秘密の日記1
「あ、や、こんなに激しく……ヴェ、ヴェンデリン様、もう許してください……」
「だめだ、エリーゼは俺のものだよ。胸も、唇も、その乱れた姿も、淫らな声もみんな」
「こ、壊れてしまいます、お願い、私はもうヴェンデリン様の妻なのですから……」
「何言ってるの、全然足りないよ。余裕なんてない、いくらでも欲しくてがまんできないんだ、このまま食べてしまいたいほどに」
「で、でも五度目ではありませんか、もう腰の感覚がなくなってしまって……」
「関係ない、俺を求めているのはそっちだろう。エリーゼの一番深くて敏感な部分が、俺を底なし沼のように吸い込んでいくんだ」
「あぅ、ま、またヴェンデリン様が私の中で強く、大きくなって……も、もっと食べてしまってください、好きにして、めちゃくちゃになるまで抱いて……」
◇
十二歳で婚約した「竜殺しの英雄」ヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスター様が十六歳の誕生日を迎えた日、私はカタリーナさんやヴィルマさん、イーナさんとルイーゼさんともども正式に結婚いたしました。
婚約したのは男爵になられて間もない頃で、優しいけれど少しドジなところのある、優秀な魔法使いなのに子供っぽさが抜けていない方でした。
しかし、その後は実の兄との血で血を洗う権力闘争やブロワ辺境伯家との事実上の内戦、さらに国王陛下や王都の有象無象の貴族たちとの政治抗争に数々の魔物との戦いを経験されて南部随一の大領主となり、伯爵に
そして式を終えた夫婦としての初めての夜、落成間もないバウルブルクのバウマイスター伯爵家領主館寝室の大きなベッドの上で、私はヴェンデリン様に抱かれました。
四年間一緒に過ごして人としては完全に信じられるようになっていましたが、さすがにこればかりはわかりません。一応、母から話は聞いていましたが、「男と女が結ばれる」という意味がわからず頭が沸騰しそうになって体もガチガチになってしまいました。ヴェンデリン様は義姉のアマーリエさんを相手に多少は経験を積まれたようでしたが、女の私が真似できるはずもなく、何となくもやもやしたものを感じていたのです。
そのため、最初は強気に「今は私だけを見て、私だけに夢中になってください」と申し上げましたが、優しいキスと抱擁から始まって時間をかけて愛撫されていくと、少しずつ体がとろけるような気分が高まっていったのです。両手と唇の動きが早まって絶え間ない責めに翻弄された私は、全身を朱に染めて乱れました。気付いた時にはすっかり服を脱がされて、まだ明かりもついているのに二人とも生まれたままの姿をさらし、両脚を大きく広げられて女性の一番大切な部分に顔を埋められていたのです。
「あ、いけません、やめてください……」
思わずどけようとしましたが、侵入してきた舌が執拗に動くと気が遠くなるような熱い快感で全身を痺れます。だけど「もっと、もっとして」と求める心とは裏腹に、枢機卿の孫娘として厳しくしつけられてきた理性がなお言葉を支配しています。
「は、恥ずかしいです、そんな汚いところを……」
けれどもヴェンデリン様は、しっかり私の腰をつかんで離さず、舌の動きをいっそう深くしてきました。
「汚くなんかない、ここがエリーゼの花の雌しべなんだ。甘い蜜をいっぱい出して誘っているのに、愛せないなんて拷問だよ」
「あ、あう、どうにかなってしまいます……」
あふれる熱いものをすすられる感触に、思わず感電したように達してしまいます。とうとうなけなしの理性も消えてしまい、私はひたすら高まる官能に抵抗をあきらめて身をゆだねるしかありません。ヴェンデリン様が私の乳房をわしづかみにしながら乳首を甘噛みして強く吸うと、顎をのけぞらして体を硬直させてしまいました。
「あ、ヴェンデリン様、こんな、こんなのって知りませんわ、あひ、ああ!」
さらに深いキスを重ねられて蕩けてしまったところに、丹念な愛撫を受けてすっかり潤っていた私の熱い部分に、びくびくと動くものがあてがわれます。そのまま私の中に少しずつ入ってくると、熱い襞のなかで押し返すような感覚が生じます。温かくうごめくものを包んだ初めて知る歓びに私は震えました。
