{攻撃目標発見!。総員、戦闘態勢!}
「了解!」
『了解!』
望遠で見える距離まで迫った。まだ察知されていないと思いたいが・・・
「美賀、降ろすぞ!」
「どうぞ!」
・・・離した後で落下して行く。途中で落下傘が開いていた。
{探知されています!。敵、航空機発艦を開始!}
目の前では敵の航空機が発艦しているのが見えた。
『隊長、俺達が撃墜されても、振り向かないでください。俺達は、この日の為に現界して居たんですから!』
「皆・・・頼んだぞ!」
『やってやりますとも!』
先ず接触して来たのが人用の大きさの航空機2機だった。
航空機が避け続けているが、それでも離されない。
業を煮やしたであろう僚機が鉄球を噴進弾で破壊した。
「早い、もう壊されたか!?」
鉄球本体の強度はそれ程でも無かった様だ。
{注意!、艦と人型の様子が変です!}
「変?!」
{無線で口論をしている様な・・・}
「・・・人型がまだ攻撃してこないな!!」
{そうでした!}
艦と人型で互いに発砲し始めた。
人型はスイスイと避けている。
艦の方に被害は・・・見受けられない。勝てるのだろうか?・・・。
{人型への攻撃中止!。総員、艦を狙え!}
『了解!』
ある程度近づいた所で、艦の大砲が火を噴き、大口径の弾が飛んで来た。
艦からの攻撃を、盾を傾斜させて受け流す体勢に入る。
・・・着弾、壊れはしなかったが、
「おあぁ!!?」
防いだ反動で勢い良く吹き飛ばされた。水面を転がる事になりそうだ。
・・・?。誰かに後ろから支えられていた。
『隊長!!』
聞き覚えのある声が多数聞こえた。人型深海棲艦から、ではあるが・・・。
「助かった!。だが今は戦闘中だ!、話している暇は無い!!」
『・・・了解!』
『待ってくれ!。その艦を攻撃しないでくれ!』
声が特大の音量で発せられた。余りの大音量に全員が耳を塞いだ。
『あ、俺達耳無いのに・・・』
『耳塞いどいて、今更?。・・・あ、俺もだった』
敵味方含めて、全員が戦闘を中断する程だった。・・・海中に居た魚が浮かんで来た。
{明石の作ったロボットが到着!}
「・・・来てしまったか?・・・」
ロボットからの無線と拡声器からだったのだろう。頭がおかしくなるかと思った。まだ、少し耳が痛い。
{艦が沈黙!}
「何故?!」
{ロボットを見て固まっています!}
艦から発艦していた航空機がロボットの周りを旋回し始めた。
曲芸飛行をしている様子だった。
「これが・・・鎮守府に現れた、私とそっくりの・・・」
近くで見ると山の様な大きさだ。心なしかこの鎧と同じ様な顔の形だ。
『君が、このロボット作成者の主か・・・。使わせてもらっているぞ』
搭乗者の声が私とそっくりそのままだった。
{艦から人型の深海棲艦が出てきました!}
艦から敵意が無くなっている。
・・・あの深海棲艦の体には、魂が混ざり合って入っている、と?
艦とロボットが近付き・・・
・・・?、何か、遠くで光ったような・・・
マズい!
最大加速で艦の上に居る深海棲艦の元へ行く。
{如何しました?!}
『あ!?、何をする!』
艦の上に居る深海棲艦の前で床に足を着け、前から来る何かから、
・・・衝撃音
・・・艦の上に居る深海棲艦を庇い、盾に亀裂が入った。
後ろを見る。庇った対象は生きている。こちらを見て放心状態なだけ・・・。
・・・この星の兵器では盾を壊せないと言っていた。しかし壊れる寸前・・・と云う事は!?。
もう一発が、盾の覗き穴から、迫って来るのが見えた。
急ぎ、辺りを確認する。扉が在った。素早く深海棲艦を抱え、そして足早に扉へと急いだ。
・・・直後、後ろで何かの音が聞こえた。もう1発、着弾した音で良いのだろう。
「助かったわ!」
「この星の兵器では持ち得ない威力だ!。さっきの攻撃は確実に君を狙っていた!。一番安全な場所に居ろ!」
「・・・分かった!」
そう言うと彼女は扉を閉め、安全であろう場所へと走り出したようだ。
真後ろを向く。着弾箇所は焦げていただけだった。凄まじく頑丈だ。
[この平行世界ならば、容易くこの星を掌握できると思ったのだがな・・・また貴様が障害物か・・・]
何処かから声が聞こえた。見回しても何も見えなかった。
『貴様の様な存在がまた現れたのか。・・・何所まで私の邪魔をすれば気が済むんだ!?!。何故皆そっとして置いてくれない!!!』
[まあ、良い。向こうの世界で満身創痍になったそのロボットに何が出来る?!。手始めに、ここに居る貴様ら全てを殺し尽くしてやるわ!]
