※この作品はR-18です。

マブラヴ・オルタネイティヴ・OW   作:京勇樹

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佐渡島攻略作戦6

大気圏降下兵団(オービットダイバーズ)がハイヴに突入を開始して、約30分後。

 

『HQから全軍に通達! 先行突入した部隊からの通信途絶! 順次突入したマイク、ノーベンバーの各大隊からの報告では、第13層より下から4万以上のBETA群の侵攻を確認、との事! 警戒せよ!!』

 

どうやら、大気圏降下兵団は予想通り(・・・・)に全滅したらしい。

実は武から佐渡島攻略作戦の話は聞いており、大気圏降下兵団は全滅すると知っていた。

その要となるのは、この世界ではまだ未確認のBETA。名前は、母艦(キャリアー)級。

見た目はトンネルを掘るボーリングマシンのようだが、サイズが段違いで、高さは優に100m以上あり、長さは数百m。その巨体の中に、10万近くのBETA群を収容し、地中を移動する事が出来る個体、との事だ。

確かにそれならば、佐渡島ハイヴの数の多さにも納得した。

今現在、佐渡島ハイヴでの撃破したBETA総数は20万を超えている。この時点で予想個体数を越えているのだが、それが一体、何処に居たのか、という話だった。

その答えが、母艦(キャリアー)級だと考えれば、むしろ自然だった。

 

「フェニックス1よりマザー! 母艦級と思われる移動震源は観測出来たか?」

 

『只今、収集したデータにフィルタリングをしています。少々お待ちください』

 

マークからの問い掛けに、ミラ・ルナから返答が来た。

やはり、元々のBETAの振動や、砲撃での振動が理由で簡単には見つからないだろう。

それ自体は、マークも予想していた。

しかし、今目の前で次々と地面からBETAが現れてきた。だからマークは

 

「……フェニックス1から、フェニックス2、トライアド1! アレを使うぞ!」

 

『アレ……ですか……了解です』

 

『了解!』

 

マークが言うアレ。それは、NTの戦闘力を飛躍的に向上させる兵装。ビット。

しかし、普段マーク達が使うフェザーファンネルは、地上では使用制限が掛かり、使えない。

ならばどうするか、スピリッツで協議を重ねて、ある世界の技術を使う事にした。

 

「フェニックス1より、マザー! アレを出せ!」

 

『マザー1了解!』

 

『マザー2了解!』

 

マークからの要請の直後、アークエンジェルとエウクレイデスから、次々と何かが射出された。

それは、頭部以外はフェニックスガンダム、ハルファスガンダム、フレスベルグにそっくりだった。

頭部はNT感応波の受信機とセンサー機能に特化させた簡易式の物にし、それ以外は各機体と性能はほぼ同じ。

ビットMSだ。

AW世界で、一人のNTが親機に乗り、その親機から子機たるビットMSを一緒に操れば、一人で中隊や大隊規模に匹敵する戦力になる。そういう発走で開発されたのが、ビットMSだ。

実は、スピリッツでもBETAの多さには手こずっていた。いくらガンダムの性能が高くても、万を優に越えるBETAには後手に回る事もあった。

打開策の1つとして、ハロを使ったMSの投入も考えられたが、ハロだと教科書通りの動きしかしない為に、撃破される可能性もあった。

そういった協議の末に、まずNT用としてビットMSを導入する事に決め、用意されたのがフェニックス、ハルファス、フレスベルグの三機分のビットMSだ。

用意した数は、それぞれ親機を含めて中隊規模。

これで、即席だが大隊規模になる。

 

「良いか、実戦では初運用だ! 気を引き締めろ!」

 

『了解したわ!』

 

『了解!』

 

そしてスピリッツは、後退してきた戦術機部隊を助ける為に、突撃を開始した。

場所は変わり、天照艦橋。

 

「話には聞いていましたが……」

 

「あれが、スピリッツの用意した切り札の1つ。ビットMS……無人機とは思えない動きですね」

 

小澤提督と悠陽は、スピリッツが新しく運用を開始したビットMSを見て、驚いていた。

戦術機も親機を設定し、無人設定の戦術機を操る事が出来る。

しかし、その動きはプログラミングされたものなので、画一的でシンプルなのだ。

だから、対BETA・対人問わず容易く撃破される事も多い。

しかし、ビットMSの動きは親機と遜色無い激しい動きをしている。

 

「私も彼らから聞いた話ですが、あれはパイロットの脳波で動かしているようです」

 

「脳波で……」

 

夕呼の説明に、小澤提督は驚いているようだった。

実は戦術機にも、衛士の脳波を観測し、機体の動きを補助する機能があるのだ。

それにより、機体が衛士が納めた剣技を発揮出来るようになる。

しかし、スピリッツが運用しているのは、それを遥かに上回る。たった一人のパイロットにより、中隊規模の部隊が運用されているのだ。

今も、フェニックスにより1つの中隊が助けられた。

少しずつだが最前線を押し上げ、助かる部隊が増えている。

 

「しかしそれは、スピリッツの方々に高い負担を強いてる筈……今現在の全軍の損耗率は?」

 

悠陽が問い掛けると、通信将校は端末を操作してから

 

「ウィスキー連隊、損耗率33%。エコー連隊、損耗率36%。エコー連隊の援護に近衛軍第16大隊が展開しています」

 

と伝えた。

それを聞いた悠陽は、少し考えて

 

「……予備戦力を出しましょう。イータ艦隊に通達。全艦、戦域に突入し、戦力を投入せよ」

 

「はっ! イータ艦隊に通達!」

 

秘匿していた戦力の投入を決めた。

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