「いくよ、エリーゼ、力を抜いて」
「え、ええ、どうか私を満たしてください、お願いします」
私が小さく頷くと、ヴェンデリン様は腰に力を入れて一気に貫いてきました。
「あ、ああーっ!」
初めて男性を受け入れた私は悲鳴を押さえられませんでしたが、きつく狭い部分に硬くて熱いものが突き入って少しずつ押し広げて埋めていくのを感じた時、甘い痛みと歓喜に狂いました。
(ああ、こんなに気持ちがいいなんて……)
より深く密着しようと必死に唇を求め、ヴェンデリン様の首を抱きしめました。その牡はさらに太く大きくなって私の中で激しく暴れ続け、柔らかい部分が刺戟されるたびに快楽がこみ上げてくるのです。ああ、これが本当の男と女の愛し合う姿だったのですね。
「あう、ああ、ヴェンデリン様、う、はあ……」
自然に両足を腰に絡ませ、肩を抱いた指が爪を立てると、私は初めての経験に耐えて女になった自分を実感しました。
「ああ、ヴェンデリン様、私の中であなたが熱い! これが、これが結ばれることなのですね……」
「そうだよ、俺は今エリーゼと本当の夫婦になったんだ……動くよ、エリーゼ。いいね?」
「ええ、どうか私の体で心ゆくまで気持ちよくなって――」
初めはぎこちなかったのですが、ヴェンデリン様の動きが早まると女の最も深いところを揺さぶられ、結ばれた部分はあふれる泉でなめらかに滑りました。
「う、ああ……あう、ああ……ああん、はあん……」
息を弾ませて深く交わるうち、苦しげだった声に少しずつ甘いものが混ざっていくのを感じました。汗を滴らせ激しく動くヴェンデリン様に、私も快感と苦痛の間で悶えながら太腿をしっかりと絡みつかせます。頭の中が真っ白になり、快楽に身を任せて気が遠くなっていましたが、やがて絶頂が近づくのを察しました。
「ヴェンデリン様、へ、変ですわ、体の奥から熱いものがあふれてきたような……」
「あ、エリーゼ、そんなに強く締めつけないで。我慢できなくなるから。君が俺をつかんで離さないんだ……生きているみたいに吸いついてるよ……」
耐えられなくなったヴェンデリン様の奥底から熱いものがほとばしり、私の深奥めがけて渦を巻いて注ぎ込まれます。焼けるような初めての男の方の熱さに満たされた私の体が大きくしなり、やがて二人は力尽きて一緒に崩れ落ちました。
心身ともに満たされた私は、今夜はそれで終わりと思っていたのですが、ヴェンデリン様はいつまでも私の体の上からどこうとなさいません。「え?」と戸惑う間もなく、私は下半身の異変に気付きました。
「あ、あの何だかまたヴェンデリン様が熱く、大きくなってきたような……」
「まだまだこれからだよ。今夜はエリーゼを寝かせない。ずっと待っていたんだ」
「え、それは……あ、はう、お、お願いです、少し休ませて、ひぃ、ああ……」
その夜はヴェンデリン様に抱かれ続けました。体を密着させ、指と唇で全身を愛撫しながら執拗に責め続け追い上げては、夥しい量の男の精を何度も浴びせるのですが、その牡の力はまったく衰えずに私を貫き続けているのです。
考えもしなかった体位をとらされ、脳天に突き抜ける快楽と衝撃に酔いしれながら、私は怖くてたまりませんでした。教会の聖女と呼ばれ信仰に生きてきた身がヴェンデリン様の色に染め上げられたら、お金のために体を売る女のように恥じらいを捨ててしまうのではと。
それほどヴェンデリン様の欲望は激しく、快感に震えながらも逃げられず、あえぎ続けるしかありませんでした。五回までは覚えていましたが、ついに気を失ってしまったのです。
疲れ果てるまで抱かれた翌朝、長年の習慣もあって二人ともいつもの時間に目覚めました。男の方と裸で同じベッドで目覚めるという初体験に、思わず頬が熱くなります。
「おはよう、エリーゼ。ええと、大丈夫かな?」
腰に力が入らなかったので、こっそりと自分に治癒魔法をかけながら「はい」と答えますと、ヴェンデリン様はにっこり笑いながらサイドテーブルのコップの水を口に含んで唇を押しつけてきました。「え?」と思う間もなく、起きがけのキスをしながら口移しで水を飲まされてぽかんとしている私に、特大の爆弾を落としたのです。
