名前ってどんな運命辿れば結びつけんだって思うくらい名前に『之助』があるだろ?本名なんだと。んでもってアイツら狼の生まれ変わりじゃねぇの。生まれ変わりって名乗ってるかもだけど、元は違う動物だ。吉之助は山猿。勝之助はカピバラ。左之助と右之助は黒兎と白兎だ。だから俺の狼とは違って肉食系が少ない。猿は何でも食うけど、どっちかっていう果物が多い。だから雑食系かもだか草食系に近い。俺以外肉を食わない奴が多いのに、俺と同じで狼族だって嘘ついてる。けど、俺には仲間も兄弟も家族もいなかったから内心では嬉しかった。ずっと1人だったからな…」

 

「それなのに突き飛ばすのか?」

 

「………………。……突き飛ばせるわけねぇだろ…?こんなに温かいヤツらを切り捨てられるほど俺の心もそんなに強くねぇ…。それでも、不安になるのは変わらない。アイツらが他のつるんできたヤツらと同じようになるじゃないかってな。そうなるくらいならずっと1人で行動してた方が気が楽だと思ってそうしてきたんだからな。けど、今更そんな気持ちになれるわけないだろ…?さっきのアイツらの気持ちを聞いたあとじゃあな…。どうしてくれるんだ、俺の気持ちが今グラングランに大きく揺れてんだ…!責任取れ…っ…」

 

「じゃあ質問、トシさん。気持ちを知った上で聞くけど、まだあの子達のそばから離れたくない?それとも離れたい?」

 

「聞くまでもねぇだろ。離れたくないに決まってる…」

 

「じゃあ俺の前で誓ってよ。俺の顔を見てさ」

 

ビクッと震える体。でもトシさんは何のためらいもなくこちらに体を向けてそして言い切った。

 

「俺の性格や不安はこれからも変わらずかもしれねぇ…。またこんなことが起こるかもしれねぇ…。けど、それでも俺は吉之助、勝之助、左之助、右之助がこんな俺でもそばに居たいって思ってくれるなら信じるからな?少しでも俺を不安にさせんなよ…?お前ら。その代わり俺もお前らに負けないくらい助けてもっと俺に惚れさせる。お前らを不安にされることもあるかもだけど、それでも俺は不安にさせないように努力するから…。こ、これからも俺のそばに居てくれ。頼む」

 

俺の前で頭を下げたトシさん。それが芯のある意志だと俺はわかったところで録音を止めた。それからポケットの中に入れて、立ち上がり頭を撫でた。優しく抱きしめて「よくできました」と言った。するとトシさんは急激に体が火照り出して湯気が出ていた。小さくコクと頷いてすぐに離れた。しばらく沈黙としてベッドに横になった。まだ気持ちの整理がついてないトシさんは謝りに行くのをためらってるようにも見えた。俺はこのままだとよくないと思い、シーツを外してぐるぐる巻きにし担ぐ。すると赤面から青ざめたトシさんは自分の足で歩くからとこのやり方を否定した。とりあえず床に置く俺。芋虫のように体をくねらせて顔を力で持ち上げ上目遣いで訴える。

 

「ちゃ、ちゃんと行くから…!…み、密…様…っ!」

 

顔を真っ赤にして俺の名前を呼ぶ。でも中々行けなかったことに怒ってると勘違いしてるようでまたごめんなさいごめんなさいと足に擦り寄りながら謝っていた。怯えた声で不安でこんなことで嫌われたら嫌だと、でももし万が一と思うと不安でしかたない顔をしてる。怖くて怖くてさっきのようにガタガタ震え出すトシさん。全部『不安』から来るものだと知った俺はしゃがみ、ヨシヨシと撫でてからスルスルとシーツを取り外した。ぐるぐると回って目が回ったトシさんは体をふらつかせながらなんとか立った。そして少し治まった所で、俺と部屋から出る。みんな正座しながら待っていた。俺は4人をもう一度リビングに連れていった。足が痺れて上手く歩けない4人を見て笑い、それから5人に楽な姿勢で座らせた。

 

「さて、と。まずここで仲間外れにするのは良くないので吉っちゃんにも聴いてもらいましょう!まずは吉っちゃん以外のみんなで話してた会話から♪」

 

『「え?」』

 

「え?」

 

と言って問答無用に録音を流した。吉っちゃんと勝っちゃん、左っちゃんと右っちゃんの声が聞こえる。吉っちゃん以外顔を赤くして逃げようとしたところを俺がニコッと笑って逃がさない。顔を俯かせてそこに座らせる。音声は止まらない。左っちゃんと右っちゃんの気持ちや最後に勝っちゃんの気持ちを聞いた吉っちゃん。録音を止めて吉っちゃんの目からは大粒の涙が出ていた。

 

