もっと格闘技っぽい要素も出したかったんですけどね…
「はぁッ!」
ボコッ!バキッ!ビシィッ!
黒の教団、アフリカ支部。
廊下へリナリーの激しい声が響き渡る。
今日も一人、黙々とサンドバックへ向かっていた。
アフリカ支部へ赴任してから1週間。
アクマの襲撃は一度もない。
だからエクソシストである自分の仕事は当然無く、正直退屈していた。
それに…なんだか周りの教団員が自分を見る目が嫌なのだ。
じっとりとしていて、いやらしく、陰湿な視線。
食堂で食事をとっているともろにその視線を浴びるので食事すら摂りたくない気分にさせられる事もあった。
だからこうして、一人黙々とトレーニングを積む。
気持ち良く運動で汗を流すのは好きだった。
ここなら人目にもつかないし、声をかけてくる者も少ない…はずだった。
「リナリーちゃん元気い~?」
「はっ、はっ…あ、あなたは!」
息もせき切らすリナリーに声を掛けたのは、先日リナリーに組手勝負を申し込み、情けなくも股間を蹴られてKOされた男だった。
「あ、あの…」
予期せぬ登場に言葉をつまらせるリナリー。
あの後、一応リナリーはベッドに臥せる彼に謝りに行ったのだ。
医療班の診断でも後に響くような負傷ではないと伝えられ、少し安心したのだが。
一体、何をしに来たのか。
ペットボトルに入った水をくっくっ…と小さく喉を鳴らして飲むリナリー。
動きを止めて、彼を見張るように見つめる。
「ん?どうしたの?続けていいよトレーニング」
「あ、あの…この間は申し訳ありませんでした」
とりあえず再び謝るリナリー。
彼が何をしに来たのかさっぱり分からない。
「良いって良いって、この間も謝りに来てくれたじゃん」
男はあまり気にしていないように返事をする。
「それで…今日は私に何か?」
おずおずとした様子で問うリナリー。
くっくっくっ…と何やら嬉しそうに笑っている男。
「いや~、そんなによそよそしい態度とらないでくれよお」
不気味な表情に思わずゾッとしてしまう。
歩み寄ってくる男に対して、無意識に後ずさってしまっていた。
「な、何か用事ですか?」
「用事?うん、そうだね」
一呼吸置いて男が言葉を紡ぐ。
リナリーはまさかその言葉が再び彼の口から出てくるとは思わなかった。
「組手しようよ」
空っ風のように、沈黙が二人の間を通り過ぎた。
「…えっ?」
「いや、だから組手しようよ、また」
何度聞いても聞き間違いにしか思えない。
組手?
この間付き合ったが全く相手にならない上に下腹部を蹴られて悶絶したのではなかったか。
何故ここまで執拗に組手に拘る?
「でも、この間…やりましたよね?」
「この間はさー俺実は風邪ひいてて万全じゃなかったんだよね~、だから万全の状態でもう一回お願いしようかなって」
リナリーにとっても男にとっても、一見何の利益も無さそうな組手。
しかし、男も前回のように何も考えずに組手を申し込んでいる訳ではなかった。
「いや、でも…私ももう休みたいなって思ってた頃だったし…」
「いいじゃんちょっとくらい。リナリーちゃんだって相手いなくて暇してるんでしょ?」
『リナリーちゃん』と気易くちゃん付けされた事に不快感を覚えるリナリー。
前いた本部では絶対ありえなかった事だ。
それだけこのアフリカ支部の人間への不信感が募っているという事だろうか。
「でも…」
全く相手にならない素人をボコボコにしても何のトレーニングにもならないし、前回みたいに当たり所が悪かったら再起不能にだってなりかねない。
リナリーははっきりと『相手にならないので結構です』と言いきってしまいたかった。
だが、言えない。
本部で仲の良かった神田やラビにはそれくらい言えただろう。
しかし、目の前にいるのは自分の父親くらいの年齢の、1週間前に見知ったばかりの男。
17歳の少女が強く出られる訳がなく…組手をするという成り行きに巻き込まれてしまう。
「よーし、それじゃあ行くぞお~」
「…はい」
意気揚々とした様子で腕を回す男。
対するリナリーは呆れたような表情で返事をする。
(しょうがないのかな?…私と組手をやりたがる理由が分からないけど、怪我させない程度にやり過ごせば…)
ふうっと息を吐いて対峙する男を見すえる。
「おっ、良い表情するねえ~、楽しみだよ」
何が嬉しいのかさっぱり分からない。
男は無駄に高く跳んだり腕を振り回したり、嬉しさを全身で体現している。
「ふふふ、じゃあ俺から行っちゃおうかな」
まず前に出たのは男。
素人丸出しのタックルを鮮やかなサイドステップでかわすと、横から男のふとももへローキックを入れる。
ビシィッッ!