空中、海上、海中に未確認物体の反応が多数表示された。
{注意、未確認物体多数!。
「見れば分かるさ!」
『隊長、これを受け取ってください!』
隊員に盾を投げられた。
「助かる!」
それを難無く受け取り、背負う。
「だが、この数・・・」
{倒せるだけ倒しましょう。・・・どの道、逃げ場は在りません}
「・・・そうだな」
「隊長!」
下から声が聞こえる。隊員の声ではない。人型の深海棲艦の声だ。
「何だ!?」
急いで近寄って質問する。
「私達も一緒に戦うわ!。回線の周波数を教えて!」
・・・好意的、そして真剣そのものだ。
「分かった。周波数は---だ!」
「BY、居るんでしょ!?。私達も同調よ!」
{え?!、りょ、了解!!。同調どうぞ!}
「・・・同調・同期完了!。また宜しくね!」
{あっ!?!・・・}
「頼んだぞ!?」
「任せて!」
『隊長と言われている者』
ロボットの搭乗者の声だ。
「何だ!?」
『貴様はこの星を、人間を守りたいのか?』
「・・・守りたいと思っている。少なくとも、ここに居る皆を守りたい気持ちは有る!!」
『・・・そうか。・・・そう、だな!』
・・・最後、彼は意を決した様な声を出していた。
『私に任せろ!』
「そんな鈍重そうなロボットで何が出来る?!・・・はぁ!!?」
ロボットが手を前に出すと、突如、大口径の大砲が現れて手に持っていた。
余りの出来事に驚いてしまった。
『充填9割か・・・ならば!』
何か大口径砲を持って呟いている。
『
ロボットの全身から、空中へ向かって初速から超音速でミサイルが飛んで行った。
物凄い数だ。空中と海上の敵へミサイルが降り注ぐ。
『援護は頼んだぞ!』
ロボットからの声に、
『了解!』
艦に居る深海棲艦から応答の返事が聞こえた。
『空中と海上は任せろ!!。海中は任せたぞ!?』
「あ、ああ!。勿論だとも!!」
彼からの言葉に狼狽しながらも応答した。
『提督、一部始終が見えたわ!。私も制空権確保を担うわ!』
美賀からの通信が来た。
「美賀、頼んだぞ!」
{海中の敵数判明、情報受信中!。同時に味方潜水型深海棲艦、魚雷発射!}
「もう、か?!。まるでイムヤのような!・・・」
{驚いている暇は有りませんよ!}
『隊長!。弾幕厳しく、海上からでは敵に近付けません!』
{歩兵各員、水中戦に移行せよ!}
「了解!」
『了解!』
BYの声に自分を含め、歩兵全員が海中へ入り敵を目指す。
{注意!。水中
{注意!。頭上に爆雷入水!!}
魚雷と爆雷の雨を掻い潜り、敵へ接近して行く。
避けながらも眼前にはまだ迫り来る誘導弾がある。
{全弾回避は無理です!!}
「無理か?!むぅ!!」
目の前に迫ったミサイルを手で持っていた盾で防ぐ。粉々に砕け散った。
{盾は背中に!}
「このままで良い!」
肩のミサイルを放つ。船体に着弾した様だがビクともしていない。
我々では0距離で倒すしかないようだ。
何とか、敵船へと取り付いた。
・・・大きい、これまた大型船並だ。
1隻に底面から取り付き、剣で円形の穴を空ける。空けた箇所から勢い良く水が船の中へ入って行った。
