「重金属雲、濃度85%に到達。レーザー種、残存数8!」
「レーザー吶喊続行! それと、フォート級も狩らせろ! 奴らがレーザー級を運んでくる可能性があるからな!」
通信将校からの報告に、一人の参謀が指示を出した。
その時
「
という報告が入り、戦術マップに情報が
「確実に味方に報せよ! 口頭伝達、光信号、あらゆる伝達を駆使!」
「はっ!」
まだ重金属積乱雲がある為に、広域通信とデータリンクに通信障害が続いている。その為に、様々な方法で最前線に情報を共有していた。
オービットダイバーズは
この再突入殻は二重構造になっており、外殻は高度四万で外れ、そこからはマッハ25という驚異的な加速で先行降下する。
それにより大気との摩擦熱で半ば融解し、加速を殺すことなく地表に激突する。これが、第一段階。
次に戦術機が納められてる内殻。これは高度4000で戦術機を解放するが、先にレーザー照射されたら、その時点で戦術機を解放し、そこから一気に加速し、地表に激突する。これが、第二段階だ。
この二段階は味方にも当たる可能性があるために、注意が必要なのだ。
「前線戦術機部隊、後退を開始!」
「油断するな! レーザー種は生き残っている! レーザー迎撃で軌道が変わるぞ!」
レーザー照射により起きる爆発で、落ちてくる再突入殻の落下軌道は変わる。常に空に気を配り、回避する必要があった。
「第一段目……落着します!」
第一段階目の外殻が、多少のレーザー照射を受けながらも地表に落着した。
場所は変わり、最前線。
『くっ……凄い揺れ……!』
『やはり、再突入殻の落着は凄まじいな……』
最前線で戦っていたホワイトファング大隊は、試験機。不知火弐型と隼鷹で編成された混成部隊になっており、未だに損害は出していなかった。
「大尉……第二段階、来ます!」
『確認した! 全機警戒!』
尚人の報告の後、唯依は部隊に警告を促した。
すると、第一段目から数十秒遅れで内殻が落着し、再び大きく揺れた。
『損害は!?』
「……ありません! 全機健在!」
尚人は報告しながら、地面から現れたBETAに対して長刀を振り下ろして撃破した。
『よし、移動する! 現在地から東に2km先に間宮が来る予定だ! 補給する!』
「了解!」
近衛らしく近接格闘戦重視で戦ってきたが、弾薬と推進材が大分減ったから補給するようだ。
移動している最中、尚人機に唯依機から通信が入った。
『03、新任達の様子はどうだ?』
「多少緊張状態ですが、問題はないかと」
件の問題衛士達の代わりに配属された新任達だが、今回が初めての大規模作戦で、初実戦だった。
尚人はその新任達の部隊の中隊長だ。
『もし処置が必要になったら、判断は任せる』
「はっ! お任せください」
そうこうしている間に、ホワイトファング大隊は間宮隊と合流して、補給を開始した。
「しかし、佐渡島にこれだけのBETAが……」
『少し前のデータリンクでは、既に予想されている数を撃破していた……もしや、本土への侵攻が近かったかもしれんな……』
既に、佐渡島作戦が始まってから20万近く撃破している。予想されていたBETA群の総数を、既に超えているのだ。
それだというのに、未だにBETAの波が止まらない。
「オービットダイバーズのハイヴへの侵攻が開始……更に引き付けないといけませんね」
『ああ……今まで、幾多の衛士達が突入し、散っていった……その要因が、BETA共が予想外に多かったからだ……補給が済み次第、再度戦闘を行うぞ』
「了解です」
唯依に報告しながら尚人は、現在の補給状況を確認した。自機の推進材と弾薬の補給は既に終わり、短刀と長刀も交換した。
後は部下の補給待ちになる。
戦術機部隊の補給は、残弾と推進材が多い機体から順番にやる事になっている。
『第一中隊、補給完了』
『第二中隊、同じく完了しました』
「第三中隊……今完了しました」
そして、補給が始まって約6分。ようやくホワイトファング大隊は補給が終わった。
『よし……我々はこれより、旧八幡新町まで進軍する……殿下からの密命、Aー01大隊の支援に向かう!』
「了解!」
『了解!』
唯依の指示を受けて、ホワイトファング大隊は進軍を開始した。