※この作品はR-18です。

マブラヴ・オルタネイティヴ・OW   作:京勇樹

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ある方から、メッセージで武ちゃんはどうしてるのか、と聞かれたので


幕間 武の1日

武の朝は早い。朝5時に目覚めて、20kmのランニングと筋トレを始める。これを7時までに終わらせたら、朝食を食べる。

以前まではスピリッツの各食は、手空きの隊員が順番に受け持っていたが、最近は純奈がキッチンを切り盛りするようになり、美味しくバランスの良い食事が提供されるようになった。

そしてその手伝いを純夏がしており、スピリッツと技術研修に来ている技術者達の憩いの場と化している。

最後に夏彦は、元々が技術者だったので、整備士としてスピリッツに所属することになり、今はケイや虚の下で修行中である。

朝食が終わると、お昼までシミュレーター訓練をするのだが

 

『だから、そんな動きをしていたら、機体に高い負荷が掛かると言ったろうが!』

 

「つあっ!?」

 

最早何回目か分からない被撃墜を経験していた。

スピリッツに所属して、早数ヶ月。最初はトルネードガンダムのデータを使って訓練していたが、武の天賦の才とも言える反射速度と独特な機動に機体が追い付かなかった。

ゆえに、直ぐにテスタメントのデータで訓練を開始した。しかしそこで判明したのが、機体に掛かる高い負荷とそれに伴う部品損耗率の高さだった。

いくらスピリッツが万全の整備態勢を敷こうが、部品が足りなければ整備出来ない。それに繋がる部品損耗率を改善するために、マークとゼノンの指示で機動の修正を始めた。

 

「これなら、どうだ!?」

 

『読めてるんだよっ!』

 

地面を蹴って宙返りした武機の真後ろを、今回の相手。ラナロウ機が付いていた。

 

「なっ!?」

 

『そこで、動きを止めるな!』

 

ラナロウがそう言った直後、武の視界いっぱいに真っ赤な光と画面に

 

《機体、致命的損傷。大破》

 

という文字が点滅した。

 

「……勝てる気がしねぇ……」

 

そう呟いている間に、シートが外に出た。

そして立ち上がると、既に外に居たラナロウが

 

「さて、何回目かは忘れたが……反省会だ」

 

と告げた。そして近くに居たセツコに顔を向けると、セツコは端末を操作。その直後、壁面のモニターにある情報。機体の情報が表示された。

 

「さて……これを見て、どう思う?」

 

「……真っ赤です」

 

ラナロウの問い掛けに、武は短く答えた。その答えに、ラナロウは頷き

 

「そうだな、真っ赤だな……特に、下半身なんざ総取っ替えレベルだ……」

 

と言いながら、再びセツコを見た。その意図を察したセツコは、再び端末を操作。モニターを二分する形で、もう一機分の機体情報が表示させた。

 

「さて、どう見る」

 

「……行ってて、黄色ですね」

 

「おう、そうだな」

 

その機体情報は、ラナロウ機の情報だった。今回のシミュレーター訓練では、機体の各部品強度を敢えて低く設定していたのだ。勿論条件は、ラナロウも同じ。

しかし、違いは一目瞭然、武は機体が分解寸前なのに対して、ラナロウはまだまだ余裕があった。

 

「いいか、確かにお前の動きは奇抜だ。だがな、無駄な動きが多すぎる。無駄な動きをギリギリまで無くせ。でないと、相手に動きを予測されちまう。俺みたいに、後ろを取るなんて容易いぞ」

 

「了解」

 

事実、シミュレーター訓練中には、何度も後ろや上を取られて撃墜されてしまった。最優先課題に挙げられるだろう。

 

「部品の損耗率の低下と操縦技能の向上。それが、お前の最優先だ。いいな?」

 

「了解!」

 

ラナロウの指摘に、武はあることを思い出した。それは、前の世界でのことだ。佐渡島から流れたBETA群により横浜基地が襲撃された。数多の犠牲を出しながらも、基地は守られた。

その直後にオリジナルハイヴ攻略作戦が発動されたのだが、武の機体は一回の戦闘で部品の損耗率が限界になってしまった。

それは、一緒に出撃し生き残った同期全員がそうだったが、同じ戦闘をこなした帝国近衛軍、第19独立警備小隊は連続戦闘が可能だった。

つまり、機体に掛かる負荷を限界まで抑えていた証拠である。しかも、戦果も高かった。つまりは、操縦技能の向上によるものだと分かる。

 

「まず、無駄な動きを無くすことから始めるぞ。いいな?」

 

「了解!」

 

ラナロウの言葉に、武は敬礼で答えた。

そして、数時間後

 

「た、ただいま……」

 

「おかえり、武ちゃ」

 

疲労困憊といった様子で部屋に戻った武は、同居人の純夏が言葉を最後まで言い切る前に、ベッドに倒れ込んで、グーグーと寝息を立て始めた。

それを見た純夏は、呆れた様子で

 

「武ちゃん、ちゃんと寝ないと、風邪引くよ」

 

と優しく言いながら、武の体をベッドに持ち上げて、タオルケットを掛けた。

それでも起きない武に、純夏は

 

「お疲れ様、武ちゃん」

 

と頭を撫でたのだった。

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