※この作品はR-18です。

マブラヴ・オルタネイティヴ・OW   作:京勇樹

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レールガン

対BETA実戦試験が始まり、数十分後。

 

『ステラ、3時の方向から戦車級の群れだ!』

 

『任せて。タリサ、1時の方向の要撃級をお願い』

 

『そいつは、俺に任せな! くらえ、タコスケ共が!!』

 

タリサ、ステラ、VGの三人は、見事な連繋で砲撃を突破してきたBETA群と交戦していた。

それをユウヤは、少し後方から見ていたのだが、BETAの生命力の強さに驚愕していた。今しがたタリサが36mmを当てた戦車級は、胴体が半分吹き飛んでいるというのに、まだ動いている。しかしタリサは慌てず、要撃級の腕の一撃を後退回避し、着地する際に踏み潰している。

シミュレーターやJIVESでは、攻撃が命中したBETAはすぐに消えていたから、分からなかったことだ。

 

『BETA……なんつぅ生命力だ……』

 

『ですから最前線では、BETAを殺すならば確実に吹き飛ばせ。もしくは両断しろ。と指導されますよ』

 

『なるほどな……』

 

ユウヤ機の後方で待機していた尚人からの言葉に、ユウヤは頷いた。尚人も実戦経験があり、ユウヤが聞いた話では、佐渡島の間引き戦に参加したことがあるらしい。

 

『しかし、問題はあちらですか……』

 

『そうかもな……』

 

二人が見たのは、未だに上陸が続く砂浜だった。今も砲撃が続いているが、右肩上がりに上陸する数が増えており、途中まで近くに居たジャール大隊の部隊も前に出た。

 

『……ブリッジス少尉、99式を用意してください』

 

『なに?』

 

『右翼を見てください』

 

『……まずい!?』

 

ユウヤと尚人が見たのは、右翼の戦車隊に食らいつきつつあるBETA群だった。戦術機部隊も奮戦しているが、突破されるのも時間の問題だろう。

 

『ホワイトファング2より、HQ!』

 

ユウヤが電磁投射砲の準備を始めたのを確認した尚人は、HQに通信を始めた。

 

『右翼の戦車隊並びに、戦術機部隊に最低でも800下がるように言ってください』

 

『まて、ホワイトファング2。そう簡単には』

 

『このままでは、右翼は突破され、戦線は崩壊。最悪は、基地が危機に陥ります。こちらには、逆転に繋がりうる切り札があります』

 

尚人は通信将校に被せるように、最悪の展開を口にする。その間にも、徐々に撃破されていく戦車隊。

 

『もし戦力が足りないというのならば、自分が前に出ます』

 

『なに!?』

 

『帝国近衛の実力、ご覧あれ』

 

尚人はそう言った直後、隼鷹を突撃させた。そうして、一機の戦術機に飛び付いた戦車級を、高周波短刀で両断。次に、腕を振り上げていた要撃級に120mm榴弾を撃ち込み撃破。そこから流れるように、36mmを横凪ぎに撃ち、殺到してきていた戦車級の群れをミンチにしていく。

 

『あれが……アイツの実力……なのか……』

 

一機で凄まじい戦果を上げつつある尚人に、ユウヤは驚いていた。勿論だが、電磁投射の準備は忘れない。

 

『電圧上昇……規定値まで、後30……初弾装填……HQ、早く後退させてくれ!』

 

『今、ジャール大隊に伝えた。少し待て』

 

ユウヤが催促すると、通信将校からそう返答された。それを聞いたユウヤは、最前線を見た。ジャール大隊と共闘する尚人。

軽量級故に、機動性が高い隼鷹だが、その動きは文字通り舞っているかのようだった。

 

『すげぇ……的確に、BETAの動きを読んで攻撃してるのか……』

 

尚人の攻撃で、要撃級や突撃級の半死個体は量産されて、文字通り肉の壁が形成されてBETAの進路を誘導している。BETAの習性を巧く利用した戦法だった。

その甲斐あり、BETA群と戦車隊・戦術機部隊の距離が開いていく。そうして、距離が850まで開いた時

 

『射撃なら任せろ……アメリカ軍(俺達)のお家芸だ!!』

 

ユウヤは、電磁投射砲を撃った。スウェイキャンセラー越しで今まで体感したことの無い揺れ、そして見たことの無い閃光が砲口から伸びた。そしてBETA群に突き刺さった直後、赤い煙が上がった。砲撃が直撃したBETA群は、残骸になるのではなく、消滅していた。

 

『な、なんだありゃぁぁぁぁぁぁぁ!?』

 

『BETA共が、吹き飛ぶどころか消滅してやがる!?』

 

オープンチャンネルに設定した通信から、味方の驚愕の声が聞こえてくる。しかしユウヤは、そのまま砲口を右から左に振り、更に多くのBETA群を消滅させていく。その光景を見ながらユウヤは

 

(なるほど……量産と運用を考えるわけだ……これ一挺あるだけで、戦局が変えられる! 日本の技師達は、正に称賛に値するぜ!!)

 

と内心で、開発した技術者達を称賛していた。そのままユウヤは、背中に背負った小型弾倉の弾が切れるまで砲撃を続行。砲撃が終わると見えたのは、空中を漂う赤い煙とその数を大きく減らしたBETA群だった。

 

『HQより前線各部隊に通達! 即時反転し、残存BETA群を撃滅せよ!!』

 

『おおおおぉぉぉぉ!!』

 

『今だ、ヤれぇぇぇ!!』

 

通信将校が言ったと同時に、後退していた戦車隊や戦術機部隊が即座に反転し、攻勢に打って出た。この数十分後、上陸したBETA群は全滅し、更なる上陸も確認されなかったために、終戦。

確かに犠牲は出たものの、上陸したBETA群総数を考えれば、犠牲は驚く程少なかった。

その理由が何なのかと聞かれたら、出撃した全軍人がこう言うだろう。

 

あの、一筋の閃光が、戦局を変えた。と

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