※この作品はR-18です。

艦これ ある惑星の宇宙人な英雄   作:セビンリア

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幕間2 戦時中~戦後 局員(男)の物語

 宇宙人を戦場へ送り出した人外対策局の男は次の指令を受けた。

 

『深海棲艦と名乗る人外達の詳細の偵察、姿・顔写真、武装等を撮影した物を対策本部へ送れ』

 

「・・・やるしかないか」

 

そう言いながら男は時速200kmの速さで走り出す。

 

 

 

 

人外対策局

 

 そこにいる局員の中に、人間の姿をした宇宙人が居る。

人間と人間の窓口用に有能な人間を雇用し、あたかも人間が運営している体裁を保っている。

 人間よりも頭が回り、身体能力も高い。

しかし、人間に対して悪感情はない。この惑星を、この惑星の人間達を愛したのだから。

 

 この惑星の各国の政治家・軍のトップを説得し、この局を設立するに到った。

世界に認められた、影の組織。

 

 ・・・だが、深海棲艦が人間に宣戦布告した今、説得に要した時間はあまりにも

長かったといえる。

 ろくにこの惑星に住む人外達の調査も出来ないままに人間と人外の戦争が始まって

しまったのだった。

 

 

 

 

 

 男は迷彩服に身を包み、深海棲艦の軍隊を偵察している。

 

「よし、これぐらいで良いだろう。・・・今のままでは、人間の絶滅は必至だな。

俺達だけでは手が足りない、か」

 

 

 人並みの大きさで戦車よりも高い火力、戦車よりも硬い装甲。

倒すには歩兵の持つ銃か、艦娘用の低反動砲、後は航空機の大型爆弾による爆撃。

 

 歩兵の戦果は思ったほど出ていなかった。飛行時の重圧に耐え切れず墜落していった者や、

満足に性能を出し切れずに撃墜された者。量産型の改良が必要だ。

 

 艦娘用の低反動砲は、まだ小口径砲の開発しか完了していない。

 先ほどの戦闘で深海棲艦の人型を見るに、あの体を弾が貫徹するには至近距離まで

肉薄する必要がある。

 ゲリラ戦で新開発の剣を使った方が楽に倒せるだろう。

どちらの手段も人間側の方が死者多数になるだろう。

 

 人間の乗る超音速機より比較的小さい航空機が、速度は遅いものの、

大量に飛来し人間の乗る機体を撃墜していく。

 今現在人間達の航空機は数より質・搭乗する人間は最大限育成した者達だけ。

制空権が失われるのも時間の問題だった。爆撃はもうすぐ無理となる。

 

 

 

 

「・・・情報の送信は、終わっているな。さて、戻・・・。!?」

 

 突然、男の死角で何かが眩しく光った。

何事かと目を向けると何かを背負った女性が横たわっていた。

 さっきまではこの男以外居なかった。

 

 少女。意識が無いようだ。何か煙突がついたような物を背負っている

 

 

- 気付かれたか!? -

 

 

周囲を見回すが気付かれた様子は無い様だった。

 

 

『ふぅ・・・、あっ・・・』

 

 倒れている少女の近くで妖精が見えたと思ったら消えてしまった。

この惑星での妖精は元々、半透明で見えるか、体の一部が実体化して見えるのが一般的だ。

それが今回は全身実体化したような状態でこの男には見えたのだった。

 

 ・・・考えているより、ここから離れるほうが先決だ。

少女を背中に背負う。少々重いが走るのに支障は無い。

脱兎の如く駆け出し、戦場を離脱する。・・・兎よりも早い。

 

 

 

 

男は人外対策局へ戻った。

 

「ああ、お帰りなさ・・・如何したんです、その娘は!?」

「偵察場の近くで倒れていたんでな、担いできた」

 

 男は座席に少女を降ろした。

降ろした途端に少女が目を覚ます。男と目が合う。

 

 

 少女がさっと立ち上がる。

 

「提督、睦月です。はりきって、まいりましょー!」

 

少女、睦月、が挨拶してきた。

 

 

「・・・睦月、君は何者なんだ」

「ふぇ?、睦月は睦月ですよ?」

 

 

『その質問には私が答えましょう』

 

その声と共に妖精が睦月の肩に現れた。

 

 

