※この作品はR-18です。

マブラヴ・オルタネイティヴ・OW   作:京勇樹

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予想外

『それで、ブリッジス。報告しろ』

 

「あ、ああ ……」

 

唯依に促される形で、ユウヤは唯依に道中のことを報告した。それを聞き、唯依は

 

『ということは、後方からのBETAは減るな……後は、私達も削るが……』

 

「中尉、あれは何が起きてるんだ!?」

 

ユウヤが聞いたのは、尋常ではない気配でBETAを殺し続けているチェルミナートルだ。ユウヤには、同じ人間が操縦しているとは思えなかった。

 

『詳細なことは、私にもわからない……だが、ああなる前にビャーチェノワ少尉が警告してきたんだ。私達に離れろとな……機密で話せないが、秘匿機能を解放すると……その際に、私達を巻き込む可能性があるから離れてくれ、と……』

 

「どんな機能だよっ!?」

 

唯依からの説明を聞き、ユウヤは思わず吐くように言ってしまった。見ている限り、BETA群の攻撃を紙一重で回避し、無駄なくBETAを殺していた。そんなの、人間技とは思えなかった。

 

「それに……BETA群が全て、チェルミナートルに集中しているのはどうしてだ!?」

 

『そんなこと、私が知りたい位だ! 秘匿機能を解放する前までは、確かにBETA群は私達を無視してハイヴに向かっていた!』

 

ユウヤの言葉を聞いて、唯依も困惑した声音で返答してきた。やはり、今の状況は唯依にも理解不能な状況なようだ。

 

「それで、タリサはどうしてああなった!?」

 

『マナンダル少尉は、援護すべきだと言って、私が静止する前に突撃し、チェルミナートルに攻撃されたんだ。その後は、岩壁に叩き付けられ、動けなくなってしまった……少し前に聞こえたが、どうやら怪我はしてないようだが、脱出は出来ないらしい』

 

一先ず、タリサは無事だと分かったユウヤは、安堵した。しかし、問題はここからだった。タリサ機の回収もだが、クリスカ達を止められるのか、わからなかった。

 

「まずは、BETAを減らす!」

 

『ああ……これ以上、見ているだけという訳にはいかん! バオフェン各機の指揮は、バオフェン1に任せる! 無理の無い範囲でBETAを攻撃するんだ!』

 

『了解! 行くぞ、続け!』

 

『了解!』

 

唯依の指示を受けて、暴風小隊はBETA群に突撃。そして、唯依機の隣に尚人機が着地し

 

『中尉、何時でも行けます……御下命を』

 

と指示を仰いだ。それを聞き、唯依は長刀を掲げ

 

『行くぞ、ホワイトファング2……我々の武勇を、この地に刻みつけるぞ!!』

 

『了解!!』

 

「俺も行くぜ!!」

 

唯依を先頭に、尚人機とユウヤ機が続く。突撃した三機は、訓練の賜物なのか見事な連携で次々とBETA群を残骸に変えていく。しかし、不安要素があった。接近したタリサが攻撃されたということは、BETAが居なくなったら、チェルミナートルはこちらに攻撃してくるのではなかろうか。

ユウヤは、そう思った。そして、その懸念は当たってしまった。

ユウヤ達が周囲のBETAを殲滅し、後方からの流入も止まった時、ロックオン警報が鳴り響いた。そして、そのロックオンレーダーを照射してきたのは勿論、チェルミナートルに他ならない。

 

「やっぱり、そうなるよな……」

 

チェルミナートルからロックオンレーダーが照射されてると気付いたユウヤは、右手に突撃砲を保持し、左手に長刀を保持して構えた。どうやら、正面から迎え撃つつもりのようだ。確かに、今居るメンバーの中では、一番対人戦に慣れてるのはユウヤ以外に居ない。

しかし

 

『ブリッジス……お前だけに任せる訳がないだろう』

 

『微力ですが、こちらも出来るだけ援護します』

 

そこに、唯依と尚人も参戦の意を示した。元より、仲間を見捨てるという選択肢など有るわけが無いのだ。とはいえ、双方共に弾薬は最早マトモに残っていないのは確実だ。チェルミナートルは、BETA群との戦闘中に突撃砲を投棄しており、残っているのはモーターブレードのみ。ユウヤ達も、残弾は突撃砲に装填している弾倉が最後だ。

 

『互いの位置は、常に確認しろ……相手は、一筋縄には往かないぞ……!』

 

『了解!』

 

「もとよりその積もりだ!」

 

その言葉を合図に、三機は一斉に突撃開始した。そこからの三機の連撃は見事としか言い様がなく、普通の衛士やRLFクラスだったら、中隊規模は確実に撃滅していただろう。

だがチェルミナートルは、それらの攻撃を必要最低限の動きのみで全て回避しきった。まるで、先を予測している(・・・・・・・・)かのように。

 

「なんだ、今の動きは!?」

 

『こちらの攻撃が、全て避けられただと!?』

 

『来ます!!』

 

尚人の忠告の直後、チェルミナートルが動いた。何時の間にかユウヤ機の前に滑り込み、両手のモーターブレードを繰り出した。

 

「くあっ!?」

 

それをユウヤは、長刀で間一髪で防いだ。火花が激しく散り、チェルミナートルとユウヤ機を照らす。

 

『ブリッジス!』

 

『ブリッジス少尉!』

 

そこを、尚人と唯依が長刀を突き出すが、チェルミナートルは超高速で反応し後退し、離脱していた。明らかに、人間の反応速度を超えている。

 

『……生かしたまま、というのは難しそうだな……』

 

『同意します、中尉』

 

「待ってくれ! それは……!」

 

ユウヤは唯依達を止めようとした。だが

 

『手加減する余裕などない! 逆に、此方が撃破されかねない!!』

 

と強い語気で諭された。しかし

 

「だからって、味方を見捨てる気にはならない! クリスカ達は、俺が助ける!!」

 

ユウヤはそう言って、機体を進ませた。

 

『ブリッジス!』

 

『支援します!!』

 

尚人が機体を進ませてから僅かに遅れて、唯依も機体を進ませた。

 

「クリスカァァァァァ!!」

 

機械に囚われた少女達の解放の戦いが始まる。

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