「何言ってんだよ、かっちゃん!!俺は全然すごくねぇよ!!見習わなきゃいけないのは寧ろ俺の方だぞ!?俺は兄貴を第一に考えるあまり、仲間のことを何一つわかってない!優先順位は兄貴だけど、みんなだって同じように思ってる!!かっちゃんにそんな風に思って貰えたことはスゲー嬉しいけど、俺も同じくらいかっちゃんを尊敬してる!!どこがって言われたら難しいことは言えねぇけど、角度の違う視点から見てることだ!俺の場合はまず話聞いて信じてそいつを守る、けどかっちゃんは信じるの後でまずは何がダメで何がいけなくて何がどうしてこうなったのかを突き止める!そして解決するにはどうするべきか考える!そんなこと俺にはできないし面倒臭いって思ってやってたら解決しないけど、でも面倒臭いって思ってもできちゃうかっちゃんはすごいと思う!!俺はただ信じることしか出来ないけど、かっちゃんはちゃんと解決できて、仲間思いで優しいから俺は大好き!!」

 

泣きながらなのに目を輝かせて口元震えてるのに大きな声出してたくさん勝っちゃんのいい所を話す。勝っちゃんはその都度顔を真っ赤にして俯いたり顔を背けたりしてた。俺は微笑ましい顔で見つめていた。

 

こんな良い雰囲気にぶち壊すこと考えちゃダメだけどさ?俺の前でBLが繰り広げてるよ?最高じゃん!ニコニコしない訳にはいかないでしょ?それに、最後の満面な笑みからの告白って、告白って…、お兄さん尊すぎて胸が張り裂けそうなんだけど…(*´д`*)ハァハァ

 

最後の大好きがインパクトあったのか勝っちゃんの顔がトマトのように真っ赤になった。プシューと頭から湯気が出てきてのぼせた感じだ。これは脈アリかと思いつつコップに水を汲み飲ませて落ち着かせる。破壊力がありすぎて水を飲もうとした瞬間に水蒸気となって飲む前にレンジでチンしたかのような熱さになった。すぐに氷をたくさん入れて飲ませたら、落ち着いた。赤みも引いて楽になった顔をする勝っちゃん。でも、吉っちゃんのそばにいられないのか俺の後ろに隠れた。顔もそこにいることも出来ないのかこうすることしかできないみたい。吉っちゃんは吉っちゃんで少ししょんぼりしていた。トシさんはトシさんで自分のとこに来てくれないことにしょんぼりしている。

 

みんな可愛すぎかっ!!もう!!トシさんの方が年上だけど、関係なく可愛い!!可愛すぎっ!!俺の語彙力、もう持たないっ!!(*ノωノ)キャー!!

 

このしょんぼり戦が続きそうなので次に俺が違う録音を聞かせる。これはトシさんの所だった。さっきまでのしょんぼりは嘘のように4人は録音に夢中になった。トシさんは撮っていたのかと恥ずかしそうに俺を睨む。俺はニコッと笑ってなんのこと?という顔でかわした。するとトシさんが逆に逃げようとしたので、一旦録音を中断させた。集中して聴いてた4人が顔を上げる。何々?という顔で俺を見た。俺は人差し指で口元を抑えて待つようにジェスチャーする。4人ともわかったという感じで待つ。トシさんがまた部屋に向かおうとした所で、俺が大きな声で。

 

「あーあ!?また部屋に行っちゃうのかー!!それじゃあトシさんも居ないことだしー、あの写真をこの子達の前で見せようかn」

 

一瞬のうちに口を抑えられて部屋の死角になるとこに連れ込まれて壁ドンしてきた。とても小さい声で弱々しくまた訴えてる。傍から見ればすごいシチュエーションだろう。

 

「……ごめんなさい、密様……ごめんなさい…。逃げません、もう二度と逃げません、逃げませんから……っ…。やめてください…っ、嫌です…っ…、ごめんなさい…っ…ごめんなさい…っ…」

 

泣きながら謝る。じゃあ戻ろう?って言うとガタガタとまた震え出す。今度こそ怒らせた、だからあんなこと言った、嫌われた、離れていく、怖いと不安が煽る。そのせいで動けないでいるトシさん。気づかれないようにため息を吐いて、それから。

 

「トシ」

 

「…っ…!?」

 

大袈裟に驚くトシさん。俺は続けて言う。

 

「年上だからさん付けした方がいいと思ってるけど、後で俺の気持ちを伝えるから今はあそこに行ってくれ。頼む、トシ」

 

すごく優しく柔らかい声で話す。震えてたトシさんは少しずつ落ち着き頷いた。それからまたリビングに戻る。そしてトシさんも座らせる。また、録音を再開する。俺の気持ちを伝えてる所からだった。

 

