※この作品はR-18です。

艦これ ある惑星の宇宙人な英雄   作:セビンリア

61 / 69
深海棲艦との数日3

{攻撃目標発見!。総員、戦闘態勢!}

「了解!」

『了解!』

望遠で見える距離まで迫った。まだ察知されていないと思いたいが・・・

 

「美賀、降ろすぞ!」

「どうぞ!」

 

 ・・・離した後で落下して行く。途中で落下傘が開いていた。

 

 

{探知されています!。敵、航空機発艦を開始!}

目の前では敵の航空機が発艦しているのが見えた。

 

『隊長、俺達が撃墜されても、振り向かないでください。俺達は、この日の為に現界して居たんですから!』

「皆・・・頼んだぞ!」

『やってやりますとも!』

 

 先ず接触して来たのが人用の大きさの航空機2機だった。

 

 鉄球(誘導弾)を航空機へ投げつけた。

航空機が避け続けているが、それでも離されない。

 業を煮やしたであろう僚機が鉄球を噴進弾で破壊した。

 

「早い、もう壊されたか!?」

鉄球本体の強度はそれ程でも無かった様だ。

 

{注意!、艦と人型の様子が変です!}

「変?!」

{無線で口論をしている様な・・・}

「・・・人型がまだ攻撃してこないな!!」

{そうでした!}

 

 艦と人型で互いに発砲し始めた。

 

 人型はスイスイと避けている。

 艦の方に被害は・・・見受けられない。勝てるのだろうか?・・・。

 

{人型への攻撃中止!。総員、艦を狙え!}

『了解!』

 

 ある程度近づいた所で、艦の大砲が火を噴き、大口径の弾が飛んで来た。 

艦からの攻撃を、盾を傾斜させて受け流す体勢に入る。

 

 ・・・着弾、壊れはしなかったが、

 

「おあぁ!!?」

防いだ反動で勢い良く吹き飛ばされた。水面を転がる事になりそうだ。

 

 ・・・?。誰かに後ろから支えられていた。

 

『隊長!!』

聞き覚えのある声が多数聞こえた。人型深海棲艦から、ではあるが・・・。

 

「助かった!。だが今は戦闘中だ!、話している暇は無い!!」

『・・・了解!』

『待ってくれ!。その艦を攻撃しないでくれ!』

声が特大の音量で発せられた。余りの大音量に全員が耳を塞いだ。

 

『あ、俺達耳無いのに・・・』

『耳塞いどいて、今更?。・・・あ、俺もだった』

敵味方含めて、全員が戦闘を中断する程だった。・・・海中に居た魚が浮かんで来た。

 

 

{明石の作ったロボットが到着!}

「・・・来てしまったか?・・・」

ロボットからの無線と拡声器からだったのだろう。頭がおかしくなるかと思った。まだ、少し耳が痛い。

 

{艦が沈黙!}

「何故?!」

{ロボットを見て固まっています!}

 

 艦から発艦していた航空機がロボットの周りを旋回し始めた。

曲芸飛行をしている様子だった。

 

 

「これが・・・鎮守府に現れた、私とそっくりの・・・」

近くで見ると山の様な大きさだ。心なしかこの鎧と同じ様な顔の形だ。

 

『君が、このロボット作成者の主か・・・。使わせてもらっているぞ』

搭乗者の声が私とそっくりそのままだった。

 

{艦から人型の深海棲艦が出てきました!}

 

 艦から敵意が無くなっている。

 

・・・あの深海棲艦の体には、魂が混ざり合って入っている、と?

 

 

 艦とロボットが近付き・・・

・・・?、何か、遠くで光ったような・・・

 

 マズい!

 

 最大加速で艦の上に居る深海棲艦の元へ行く。

 

{如何しました?!}

『あ!?、何をする!』

 

 艦の上に居る深海棲艦の前で床に足を着け、前から来る何かから、後ろに居る者(深海棲艦)を守る様に態勢を整えた。

 

 ・・・衝撃音

 

 ・・・艦の上に居る深海棲艦を庇い、盾に亀裂が入った。

後ろを見る。庇った対象は生きている。こちらを見て放心状態なだけ・・・。

 ・・・この星の兵器では盾を壊せないと言っていた。しかし壊れる寸前・・・と云う事は!?。

 もう一発が、盾の覗き穴から、迫って来るのが見えた。

急ぎ、辺りを確認する。扉が在った。素早く深海棲艦を抱え、そして足早に扉へと急いだ。 

 

 ・・・直後、後ろで何かの音が聞こえた。もう1発、着弾した音で良いのだろう。

 

「助かったわ!」

「この星の兵器では持ち得ない威力だ!。さっきの攻撃は確実に君を狙っていた!。一番安全な場所に居ろ!」

「・・・分かった!」

 

 そう言うと彼女は扉を閉め、安全であろう場所へと走り出したようだ。

 真後ろを向く。着弾箇所は焦げていただけだった。凄まじく頑丈だ。

 

[この平行世界ならば、容易くこの星を掌握できると思ったのだがな・・・また貴様が障害物か・・・]

何処かから声が聞こえた。見回しても何も見えなかった。

 

『貴様の様な存在がまた現れたのか。・・・何所まで私の邪魔をすれば気が済むんだ!?!。何故皆そっとして置いてくれない!!!』

[まあ、良い。向こうの世界で満身創痍になったそのロボットに何が出来る?!。手始めに、ここに居る貴様ら全てを殺し尽くしてやるわ!]