「いッ!!」
これでも加減はしている。
鞭のようにリナリーの脚がしなり、男のふとももを強かに叩きつけると何かが破裂したような音が響く。
タックルをかわされたのと脚を蹴られたので前のめりに倒れてしまう男。
しかしすぐに立ち上がる。
「まだまだ行くぞぉ~?」
ふざけた口調でリナリーを煽る。
男はリナリーの真似事をしたかったのか、一歩踏み込んでローキックを繰り出すも短い脚は空を切るだけ。
脚でも届かない距離にいるリナリーは到底捕まえられそうにない。
「はッ」
ほんの刹那だった。
距離を置いて軽やかなステップを踏むリナリーが消えたのかと思った瞬間、腹へ衝撃が走る。
「ぶぐおっ!」
情けない声をあげて、バランスを崩す男。
本来であれば顔面に蹴りを入れて一発KOできたが、流石にそこまではやらない。
バランスを崩して苦しそうにする男を追い詰める事もしない。
「や、やるなぁ…リナリーちゃん…」
腹を抑えて、苦しそうな声をあげる男。
しかし、その顔は何故か笑っていた。
笑っていられるだけの余裕があるという事か。
前回手合わせした時は今以上に手加減していたが、とても笑っていられる余裕などなさそうだった。
何か格闘技を習ったのか?
いやこの短期間で格闘技をやったところで何も変わらない。
一度手合わせした事で要領を覚えたのか。
ビシィッ!バシッ!
目まぐるしくサークリングしながらローキックで着実にダメージを与えていくリナリー。
強力な蹴りを受けて、脚は一部青く腫れている。
しかし、それでも男は倒れない。
リナリーも相手の青く腫れていく脚を見て、もうこれ以上痛め付ける必要は無いのではないかと思う。
それでも蹴るのを止められないのは、相手の目にぎらぎらとただならぬ執着心が宿っているからであった。
(何この人…?この間お手合わせした時とは全然違う…こっちの攻撃がまるで効いてないみたい)
「へへ…」
蹴っても蹴ってもへこたれずに向かってくるメンタルは異様としか思えなかった。
そのタフネスぶりに驚いた様子を隠せないリナリーを見て、ニヤニヤと粘ついた笑みを浮かべる男。
別に何か努力した訳ではない。
格闘技の練習など少しもやっていない。
しかし、彼が急に強くなった理由は…
一2日前
『これで良いんだよな?』
ベッドに臥せる彼に、医療班の男が渡したのは、数種類の薬品だった。
それを手にとって確認する男。
『…あぁ、間違いない。一応専門家に確認させてもらうが、これを飲めば強くなれるんだな?』
医療班の男は代わりに受け取った紙幣を確認しながら、適当に答える。
『うん。薬品は3つある。1つは小瓶に入った錠剤だな。そいつはメチルヘキサンアミン』
メチルヘキサンアミン。
服用すると交感神経を刺激し、興奮作用をもたらす薬だ。
興奮する事によって運動能力は飛躍的に上昇するし、痛みも感じづらくなる。
『次に長い箱に入った、注射器に入った薬がオキシメトロン。アナボリックステロイドの一種だ』
オキシメトロン。
服用すると男性ホルモンが増加し、体が疲れづらくなる上に筋肉を増強させる効果がある。
さらに…男性ホルモンを増加させるという事で服用した者には勃起向上の効果ももたらすようだ。
勿論これらの薬は多大なパフォーマンス向上を服用した者にもたらす。
しかし、当然大きな副作用ももたらす。
肝臓肥大、男性ホルモンの生成機能の低下、不整脈…
それだけの対価を支払ってでもリナリーを組み伏せたかったのだ。
『そして3つ目、こいつは…』
透明な袋に入った粉末状の薬。
その効果とは…
一(あ、あれ…?なんだか、体が…)
疲れてしまったのか、何故か体が重い。
普段の自分であれば、この程度ではこんなにも疲れないはずだ。
なのに、まるでリナリーの体は水を含んだ綿のように重たくなっていた。
「あれあれ~?どうしちゃったのかな、さっきまでの華麗な動きは?」
おちょくるような口調で煽る男。
以前の組手では全く男には煽る余裕などなかったはずだ。
それが何故、こうも立場が逆転してしまったのか。
リナリーには全く分からない。
まさか自分の飲んでいた水に動きが鈍くなる薬が入れられていたなど。
「隙ありぃっ!」
「あっ!」