『「ーートシさんと離れたくない一緒に居たい、トシさんとだからついてく、トシさんとだからどんな困難でも乗り越えていける、トシさんとならどこまでも行けるってそう思ってるのが伝わる。トシさんじゃなきゃこんな気持ちにならないし、トシさんの性格を他の人が代理でしても絶対に無理だし、トシさんの代わりなんていない。トシさんが俺達の神様、なんて思ってるんじゃないかな?俺はまだそんな日も浅いし助けられた恩もない。だから俺にはその気持ちになることは無い。でもあの子達にしてみればトシさんはそれくらい大切で大事で恩人で、今度は自分達が助けて守ってあげたいって思うほどトシさんの存在は偉大ってことだと思うんだ。あくまで俺の考えでそうだったらいいな程度だけど。少なくとも、トシさんと4人の絆って俺が思ってるよりも強いはずだよ?違う?トシさん」』

 

みんな沈黙して俺の話を聞いた。うんうんと頭を下げて納得してたり涙を堪えて聞いてたりしてた。それから沈黙の長い時間を経てトシさんの気持ちが流れる。とても長く、沈黙よりも長く、だけどすごく心に染みる言葉を言っていた。それは4人が泣いてしまうくらい。ティッシュを目の前にするとみんな目や鼻を拭きながら聴いていた。俺の最後の言葉を聞いてあたかも録音してることがバレてるんじゃないかとって思うほど、心篭もった温かい言葉を誓いを口にした。

 

『「俺の性格や不安はこれからも変わらずかもしれねぇ…。またこんなことが起こるかもしれねぇ…。けど、それでも俺は吉之助、勝之助、左之助、右之助がこんな俺でもそばに居たいって思ってくれるなら信じるからな?少しでも俺を不安にさせんなよ…?お前ら。その代わり俺もお前らに負けないくらい助けてもっと俺に惚れさせる。お前らを不安にされることもあるかもだけど、それでも俺は不安にさせないように努力するから…。こ、これからも俺のそばに居てくれ。頼む」』

 

その言葉で録音は終了した。沈黙の後の4人はスッと立ち上がった。そしてトシさんを囲った。俺は携帯を持ちその場を離れた。それと同時に。

 

『『兄貴ぃ!!大好きっ!!絶対そばから離れない!!不安にさせてごめんなさいっ!!』』

 

「今回の不安も今までの不安も全部俺達がしてたことだって今わかりましたっ!!」

 

「これからは俺達も不安にさせないように努力しますっ!!」

 

「兄貴も共有しましょう!!そしたらもう独りじゃあありません!!」

 

「寂しくありませんよっ!!兄貴っ!!」

 

ハモったり一人一人思い思いの事を伝えて最後はわーんと泣き崩れた。トシさんも4人を泣きながらギューッと抱き締めた。俺は青春と腐った頭で微笑ましい顔で見守った。するととてもタイミングよく内兎が帰ってきた。理事長である渡狸先生と梅ちゃんも中に入ってきた。大所帯だ。トシさんは4人をなだめながら慌ててた。人に見られたくないので俯き加減で。

 

「どういう状況?腐獅…」

 

「一悶着も二悶着もあったんだよ。あと攻略成功☆」

 

「お前ってやっぱりスゲーな…」

 

「渡狸先生も梅ちゃんも仕事お疲れ様ッス!」

 

「ありがとう♪」

 

「ありがとうございます」

 

「でも、ちょっとまだ待っててね?内兎も。仕上げの盛りつけをしなきゃいけないから。ここで座って待ってて?すぐ終わるから」

 

「ん?わかった」

 

「わかったよ」

 

「わかりました」

 

何が始まるのかわからない3人だけど、状況は見てすぐにわかった。

 

ヒントは攻略というのがポイント!腐男子なら見たらすぐ分かっちゃうやつ♪梅ちゃんは腐男子かどうか知らないけど、その線を知ってるからわかるよね?という訳で俺の気持ちは置いといてw

 

「みんな?俺の話を聞いてくれるかい?」

 

5人はそれぞれ俺の方見て黙る。

 

「今回のことで俺が仲裁人として役割を果たしたわけだけど、トシさんが録音で言ってたように、俺は責任を取りたいと思います!しかし、責任を取るにも俺には俺のスローライフがあります。なので、表向きは普通の友達として俺は接します。が、裏では君達のボスになろうと思います。つまり、裏ボス。兄貴であるトシさんが表ボスで俺が裏ボス。つまり、真のボスは俺ってこと。まあ、姑息な手や小細工、パシリ系は一切言わないしさせない。ただ今回みたいなことがあった時はボスとして動きます。今までトシさんが全ての不安を持ち歩いていたから不安定だったかもしれないけど、これからは俺もその不安も半分持ちます。もちろん、トシさんだけじゃなく吉っちゃんも勝っちゃんも左っちゃんも右っちゃんも相談したいことがあって誰にも言えないときは俺に言いな?なんでも聞いてやる。だから、俺にも頼っておいで。俺はお前らの味方だよ」

 

ニコッと笑うと4人はさっき引っ込んだ涙がまた緩んでさらに泣きじゃくになりながら俺に抱きついた。トシさんは4人に格好つけて来なかった。でもそれももう4人は分かっていたので、泣き止んたらトシさんの背中を押して俺に抱きつくようにした。びっくりして目を見開き顔を赤くして、でも嬉しそうに自然な笑顔を見せる。やっと救われたというように体の力が抜けてくトシさん。今だけは大きな声で泣いた。情けないとわかっていても涙が止まらない。俺は頭を撫でながらよしよしと抱き締めた。それから小さな声で。

