※この作品はR-18です。

艦これ ある惑星の宇宙人な英雄   作:セビンリア

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当日 決死の覚悟

 艦娘達を乗せた輸送機と共に、空中空母も一緒に戦場へと来ている。

 

『空母1番機。目標空域に到達。現在高度1万』

『空母2番機。目標空域に到達。現在高度9500』

『11時、攻撃目標発見せり。敵戦力、・・・オス大怪獣型発見!!! その他、オスへの随伴、全てメス型姫級・鬼級・・・混成部隊です!!』

『航空機隊、直ちに出撃、攻撃せよ!人里へ近づけるな!!!』

『了解!!』

『やってやりますとも!!』

『1番機、行きまぁ~す!!!』

 航空空母のハッチが開く。そこから全長が人の頭と同じ大きさの航空機が飛び出す。

『2番機、行きます!!!』

 妖精達の航空空母から、次々と航空機が出撃して行く。そして次々と決戦の大空へと向かって行く。

『こちら第1戦闘機隊1番機。高度7,000から尚も降下中。敵機との機銃効果範囲に入り次第、直ちに攻撃します。終わり』

 

 空中空母からは航空機が1機ずつ、後部ハッチから出撃している。

艦娘輸送機は男と艦娘達を出撃させて既に退避しているが、空中空母は搭載機発進に時間が掛かる。掛かるといっても、1機につき、3秒以内に発進する。人間サイズの機体とは違うのだ。

 航空機を発進させるというのは手間が掛かる。空母内に沢山積み込む為に、順番に折り畳んだ主翼を展開。発動機を始動させ、ほぼフルスロットルで戦場の渦中へと飛び込まなければ敵機に撃墜される危険が高い。

 艦娘の方だと、自身から発艦・発進させた時点で最高速度の状態。艦娘からの発進の方が即応能力が高い為、拠点防衛戦と敵拠点爆撃任務以外、空中空母を利用した基地航空隊の出撃は余り使用されない。費用対効果が薄過ぎるからだ。

それが今回、空中空母を使用してまで、急襲戦へ基地航空隊を連れて来たのだ。深海棲艦達を如何に素早く全滅させたいかが分かるという物。戦争に犠牲は付き物。兵士の質も必要だが、数も必要。

 艦娘側(基地航空隊含む)と深海棲艦側の航空機戦力比は、現在、1対1。優勢ではない戦力の中、下手をすれば1機毎にカモにされ得る。

『良し、行け!!』

『爆戦9番機、行きまぁーす!!』

 声高な合図と共に1機、又1機が戦場の空へと発進して行く。

 

 

『航空機隊は対空戦闘重視。爆撃部隊はメス型の排除を優先せよ!』

 金剛の指令が航空機を操る艦娘と航空機妖精の全員へと伝達される。

『撃ちます!Fire!』

 金剛が砲撃する。1発。その弾は海上に居るイ級へと当たり貫通、そのイ級が爆散。貫通した弾は別のイ級へも当たり、そのイ級も爆散。2枚抜き。

『榛名、砲撃開始します!』

 続けて榛名が砲撃を行う。狙うはメス型。真横へ滑りながら3つの砲塔から各1発ずつの3点射。撃った反動で進行方向が斜めへ少しずれた後、再び真横移動へと戻る。

2発が夾叉で着弾した後、1発が急所へと命中。

メス型が痛みに腰をへの字に曲げた。

『大和、主砲斉射!』

 大和も砲撃を行っている。4門の砲弾の1発が榛名が狙ったメス型の火薬庫ともいうべき箇所へ被弾、痛みでへの字に曲がったままの敵を爆散せしめる。

 

 深海棲艦側も砲撃を行う。金剛への直撃弾が来る。大和が砲撃から金剛を庇う様に射線へ入る。大和は手から盾(バルジ)を展開、敵からの攻撃を防ぐ。防いで跳弾した弾は彼方へと飛び、海へと落ちて行く。

 榛名へと放たれた砲弾は、榛名の回避運動に依って、水飛沫を上げて海中へと没して行く。

・・・深海棲艦側の攻撃は、艦娘へ、全くと言って良い程に有効打を与えられていない・・・

 

 