 

 空中、海上、海中に未確認物体の反応が多数表示された。

 

{注意、未確認物体多数!。空間転移(ワープ)して来たとしか思えない距離に出現しました!}

「見れば分かるさ!」

『隊長、これを受け取ってください!』

隊員に盾を投げられた。

 

「助かる!」

それを難無く受け取り、背負う。

 

「だが、この数・・・」

{倒せるだけ倒しましょう。・・・どの道、逃げ場は在りません}

「・・・そうだな」

 

「隊長!」

下から声が聞こえる。隊員の声ではない。人型の深海棲艦の声だ。

 

「何だ!?」

急いで近寄って質問する。

 

「私達も一緒に戦うわ!。回線の周波数を教えて!」

・・・好意的、そして真剣そのものだ。

 

「分かった。周波数は---だ!」

「BY、居るんでしょ!?。私達も同調よ!」

{え?!、りょ、了解!!。同調どうぞ!}

「・・・同調・同期完了!。また宜しくね!」

{あっ!?!・・・}

「頼んだぞ!?」

「任せて!」

 

『隊長と言われている者』

ロボットの搭乗者の声だ。

 

「何だ!?」

『貴様はこの星を、人間を守りたいのか?』

「・・・守りたいと思っている。少なくとも、ここに居る皆を守りたい気持ちは有る!!」

『・・・そうか。・・・そう、だな!』

・・・最後、彼は意を決した様な声を出していた。

 

『私に任せろ!』

「そんな鈍重そうなロボットで何が出来る?!・・・はぁ!!?」

 

 ロボットが手を前に出すと、突如、大口径の大砲が現れて手に持っていた。

余りの出来事に驚いてしまった。

 

『充填9割か・・・ならば!』

何か大口径砲を持って呟いている。

 

『誘導弾(ミサイル)、発射!!』

 

 ロボットの全身から、空中へ向かって初速から超音速でミサイルが飛んで行った。

物凄い数だ。空中と海上の敵へミサイルが降り注ぐ。

 

『援護は頼んだぞ!』

ロボットからの声に、

 

『了解!』

艦に居る深海棲艦から応答の返事が聞こえた。

 

 

『空中と海上は任せろ!!。海中は任せたぞ!?』

「あ、ああ!。勿論だとも!!」

彼からの言葉に狼狽しながらも応答した。

 

『提督、一部始終が見えたわ!。私も制空権確保を担うわ!』

美賀からの通信が来た。

 

「美賀、頼んだぞ!」

{海中の敵数判明、情報受信中!。同時に味方潜水型深海棲艦、魚雷発射!}

「もう、か?!。まるでイムヤのような!・・・」

{驚いている暇は有りませんよ!}

『隊長!。弾幕厳しく、海上からでは敵に近付けません!』

{歩兵各員、水中戦に移行せよ!}

「了解!」

『了解!』

BYの声に自分を含め、歩兵全員が海中へ入り敵を目指す。

 

{注意!。水中誘導弾(ミサイル)!}

{注意!。頭上に爆雷入水!!}

 

 魚雷と爆雷の雨を掻い潜り、敵へ接近して行く。

 避けながらも眼前にはまだ迫り来る誘導弾がある。

 

{全弾回避は無理です!!}

「無理か?!むぅ!!」

目の前に迫ったミサイルを手で持っていた盾で防ぐ。粉々に砕け散った。

 

{盾は背中に!}

「このままで良い!」

 

 肩のミサイルを放つ。船体に着弾した様だがビクともしていない。

我々では0距離で倒すしかないようだ。

 

 何とか、敵船へと取り付いた。

・・・大きい、これまた大型船並だ。

 1隻に底面から取り付き、剣で円形の穴を空ける。空けた箇所から勢い良く水が船の中へ入って行った。

 

「どうだ!」

『ウワァーーー!!!』

 ・・・一瞬、見えた顔が人間ではなかった。

そして、悲鳴が聞こえたが気にしない事にした。

 

{動力室探知!。そこの破壊を!}

サングラスに位置が表示された。

 

「了解!」

そこへ向かい、同じく穴を空ける。水がある程度入って行った所で、対象が沈黙して沈んで行くのに気付いた。

 

{撃沈!次へ!}

「了解!」

 

『一番槍はやはり隊長でしたな!』

『流石(さすが)!』

『弱点情報受信しました!』

『撃沈しました!』

『こっちも1隻撃沈!』

 

『皆、未来をたの・・・!』

{第9小隊全滅!。穴埋めを!}

「了解!」

{待て。中止!。援護攻撃、着弾、今!}

 

 魚雷の爆発が見えた。直後、爆発が起こった。

 