「どうだ!」
『ウワァーーー!!!』
・・・一瞬、見えた顔が人間ではなかった。
そして、悲鳴が聞こえたが気にしない事にした。
{動力室探知!。そこの破壊を!}
サングラスに位置が表示された。
「了解!」
そこへ向かい、同じく穴を空ける。水がある程度入って行った所で、対象が沈黙して沈んで行くのに気付いた。
{撃沈!次へ!}
「了解!」
『一番槍はやはり隊長でしたな!』
『
『弱点情報受信しました!』
『撃沈しました!』
『こっちも1隻撃沈!』
『皆、未来をたの・・・!』
{第9小隊全滅!。穴埋めを!}
「了解!」
{待て。中止!。援護攻撃、着弾、今!}
魚雷の爆発が見えた。直後、爆発が起こった。
{爆沈!、目標撃破!}
誘爆して轟沈せしめた様だ。味方深海棲艦の魚雷だったようだ。本当にイムヤの様だ。
{次の撃破目標を表示!}
「了解!、うおっ!」
背中への衝撃、
{被弾、被弾!背中の盾、消滅!}
間一髪だ。
・・・汗がどんどんと噴き出している。暑くは無い。むしろ寒い位だ。
・・・
『隊長、未来を頼みました!!』
ミサイルを受けたであろう隊員からの声が聞こえた。
「勿論、やってやるともさ!」
・・・とは言え、近付く度に飽和攻撃・誘導弾の中、どこまで避けきれるか・・・。
{味方からの援護攻撃!!。待機せよ!!}
「了解!」
・・・何かが入水後、敵誘導弾が爆雷によって破壊されたのが見える。
・・・敵船に触れた爆雷が直ぐに爆発した。
機械型としか思えない様な攻撃精度で敵船へ爆雷が当たっていた。浸水をして船首か船尾を真下にして沈んで行く姿も見えた。
{目標撃沈!次の目標を表示!}
「了解!」
・・・・・・
{海中の敵戦力、半分を切りました!}
・・・敵の残存勢力半分、
{歩兵残存数3!}
・・・今度こそ、
もっと語り合いたかった・・・。
・・・そうだな!最後までは!・・・
『海上の敵、殲滅完了!。水中の味方、敵から離れろ!』
「え?!か、完了!?!」
戦闘に入ってからそんなに時間が経過していたのだろうか?
幾ら何でも早過ぎるのでは?・・・。
『早く!』
{総員、全速後退!味方から飽和攻撃が来ます!}
『了解!』
「りょ、了解!」
応答をした隊員達の後で、返事をした。
何かが大量に入水し、敵船へそれが当たっていく。
ミサイルの様だった。
{撃沈!爆沈!轟沈!敵、水中戦力ゼロになりました!!}
「やったか?!」
『第2波を探知した!』
{まだ、こちらでは探知していませんよ!?!}
『異次元を跳躍して来るぞ!。一旦、私の所へ集結せよ!』
{隊長、いえ提督、如何しますか?。・・・どちらにせよ、次の戦闘で歩兵部隊は全滅必至です}
「・・・ロボットの所へ行こう」
{・・・了解。総員、巨大ロボットの付近へ集結せよ!}
『了解!』
『・・・生き残ったのは、これだけなのか?』
ロボットの搭乗者が言った。
「そうだ」
『・・・総員、衝撃に備えろ!。艦に掴まれ!』
ロボットが艦に降り立ち、手に持っている大砲を構えた。
「何をするんだ?!」
『早く掴まれ、直ぐに分かる!』