動きが鈍ったところで男のタックルを許してしまう。
両脚を抱えられるとリナリーの体は一瞬で持ち上げられ、マットへ叩き付けられた。
「くっ!」
のしかかられ、なんとか逃げようともがくリナリー。
しかし、48kgの彼女に80kgの男が乗れば、当然下になった女は全く動けない。
ましてやドーピングでお互いの力に差があれば尚更だ。
もがく脚を抑え付けてリナリーのくびれた腰に馬乗りになる男。
「くうっ…!ちょっ、苦しいから…どいて…っ」
苦悶の表情を浮かべるリナリーを満足げに見下ろす。
両手首を掴んで、動きを封じると顔を近付けて喋り出す。
「んん?苦しい?もしアクマに捕まって『苦しい』なんて言ったところで解放されると思うかい?」
臭い息をリナリーの顔に吐きかけながら、続ける。
「リナリーちゃんに戦いに負けるってのがどういう事なのか、今から俺が教えてあげるからね…」
そう言うと、リナリーの頬をべろりと舐める男。
「…きゃあああっ!!」
ぞろりとした気色悪い感触に悲鳴をあげるリナリー。
「ウヒヒヒヒヒ!!」とさも嬉しそうな声をあげる。
ここ1週間程の短い間だが、夢にまで見てきたシチュエーションがついに現実になっているのだ。
「嫌ぁ!こんなの…セクハラじゃない!」
憤るリナリーの声も無視して、男はさらに顔を近付ける。
「んん~」
ペロペロとリナリーの首筋を舐め始める男。
額の辺りでリナリーの顔を横向きに抑え付けて、吸い付くように白くて細い首筋を堪能する。
「き、気持ち悪い!離してっ!」
ベロ…チュパッ…といった風にわざと下品な音をたてて辱める男。
「はぁ…はぁ…リナリーちゃん良いよお…髪の毛エロい匂いして、首筋はちょっと汗っぽくて…ウヒヒッ」
「ど、どうしてこんな事をするの!?」
もがきながらリナリーが叫ぶ。
その問いにハッハッハと笑いながら答える男。
「どうして?これはねえ、リナリーちゃんのためにやってあげてるんだよ?もし戦いで負けちゃったらどうなるのか…教えてあげるためにねえ」
ニタニタ気持ち悪く歪んだ顔がそこにあった。
絶対嘘だ。
自分のためだなんて、絶対にあり得なかった。
じゃあなんでこんな事を?
リナリーは未だに理解できなかった。
普通に考えれば男はリナリーと性行為をしたいから、それだけで片付けられるが、リナリーにとってはこの男だって教団の仲間だ。
教団の仲間に対してこんな事を普通はするだろうか?
共にアクマに立ち向かい人類の終焉を食い止めようと誓った仲間が、同じ仲間である自分にこんな事をするだろうか?
仲間意識の強いリナリーは男のしている事を理解する事ができなかった。
「ぐふっ、どうしても嫌だったら逃げてごらんよ?んん~?リナリーちゃんが弱いからこんな目に遭ってるんだからねっ」
「…っ!」
今度は耳たぶを甘噛みしながら、耳元で囁きかける。
男の粘つくような声がリナリーの耳の中で反芻する。
その声はまるで脳をも汚すようだ。
「これに懲りたらもっと修行しなきゃダメだなぁ~」
ショートボブに切り揃えられた髪の匂いをクンクンと嗅ぐ男。
シャンプーとリンスの匂いが男の本能を図らずも刺激してしまう。
「嫌…!気持ち悪いから、離して…っ」
リナリーは普段温厚で他人に対して暴言を吐くような性格ではないが、この時ばかりは例外だった。
あまりの気持ち悪さに本音が出てしまう。
「気持ち悪いだとぉ~?生意気だねえ」
リナリーに罵倒され喜ぶ男。
「でもそんな気持ち悪い目に遭ってるのもリナリーちゃんが弱いからだからねっ?だって俺ら非戦闘員はリナリーちゃんに命を預けてるんだよ?君がアクマに負けた瞬間、俺らは死んだも同然だからさ。ちゃんと訓練できてるのか今日確かめに来てあげたんだけどね…気持ち悪いとは心外だよ…」
あくまで自分の性欲のためにやっている訳ではないんですよ、とひたすらにアピールするのがまた不快だ。
こんな見た目も中身も卑しい男に好き放題されて、リナリーは屈辱に歯噛みする。
「逃げないとダメだよぉ?ほらほら、もっと気持ち悪い事しちゃうぞお?」
そう言うと、両手首を押さえつけた状態で唇に迫る。
「…嫌ぁああああああああっ!!」