 空中空母から続々と搭載機が出ている中、対空弾と敵機の機銃掃射により、空中空母から段々と防壁が剥がれてゆく。

『空母2番機、全機出撃完了。撤退する!』

 2番機は転移により、弾幕の嵐を受け傷付きつつある機体を、その戦場から素早く離れさせる。

だが、1番機がまだ搭載機全てを発進出来ていない。

『早く出撃せよ!本機の防壁がもう持たないぞ!!』

 空母1番機から、最後の出撃機体がもたつく。

『54番機、出撃!!』

『全機出撃完りょ、ぐおぉぉぉーーーっ!!!』

 54番機が出撃したと同時に防壁が掻き消え、空中空母が格納庫へ被弾。54番機が被弾時の爆発に巻き込まれ、炎に包まれて制御を失い、真っ逆さまに海へと落下して行った。

 空中空母は被弾時に発動機が能力を失い、今や慣性で飛んでいる。

『空母1番機!?脱出、脱出せよ!!』

 

 被弾時に座席のシートベルトが切れ、操縦手は計器に思いきり頭をぶつけ、頭から血を流している。彼は画面を見据え、映る情報に目を通す。至る所に警報と使用不可の文字が表示されている。

『・・・む、無理だ。脱出装置を破壊された。・・・皆、未来を頼むぞ』

 被弾し火災が発生・炎に包まれつつある空中空母の操縦手は操縦桿を動かす。自身の乗る機体をオス型の取り巻き、メス型の1体に狙いを定める。特攻。

『私だって、長年深海棲艦と戦って来たんだ。無駄死にはしない!!!』

 この時だけの、散り行く愛機と共に、彼は道連れを作りに往く。

 

 

「く、来るぞ!撃ち墜とせェーーー!!!」

 特攻して来る事を悟った深海棲艦達は、空中空母へと対空弾幕を張るが墜とせない。

1名のメス型へと真っ直ぐ向かい、尚も近付く。

 

『我々の未来に、光あれェーーー!!!』

「グオオォァーーー!!!」

 オスは向かって来た空中空母へ向けて全力で拳を振り、空中空母は当たった拳によって爆発四散した。

 爆発の煙が晴れた後、オスが航空機へとぶつけた拳は・・・切り傷程度の怪我だった。

 

 

『クソォッ!!オスが、バケモノめ!!!』

 何事も無かった様子のオス型に、妖精が悪態を吐いた。

 

『俺達はオスに構うな!取り巻きの姫級・鬼級を倒すぞ!!』

『了解!!』

 妖精達は己の本分を果たす為に、操縦桿を握り直した。

『こんな事で、俺達の未来を止められて、堪る物か!!』

 そんな妖精達の乗る航空機に深海棲艦達の航空機が襲い掛かる。

『ちいっ!!』

 妖精は敵機の機銃掃射を寸での所で躱し、そのまま後ろを取って機銃掃射で撃墜。

『深海棲艦(こいつ等)の方が余程(よっぽど)厄介だぜ!!』

前回の戦地と敵を思い出した妖精は、そう独り言ちた。

『不味いぞ、敵機の中にたこ焼き型が混じっている!!』

『・・・本当に厄介だぜ!!!』

 悪態を吐いた後に又悪態を吐くことになった。

 

 

 

『不味いぞ!敵機がほぼ専用機だらけだ!!』

 深海棲艦達は敵機を見、叫ぶ。しかし、専用機ではなく最新鋭機であるだけ。この深海棲艦達は、艦娘達との戦闘を長らく避けていた為、最新の量産機である事を知らない。

「そんなの今更よ!1分1秒でも長く持ち堪える。私達のやる事はこれよ。忘れないで!!」

『りょ、了解!!』

 メス型達は焦り始める。やりたかった事をやれるのか如何かを・・・。

 

 

 

 

 

『バケモノめ!!!』

 特攻の効果が無かったオスを見て、木曾と敷波がそう吐き捨てる。

 

「・・・何よ。木曾、貴女達は、あんな怪物と戦っていたって言うの?!!」

 吹雪は実際に見た事の無かった巨大な怪物(オス型)を見、悲鳴の様な大声を上げた。

 吹雪自身は伝聞でしか確認しておらず、誰かの捏造だと思っていた。それが目の前に居るという事に取り乱したが、大声を上げた事で自分を現実に引き戻して平静を取り戻す。

 吹雪の今の役割は、海上に居る深海棲艦達を倒す事しかないのだ。狙いを定め、魚雷を発射。砲撃をして、敵を魚雷直撃コースへと進ませて行っている。

 

「提督と睦月が一番よく知ってるだろうさ! なあ、副隊長?!」

「第2班、梯形陣! 急いで!!」

『了解!!』

 木曾の言葉に睦月は陣形変更を叫ぶ。それに第2班の全員が反応する。

 