その声に、今外に居る全員が手すりか床にしがみ付いた。
『・・・今、発射!』
ロボットが手に持っていた大砲から、特大出力であろう、電磁砲か加粒子砲が渦を巻きながら放たれた。
放った後で、強風が体を襲った。
発射した直後に空に大量の船が見えた。・・・が、今もなお砲口から出る砲弾の前に全て消えて行った。撃破されたのだろう。
枝分かれし、海中へと入った一部が有った。敵性反応が一瞬だけ見え、直ぐに全て消えた。
上空への砲弾は雲を突き抜け、太陽を覗かせた。辺りに陽が差し始めた。
「・・・圧倒的だな」
{・・・本当に、今回は、明石に助けられましたね}
「本当だな。・・・今度こそ、やった」
『・・・第3波を探知した』
「な?!、まだ来るか!?」
『・・・隊長と言われていた君に質問だ』
「何だ?」
『君は人間を、いや、この星を守りたいか?』
「ああ、守りたい」
『・・・即答か。・・・何故そこまで言い切れる?』
「私はこの星に住む人間と宇宙人と共に、人間を守って来た。そして、人間の住むこの星を守りたい、と言う気持ちは今も変わらない」
『人間と宇宙人と共に、か・・・』
「そうだ。ここまで一緒に守って来たんだ。皆が蟷螂の斧として、命を賭して守って来たのが人間の住むこの星だ!。侵略者なんぞに渡して為るものか!」
『そうだ!。この体無くなるまで戦ってやりますとも!』
『そんな隊長だから、俺達は隊長に付いて行ったんです!』
『やっぱり、変わってないですねぇ、隊長・・・』
隊員達の声、皆ボロボロだった。1人は盾腕が無い。
『・・・羨ましいな』
そう言われた。・・・ロボットに乗っている者の命の火が消え始めている?。
『進入経路の探知、始め!、転移元まで発見出来るか?!。出来る?よし!!』
誰かへ話している。
『進入経路探知成功。敵、本拠地座標発見!。空間転移攻撃・・・準備完了!』
何をするつもりなのだろうか?
『君達に贈り物だ!。勝利と言う名の、な!』
ロボットの大砲からもう1度、砲が放たれた。
放たれた砲弾がどこかの空間へ移動しているような、放った出力を維持したままどこかへ消えていた。
『あ、そ、そんな!?!。ば、馬鹿な!?!。あ!?!あああぁぁぁーー~・・・!!!』
侵略者であろう声が断末魔の様に掻き消えていった。
『・・・やったか。第3波、並びに敵拠点・・・殲滅。作戦、完了だ』
ロボット搭乗者が言った。
雲間から覗いた夕陽がロボットを照らす。あれだけの戦闘が有ったにもかかわらず、傷ひとつ無い様に見えた。
神の化身、いやこれは巨神と云うべきか、昔教えて貰ったロボットに思えた。
・・・輝く姿が神々しい。頼みの綱だったから、なのだろうか・・・。
ロボットの出入り口であろう場所が開き、男性が倒れながら出て来た。
続いて艦に居た深海棲艦が扉から出て来て、倒れた男性を抱きかかえた。
「提督、提督!!」
男性を抱きかかえながら深海棲艦が言った。
深海棲艦に抱きかかえられた男性に近付く。
・・・私とそっくり、いや、同一人物とも云える容貌だった。・・・君と同じ様な存在も居る?!