「よかった。じゃあまた抱いていいね」
「は? い、今からやられると?」
「だって寝ていても崩れないエリーゼの胸を見ていると、おしまいにできないよ」
再びヴェンデリン様は、私の胸にむしゃぶりつきながら
ようやくヴェンデリン様が離れた時は治癒魔法をかける気力も失って、互いの汗と体液にまみれたままぐったりと動けませんでした。するとヴェンデリン様は、私を裸のまま横抱きにして寝室に付属した風呂場へ連れていき、全身を文字通り隅々まで洗ってくださったのです。もっとも、胸を石鹸の泡だらけにして抱きつくように自分をこすらせたり、背中を流しながらお尻の穴をさわったりしてきましたが、恨めし気な視線を投げるしかありませんでした。
「結婚生活がこんなに大変だなんて、思ってもいませんでしたわ……」
お湯につかりながら文句を言うと、背中から抱くような形で一緒に入っていたヴェンデリン様は笑いながら私の耳に熱い息を吹きかけました。思わずビクッとするのを押しとどめて、両の乳首を指先でつついてきます。
「エリーゼがきれいすぎるから悪いんだよ。真っ白な磁器のような肌に、ここや唇がピンク色に映えてなまめかしいんだから。かといって毎日抱くわけにはいかないから、必死になってしまうんだ」
そういえば今晩はカタリーナさん、続いてヴィルマさんにイーナさん、ルイーゼさんと続き、私が再びヴェンデリン様の寝室に入れるのは早くて五日後です。こちらはその間休めますが、ヴェンデリン様は毎晩忙しいわけで。いえ、きっと皆さんも同じように思い切り抱かれて腰が抜けてしまうのでしょう。
「それにエリーゼだって嫌じゃないだろ? 昨夜だって、もっと強く抱いてと何度も求めてたじゃないか」
からかうような口調に、私は顔が赤くなってしまうのを自覚しました。
「そ、そんなことありませんわ、意地悪を言わないでください!」
「いや、エリーゼは初めてなのに歓びを知ったのさ。もう俺から離れられない女になってしまったんだ。その証拠に……」
いきなり私の中に、ヴェンデリン様の指が入ってきました。思わずあっと叫んでやめさせようとしましたが、さらに深く入ってきた指が男の人のように激しく蠕動すると、こみ上げる快感のため神経が痺れたように力が抜けてしまいました。もう一方の手で乳房を揉みしだかれて気の遠くなる喜悦に身をゆだねると、数瞬で大きく全身を震わせてぐったりしてしまったのです。
「あ、あれ、一体どうしたと……」
「エリーゼはイッてしまったのさ。俺の指だけで」
「ゆ、指だけで、私は……」
呆然としているうちに、元気を取り戻した男性の逞しいものが今度は後ろから襲いかかってきました。やめてと言うどころか私の体はヴェンデリン様を喜んで迎え入れ、あらゆる恥ずかしい要求に応じ続け、狭い浴室は「すごい、気持ちいいです、もっと、もっと突いて」という叫び声に満たされました。
「あう、ヴェンデリン様、よくわかりました、こ、これが女の歓びなのですね……お願いです、また気を失うまで私を犯してください、何でもいたしますから……私はもう敬虔な聖女でも枢機卿の孫娘でもありません、ヴェンデリン様の女以外の何者にもなれないのですから……」
あの日から私は、ヴェンデリン様の寝室へ行く日を指折り数えて待つようになりました。肉体に深くしるしを刻まれてしまった今となっては、もう男に抱かれてよがり狂う以上の歓喜を想像できません。どうすればもっと喜んでくれるだろうかと考え、容赦なく蹂躙されながら性交に溺れる自分を想像しては下半身の疼きに耐え、ヴェンデリン様の前ではためらわず全裸になって跪き「早く抱いて、愛してください」と花芯を濡らしながら懇願するほどです。
きっと今の私の有様を知れば、おじいさまや両親は泡を吹いて気絶するでしょうね。でもかまいません。聖女の仮面をかぶった娼婦。それがバウマイスター伯爵夫人エリーゼ・カタリーナ・フォン・ホーエンハイムという女の真実の姿なのですから。
※7月24日、エロ度アップを目指して大幅加筆しました。