※この作品はR-18です。

マブラヴ・オルタネイティヴ・OW   作:京勇樹

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面談 4

「要件というのは……帝国主導の計画……オルタネイティヴⅣに関してです」

 

武がそう言った直後、悠陽を含めた殆どの面子が動揺していた。

スピリッツは、ハッキングしているので知っているが、民間人の筈の武が知っていることが不思議だったのだ。

 

「……信じられませんかもしれませんが……この白銀武は……繰り返しているんです……」

 

「繰り返している?」

 

マークの言葉の意味が分からず、真那が思わず問い返した。

すると、武が

 

「つまり俺は……何回もやり直しているんです……この世界を」

 

と告げた。

その言葉の意味に気付いたのは、今まで沈黙していた陽光だった。

 

「つまり、た……貴様は……何度も何度もオルタネイティヴ計画に関わってきた……失敗か死んだかを切っ掛けに、時間を巻き戻って……ということか?」

 

陽光がそう言った直後、悠陽だけでなく、近衛側のほぼ全員が息を飲んで、武を見た。

まるで、たちの悪い冗談は辞めてくれ、とでも言いたいように。

しかし、武は真面目な表情で

 

「その通りです……主観ですが、最低でも数年は兵士……それも、衛士でした……なんなら、搭乗した機体の詳細な性能を言いましょうか?」

 

と問い掛けた。

勿論だが、戦術機の詳細な性能は機密となっていて、民間人が知る訳が無い。そして何より、納得してしまった。

武から漂う雰囲気。それは、鉄火場を……それも、地獄と呼ばれる戦場を経験した者特有のものだった。

 

「その中で俺は……アメリカ主導の計画……オルタネイティヴⅤの末路を見ました……」

 

「アメリカの計画の末路……だと?」

 

「……何を、見た……」

 

武の言葉に、興平と斑鳩の二人はそう問い掛けた。

すると武は

 

「……大陸各地にあるハイヴに対して行われた、G弾による一斉攻撃……それによって起こる、重力偏重……そして……海の底に沈んだユーラシア大陸と日本帝国」

 

と告げた。

その直後

 

「がっ!?」

 

「ぐうっ!?」

 

と帝国近衛のほぼ全員が、頭を抱えて倒れた。

 

「な!?」

 

それを見た武は、何が起きたか分からずに慌てた。

すると、唯一無事だった陽光が一息に武に詰め寄り

 

「貴様! 中佐達になにをした!?」

 

と袖の中に仕舞っていた小太刀を抜き、武の首筋に当てた。

その身のこなしの早さに、マークとゼノンの二人ですら、僅かに反応が遅れてしまったほどだ。

しかし武は、慌てた様子で

 

「お、俺にも何がなんだか!?」

 

と唸っている斑鳩達を見た。

それを信じず、陽光は

 

「戯けたことを抜かすな! 貴様、アメリカの手の者か!?」

 

と睨みながら、小太刀を引いた。

その時だった。

 

「そこまでだ、京守! 剣を引け!! 自らの子を(・・・・・)、手に掛けたいのか(・・・・・・・)!?」

 

と声が響き渡った。

それを聞き、陽光と武は固まった。

 

「……母……さん?」

 

武は呆然と呼ぶが、陽光は斑鳩を見て

 

「……ご存知、だったのですか?」

 

と問い掛けた。

すると、頭を振った斑鳩が

 

「……似ているだろう。その少年の顔立ちと目の光がな」

 

と指摘した。

 

「……確かに、彼は私と影行さんの一人息子です……」

 

「……本当に、母さん?」

 

武は、初めて母親に出会った。

なにせ、武が物心着いた頃から親は影行のみで、普段は鑑家に住んでいた程だ。

影行は鬼気迫る気迫で、仕事にのめり込んだ。

そうすることで、自分が作った機体が家族を救うと信じて。

妻と子供を救うと信じて、一心不乱に機体を、新型機の開発に心血を注ぎ込んでいたのだ。

 

「……しかし、あれがアメリカの計画の末だというのか……! 人間同士での戦争が!」

 

そう吐き捨てるように言ったのは、興平だった。

どうやら興平は、バビロン災害後の世界を見たようだ。

すると、マークが

 

「これは、我が隊の一人の博士が言っていましたが……因果……あらゆる平行世界の中で生きていて、死ぬ時の叫び声……魂の叫び声だそうだ……」

 

と告げた。

すると、真耶に支えられて起きた悠陽が

 

「あのような未来……断じて許す訳にはいきません……」

 

と呟いた。

そして、強い意志が籠った目で武を見て

 

「白銀武……」

 

と武の名前を呼んだ。

呼ばれた武は、姿勢を正し

 

「はっ」

 

と悠陽に相対した。

 

「そなたのお陰で、決心が付きました……私は、次期政威大将軍となり、この帝国を導きましょう……斑鳩殿……そなたの案に乗りましょう」

 

悠陽がそう言うと、斑鳩は

 

「あい、分かった……こちらも、旧き習慣と慣習を重んじるだけの老人方にはご退場願うために動こう」

 

と告げた。

斑鳩は常々、今のままでは近衛はいけないと思っていた。しかし、中々動けなかった。

それはやはり、決心が付いていなかったからかもしれない。

だが、決心が付いた。

今のままでは、老人方により帝国は身動きがとれなくなり、不和からなる破滅に繋がってしまう。

そして何より、時間が無い(・・・・・)。

 

「第一の難関は……横浜の作戦……明星作戦……そこで起きることを利用して、博打を打ちます……」

 

第一難関、1999年8月の作戦、明星作戦。

そこで、武の大博打が始まる。

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