男が何をしようとしているのか察した瞬間、廊下へリナリーの悲鳴が響き渡る。
しかし、こんな支部だ。
誰かが助けに来てくれる事など到底期待できない。
「んん~」
目を閉じてめくり上げんばかりに唇を突き出した男の顔が迫ってくる。
「嫌!嫌ぁ!」
泣き声に近い悲鳴をあげながらなんとか逃げようともがくリナリー。
本部で神田やラビ、アレンといった歳の近い仲間と一緒に仕事をしてきたが、恋愛対象にならないまま異動になってしまった。
故に、リナリーはキスをした経験がなかった。
「んん~」
そんな清純な美少女の唇が、今こんな40代の男に奪われそうになっている。
「嫌!嫌なのぉ!」
心の中で何度も(兄さん、助けて…)と懇願するも、当然アフリカの地に彼が現れる事はない。
刻一刻と男の唇が迫ってくる。
臭い吐息がリナリーの唇へ接する程に。
ンチュッ…
そして、その時は来てしまった。
(う、嘘でしょ…こんなの…)
唇へ重なる確かな感触。
生温かく、肉厚で、臭くて、粘っこくて、最悪な感触…
こんなのがファーストキスだなんて認めたくない。
男から両手で頭を掴まれ、執拗な接吻を受けるリナリーの瞳から涙が垂れ落ちた。
ンチュッ…レロォ…ブチュッ、チュバッ…
リナリーの唇を好きに蹂躙する男。
自分の半分も生きていないような少女の唇を奪ってやったのだ。
おそらくこの反応からすればリナリーはファーストキスだったのだろう。
17歳の美少女のファーストキスを自分が奪ってしまったのかと思うと、興奮して股間が膨らんできてしまう。
屈辱に涙を流すリナリー。
(なんで私がこんな目に遭わなきゃいけないの…?)
男のあまりにも一方的過ぎる愛情を受けて、リナリーは頭の中で誰にともなく問いかける。
さらにキスはエスカレートしていき、ざらついた太い肉塊がリナリーの口の中へ侵入してくる。
まるでナメクジのようなソレは、リナリーの舌をとらえると巻き付いて熱情的なチークダンスを楽しもうとしてくる。
「ん゛ん゛っ!」
「んぎっ!?」
突然、痛みを感じて咄嗟に唇を離す男。
舌からは少しだけ血が出ていた。
「な、なんて事をするんだ!」
怒りに任せて怒鳴りつける男。
ディープキスをしようとしたら、舌を噛まれたのだ。
「…くっくっく、君がそのつもりならもっと酷い事をしちゃうぞお?」
怒りから一転、男はさらにいやらしい事をしてやろうと再びニタニタとした気色悪い笑顔へと戻っていった。
仰向けで寝かせていたリナリーを無理やり起こすと、今度は背中に手を回し、くびれた腰を抱く。
つまり、男の顔側にリナリーの尻があり、男の背中越しにリナリーの顔がある、という体勢だ。
「…一体何をするつもりなの?」
得体の知れない事をされてしまうのではないかという恐怖感で、男に問いかけてしまうリナリー。
その戦々恐々とした様子に男は気を良くしたようで、くっくっくと笑い声が聞こえる。
「何って?生意気なリナリーちゃんへのお仕置きだよ」
そう言うと、男はショートスパッツ越しにリナリーのお尻を撫でる。
「きゃっ…!?」
そのまま男は剥き出しになったふとももを撫で回し、特にふとももの内側をいやらしく撫でる。
「やだっ…やめてよ…」
「やめて?うひひ、こんないやらしい格好をしといて…本当はこうしてもらいたかったんじゃないのかあ?」
ぱんぱんと軽くリナリーの尻を叩くと、そのまま撫で続ける。
「そ、そんな訳ないでしょ!誰がそんな破廉恥な…」
「十分破廉恥じゃないか。いつもミニスカートからふとももをチラチラさせて」
リナリーがミニスカートを履いているのは、男を誘惑するためではない。
本部では可愛い、似合ってる、などと言われて純粋に嬉しかったから履いていただけだ。
破廉恥だと言われるのはこの支部には女をいやらしい目で見る者しかいないからであろう。
「いつもミニスカートを履いているからパンツを見ても良いのかな、なんて思って覗いてみたらスパッツで防御している…俺はこれが満足いかないんだ」
「なっ…!」
「いや俺だけじゃない。この支部の男は全員そう言ってるぜ。ミニスカ履いてる癖にパンツは見せてくれないってなあ」
男からしたらミニスカートを履いている癖にスパッツを履いてパンツを見せない事に不満なのだ。