「贈り物、如何だったかな?・・・」
男性が弱々しい声で呟いた。死に掛けに近い。
{提督、敵反応未だ在りません。作戦完了を通達します}
「・・・ありがとう。君が居なければ全滅だっただろう」
サングラスを外しながら答えた。・・・男性と抱きかかえている深海棲艦が驚いた。
「私とそっくりさんだったか・・・そんなボロボロになってまで、情熱的だったとは、な・・・」
「最後のは?」
「もう一度やってくれと言っても無理だぞ?。どの道もう私は死ぬが、な・・・」
「感謝の印に、私からも贈り物をさせて貰おう。君、彼を置いて離れてくれるかな?」
男性を抱いている女性に話しかけた。
「え?、ええ・・・」
彼女は疑問符を浮かべている様子だが、
「・・・さて」
体から鳥を出す。
{え?!}
『え?!』
皆が疑問符の声を出して居た。
鳥が男性に向かって火炎を吐いた。
『ちょっ!?!』
「皆落ち着け。彼なら大丈夫な筈だ」
{いや、筈って、ちょっと?!}
ムクリと彼が起き上がる。元気になったようだ。
『嘘ーん・・・』
彼以外の皆が納得行かない声を挙げた。
鳥を体の中へ入れた。
「・・・すまないな」
「今言うのは感謝、だろう?。しかし先ずは・・・ほら、後ろの彼女が見ているぞ?」
私の投げ掛けに彼が後ろを向く。
「提督・・・」
「・・・君は、何て呼べば良い?」
「・・・○○と、呼んでください」
彼女が彼に抱きついた。名前が聞き取れなかった。
「・・・お帰り、○○・・・」
彼も彼女の名前を言ったが、やはり聞き取れなかった。
「ただいま。提督・・・」
お互いに厚い抱擁を交わして居た。
「聞かせてくれ、その深海棲艦は?」
「同じ呼称だったか・・・。この娘は私の部下となった、艦娘達の魂の集合体・・・と呼べば良いのかな?」
彼の言葉に深海棲艦が頷いた。
「そう、だったか・・・」
「私の世界はな・・・その星に住む者は私と艦娘だけに任せ、誰も何もしなかった。提督の私だけが生き延び、艦娘はおろか、私の鎮守府も皆無くなってしまった。君の鎮守府を見た時、・・・妬ましかったよ」
「・・・」
「でも、この世界に来て、私を慕ってくれて居た・・・いや、くれている者にまた巡り逢える事が出来た。こんなに嬉しい事は無い」
彼が彼女の肩を引き寄せ、涙を流しながら言った。彼女も彼に身を寄せている。・・・嬉しそうだ。
途端、艦とロボットが光り輝いた。
「何だ?!」
武装して周囲を確認する。
「私達は別の世界から来た者。元居た世界に帰る時が来たようだ。君には、世話になった。・・・ありがとう」
「・・・君達に、この先、幸があらん事を祈っているよ」
「君もな・・・」
お互いに手を挙げた。
・・・直後、光が激しくなり、思わず目を閉じた。
・・・目を開けると、艦とロボット、彼と彼女が居なくなっていた。
{・・・艦とロボットの反応、消失しました}
「・・・元の世界へ帰って行った、で良いのかもな」
{・・・そうですね}
『隊長ーー!』
人型の深海棲艦達が呼んだ。
「如何した?」
近付いて聞いてみた。見るに、先程の戦闘による怪我等は有るが軽傷の様だ。
「目の前に居る隊長は・・・夢じゃ、無いんですよね?」
「・・・勿論だとも」
「隊長ー!」
1体、抱き付こうとして来たのでスッと避けた。
「あれ?!・・・何で避けるのよー?」
避けられた深海棲艦がむくれた。
「・・・姿、容姿的に・・・な」
「あ、・・・いつか、受け止めてよ。ね?」
「・・・ああ」
「で、向かって来るあの艦は味方なの?」
「ん?」
後ろを振り向くと、航空機の着艦を行いながら、美賀であろう艦が近付いている最中だった。
「ああ、味方だ」
「あれは・・・加賀だね」
「・・・艦が来るなんて、さっきのも合わせて、変な世界になったな」
「君たちは艦に為れないのか?」
『なれないわ{(ぞ)(よ)(わよ)(です)}』
「それに、なるって何さ?」
「・・・そうか。話し変わって、君達はこの後如何する?」
「隊長の住んで居る所に行きたいわ。・・・良い?」
「・・・条件が有る」
「知能の無い個体を纏める役、そして数減らし、でしょ?」
「そうだ」
「喜んでやるわよ。但し、出来るだけ、毎日私達と顔を合わせてよね?」
