※この作品はR-18です。

マブラヴ・オルタネイティヴ・OW   作:京勇樹

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はい、我らが英雄の登場ですよー


横浜撤退戦

中国大陸、鉄原ハイヴから南下したBETAは日本海に突入

帝国海軍は、海底を進むBETAに対して爆雷による攻撃を敢行したが、大した数は減らせなかった

その後BETAは、帝国領の中国地方に上陸

再編され展開していた帝国陸軍と、海軍の艦艇の砲撃による迎撃を受けつつ、侵攻を開始した

 

『無理はするな! 今は、少しでも数を減らすことに集中しろ!』

 

『了解!』

 

今の帝国軍は、以前の迎撃戦により大分数が減ってしまっている

だから、今は一人でも多くが生き残ることが求められていた

何より、配備され始めた改修機体

撃震・改と不知火一型甲

それのデータも持ち帰らなくてはいけない

 

『撃ちまくれ! 弾幕を絶やすな!』

 

『データリンクで、射線が被ってないか確認しろ! 無限の弾倉を持ってる訳じゃないんだぞ!!』

 

『了解!!』

 

撃震・改の火力は、以前の比ではなかった

両肩の120mm砲

更に、両手に増設された36mmガトリング

単純計算では、二倍に上がっている

その弾幕により、上陸してきたBETA群を次々と物言わぬ肉塊に変えていく

 

『はは! 凄いぜ、この火力! 前の撃震とは段違いだ!』

 

『だからって、調子に乗るなよ! その分、残弾管理には気を配れ!!』

 

『おうよ!!』

 

と弾幕を形成していると

 

『CPより前線各員に告げる! 北九州に新たなBETA郡が上陸! 北上を開始した!』

 

と通信が入った

その報せに、帝国各軍は揺れた

今、九州全域には帝国軍は展開していない

その余力が無いからである

BETAはその隙を突く形で、上陸してきたのだ

 

『既に、先頭BETA郡は中国地方に迫りつつあり! 前線各員は、至急後退せよ! 繰り返す、至急後退せよ!』

 

『了解! 全員、聞いたな!? 後退戦闘に移行する! 着いてこい!』

 

『了解!』

 

指揮官の指示に従い、前線で交戦していた各部隊は後退を開始

機甲部隊の援護をしながら、後退し続けた

その後、BETA郡は帝国の首都だった旧京都に到達した

 

『来たか……クレスト1より、第16近衛大隊各機に告げる! この塔ヶ島離城を死守する! よいな!?』

 

『了解!!』

 

青の試製98式、武御雷の衛士

斑鳩崇継の指示に、展開していた第16近衛大隊の衛士達は斉唱で応えた

塔ヶ島離城

そこは、帝国近衛にとっては重要度の高い要地

故に、そこには帝国近衛でも最精鋭と名高い第16近衛大隊を配置

BETA郡の迎撃を開始した

この迎撃だが、多大な損害を出したものの、離城の死守に成功した

だが、一部BETA郡が途中で突如として進路を変更

横浜方面と、新潟方面に侵攻を開始した

 

『本当にBETAの動きは、予想が出来ないな』

 

『まあ、化け物だからだろ』

 

『おかげで、俺達が撤退戦か』

 

そう言ったのは、横浜に展開していたスピリッツだった

横浜の秘匿ドック

そこに、スピリッツの母艦が停泊していた

しかし、BETA侵攻してくる規模には、完全防衛は不可能と判断

帝国陸軍と海軍の撤退時間を稼ぐため

何よりも民間人の避難時間を稼ぐために、スピリッツも展開した

 

『レーダーが、接近するBETA郡を捕捉! 艦隊、砲撃開始!!』

 

横浜に展開した帝国海軍と、陸軍の砲撃陣地から砲撃が開始された

次々と放たれる大口径砲弾が、地上を侵攻してくるBETAを吹き飛ばしていく

だが、その砲撃の隙間を縫うように、残存BETA郡が姿を見せた

 

『来たぞ! マザー!』

 

『マザー1、2、砲撃開始!!』

 

そのBETA郡に対し、スピリッツの二隻の母艦も砲撃を開始した

その砲撃を見た帝国各軍は、感嘆の声を漏らした

 

『話には聞いていたが……本当に、光の弾を撃っている!』

 

『彼等に呼吸を合わせろ!! 砲身が焼けるまで、撃ち続けろ!!』

 

それに触発される形で、更に砲撃の密度が増す

そして

 

『敵最前衛、距離一万まで来ます!!』

 

と報告が来た

それに呼応して、帝国陸軍戦術機部隊とスピリッツは構えた

 