ミニスカの中を覗いたらパンツではなくてショートスパッツが姿を現わす事に、自分よりはるか年下の小娘に弄ばれたような気がして嫌なのだろう。
「…最低」
普段の温厚な姿からは想像もできないくらい鋭い視線で男を睨み付けるリナリー。
しかし、この体勢ではそんな表情も男から見えない。
男がショートスパッツに手をかける。
「ちょっ…待って!」
「んん~?いっつもあんなミニスカート履かれたらどんなパンツ履いてるのか気になっちゃうじゃないかぁ」
力任せにショートスパッツをずり下ろして、下に履いているパンツを見ようとする男。
リナリーはそうはさせじと遮二無二もがく。
「やめなさいっ…この変態!」
「おいおいさっきからキツい言葉が多いなぁ~、俺は年上だぞお?」
年上である事にかまけて、リナリーの暴言を咎める。
「さぁ~、スパッツ脱ぎ脱ぎしようねぇ~」
じたばたもがくも、この体勢では到底抵抗できない。
強引にスパッツを膝の辺りまで下ろされ、パンツを見せてしまう。
「おほっ!リナリーちゃんは純白のパンティーかぁ…」
「み、見ないでっ…!」
顔を赤らめて恥じらうリナリー。
白いパンツ越しにお尻を撫でられ、ぞくりと背筋を凍らせる。
「リナリーちゃんが悪いんだよ?あんな短いミニスカート履いて誘惑してさ…あんな格好してたらどんな目に遭うか教えてあげなきゃ」
そう言うと、体勢を変えてリナリーを仰向けにさせる。
「あっ…!」
膝の辺りまで下ろされたショートスパッツを完全に脱がされ、投げ捨てられる。
仰向けになったリナリーを見下ろすような格好で男が立っている。
「ぐふっ」
パンツ一丁にさせたリナリーをご満悦そうに見下ろすと、何故か自身も服を脱ぎ出す。
「ど、どういうつもり…?きゃあっ!」
勢い良くズボンを下ろし、屹立したペニスが露わになったところで思わず顔を覆うリナリー。
男性器など生で見るのは初めてだった。
「ぐふふっ、もう我慢できないよぉ、リナリーちゃん…ずっと良い匂いしてたからねえ~、もうおちんちんビンビンだよぉ」
辛抱ならないといった様子でズボンを脱いだ男。
リナリーと肌を合わせる事で興奮していたのだろう。
とりあえず一発射精しないと気が済まない。
そんな風に見えた。
「ぐふふっ、じゃあパンティーも脱ぎ脱ぎしちゃおっか?リナリーちゃん」
「い、嫌ぁっ!!」
リナリーの細くてすらりと伸びた脚を掴むと、力任せに開脚させる。
動きが鈍っているせいでほとんど抵抗できない。
そのままリナリーの脚を押し広げて、自らの腰を近寄せると純白のパンツへ手をかける。
「うひひひひい!脱がせちゃうぞぉ~!」
「嫌っ!嫌ぁああああああああっ!!!」
パンツ越しに限界まで勃起したペニスをリナリーの股間へと突きつけ、『行為』を今からする事を意識させる。
「誰か助けてええええええええっ!!!」
半狂乱になりながら泣き叫ぶリナリー。
こんな形で処女を喪失するなど思ってもみなかった。
こんな僻地の支部に飛ばされた挙げ句、同じ教団員の男にレイプされて処女を奪われるなど。
あって良い事ではない。
「へへっ、挿れちゃうぞお~」
泣き叫ぶリナリーを眼前にしてもう既に射精しそうになっている男。
もう我慢の限界だった。
犯さないと気が済まない。
何の娯楽もない僻地に飛ばされ、やり甲斐のない仕事を延々とやらされる。
いつアクマが襲ってくるか分からない恐怖に耐えながら過ごす退屈な毎日。
そんな中でリナリー・リーというとんでもなく魅力的な『玩具』がどこからともなくやってきたのだ。
この美少女を犯せるのなら死んだって構わない。
それくらいの覚悟で、今、男はリナリーに迫っていた。
が、辛くも彼の野望は打ち砕かれてしまう。
「どうした!?何があったんだ!?」
急にやってきた支部長によって、彼のお楽しみは目の前で奪われてしまう。
引き剥がされる男、保護されるリナリー。
そして突然やってきた救世主(?)の支部長。
彼女が犯されそうになっていたとも知らずに、彼女の事を今にも想っていた支部にいる他の教団員達。
彼らの野望や想いはこれからどう絡み合い、どういった運命を織りなすのか。
テアトルには役者が揃い踏みしていた。