「・・・勿論だとも」
『隊長、俺達は明石さんの元へ戻ります』
残った隊員達が来て言った。
「・・・そうか」
『・・・隊長、達者でいてくださいね?』
「き・・・ああ!」
君達も、と言いそうになったが口を
『・・・隊長、では!』
「ああ!」
隊員達が遠退いて行った。
近くまで来た美賀の乗る艦から
「皆、乗ってくれ!」
『了解』
先に上に行くと、梯子を降ろしていた美賀を見つけた。
「隊長、お疲れ様」
「美賀、お疲れ様」
「・・・盾、無くなったのね」
「あれは、また作れば良いさ」
「・・・そうね」
「そうさ」
「よいしょ、っと。・・・あれ?!。深海棲艦?!」
登って来た深海棲艦が開口一番にこう言った。
「君もだろうに?」
「・・・そうだったわ」
「よっ!、っと。あれ?!。深海棲艦?!」
「私の繰り返し、とは感心しないわよ?」
「・・・だってぇー・・・、聞こえた声が面白かったんだもん」
「今度言ったら、尻に魚雷を食らわすわよ?」
「はい、はい。おお怖い、怖い」
「・・・全く」
「あれ?!。深海棲艦?!」
『深海棲艦?!』
「やめてよぉ・・・」
登って来る全員が面白がって言っていた。そして最初に言った者が手で顔を覆って居る。
「・・・」
美賀が深海棲艦と言われる度に不機嫌になっていく。
「深海棲艦の皆、降りる?。降りて良いのよ?」
耐えかねた美賀が声を低くして言った。青筋が浮いているのが見えた。
「何なら今から海へ飛び降りて・・・」
『ごめんなさい!』
謝った全員の息がピッタリだった。
「・・・で、隊長、どこに行けば良いの?」
美賀の言葉にサングラスを外し、
「BY、地図の表示を」
{はい}
サングラスから地図が表示され、現在位置と住んで居る鎮守府が表示される。
「今、この鎮守府で生活をしている」
「鎮守府って事は、提督になったんだね」
「皆、美賀には確認したんだが、君達は人間への敵意が有るか?」
「・・・皆、無いよ」
「・・・そう、か」
「・・・と、言っても隊長を見つけるまでは、向かって来た艦娘を追い払っていた」
「私達は深海棲艦への変異体よ。陸戦を生き、海戦になった後で人間達に不満を持ちながら沈んで行った艦娘。・・・正直、人間が憎かったわ」
「でも、隊長、こうして生き返って、生きている貴方を見つけました」
「心の闇が晴れた気分よ。・・・体は深海棲艦に
「あたし達はもう、人間と艦娘を襲う事は無いよ」
「・・・信じよう」
深海棲艦達から安堵の息が漏れた。・・・全員が嬉しそうだ。
「さあ、私の居る鎮守府へ行こう」
「もう、そこに向けて進んでいるわ」
{その事なんですが・・・}
「如何した?」
{今、逆方向を進んでますよ?}
『え?』
全員で声を上げた。
「目標へ進んでるつもりだったんだけど・・・」
{何で180度転進してしまったんですか?}
「転進して良かったんでしょ?」
{え?!}
「え?」
{・・・提督、1人にすると方向音痴な可能性が有ります、注意を}
『そうかぁーー・・・』
美賀以外の全員で声を上げた。
「待って!?。目印や案内が無いと私はこんなものよ!?」
{操舵室等に方位盤が有るでしょう?}
「・・・意識すれば見れるけど・・・あれは、どう見れば良いの?」
{・・・誰かに誘導して貰った方が良いですね}
「私達がやるわ。BY、位置情報の伝達をお願いね」
{分かりました}
「降りる前に、隊長、水を持ってるならくれる?」
「勿論だ。・・・はい、どうぞ」
水を渡す。
「んっ…んっ…ぷはっ!。・・・じゃ、行ってくるわ。加賀…あっと、美賀。付いて来て」
「分かったわ」
2名が降りて行った。
「隊長、あたし達にも水を頂戴?」
「わかった。はい、あっ・・・」
「あ」
渡そうとした所で手から滑り、
「・・・疲れてますね。休んでくださいな」
「・・・そうさせて貰う。水と栄養剤は有るだけ置いておくよ」
「さっきの私が使った落下傘を寝巻きにすると良いわ。濡れずに回収出来たから使えるわよ?」
「そうするよ。ありがとう」
寝袋として受け取り、
「お休み」
その場で包まって寝始める事にした。
「あ、ちょっと?!室内で休めるわょ・・・・、・・・?!」