 

「ようこそ。優しい世界へ」

 

と呟いた。それはトシさんにだけ聞こえるように話した。すると何も言わずに小さく頷いて顔上げて体制を整えた。それから5人は整列して土下座のポーズで頭を下げて俺に誓った。

 

『『「一生貴方様について行くと、貴方の友として子分として支え慕い敬いそして、未来永劫貴方に尽くしそばに居ることをここに誓います」』』

 

始まりから終わりまでタイミングよくて驚く。5人一人ずつ頭を優しく撫で、そして。

 

「その誓い、確かに俺の心に刻んだ。お前達の命は俺が預る。そして裏切ることも、切り捨てることもなく、お前達を一生の宝として俺の下につくことを許す。俺の下にいるのに退屈したり不安になったら俺が責任もって楽しませる!いいな!」

 

『『「はいっ!!」』』

 

返事をしてから頭を上げた5人と俺はニッと笑う。そして仕上げの盛りつけも終えた。そしてこれまたなんというタイミングかと思うほどに俺の腹の虫が飯を要求する音を鳴らす。特大ホームランをしたような音。みんなで大笑いした後、内兎と渡狸先生と梅ちゃんで買ってきてくれたオムライスの材料と料理器具を使って作る。しかしさすがにこの人数を俺一人でとなると時間が無い。時計を見たらあと3時間で行かなきゃ行けない。名乗り出たのはトシさんだった。オムライスならできると言ってくれたので分担して作る。トシさんは4人に、俺は内兎達に。作ったあと最後に自分の作って完成と思いきや、トシさんに俺が作ったのとトシさんが作ったのを交換させられた。作り方はほぼ一緒だから食べ比べても何も変わらない気がするのに、良いからということでお言葉に甘えて貰った。そしてケチャップをかけて、みんなでいただきますをした。そして一斉にまず一口食べた。

 

『『『『『美味しいっ!!!!』』』』』

 

食べた第一声はみんなこれだった。幸せを感じながら食べるやつから拝む奴からガツガツ食うやつから味わって食べるやつと、様々な食べ方があった。俺はトシさんが作ったものだから味わって食べてる。トシさんも同じく味わって食べてる。それぞれの食べ方をしてたが食べ終えるのは同時だった。

 

『『『『『ごちそうさまでした!』』』』』

 

大所帯なので声の大きさもバラバラだけども、最後のちゃんと終わりを告げた。そして俺は時間を見てあと1時間しかないことに気づく。急いでお皿を片付けて部屋から歯ブラシと歯磨き粉を持って洗面所で歯磨きをして、部屋から仕事のバックを持ち中に入ってるお金やらを机の引き出しの中に入れて部屋から出て鍵を閉める。慌ただしく動く俺に、呑気な声で質問してきた。内兎からだった。

 

「どこ行くんだ?」

 

「バイトだよ!あと1時間しかない!」

 

「バイトって何の?」

 

「配達仕事。色々掛け持ちありきな所でさ。出勤は5分前なんだ。今日休むつもりだったけど、上司が今日は来てくれって言ったからさ。しかたなくなんだ。それに今日来たら明日は休みでいいって言ってくれてるから、行くの。他に質問は?」

 

内兎が終わると次に名乗りを出したのはトシさんだった。

 

「俺が乗せてくか?道案内してくれれば普通に乗せていけるけど。一応車の免許とか持ってるから乗せれるし。どうする?」

 

「マジで!?トシさん!!超イケメンじゃんっ!!今更だけど!!マジ助かるっ!!お願い!!早くしないと間に合わないからっ!!」

 

マジ神様!!持つべきものは友って奴だな♪

 

「お、おう…。じゃあお前ら家事頼んだ」

 

『『行ってらっしゃい!!兄貴と密さん!!』』

 

俺は内兎に鍵を渡して部屋を出る。一応、外に出るということでトシさんも内兎に鍵を渡した。それから車の鍵を持って俺達はトシさんの車があるであろう駐車場へ向かう。車を見つけて中に入り、エンジンをかけて走り出す。一応安全運転で走ってくれるトシさん。そこのマナーはちゃんとあるようだ。

 

「今なにか俺を貶す言葉が聞こえたんだが…?気のせいか?」

 

「気のせい気のせい♪」

 

他愛ない言葉を交わしていたら着いた。時間は30分前に着いた。ホッとして出ようとしたらトシさんに止められた。キョトン顔でトシさんを見ると。

 

「褒めてくれないのか…?」

 

褒めて欲しかった模様。

 

褒めて欲しかったようですね☆本当に可愛らしいw

 

トシさんは上目遣いで俺に訴える。まだ一応時間があるので、時間をかけないようにトシさんを褒めた。

 