『先に、攻撃させてもらうぞ。帝国の将よ』

 

『了解した……こんなことを言うのは恥知らずかもしれぬが……生きて帰ってきてくれ……諸君らのような勇猛にして帝国の危機に参じた諸君らと、酒を酌み交わしたいからな』

 

『承知した……必ず、生きて帰ろう』

 

マークはそう言って、スピリッツに

 

『これより、我々はあの化け物共に突撃する! 恐らく、部隊間連携は厳しいだろうが、近くの仲間と連携を計れ! 行くぞ!!』

 

と号令を下した

そして、一番槍にと突撃を開始したのはマーク率いるフェニックス隊

マークは右手にビームサーベル、左手にビームライフルを持って斬り込んだ

右手のビームサーベルで一体の突撃級を切り捨て、左手のビームライフルで腕を振りかぶっていた要撃級を撃ち抜いた

その支援に、ラナロウのクロスボーンガンダムが、ムラマサブラスターを振り回し、要撃級を両断

胸部のバルカン砲を撃ち、戦車級を瞬く間にミンチに変える

それを皮切りに、BETAとの交戦は開始された

そんな横浜を、一組の少年と少女が走っていた

片方は、短く切った茶髪の少年

そしてもう一人は、赤毛が特徴の少女だった

二人の前では、一組の夫婦が走っていた

恐らくは、どちらかの両親だろう

 

「純夏、武君! 頑張って!」

 

「もうすぐで、軍に保護して貰える筈だ!」

 

と男女

鑑純奈(かがみすみな)と鑑夏樹(かがみなつき)が言うと、少年

白銀武(しろがねたける)が

 

「俺達はなんとか頑張りますから、純奈義母さんと夏樹義父さんは先に行ってください!」

 

と声を張り上げた

だが、夏樹が

 

「子供達を置いていけるか!!」

 

と言った

その直後、近くで砲弾が着弾した

 

「くそっ!? ここまで来たのか!?」

 

武は倒れそうになった赤毛の少女

純夏(すみか)を抱えて、走った

その体は華奢だが、どうやら見た目より鍛えられているようだ

 

「武ちゃん!?」

 

「そのまま捕まってろ!!」

 

純夏が呼ぶと、武は一気に駆け出した

その走りは堂に入っており、明らかに一般人ではなかった

あっという間に前を走っていた純奈と夏樹に追い付き、並走していた

軍港まで、半分を切っていた

だが、純夏が

 

「き、来た!?」

 

と後ろを指差した

武が後ろを見ると、戦車級が迫ってきていた

 

「ちっくしょおぉぉぉぉ!!」

 

武は叫びながら、速力を上げようとした

だが、前のビルが倒壊

突撃級が、姿を現した

 

「しまった!?」

 

「道が!?」

 

それを見た純奈と夏樹は、足を止めた

そして武は

 

「こんな……こんな所で諦めたくないんだよ……! 俺には、やるべきことがあるんだよ……!」

 

と迫ってくるBETAを睨んだ

そして、純夏を抱き締めながら

 

「諦めて、たまるかぁぁぁぁぁ!!」

 

と声を張り上げた

その直後

 

『よく吠えた、少年!!』

 

と声が聞こえて、突撃級が両断された

 

「なっ!?」

 

と武が驚いていると、二本の対艦刀を装備した機体

オーガカラミティが現れて

 

『安全、確保!』

 

と戦車級を、踏み潰した

それを見た純夏が

 

「た、武ちゃん……これも、戦術機なの?」

 

と武に問い掛けた

すると武は

 

「いや……こんな機体、俺は知らない!」

 

と驚いていた

そこに、二機の機体

MS、トルネードガンダムが着地し

 

『手に乗ってください!』

 

『我々が運びます!』

 

と言ってきた

迷う暇は無いと、四人は二機の手に二人ずつ乗った

それを確認した二機は

 

『しっかり捕まっててください!』

 

『母艦に運びますわ!!』

 

と言って、高度を上げた

それを見た武は、思わず

 

「光線級が来るぞ!!」

 

と怒鳴った

その直後、二機に迫った閃光は、間に入った別のMS

フェニックスゼロ・改ともう一機のトルネードの盾に防がれた

 

『そのまま行け!』

 

『今、トライアド中隊が光線突貫をやってる!!』

 

とそのパイロット達が言った数秒後、確かに光線が止まった

その間に、四人を運んでいた二機は母艦に着艦

四人を下ろした

 

「民間人ですね? こちらに」

 

その四人に一人の少女

薫子が駆け寄り、声を掛けた

その誘導に従い、四人は奥に進んだ

こうして、この世界にて誇り高い英雄と一人の英雄が邂逅する

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