※この作品はR-18です。

マブラヴ・オルタネイティヴ・OW   作:京勇樹

74 / 147
ちょっと予定変更


介入

99式のハンガーに入った唯依は、整備員達の姿が無いのを確認すると

 

「既に、全員避難したか……」

 

と呟いて、99式のコンソールに駆け寄って操作した。

 

「一体、どうして……」

 

なぜ、一切操作を受け付けないのか。せめて、その原因を確かめないと、どうしようもない。そしてモニターに、あるコードが表示された。

そのコードとは、コード0001

 

「コード0001……外部からの不正アクセスか!?」

 

コード0001は、外部からの不正アクセスに対する防衛機構の作動を意味する。そうなると、唯依に与えられた権限コードでは、どうしようもなく、一度帝国に送る必要があった。

 

「まさか、ソ連軍が99式のデータを奪いとろうとしたのか……! いや、下手な勘繰りは後回しだ。今から、トレーラーでの運び出しが間に合うか……!?」

 

唯依は急いで99式が載せられてる大型トレーラーの、運転席に向かおうとした。そこに

 

「篁中尉ですね?」

 

と声が掛けられた。振り向くと、数人のソ連軍兵士が居た。

 

「何用か?」

 

「避難誘導に来ました。篁中尉で最後です、お急ぎください」

 

唯依が問い掛けると、兵士の一人が外を示しながらそう告げてきた。気付けば、少し離れた位置の広い場所に一機のヘリが駐機されている。

 

「すまんが、これを搬出しないといけない」

 

「しかし、もうBETA群は約2km先にまで迫ってきています!」

 

「ちいっ」

 

兵士の告げた距離に、唯依は歯噛みした。最早、搬出は間に合わないと考えたほうがいいだろう。そう考えた唯依は、もう一度コンソールに触れてある程度操作すると

 

「では、急いで離れるぞ。自爆装置を作動させた……」

 

「自爆装置ですか!?」

 

「ああ……最大半径、2kmは吹き飛ぶぞ」

 

「2km!?」

 

唯依の告げた距離を聞いて、兵士は耳元に手を当てて何か話し始めた。どうやら、ヘリのパイロットに即時発進出きるように伝えているようだ。

 

(なるほど……そちらは、通信出来るのか……)

 

いよいよ以て、唯依はどうすべきか考え始めた。そうして、ヘリに乗り

 

「よし、出せ!!」

 

と兵士がヘリパイロットに、発進するように促し、ヘリが高度を上げ始めた。その直後

 

「すまんが、忘れ物があった」

 

と言って、唯依はヘリから飛び降りた。

 

「篁中尉!?」

 

兵士が慌てた様子で手を伸ばすが、唯依は既に飛び降りた後。着地し、飛び差っていくヘリを見送った。

 

「急がねば……!」

 

そして唯依は、急いで99式のハンガーに向かい、まずはドアを閉じて固定した。BETA相手には大した意味は無いが、やらないよりはマシである。

 

「せめて、ソ連軍に持っていかれるのは未然に防がねば……!」

 

唯依はそう決断し、どうすべきか方法を模索した。

 

「……BETAの習性を利用するしかない……」

 

BETAの習性。つまりは、高い演算能力を有するPCと人が一緒に居ること。そうすると、BETA群はそれを優先的に攻撃することがわかっている。

それを為すには、ブラックボックス化されたPCの近くに居なければならない。

 

「……整備用のハッチから、中に入る」

 

そう判断した唯依は、急いでラッタルに駆け寄ろうとした。その直後、激しい砲撃音が聞こえた。

 

「なに!? 場所は……地下!?」

 

と唯依が、地面を見た直後。コンクリートを突き破って人型が三機現れた。

 

「な……あれは!?」

 

唯依は、その三機を知っていた。だが、驚いたのはそれだけが理由では無かった。何せ、唯依が知っているのよりも遥かに小さかったからだ。

 

「スピリッツ……トライアド隊!?」

 

地下から現れた三機、フレスベルグ、XXXX、バーストの三機は着地すると

 

『お、居た居た』

 

『パッケージ確認』

 

『さて、こっからだな』

 

と唯依に近づいた。

 

「なぜ、ここに……」

 

『あー、その前にな』

 

フレスベルグは頭部を孔に向けると、頭部バルカン砲を発射。孔を崩落させた。

 

『気づいてなかったのか? 地下から小型種が大分基地内に侵入してきてるぞ』

 

「なっ!? もう小型種が!?」

 

孔に近寄ると、確かに幾らかの千切れた腕が見える。恐らくは、兵士級だろう。BETAの中では最弱の部類で軽機関銃でも十分に撃破可能だが、機械化歩兵でないと相対するのは絶望的で、その腕は容易く人間を引き裂く程で、顎の力は骨すら噛み砕く。

 

「くっ……せめて、99式の処分を……」

 

『すまないが、俺達は君を死なせるな、と依頼を受けている。まあ、君だけではないがね。篁少尉……ああ、いや、中尉だったな』

 

フレスベルグはそう言って、頭部の装甲を解除。直哉としての顔を出した。

 

「久しぶりだな、篁中尉。二年振りになるかな?」

 

「確かに、その位になるか……しかし、貴官達と再会の喜びを感じる隙は……」

 

「わかっている。こちらも、動く」

 

直哉はそう答えると、目を閉じて

 

「全機起動、プライオリティを各パイロットに移譲。集結、戦闘態勢」

 

と告げた。それから数秒後、大きな甲高い音が鳴り響き、地響きが鳴った。

 

「なっ……あれは!?」

 

唯依が窓から見えたのは、唯依が知っている20mサイズのガンダムだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。