「ありがとうトシ。お前のおかげで遅刻しないですんだ。お前が居てくれたから怒られずに済む。けど、俺を送った後帰り道で事故になったら褒めてやらない。それよりも怒る。お仕置きだ。いいな?ちゃんと来た時と同じように安全運転で帰ること、俺との約束守れよ?トシ」

 

「はい、密様。ちゃんと言いつけを守ります。だから、守った時はご褒美くださいね…?ご褒美無しは嫌です…」

 

「ご褒美か。考えとく。それじゃあそろそろ行くな?気をつけて帰れよ?それじゃあ行ってきます」

 

「行ってらっしゃい、密様…!」

 

パパッと済ませ車から出て仕事場に入る。仕事場に入っても10分前にはできたのでなんの問題もない。昨日居た何人かは欠席らしい。何かあったみたいだけど、理由は話してくれないらしく、サボり扱いされている。それに対してここのボスはご立腹のようだ。

 

まあ、俺には関係ない話だけどお大事にって感じ

 

上司の号令に一斉に自分のやることをし出す。俺も取り掛かろうとした瞬間、上司に呼び止められた。何かあったのかなと思いつつ上司の前に立つ。

 

「どうしましたか?阿部(アベ)さん?」

 

あ、この人は普通の人ね?生まれ変わりとかないから。強いて言うならゲイかなwなんで知ってるかと言うと、前に俺の笑顔に惚れたとかで襲われそうになって雄顔したら逆に堕ちたらしい。もう襲うことはなくなったけど、目をつけられてるのは今も変わらないっていうねwwあ、仕事上はちゃんと上司だから安心♪

 

「これをある倶楽部に届けて欲しいんだ。指名制でな。中身は秘密だ。今日休ませてもよかったんだが、急遽依頼が来たから休まれても困ると思ってな。明日は休んでいいから、今日だけ頼む」

 

上司なのに俺に頭を下げる。こういうこと言う時の阿部さんは有無を言わさない命令なので、俺は気づかれないようにため息を吐いて承諾する。

 

「わかりましたよ…。ところでその倶楽部名は?」

 

そう質問すると、耳打ちで教えてくれた。俺にとっても聞いた事ある名前だった。まだ行く気はなかったけど、仕方ない。条件として帽子を貰った。社員は帽子を被らない。被るのは上司や上司以上のみ。しかし、何らかの理由が生じた場合のみ許されている。それからバイクである倶楽部へ行った。今日の仕事はこれで終了な訳だけど、すぐに返してもらえるかが問題。

 

返してもらえなさそうだから声を変えて行くか…。変えたところで店長には気づかれるんだろうなぁ…

 

扉の前に立ち息を吐き、声を高めに自分で設定して中に入る。チャラそうなイメージで。

 

「ちゃーす!配達でぇーす!誰かいやせんかー?」

 

大きな声で言うと受付の人がこちらへ来た。多分新人だったシンだろう。

 

「はい!受け取ります。ハンコはどこに?」

 

「ココっすね!」

 

「はい!ありがとうございます。えっとこれは店長のですね!渡してきます!」

 

「では、俺ちゃん!仕事終わったんで帰りまーす!失礼しま」

 

したー☆って言おうとしたら目の前真っ暗にされ上半身何かでぐるぐる巻きにされてどこかに連行された。

 

うん。なんとなく分かってた☆てか、コイツらグルかw何されんのかな〜…

 

そして荒く俺を放り投げたので顎をぶった。

 

痛い…。本当に誰だよ…。病院送りじゃ済まないんですが…?

 

軽くキレそうな俺だったけど冷静になってからさっきみたいな声でわざと暴れた。

 

「うわっ!?なんすかなんすか!?俺ちゃん、何もしてないっすよね!?怖いんすけど!?てか、早くこれ解いてくださいよー……ぐえっ!!?」

 

クネクネしてたらいきなり上から何かのしかかった。そして聞いたことない図太い声が聞こえた。

 

「うるせぇ。喋んな」

 

誰だコイツ?ここ、ギン倶楽部だよな?間違えたか?

 

俺が大人しくなったことを確認してまた話し始めた。

 

「貴様か?ここの店長泣かせて出て言った奴は?」

 

ん?つまり、店長の知り合い?もしくは常連か?

 

「答えろ、貴様っ!!」

 

いや、あんたがさっき喋んなって言ったんでしょ…

 

しかし、話さないでいるのも面倒なのでチャラ男ボイスで話す。

 

「…知りやせんよ?だって俺ちゃん、知らないっすもん。てか、ここを知ってても店長さんを泣かす理由が何処にあるすか?それこそ俺ちゃんには関係ないじゃないすか…」

 

あくまでためらう感じで話す。初めて話すみたいな感じで。すると図太いオジサンは俺を踏む力を強めた。

 

だから、痛いんだって!!なんなの本当にっ!!

