狂っているように見えるほど、支部長は興奮して目を剥きながらリナリーの裸体を堪能する。
それほど若いリナリーの身体が美しく、魅惑的だというせいもあったが。
「リナリーちゃん…良い匂いだぁ…」
フガフガと鼻を鳴らしながら背後からリナリーの髪へ顔を突っ込む支部長。
良い匂いだ、と褒められる事それ自体は嬉しい。
だが、相手が欲情して暴走したケダモノなら話は別だ。
自分の女性としての魅力が全て憎らしい。
そして依然として乳首をいじくり回してくる。
「乳首がイイんだろぉ?素直になっちゃいなよ」
「ば、バカな事を言わないで…!」
リナリーの長い脚に自身の短い脚で絡み付いて逃げられなくさせてからの乳首責め。
いちいち体をくねらせるリナリーが艶めかしくて興奮してしまう。
しつこすぎる手つきに溜まるリナリーのフラストレーション。
「いい加減にしてっ!」
「がっ!」
振り向きざまにリナリーの肘打ちが支部長の顎に炸裂する。
ガツン!と小気味の良い音が鈍く響いたかと思えば、支部長の体から力が抜けるのが分かった。
(今のうちに抜け出さなきゃ!)
支部長の腕を振りほどいて、すぐに逃げようとするリナリー。
しかし、支部長もせっかく捕らえた念願の獲物をそう易々と逃す訳がない。
「っ!?離してっ」
肘打ち一発で壊れるようなやわな執着心ではなかった。
初めて彼女を見た時、53年間生きてきて初めてと言うべき、それほどまでに大きく激しい情動を感じたのだ。
心臓がはち切れんばかりに鳴動して、全身の血管という血管がちぎれんばかりに押し広げられて、体中の血液を股間へと送り込む。
それだけで死んでしまうかと思った。
いや死んでも良いと思ってしまったのだ。
あまりにもリナリーが美しすぎて魅力的すぎて、彼女の存在は不毛の砂漠に流れ込んだ一筋の水脈。
乾いた支部長の心を人生を潤して、輝きを取り戻さんと色めきだたせてしまう。
輝きと言ってもそれは暗闇に光る怪物の歯牙によく似ていたが。
「ぐふふっ…ダメじゃないかぁリナリーちゃん、暴力はさぁ」
「あっ」
逃げ出そうとしたリナリーを強引にベッドに押し倒し、馬乗りになって正対する二人。
「…やっぱり間近で見ると、可愛いなぁ~」
(やだ…気持ち悪い)
肉塊の如くぶよぶよに肥えた顔がニカァッ…と性愛を込めた笑みを向けるのに、リナリーは吐き気をこらえられそうになかった。
こんな気持ち悪い男に今まで自分は変態行為をされてたのかと思うと、不快感がどわっと一気にこみ上げてくる。
「生意気なリナリーちゃんにはお仕置きが必要だねぇ」
そう言うと、リナリーの両腕を掴み上げて、動けなくさせる支部長。
隠していた腕をどけられて、美しい裸体が支部長の眼下に露わになる。
「おほぉ~~~っ」
「…こ、これが黒の教団の支部長のする事!?あなたなんて最低!!アクマ以下だわ!」
羞恥に顔を赤らめながら、怒りの言葉を吐きつけるリナリー。
気丈な彼女の態度に、支部長は余計スケベ心に火をつけられてしまう。
「ぐふっ!!流石は強いつよぉ~いエクソシスト、簡単には心は折れないねぇ~!」
「黙って!その臭い口を閉じなさい!」
「そんな大人っぽい言葉で凄んでも無駄だよぉ~?たぁ~っぷり、可愛がってあげるからねぇ…」
チュッチュッ…と口を鳴らしながらリナリーの乳首へ顔を近づける支部長。
「な、何…?」
異様な胸騒ぎを覚えるリナリー。
逃げようと思っても、馬乗りになっている支部長が重すぎて身動きがとれない。
何をされるのか、おおよそ分かっていた。
でも分かりたくはなかった。
(こんな敏感になってるところに…そんな事をされたら…!)
想像したくもない。
いや想像できない。
たかが指で触られた程度で全身がびくびくと強張ってしまうのだ。
もし、もし…吸われでもしたら…
ぶちゅ。
濡れた、湿った感触が伝わってくる。
「あっ」
一瞬、思わず声をあげてしまうリナリー。
だがそんな一声はこれから始まる狂騒曲のアインザッツに過ぎなかった。