「初めまして、この度こちらに配属になりましたリナリー・リーです。皆様、これからよろしくお願いします」
折り目正しく少女がお辞儀すると、そう大きくない談話室には拍手がこぼれる。
ソファに腰掛け、彼女を歓迎するのは男ばかりであった。
一時的ではあるがアクマからの襲撃に備えて、アフリカ支部に飛ばされたリナリー。
そこは同じ黒の教団の施設でありながらも、全く違う空間であった。
まず自分と同じくらいの年代の者がおらず、皆30代から50代の男性という事である。
今までであれば自分と同じ10代の者がいて、気安く喋る事ができたのだが…今回のこの支部ではそうはいかなさそうだ。
そして見る感じ、女性は他にいなさそうである。
組織として女性の少ない黒の教団なので仕方のない事であるが、それもやはり寂しい事である。
最後に、この支部でエクソシストはリナリー一人である。
これもエクソシストの数自体が少ない黒の教団では珍しい事ではない。
大規模なアクマの襲撃が予想されてる訳でもないのでリナリー一人で十分だろうという考えだが、上のそれらの条件がリナリーに今までとは違った雰囲気を感じさせた。
「…はい、リナリーちゃんありがとう。皆もこれからリナリーちゃんの事、よろしくね」
頭の禿げた、肥満体系の中年男性が立ち上がってリナリーに声をかける。
このアフリカ支部の支部長だそうだ。
年齢的にはリナリーの父親ほどにあたるだろうか。
恰幅の良い姿格好からは優しそうな印象を受ける。
「じゃあ皆、それぞれ持ち場に戻って」
リナリーの自己紹介が終わり、各々元いた場所に戻る。
人数は10~20人くらいだろうか。
もしかしたらここに来なかったメンバーいるかもしれない。
いずれにせよあまり規模の大きくない支部だという事だ。
自己紹介を終えたリナリーは緊張を解して、ほっと胸を撫で下ろす。
これからこの支部での日々が地獄のようなものになるとも知らずに…
「女が来るとは聞いてたけどよォ…」
談話室から解散した後、とある一室で男が喋っている。
「あんな若い娘が来るとは思わなかったぜ」
「しかも超可愛いしな!あのミニスカート…絶対誘ってるぜ」
「ヤリてえな…クソッ、勃ってきちまった」
男達は30代前半。
妻も交際相手もおらず、暇さえできれば風俗に行って性欲を発散しているような連中に、リナリーの存在は刺激的すぎた。
短いミニスカートに、眩しいばかりのふともも。
男達が普段抱いているような風俗嬢とはかけ離れた清純な顔立ちに、男性器は膨らむ一方であった。
「バックで突きてえな…あのくびれた腰を掴んでパンパンパンッって」
「俺は正常位でヤリてえよ、あの可愛い顔にキスしながら腰を振るんだ」
「いや、あのエロいふとももでスマタしてもらうだけで俺は十分だ」
脳内で勝手にリナリーと思い思いの事をする妄想で股間を膨らませる男達。
しかし、リナリーが彼らの事を受け入れないのは流石にその頭でも分かっていたようだ。
「これからどうする?とりあえずリナリーちゃんに挨拶しに行くか…それともそのまま犯っちまうか」
「グヘヘ!良いねえ…楽しみだねえ…」
「うえへへへへえ!」
『あの』リナリーとセックスする事を妄想して、歓喜の声をあげる男達。
顔が可愛らしい事は勿論、スタイルが良くて若くて、気立ての良いあの美少女と…
子供の頃から不細工だと言われ続け、歳にとるにつれて体つきも醜く太り、特に他人と比べて秀でた所などなかった自分達がセックスをするなんて。
普通に生きてればありえない事だ。
リナリーみたいな非の打ち所のないような美少女は、同じような美男子と結ばれて、自分達に似た美しい子供を産む。
それが自然の摂理というものだ。
実際、リナリーの周りにはアレンやラビ、神田といった美男子達が揃っている。
自分達のような醜く卑しい存在は近寄る事さえできない、そう思っていた。
そう思っていただけに、これからそんな美少女と身体的に一つになれるなんて、夢でしか見れない事だ。
「とりあえず会いに行くか」
無言でむくりと起ち上がる三人。
このまま猥談をしているだけでは何も変わらない。
ぞろぞろと狭い廊下を歩いて、リナリーの部屋へと向かう。
彼らの心と股間は期待と興奮で膨らんでいた。