※この作品はR-18です。

艦これ ある惑星の宇宙人な英雄   作:セビンリア

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前日 SPというAI

 飛行訓練している男は海面に映る自身の鎧姿を見る。

ふと、男は戦時中にこの装備を見た記憶が無い事に少しばかり驚いた。

「なあ、SP」

{なんでしょう?}

「君は何所で作られたんだ?」

その問いに{・・・}SPは喋らない。

「この様な鎧を着用した人は見た事が無かった。これは一体誰が作ったんだ?」

{・・・}SPはまだ喋らない。

「言えないのか?」

 男の要望に応え、渋々と言った声音で{これを作ったのは、歩兵装備の第1人者です}と、SPは話す。

 

「この装備を作っていた人で最も初めの人、と言う意味か?」

{はい。AI無しの状態で第1次艦娘開発者が受領し、AIを入れたのがこのSPとなります}

「当時、普及していたAIが存在していたようだが?」

{・・・あのAIを普及させる前に本装備は作られました。そして、当装備にAIを導入したのは深海棲艦との戦争中の事です。『第1次艦娘の製造場所で敵が攻めて来た時には、これを持っているんだから使おう』という場面で使用出来ず、死体の山に埋もれていたのが私です}

「その現場に居た人達は、全員死んだのか?」

{・・・はい。全員が死にました。襲撃をした深海棲艦側も全滅、相打ちと成りました}

「君が・・・敵を倒した、と?」

{・・・私ではありません。私は自立行動を出来ません。相打ちの様に最後の敵を倒した後、その施設の生存者は生まれ立ての第1次艦娘が1名、その者のみとなりました}

「第1次、か・・・その第1次の名は?」

{五十鈴です。当時はもう、第1次艦娘の研究開発者や建造技術者が殺害され、同時に第3次艦娘の利便性に押されていました。第1次艦娘用の生き残っていた研究者達が最後の総力を挙げて作った、最後の結晶にして最高傑作。・・・その時には、製作者全員が活躍を見る事無く、この世から消えましたが・・・}

「五十鈴ねぇ・・・」

 男は話しながら低空飛行を始める。徐々に着地の準備に入る。

 

 男の眼前に映る景色は、障害物の無い、比較的平坦な場所。着地と同時に前転。スライディングの姿勢で地面を擦り、飛行していた時の速度を殺す。走れる速さになった所で体を起こし、全速力で走る。

 ある程度走ると女性が1名走り込みをしていたので、隣まで走ると同じ速さで同行する。

 

「あら?・・・提督、訓練中?」

 横に付かれた、ツインテールが特徴の艦娘が男に話し掛ける。胸を強調させながらも、別段、強調をしていないように見える服を着ている。

 彼女は男が見慣れない装備を着用しており、パッと見ただけでは判断が付かなかった。だが、この島でこの装備を装着出来る者を思い出し、男へと話し掛ける。

 

「おはよう、五十鈴」

男は五十鈴へ手を上げて話し掛けた。五十鈴も手を上げて挨拶を返す。

「もう昼過ぎよ。それより、走り込みなら、私もご一緒して良いかしら?」

「ああ、五十鈴。今日は何周付いて来れるかな?」

「適度に終わらせるわ。今日はまだ、他の訓練もやりたいし。十二分に鍛錬を積んでから貴方を追い越すわ」

「ハハ、待っているよ」

「ええ。後9日で提督を越すよう、体を仕上げるわ!」

「・・・早いな・・・」

 提督は五十鈴の張り切っている言葉に呆れた様子。

 

 

 3日会わざれば刮目して見よ、という言葉が在る。

 妖精が造る艦娘達の成長は目覚ましいもので、人を訓練するよりも早い実戦投入が可能になる。

 男は何年も掛けて戦闘技術を実戦で積み、筋力と技術を磨いた。

それに対して、第3次艦娘の成長は早く、艦娘1名、90日後には深海棲艦を計100体倒すことも夢ではない。勿論、多勢に無勢では無理がある。艦隊を編成し、適材適所の位置へ送り込む必要はある。相性の良い敵へ対し、損害無しで帰投する事も夢ではない。

 先ずは3日間、静止目標へと黙々と当てる訓練をする事になる。勿論、その艦娘が望むならば、気絶するまで続けさせる。この3日間の訓練を終えた艦娘は、戦場へ行くトリガーハッピーコースか、戦術や戦略を学ぶ座学コースにするかを選ぶ。艦娘達の2択の傾向は半々。重度の戦闘狂か、己を知り敵を知れば百戦危うからずと思って居るかが分かる。

先の2択以外、その他の選択肢を選ぶ艦娘も居る。艦娘10名中3名の割合。

 

 

「まあ、君達はそんなものか・・・」

男は長年の艦娘達を思い出し、独り言ちた。

「それより、新しい装備を見つけたのね?」

五十鈴の問いに「ああ、AIも違うぞ」と男は返答。

「へえ、・・・ん?、その眼鏡の形、何所かで見たような・・・」

{初めまして、五十鈴、私はSPです}

「よろしく。・・・その音声も何所かで聞いた事が在るような・・・。あっ、思い出した!」

 少し考えた五十鈴が声を出す。

 

「私が建造された時に聞いた声だわ!」

{私は貴女とは初見ですよ?}

「あれぇ?、・・・そう?」予想が外れた五十鈴は間の抜けた声を出す。

{貴女は第1次ではなく、私の記録に在りませんので}

「・・・ああ、記録、ねえ・・・。私、生き返ってから記録の共有はもう出来ないし、如何しようも無いわね」

{生き返る事なんて在り得ません。この世はそのような世界です}

「う~ん、・・・確かにそうなんだけど。如何とも形容がし難い事柄ね・・・。まあ、良いか・・・」

 五十鈴は「話変わって」と言い、男へと話し掛ける。

 

「提督、睦月が呼んでいるわよ。もう行った?」

「睦月が?」

「お詫びを言いたいとかって・・・」

「何かあったか?」

「さあ?。提督を見つけたら呼んでくれ、って言われただけで、五十鈴からは何とも・・・」

「そうか。今から行ってみるよ」

 そう言って男は五十鈴と別れ、呼び主が居るであろう建物へと向かう。

 

 

 ・・・男を見送った五十鈴は何かに納得をしていた。

「あの形、・・・最初にこの世界へ現界した時、あの時見た眼鏡がアレだったわよねぇ・・・」

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