※この作品はR-18です。

マブラヴ・オルタネイティヴ・OW   作:京勇樹

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佐渡島攻略作戦 9

「よし、後少しで……」

 

少しずつ侵攻するスサノヲ弐型に、天照艦橋に居た参謀の一人が期待のこもった声で呟いた。

確かに、後少しで佐渡島が解放される。

BETAに占領されていた佐渡島が、日本帝国に帰ってくる。

そう考えると、誰もが期待に胸を踊らせた。しかし

 

「最後まで油断してはなりません……我々人類は今まで、ハイヴとBETAに、辛酸を舐めさせられてきたのです……」

 

と悠陽の叱責が聞こえ、その参謀は悠陽の方に向き直り

 

「申し訳ありません!」

 

と謝罪した後、各部隊の把握に勤めた。

すると、小澤提督が

 

「補給艦隊からの補給はどうなっている?」

 

と一人のオペレーターに問い掛けた。

 

「各戦隊、砲弾は平均8割まで補給完了。燃料は平均9割完了しています。次の補給艦隊は、550秒後に合流予定となっております」

 

と報告してきた。

それを聞きながらも悠陽は、ゆっくりと進むスサノヲ弐型を見ていた。

その時

 

「ハイヴ付近の部隊から通信! 震動計に感アリ! 数万規模のBETA群を検知したようです!」

 

と通信将校の一人が報告してきた。

 

「まだ出てくるというのか!?」

 

「各戦隊に砲撃用意をさせよ! 第一戦隊はAL弾の用意!」

 

攻略作戦が始まってから、既に撃破数は40万近くになっている。スサノヲ弐型の砲撃で撃破した個体は入っていないが、入れたら確実に超えるだろう。

この数は、予想されていた佐渡島ハイヴの予想総個体数を優に上回っている。

すると

 

「スピリッツから入電! BETAに、未確認の個体を確認!」

 

と通信将校の一人が告げた。

 

「この期に及んで、新種だと!?」

 

「はっ! 震動データ、来ました! 表示させます!」

 

サブモニターに、その新種の震動パターンが表示され、比較する為に既存BETAの震動パターンも表示・重ねられた。

間違いなく、今まで確認されていなかったパターンだった。

 

「スピリッツによりますと、予想サイズは……全高150m、全長数百mに迫ると!!」

 

「なんだと!?」

 

「先ほどのヲ号標的を超えているだと!?」

 

仮称ヲ号標的を優に超える未確認大型種の存在に、天照の艦橋に居た参謀達は驚愕した。

それが戦場に現れたら、撃破出来るのか、完全に未知数だった。しかし

 

「……スピリッツの予想ですと、それが未確認種は……BETAの運搬用の個体と予想されるようです」

 

「運搬用の個体?」

 

「どういう事ですか?」

 

悠陽が問い掛けると、通信将校は

 

「はい。続報によりますと、今までその未確認種は都合三回。佐渡島に来ているようです。そのタイミングが、全て新たにBETAが現れる直前と」

 

と答えながら、別のサブモニターにスピリッツから送られてきたデータを纏めて表示した。

それは、BETAの増援が現れた時間と、震動計の時間。

比較すると、確かに各増援の少し前にその新種の震動パターンが現れている。

 

「これは……」

 

それを見ていた小澤提督が驚いていると、一緒に見ていた夕呼が

 

「そうか……そういう事なのね!」

 

と納得していた。

 

「香月副司令?」

 

「今まで、大陸内部のハイヴのBETAの個体は、何処に行ってるのか、と考えた事が何回か有ったのです……大陸外周のハイヴには、定期的に間引き作戦が実施され、BETAの総個体数を抑制していました……しかし、大陸内部……オリジナルハイヴやマシュハド、ウラリスクと言ったハイヴのBETA……間引き作戦が出来ていないのに、ハイヴのフェイズは中々上がらない……」

 

夕呼のその推論に、小澤提督を始めとして、参謀達も考え始めた。

 

「確かに、そう言われれば……」

 

「装甲駆逐艦からの爆撃も、外周の間引きと比べたら、戦果は微々たるもの……」

 

「それらを考えれば、大陸内部のハイヴはもっとフェイズが上でもおかしくはありません……ですが、間引き作戦等で個体数が減ったハイヴに対して、送っていた。と考えれば、納得出来ます」

 

夕呼の推論を聞いた参謀達は、ざわめき始め

 

「そうなれば、その運搬用の個体……仮に母艦(キャリアー)級と呼びますが……母艦級が一回で数万運んで来ていると考えれば……これまでのBETA個体数が40万を超えるのも、納得出来る話ですね」

 

て悠陽がスピリッツがCGで作った母艦級の映像を睨んだ。

実際そのCG映像は、武が軽く描いた絵を基に、スピリッツが作った補正映像になるが、本物と遜色無い。

 

「データリンクを通じて、全軍に共有。並び、国連軍に送信を!」

 

「了解!」

 

小澤提督の指示を受けて、各通信将校は機器の操作を開始。そして最前線では、新たなBETA群との戦闘が始まっていた。

場所は変わり、最前線。

 

『BETA共を、Aー02に近付けさせるな!』

 

『俺達の希望を、攻撃させるかよぉ!!』

 

各軍はスサノヲ弐型に対して突撃をしているBETA群に対して、集中攻撃をしていた。

 

『各機、無駄無く殺せぇ!!』

 

『了解!!』

 

今人類側は、勢いに乗ってBETA群を釣瓶打ちにしていた。しかしBETAは、死骸を楯にジリジリと迫ってきている。

 

『後少しだってのに、追い返されるのか……!?』

 

『クソが! 諦めてたまるかよ!!』

 

各軍の衛士達は、気炎と悪態交じりに、BETA群を攻撃していく。だが、やはりBETAの恐ろしさはその数にある。

戦車級を10数体撃破しても、その倍近くのBETAが現れて前進してくる。

 

『HQより全軍へ! 500m後退せよ!』

 

突如聞こえた指示だが、全員は半ば反射的に従った。

その直後、凄まじい閃光がBETA群を凪払った。

 

『これは……!』

 

『スピリッツか!!』

 

ビームが走ってきた先には、スピリッツが一糸乱れぬ統率で地を這うように進んできていた。

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