佐渡ヶ島ハイヴ攻略作戦の翌日、日本帝国は歓喜に沸き上がっていた。BETAに占領されていた佐渡ヶ島を奪還したからだ。
しかし、すぐに帰還出来るという訳ではない。
約二年の間に地形は大きく変わり、更には戦闘で放射能や重金属、BETAの体液により汚染されている。
佐渡ヶ島は今現在、調査班が入って調査の真っ最中であり、何時戻れるかは未定だ。
しかし国防省では、既に次に関する話し合いが行われていた。
まず、今回の作戦での損害の確認と、補填をどうするか。
大きく損耗した戦術機や戦車と弾薬、推進剤。そして戦術機母艦に関する話し合い行われた。
最も被害が大きかったのは、やはり旧式の撃震型だった。こちらに関しては、既に退役が決まっているので順次退役し、代わりに量産が始まった隼鷹が充てがわれる事になった。
次に戦車は通常の90式とレオパルド2だが、ドイツのレオパルド2は何時輸入出来るか分からず、部品の購入費もバカにならない為、レオパルド2は少しずつ減らし、90式に移行し、最終的には攻龍に移行しようという計画になっている。
今回の作戦で、攻龍は非常に高い戦果を挙げ、多少の損傷こそしたが損失は無しという華々しい功績を挙げた。
これは戦車の欠点であった接近された時の視界の悪さから来る反撃の遅れが大幅に軽減され、反撃が容易になったからだ。
次に間宮隊。
間宮隊は直接的戦果は無いが、やはり補給物資を素早く味方に運搬出来るのが高く評価された。
しかも損傷しても、整備も容易なのも整備士達から高評価だった。
今まで戦術機は、空飛ぶ工芸品と呼ばれる程に整備性が悪く、もし基礎フレームに歪みが見つかったら即廃棄が決まっていた程だ。
しかし間宮は、胴体部分をベースに両手足、頭部の交換が容易出来るように設計・開発されている。
例え腕が肘から無くなっても、肩の付け根から簡単に交換出来る。
今現在、その機構を既存の戦術機にも取り入れる為に、技術研究廠は根幹技術を国内の戦術機メーカーに公開し、国防省と政府の両方から働きかけている。
とはいえ、そんなに直ぐには導入出来ないのは分かっているので、待つしかない。
次に弾薬と推進剤。
こちらは、国内の製造工場だけでなく、海外。パラオやハワイの製造工場が頑張って製造している。
そして、戦術機母艦。
こちらは投入した内、約半数が沈没してしまっているが、元々が建造が容易なメガタンカーの流用艦であり、メガタンカーを建造している企業が日夜頑張ってくれている。
だが、幾ら戦術機母艦の建造が容易だろうが、作戦の度に膨大な数が沈められていてはコストが嵩む。
そこで考案されたのが、天照の簡易化による量産型戦術機空母の建造計画。通称、草薙計画だ。
天照は三胴体構造を採用しており、それによる大隊規模戦術機の運用を可能としている。
しかしその分、非常にコストが掛かっており、天照一隻作るのに数千億円という建造費が掛かっている。
そんな空母を何隻も建造したら、すぐに予算が枯渇してしまうのは明らか。
だったら、簡易化出来る構造は簡易化し、更に船体を幾らか小型化し、最低でも中隊規模の戦術機部隊を整備、補給出来て、発艦出来る戦術機空母を設計し建造する事にしたのだ。
天照型は後2隻建造し、それをそれぞれ旗艦とし、草薙型空母による戦術機空母打撃群を編成する。
それが、新しい計画として悠陽肝入として発案され、政府も承認する方向である。
勿論建造には、スピリッツから得られた最新技術は導入する予定となっている。
最新の高出力低燃費エンジンに、電磁カタパルト。耐レーザー蒸散塗膜に耐熱耐弾複合複層構造。量産化が決まった対レーザー爆雷。
着々と進められる新たな計画。
そして更に3日後、通信による国際会議で、夕呼が恐るべき発言をした。
『今すぐに、カシュガルハイヴを攻略すべきです』
その発言に、会議に参加していた各国の主要人物は驚いた。