『この娘は、私達妖精が深海棲艦の破片を集めて再生成した細胞で作った、艦娘です』

「艦娘?・・・人間に見えるが違う生物なのか?」

『この娘は人間ではありません。私達妖精でもありません。人間と同じ姿・形の、

人間風に言うと、人外と思ってください』

「そうか」

『それと、この娘は私達妖精が作り上げた第1号です。大切にしてあげてください』

「第1号?、・・・妖精達よ、人間に力を貸してくれるのか?」

『・・・私達妖精は見たんですよ。人間が絶滅する未来を・・・』

「・・・」

『私達が人間達に力を貸せば、何とか人間が生き残る未来が見えたんです。

人間がいなければ妖精唯一の幸せなひと時が無くなってしまうんです。

だから、我々も力を貸します!』

「・・・相分かった。これから宜しく頼む」

『それから、私達妖精は艦娘1隻につき、数名が実体化してその艦娘に付き添います。

私は施設の建築が得意で・・・、ほら、出てきて!』

 

その声に2名ほどの妖精がまた実体化する。

 

『私は艦娘の防壁展開を担当します』

『私も艦娘の防壁展開を担当します』

「防壁?」

『この娘が死なないぐらいの最小限度ですが、防壁を展開して、

この娘の命を繋ぎとめて見せますよ』

「・・・防壁担当は人間達の開発に協力してくれないか?」

『・・・すみません、私達妖精が作った艦娘だからそれが出来るんです。

この後で研究・開発が大得意な、人間にも協力できる妖精がどこかで実体化しますので、

それを待ってください。きっとお力になれますよ』

「そうか。・・・まだ、待つしかない、か」

 

 

「にゃ~、提督ぅ・・・、睦月、退屈です~」

睦月が口を開いた。

 

「む?、そうか。すまなかったな」

男は睦月の頭を撫でる。

 

「えへへぇ~」

睦月は無邪気な、嬉しそうな顔をしている。

 

「あれ?、局長、この娘は今何か言ったのですか?」

「ん?退屈だと言ったが・・・聞こえなかったのか?」

 

「聞こえなかったです」

と、言う局員と、

 

「私は、知的生命体なら意思疎通が出来るので、聞こえました」

と、言う局員で別れた。

 

『貴方達、人間ではないのですか!?』

「ああ、俺達は宇宙人だ。今ここに居るほとんどは、人間から最も信頼されている、

人間を愛している人外だよ。貴様達妖精も信頼してくれていいんだぞ?」

『そうでしたか。・・・はい、信頼します。改めて、よろしくお願いします』

「よろしくな」

 

 

 妖精の、人間生存の為の協力者。この後どんどんと増え、第3次艦娘の建造へ繋がる。

 

 

 

「提督、睦月、何をすればいいのかにゃ?」

「とりあえず、俺の嫁にでも・・・」

「・・・え?」

「局長!?」

「・・・冗談だよ、冗談。まあ、嫁が欲しいのは本当だがな・・・」

 

 

 

 後に、この睦月は、この男の戦時中の相棒となった。

ついでに伴侶となった。・・・第3次艦娘だからというのもあったが、この男はそれを知らない。

それが無くても、お互いにとって、最高のパートナーとなっていたのだから。

 

 

 

 

 ・・・戦後、この惑星の征服を目論む宇宙人達の流入に気付けていなかった。

 

「やってくれるじゃないか・・・。ここまで潜り込まれていたとはな。畜生が」

「ここまでで多くの局員が死にました。武装が我々の手持ちより強力すぎて太刀打ちできません。

それに最新型の歩兵用武装を奴らが持っていたら、我々、局の者では無力です。

奴らが、自分達の転送装置を使ってこの惑星の人間を連れて行くのも時間の問題です」

「・・・やはり、英雄を頼るしかないのか。今、艦娘を建造出来るか?」

「!?。無茶ですよ!、実戦経験無しのひよっこ達ではあそこへ辿り着く前に死にます!」

「やるしかないんだ、6隻を建造して来い」

「・・・分かりました」

そう言って女性が部屋を出て行く。

 

「睦月、防壁担当の妖精を呼んでくれ」

「・・・はい」

 

 睦月の肩にフッと妖精が出てくる。

 

『何でしょうか?。・・・いえ、分かってます。今から来る艦娘の1隻に

乗艦して欲しいんですね?』

「そうだ。・・・やれるか?」

『・・・やって見せましょう。ただ、乗った艦娘1隻にしか私の力は及びません。良いですね?』

「・・・うむ」

 

 

 

 建造された艦娘6名が部屋に集う。

 

「皆、今回、この人の命令を聞いてちょうだい」

女性が局長を指差す。その言葉に、艦娘全員が頷く。

 

「先ず、この中で一番最速なのは誰だ?」

 