 

「だ、っ…だいたい、誰っすか…?あんた…」

 

「ここの常連でありギンさんの客であり、裏社会では有名なヤクザのボスって言えばわかるか?」

 

はぁ!?つまり俺は今このオッサンに喧嘩売っちゃった感じなのー!?超めんどくさい状況じゃん!!あ、だからか!!阿部さんの顔が申し訳なさそうというか怯えてた雰囲気醸し出してたのって!!そりゃあ俺に頼む訳だっ、他の奴が行ったら海の底だもんな!!てか、本当に裏社会の有名なヤクザって何だ!?

 

「…う、裏社会の……有名な……ヤクザ……のボス?」

 

怯えた声で俺はオウム返しに聞く。耳元でカチャという音が聞こえた。それは拳銃の弾を打つ前にする仕草だった。つまり本物ってことだ。

 

えっ!?待って!?怖くないっ!?ちょっと!?いくら俺がなんでもこなしちゃうエリート高校生でも拳銃相手はさすがに無理でっせ?!頭パニックでっせ!?

 

頭の中がツッコミでキャパオーバーしつつ、過呼吸にならないように落ち着かせる。BLを思い浮かべて精神統一。それを約15秒で済ませてまた冷静になる。普通はそんなことできる人は尋常じゃないほど頭がいかれてると思われるが、俺の頭は常にBL展開ができるようにお花畑を用意してるのでキャパオーバーになってもなんとか状況を整理できる。そんなことをしてるとヤクザのオッサンがまた話し出した。

 

「昨日な?ある奴の送別会をしたってギンさんから聞いた。そいつは強引な手口でここを辞めるって言ったと聞いた。なんでも、ギンさんのケツを叩いた挙句心までも砕いて泣かせたってな」

 

誰情報だよ、それ…。まあ、確かにしたけど…

 

「それから公開お仕置きだかでみんなにケツを叩かれ揉まれて、懺悔をさせるというプレイもされたってたな」

 

それも本当の話だな、うん。ここの奴らはみんな知ってる…

 

「それから1日経ってる訳だが、どうもその時から生気を失って倶楽部も畳もうかという話になった。それはここの奴らも客も俺も拒否したし、ギンさんが悔やむ必要はねぇって言ったけどな?それでも全然元気にならねぇんだ。その原因を作った奴が居るはずだと思って依頼した。それが貴様だ。貴様指名でやれば来ると思ったからな、ちょろいもんだ。で、どう落とし前つけてやろうか?ああん?」

 

………………。てことは阿部さんは脅されたのか。俺を連れてこないと的な感じで。なるほどな、そういうことか。んで、店長さんは無事か聞かないとな。それを聞かねぇと話にならねぇもんな?

 

「……の、前に。…店長さんは?……お休み?」

 

「いや、出勤してる。今は仮眠室で寝てるだろうよ。お前が来てることは知らねぇんじゃねぇか?それにここはギンさんの働く所じゃなくて裏路地の外だしな?誰も助けなんて来やしねぇよ!さ、もう良いだろ?楽に殺してやる、ギンさんを泣かせた罪を思い知れ!!」

 

律儀に答えたオッサンは刃物も持ってたみたいで俺勢いよく俺の頭を目がけて振り回した。銃でやれば1発だろうに。それが運命の分かれ道だった。

 

あーぁ、結局俺って迷惑しかかけてないのな?店長にもさ?じゃあ俺ってなんのために生きてんのかね?もういいよね?ここでなら邪魔も入らないんでしょ?あ、でもこの仕事も潮時なのかもしれない…。明日休みの日に阿部さんに辞めること伝えないと。危ない人は身を隠さないとだもんな、ごめんな?阿部さん…、怖い思いさせて。もうそういう依頼が来ないように俺がしっかり片しとくな?だから、安心して仕事やってよ?

 

そう思った次の瞬間、俺は素早く位置を変えて縄のある方にナイフを突き刺せ解いてもらった。オッサンは何が起きたのかと思って驚いた顔をしてる。俺の頭は既にキャパオーバーを限界突破してしまったので、また記憶喪失案件に入った。

 

つまりキレちゃった☆みんなごめんね?(*・ω<) テヘペロ♡

 

 

 

はい!ここからはまた記憶喪失案件です!また作者の欲望と妄想を押し通す場所を設けちゃいます!俺って優しいから♪気になっちゃうでしょ?だ・か・ら・☆俺の気持ちがまだ理性が飛んでない今だから許しちゃうってやつ!あ、こういうの俺が記憶喪失でもみんなが知っててくれたらなって思って伝えるための場だから、どうでもいいって思ったらどのくらい長いかわからないけど、スライドして飛ばしてくれていいからね?あくまで作者が書きたいだけだからさ?ちょっとSMとかのあれの域を超えちゃうからさ?あ、イメージは超ゴリラ先輩みたいな感じ!でも、今回はヤクザのボスだからそれ以上かも…。どうなるか分からないけど、1つ言えるのは人は殺さないから安心してってとこ!そこはちゃんと守るよーん♪それじゃあ記憶喪失案件、スタート☆

 