 陣形変更の移動をしながら、大井は巨大化しているオスの顔を見、

「・・・義弟(おとうと)?」

驚いて凝視し、思わず呟いていた。

 

「大井、避けて!!」

「え?」

 吹雪の言葉を聞いてハッと我に返った大井だったが、大井の体に敵のメス型が放った敵弾が直撃。大井が爆発の煙に包まれた。

 

「大井!!」「姉さーん!!」

 吹雪と木曾は大井の被弾を見て叫ぶ。大井が死んだのかもしれないと、いや、まだ生きていて欲しいと叫んだ。

 

 煙から出て来た大井は・・・

「彼等と、戦わなきゃいけないのね・・・」

 損傷といえる傷1つ無い、険しい表情だった。

『ぉえ?・・・・・・』

 吹雪と木曾が拍子抜けをした様な声を出した。

 

 

 通常、敵から砲弾級の弾丸や雷撃・爆弾をもろに食らえば、当たり所が良くて大破、悪くて海の藻屑となる。

この世界だと艦娘でもそれは、特定の条件を除いて、道理である。

 だのに、この大井は如何だ。敵弾を食らって、数値で表すならば1ダメージも受けていない様な状態だった。

 

 

 服も損傷1つ無く爆煙から出た大井は、自身の持っている大砲を構え、

「邪魔すんじゃないわ、よ!!」

 言うと同時に『邪魔者』に向けて撃った。ほぼ直線を描いて深海棲艦へと向かった弾は・・・

 

 狙った敵( 深海棲艦 )へと吸い込まれ、当たった敵が爆発を起こした。

 

「うん、当たる。・・・呆気無いわね・・・」

 

「ほぼ直線を描いて敵に届いた?!」

 敷波は驚く。通常、弾は放物線を描いて敵に当たるか如何か。それが大井はほぼ1直線で敵へと向かって行ったのだ。約10年という時を経て、大怪獣級の艦娘の再登場に驚く。

「大井、貴女は何(なん)なの?・・・」

「私は大井よ。それ以上でも以下でも無いわ!」

 疑問の声が上がるが、大井は大井である。大井と共に昔を生きた艦娘達の想いを受け継いだ大井。ただ、それだけ。

 

 

「・・・敵の練度が、低い・・・」

 睦月は人知れず声を漏らす。まるで、統率は執れているが、訓練上がりを相手にしている様な感覚。

 

「むっ!?!敵機、こっちに来ます!!」

 吹雪は上空の敵機の行動を察知し、敵機の攻撃を警戒させる。敵機編隊が睦月達へと襲い掛かりに来る。

「見惚れている暇は無いよ!五十鈴、対空防御!!」

「了解!!」

 全員が直ぐ様、気を直して空から襲い掛かってくる敵機へと気を配る。五十鈴は対空射撃を開始し、敵機の撃墜、爆撃を牽制・妨害する。

 

『水中に潜水型発見!!、10時半の方向、距離3339!!』

「睦月(私)がやる!爆雷・・・投射!!」

 イムヤの報告に睦月がそう言うや、直ぐさま持った爆雷を指定された場所へ投げた。遠投。距離にして、3キロ以上。

 

 投げられた爆雷は海へ入ると少し経ってから爆発。

爆雷の爆発音と共に、

『キ、キャーーア゛ー゛ー゛~゛ッ゛・・・!!!』

 海中に居たイムヤは大きく叫び声を上げる深海棲艦の声を聞く。撃沈。

 

『・・・直撃!水中、敵影無し!!』

 イムヤの視界と水中ソナーに、深海棲艦の敵の姿は完全に無くなる。イムヤは『早い』と疑問に思った。

敵が海中に居なさ過ぎたのだ。以前、『空飛ぶ人型が海中戦特化型を殺して回った』という話が存在したが、現在、そんな事はしていなかったように、大量に海中戦特化型が出現している。イムヤは、こんなに居ないのは何故なのか、と素早く思考を巡らせ始める。

 

 

(この、後なんて考えてない様子、オスを地上に揚げて人間を攻撃する事だけしか、帰る事は考えてないの?・・・だとしたら、奴を倒せる・倒そうとする提督が一番危ない!!)

「航空機隊。オスの護衛を倒して!早く!!!」

 イムヤは叫ぶ。自身がオスに無力だからこそ力強く声を上げた。

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