 小柄な艦娘が手を挙げる。

 

「私です」

「そうか。・・・妖精、この艦娘へ乗艦してくれ」

『了解しました。行って来ます!』

手を挙げた艦娘の近くへ行き消えた。

 

「今のは何故?」

「貴様だけは単独行動をしてもらう。その為の準備だ」

「不知火、私からはこれを持って行って」

女性が不知火へ機械を渡す。

 

「これは?」

「艦娘用の探知妨害装置よ。最後の最後で自分の身が危なくなったら、

それを捨てて救援要請を出して頂戴ね?」

「了解です」

 

「それでは、作戦内容を説明する」

局長が地図を広げる。

 

「我々は、ここ、に居る。ここから、この島のこの鎮守府、へ行ってくれ」

今居る地点を指差し、その後スッと移動させて切り札が居る所を指差す。

 

「不知火、貴様は遠回りをしてこの鎮守府まで行ってもらう」

先ほどの、距離、とは違う、道のり、で経路を指差していく。

 

「その他の艦娘5隻は2隻と3隻に別れて、最短で行く艦隊と、

不知火とは別の遠回りで行く艦隊となってもらう。

貴様達、艦娘全員がこの惑星の重要任務を背負う。

出来るならば・・・全員死ぬなよ。任務を全うしてくれ」

「この惑星、ですか?」

新造の艦娘達がキョトンとした顔をする。

 

「人間の命運が掛かっている、と言えば良いか?」

その言葉に新規の艦娘全員が顔を引き締めていた。

 

「ひよっこの貴様達だが、現状、貴様達に頼るしかない。・・・頼む」

局長は頭を下げる。

 

「では、任務を説明する。貴様達は伝令だ。伝えることは・・・・・・」

 

 

 

 

「さて、俺も行かなきゃな」

「提督・・・」

 

妻が暗い顔をする。心配させまい、と抱きしめる。

 

「心配するな、隠密能力だけなら俺たちの方に分がある。必ず帰って来るさ。

・・・留守を頼んだぞ?」

「はい。・・・貴方、ご武運を」

「それは、アイツ等に言う台詞さ」

 

 夫は現存する輸送機へ向かう。

 

 

 

 

 

 ・・・見事、不知火がこの任務を全うしていた。

局長が英雄の鎮守府へ行くと。すでに出撃準備は終わっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 事が終わった後、局長は睦月と共に英雄の元を訪れた。

 

「へぇー、貴方の所にも睦月が居たんですね」

「ああ、艦娘としてだけではなく、俺の妻としてだな」

「・・・羨ましいです」

「あっ!、あ~なたっ、お腹の赤ちゃん動きましたよ」

「そうか!。・・・貴様も嫁を決めろよ?」

「・・・もう沢山いますよ。ええ、毎日搾り取られて空になる程に・・・」

「・・・多過ぎるのも、大変なもんだなぁ・・・」

「この惑星の生物と仲良くなりたい、とは言いましたよ?。どうしてこうなったんだか・・・」

「・・・すまんな、神様」

「子孫繁栄の神様ですか?」

「・・・」

「提督、今日は不知火がお相手します」

不知火が頬を染めて現人神に話しかける。

 

「・・・一緒に寝るだけで良いか?」

「不知火が、お相手、します」

不知火の言葉に神様が忽然と消える。目にも留まらぬ速さで逃げ出したようだ。

 

「提督が逃げました!皆さん、取り押さえてください」

鎮守府内放送が流れた。

 

 

 ・・・しばらくして、

 

「いやだー!。今日は寝たいんだー!。いつも夜明けはいぃ~~~やぁ~~・・・!」

「提督、睦月だって我慢してるんですからね!?。早く順番待ちを解消してください!」

「うわぁ!睦月、裏切ったな!?」

「裏切ってません。図ってます!」

「裏切ってるじゃないか!?」

「語彙違いにゃしぃ!。およ!?、いつの間に逃げたし!?」

「ヒェ~~~!。間宮~~~!、助けて~!」

「え?。・・・ひゃあ!ぁ・・・(はぁと)」

「間宮?、どうした!?、まみや~~~!」

『逃がさないわよぉ~~~!』

「うぇ!?、勘弁してくれ~~~!」

ワイワイと声が聞こえた。

 

 

 

 

「赤ちゃんが生まれた後は、またお相手してくださいね!」

「・・・ああ。ここで新しい言葉は覚えるなよ?」

 

 自分の艦娘(妻)が1人な事に感謝した局長だった。

 

 

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