 

 

何が起きたかわからないオッサンだけど、殺せてない事実があるので気を取り直して今度は銃を撃つ。その合図で他の奴が俺に撃つ。普通ならありえないが今の俺は頭のネジがぶっ飛んでいて逆に冷静すぎるほど、弾をのらりくらりとかわす。人間業でそういうのが出来てもアニメや漫画の世界だけ。ご都合主義とも言える世界だけが許される。それを現実世界でやるもんだから、正気の沙汰ではない。俺は反撃として小さい小石を銃で撃ってる何人かの手下をおでこめがけて飛ばす。ヘッドショットを食らわせて気絶させる。それを何人か命中される。スコーピオン(?)だかの追跡型銃を撃つ人の目のある場所にめがけて飛ばす。結構な高さと遠方なのに俺はヘッドショットと同じくらいの命中率で目に命中させて使え物にならないようにし、全員戦意喪失させた。俺は1歩も動かずにそこから命中させている。傷一つ無い。オッサンは本当に本気で何が起きてるんだと尻もちついていた。

 

「オッサン」

 

「ヒッ…!?」

 

「そんなに驚く?俺は銃を一般人に向ける方が怖いし驚くと思うよ?それに俺も『人間』だよ?そんなことされたら誰だってビビるよ?」

 

俺の見た目はさっき袋を被せられて息できない状態にされた。袋と言ってもビニール袋はさすがに話すことも出来ないが、空気を吸える袋だったので首元を結ばれても息ができたし話せた。でも視覚は奪われていたので普通なら分かるはずがない。それは『人間』だったらの話だ。では、『獣』だったらどうだろうか。生まれ変わって人間になったとしても、血は継続的に循環している。そして俺の先代は百獣の王。獣の王様の血が流れているので頂点に君臨する力を持っている。だからと言って人間の身体能力ではどんな血でも無意味だが、大事なことなのでもう一度言うが、俺の頭は既に限界突破してしまっているので怖いもの知らず。さらに止める者もいないので無法地帯という訳だ。つまり、俺を止めるには俺が満足するまでが条件。俺は袋を脱ぎ眼孔を開かせてヤクザのオッサンを見下す。そしてヤクザのオッサンもまた何かを悟った。あぁ…これは死んだな、と。

 

「勝手に自己解決するなよ、オッサン?誰も助けなんて来ないんだろ?てことはあんたの助けも来ないってことだよな?それって、死ぬなんて俺がさせると思うか?裏社会では有名なヤクザのボスさんがまだ従えさせなきゃいけない人達を置いて逃げんの?それってダサくないかい?それともあんたはダサい大人なのかな?」

 

『グギギギギギギギギッ』

 

「あ"あ"あ"あああぁぁぁぁっ!!!?」

 

俺はオッサンの指をあらぬ方向に折る。もう二度と使い物にならないほどに骨まで砕く。切り落とさないといけないほどに。再起不能になるまで、その腕だけを壊しに行く。

 

「指の骨が使い物にならなくなったな?じゃあ次は手首と腕を使い物に出来ないようにしてやろう!今までだっていろんな罪のない人にそういうことしてきたんだよな?オッサンって?てことは、これはオッサンの罰ってことだよな?な?オッサン」

 

『ゴキッ!!バキッ!!グシャッ!!グギッ!!』

 

「ヒギイイイイィィィィァァァァア"ア"ア"ア"!!!」

 

本格的に骨を折っていく。戻らない方向に。血が通えないように。その腕が死んでしまうように。オッサンは涙を流して叫ぶ以外にごめんなさいを連呼していた。痛くて苦しくて怖くて恐くていっその事殺して欲しいと思うくらい絶望感に浸っている。それでも終わらない拷問から逃れるのにごめんなさいを連呼することしか、このオッサンには生気を保つやり方を知らない。しかしごめんなさいも声が小さいので俺には全く届いておらず、それよりもっとエスカレートしていく。腕の骨を全部折り、血も通えない程の状態にしてから次は片足を掴んで引っ張る。靴と靴下を脱ぎ捨てポケットから軍手を取り出しハメてそれからさっきの片腕部分と同じように足の指も同じようにしていく。

 

「次は片足だ!そっちと同じようにしてあげるな?もちろん再起不能になるようにしてやるからさ!でも血は流れないようしてるだけ生きてる証拠だよな?舌噛むより怖くない?こっちに集中する方が、さっ!」

 

『バキバキバキバキバキバキッ!!!!』

 

「アギャァァァァァギィィィア"ァアア"ァア!!!」

 

足の先から太腿の辺りまでを腕と同じように折っていく。股関節まではさすがに居らなかった。今後のことも考えて切断するまでに至る所で終えれるように。血を出さないだけ済んだと言わせるために。オッサンは声を大にしてごめんなさいと言うようになった。許してもらいたいと、もうこんなこと二度としないと誓うように。しかし俺は追求した。本当に心が折れて潰れるのはこうだと言うように。

 

