※この作品はR-18です。

マブラヴ・オルタネイティヴ・OW   作:京勇樹

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佐渡島攻略作戦8

佐渡島、Aー01大隊が制圧した地域に、大規模BETA群が接近していた。その規模は、旅団規模。確かにAー01大隊は精鋭部隊だが、対処出来るかは不明だった。

大隊長の碓氷少佐は、どう対処するか考えていた。

すると戦況マップに、接近してくる友軍を示す光点が複数表示された。

 

『少佐、これは』

 

「ああ、どうやら友軍が支援に来てくれたらしい。挟撃するぞ!」

 

伊隅大尉に言うやいなや、碓氷少佐は一気に機体を進ませた。接近してくる友軍は、近衛のホワイトファング大隊と帝国陸軍の部隊だった。

二隊が突撃した地点から、凄まじい勢いでBETA群が減っていく事から、双方ともに精鋭と分かる。

旅団規模のBETA群だったが、三方向からの攻撃に瞬く間に狩り尽くされた。

 

「支援感謝します。此方は国連軍Aー01大隊の碓氷佳代子少佐です」

 

『帝国近衛軍、ホワイトファング大隊の嵩司唯依大尉です』

 

『私は帝国陸軍帝都守備連隊の沙霧尚也少佐です』

 

国連軍、帝国近衛軍、帝国陸軍帝都守備連隊という三軍が集まった時、碓氷少佐機の隣に伊隅大尉の機体が着地し

 

『アルテミス1、Aー02到着。砲撃開始地点に布陣しました』

 

と報せた。

広域通信も戦術データリンクも繋がらない状況、本来なら夕呼の指示が無ければAー02ことスサノヲ弐型に砲撃の指示は出せない。だが、悠長に待つ余裕も無い。

そう判断した碓氷少佐は

 

「よし、全ての責任は私が取る。砲撃態勢を取らせ、私達も布陣する! 嵩司大尉、沙霧少佐。そちらの部隊も着いてきてください」

 

碓氷少佐はそう言って、砲撃開始地点に向かった。接近すると、スサノヲ弐型の大きさに圧倒される。

120m近い高さに、60m近い横幅。その威容は、まさに要塞と呼べるだろう。

 

「Aー02に砲撃開始を報せる暗号を送る……全隊、指定ポイントに布陣」

 

碓氷少佐の指示を受けて、各隊はスサノヲ弐型の後方に布陣した。そして、碓氷少佐が念のためにと夕呼から教えられていた暗号を打電した。

すると、スサノヲ弐型の上部前面の装甲が動いて、砲口が現れた。そしてバチバチと電流が走ったと思った、次の瞬間、強い閃光と共に砲撃が放たれた。

まずは直線上に居たBETA群が一瞬にして蒸発した、そして数秒後。チカチカと光ったかと思ったら大爆発が発生し、凄まじい衝撃波が走った。

 

「ぐうぅぅぅ!?」

 

砲撃により土煙が発生したが、衝撃波で土煙が薙ぎ払われた。そして見えたのは、屹立していたハイヴのモニュメントが、崩れていた光景だった。

場所は変わり、天照艦橋。

 

「ハイヴが……砕けた……」

 

『人類はとうとう……』

 

『我々は……我々はついに……彼奴等(きゃつら)に一矢報いたのだ……!!』

 

どうやら衝撃波で重金属積乱雲も壊れ、通信が回復したようで、各戦隊の艦長達の万感の思いが込められた言葉が聞こえた。その直後、無線を雄叫びが支配した。

今まで、散々苦渋を舐めさせられ、人類の敗北の歴史の象徴だったハイヴが砕けたという快挙。

感動しない訳がなかった。

 

「……前線各隊に砲撃による被害無し……後退が間に合って良かったですな……」

 

実は碓氷少佐は、砲撃をすると決めた時、信号弾を打ち上げていたのだ。それを確認した小澤提督は、直ぐに近接通信で付近の友軍にスサノヲ弐型が砲撃する事を伝え、近接通信と光通信で後退するように指示した。

そして、間一髪で後退が間に合ったのだ。

 

「ハイヴの状況はどうなっていますか?」

 

「はっ! 先の砲撃により、モニュメントは基部以外は完全に倒壊!! 更に、佐渡島全域に確認されていたBETA群も大部分が駆逐されています!!」

 

悠陽の問い掛けに、通信将校が涙を堪えながら報告してきた。

BETA大戦が始まって、約30年余り。ここまでBETAに大打撃を与えた作戦は、今まで無かった。

 

「香月副司令……貴女の名前は、人類史に確実に刻まれるでしょう……人類を滅亡の淵から救った英雄として」

 

「……お言葉ですが、小澤提督。まだ終わってはいませんわ。まだこれは反撃の始まりに過ぎません……まだオリジナルハイヴを含めた地球のハイヴに、月と火星があります……それらを攻略しない限り、人類に明日はありません……」

 

小澤提督の言葉に、夕呼は淡々と返した。

だが、それは事実だった。

しかもまだ、佐渡島ハイヴは陥落した訳ではない。まだモニュメントを破壊しただけだ。次はコアを破壊しないといけない。

 

「涼宮、Aー01と通信を繋げて」

 

「はい!」

 

夕呼が遥に指示して少しすると、サブ画面の一つに碓氷少佐の顔が表示された。

 

「碓氷」

 

『副司令、独断で砲撃を指示してしまい、申し訳ありません』

 

「構わないわ。通信が繋がらない状況では仕方ないわ。それより、Aー01の状況は?」

 

確かに通信と戦術データリンクは繋がったが、それと同時に大量に様々な情報が入ってきた為に、天照艦橋の通信将校達はてんやわんやな状態で、現状の把握がまだだった。

すると、碓氷少佐は

 

『は! Aー01大隊は全機健在。弾薬と推進材は約4割程消耗してしまいました。それと、直前に帝国近衛軍のホワイトファング大隊、並び帝国陸軍帝都守備連隊を始めとした大部隊と合流しました』

 

小澤提督は碓氷少佐からの報告を聞き、Aー01大隊と合流した部隊の為に、間宮隊を向かわせるように指示し、悠陽が

 

「どうやら、私の指示した部隊は間に合ったようですね」

 

と安堵していた。

 

「殿下、部下に代わり感謝します」

 

「いえ、Aー01大隊とAー02はこの作戦の要です。保険をするのは道理でしょう」

 

そう話している間に第2射が放たれて、モニュメントは基部まで完全に破壊されて、大穴が空いた。恐らく、モニュメントの中心部を通っていた穴だろう。

それを確認した夕呼は

 

「……護衛部隊の補給が終わり次第、Aー02前進! ハイヴの中に直接砲撃を行い、コアを破壊しなさい!」

 

と指示を下した。

佐渡島攻略作戦は、佳境に差し掛かる。

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