「ごめんなさい?俺にだけ謝っても仕方ないと思うけど?俺にも向けたみたいにさ?だったら一般市民という名の非力な人間に銃を向けていい理由になるのか?筋肉ムキムキな人だって銃やナイフを向けられたら怖いし恐怖するに決まってるよな?それで俺の上司にも脅したんだろ?同じようにナイフか銃、それか上司の家族を殺すとか口で脅す行為。したんだろ?あんたが直接下してなかったとしても手下がやった事だったとしても、手下のミスは上司のミス。だよな?それを全部無かったようにしたいみたいな願望丸出しの謝り方されてもな?仮にも有名なヤクザのボスであるオッサンが店長さんの機嫌一つでやっていい事と悪いことの区別もつけなくて姑息な手で俺を呼んで?勝ち誇った顔で俺を殺そうとする。ーー世間があんたの思い通りになると思うなよ?」

 

俺は手刀で切断するであろ骨の辺りを切り落とすように打ち付ける。するとそこから下の足が風に切られたかのように変な方向に曲がって音を鳴らす。今までの片腕の比じゃないほどに痛い衝撃がオッサンの脳に駆け巡る。叫ぶのにも声が出ず涙が赤くなって血の涙を流す。片足も片腕も本当に使い物にならなくなっても俺に何度もごめんなさいを言い続ける。

 

「俺にごめんなさいって思うなら、今まであんたが裏社会でやってきたことを後悔して謝れ。それとオッサン?」

 

「…???」

 

「裏社会の暗黙の了解ルールに乗っ取って、このことは内緒にな?生きていく上でもし万が一あんたがまた同じ過ちを繰り返したその時は、次はもう片腕と片足を今回と同じようにもぎ取る。生活が再起不能になったら苦しむのはあんただ。それから有名なヤクザのボスならその使命、真っ当にできるよな?」

 

「……はぎ……」

 

「あれ?声が小さいなぁ?あ、そっか!目も片目潰して欲しいんだな?わかったわかった!あんたは欲張りだな?それなら望み通りに潰してやるよ、あんたのナイフでな?」

 

ナイフを掴んで思いっきり目にめがけて振り回す。

 

「あぎぃぃぃ!!!」

 

返事なのかわからないけど、オッサンなりに必死で返事をしたと思ってるらしい。ちょっとでも動けば目に当たるところで止めた。寸止め中の寸止めなので、オッサンは動けない代わりに尿を漏らした。

 

「うわっ!汚っ!ま、でも怖かったよね?こんなことされたらさ?」

 

ナイフ置いてオッサンの耳元でこう囁く。いつもの重低音で脅すように。

 

「今後もギンに会うことは許してやる。が、二度と俺の知り合いや友人に手を出すな。それは手下共も連帯責任と思え。俺を怒らせるなよ?それとこの事は他言無用だ。生きていたいならな?わかったな?」

 

全力で頭を縦にふるオッサン。恐怖と絶望で心は砕かれ崩れ潰れて殺された。そして1番厄介な人を敵に回してしまったと後悔するオッサン。俺は仕事着と帽子を脱ぎ、畳んで袋に入れ起きたであろう手下に聞こえるように言った。

 

「お前らのボスは地に堕ちた。が、ボスはボスだ。ボスの命令はこの袋をこのガキの仕事場である配達業者の上司に渡す事。それが命令だ。それから、病院に連れていき片腕と片脚を切断するように医師に伝えること。脅すような言い方をすれば、連帯責任としてボスがお前らの代わりに片目を落とすと言っていた。責任持って仕事しろとのことだ。俺からは以上。さっさと連れていけ!!」

 

俺はオッサンから離れて少しだけ遠くに袋を置き歩いてその場から姿を消した。

 

 

暗闇から出てからはどうやって仕事場に戻り鞄を持って帰ったかはわからない。俺が目が覚めて最初に目に止まったのは白い天井だった。どこかの仮眠室でカーテンが周りをぐるっと1周されていたのでどこなのかは分からなかったけど、微かに薬品の匂いがしたので保健室なのかなという結論に至ったあとはプツンと糸が途切れてそのまま眠りに着いた。そして起きる頃には今日起きた断片的な部分だけが記憶喪失でその部分だけが抜け落ちて無くなっていた。

 

 

 

なんともご都合主義な脳だなと思いつつ、それがこの小説内の俺はそういう主人公なので皆ついてきてね♪さて!記憶喪失案件が終わった後は、またいつもの日常に戻るので安心して読んでね♪やっぱり最後までこういう流れで終わっちゃうのが作者の悪い所だよね?まあ、それが作者の考えで書いてるから文句は言わせません!自己満足・自己責任小説だからね☆ごめんね?みんな!でも優しい心で許してあげてね?俺に免じて許して、お願い♡……なんちゃって☆キラッ





わー!!
この小説内で1番長く書いたー!!
最高記録だよ!?凄くない!?
って、心の中で思ってます。
見た時は目を丸く見開いてましたw
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