{爆沈!、目標撃破!}

誘爆して轟沈せしめた様だ。味方深海棲艦の魚雷だったようだ。本当にイムヤの様だ。

 

{次の撃破目標を表示!}

「了解!、うおっ!」

背中への衝撃、

 

{被弾、被弾!背中の盾、消滅!}

間一髪だ。

 

 ・・・汗がどんどんと噴き出している。暑くは無い。むしろ寒い位だ。

 

・・・

 

『隊長、未来を頼みました!!』

ミサイルを受けたであろう隊員からの声が聞こえた。

 

「勿論、やってやるともさ!」

・・・とは言え、近付く度に飽和攻撃・誘導弾の中、どこまで避けきれるか・・・。

 

{味方からの援護攻撃!!。待機せよ!!}

「了解!」

 

 ・・・何かが入水後、敵誘導弾が爆雷によって破壊されたのが見える。

 

 ・・・敵船に触れた爆雷が直ぐに爆発した。

 機械型としか思えない様な攻撃精度で敵船へ爆雷が当たっていた。浸水をして船首か船尾を真下にして沈んで行く姿も見えた。

 

{目標撃沈!次の目標を表示!}

「了解!」

 

 

・・・・・・

 

 

{海中の敵戦力、半分を切りました!}

・・・敵の残存勢力半分、

 

{歩兵残存数3!}

 

 ・・・今度こそ、い(・)ってしまったんだろうな。

もっと語り合いたかった・・・。

 

 ・・・そうだな!最後までは!・・・

 

 

『海上の敵、殲滅完了!。水中の味方、敵から離れろ!』

「え?!か、完了!?!」

 

 戦闘に入ってからそんなに時間が経過していたのだろうか?

幾ら何でも早過ぎるのでは?・・・。

 

『早く!』

{総員、全速後退!味方から飽和攻撃が来ます!}

『了解!』

「りょ、了解!」

 

 応答をした隊員達の後で、返事をした。

 

 何かが大量に入水し、敵船へそれが当たっていく。

ミサイルの様だった。

 

{撃沈!爆沈!轟沈!敵、水中戦力ゼロになりました!!}

「やったか?!」

『第2波を探知した!』

{まだ、こちらでは探知していませんよ!?!}

『異次元を跳躍して来るぞ!。一旦、私の所へ集結せよ!』

{隊長、いえ提督、如何しますか?。・・・どちらにせよ、次の戦闘で歩兵部隊は全滅必至です}

「・・・ロボットの所へ行こう」

{・・・了解。総員、巨大ロボットの付近へ集結せよ!}

『了解!』

 

『・・・生き残ったのは、これだけなのか?』

ロボットの搭乗者が言った。

 

「そうだ」

『・・・総員、衝撃に備えろ!。艦に掴まれ!』

ロボットが艦に降り立ち、手に持っている大砲を構えた。

 

「何をするんだ?!」

『早く掴まれ、直ぐに分かる!』

その声に、今外に居る全員が手すりか床にしがみ付いた。

 

『・・・今、発射!』

 

 ロボットが手に持っていた大砲から、特大出力であろう、電磁砲か加粒子砲が渦を巻きながら放たれた。

放った後で、強風が体を襲った。

発射した直後に空に大量の船が見えた。・・・が、今もなお砲口から出る砲弾の前に全て消えて行った。撃破されたのだろう。

 枝分かれし、海中へと入った一部が有った。敵性反応が一瞬だけ見え、直ぐに全て消えた。

 上空への砲弾は雲を突き抜け、太陽を覗かせた。辺りに陽が差し始めた。

 

「・・・圧倒的だな」

{・・・本当に、今回は、明石に助けられましたね}

「本当だな。・・・今度こそ、やった」

『・・・第3波を探知した』

「な?!、まだ来るか!?」

『・・・隊長と言われていた君に質問だ』

「何だ?」

『君は人間を、いや、この星を守りたいか?』

「ああ、守りたい」

『・・・即答か。・・・何故そこまで言い切れる?』

「私はこの星に住む人間と宇宙人と共に、人間を守って来た。そして、人間の住むこの星を守りたい、と言う気持ちは今も変わらない」

『人間と宇宙人と共に、か・・・』

「そうだ。ここまで一緒に守って来たんだ。皆が蟷螂の斧として、命を賭して守って来たのが人間の住むこの星だ!。侵略者なんぞに渡して為るものか!」

『そうだ!。この体無くなるまで戦ってやりますとも!』

『そんな隊長だから、俺達は隊長に付いて行ったんです!』

『やっぱり、変わってないですねぇ、隊長・・・』

隊員達の声、皆ボロボロだった。1人は盾腕が無い。

 

『・・・羨ましいな』

そう言われた。・・・ロボットに乗っている者の命の火が消え始めている?。

 

『進入経路の探知、始め!、転移元まで発見出来るか?!。出来る?よし!!』

誰かへ話している。

 

『進入経路探知成功。敵、本拠地座標発見!。空間転移攻撃・・・準備完了!』

何をするつもりなのだろうか?

 

『君達に贈り物だ!。勝利と言う名の、な!』

ロボットの大砲からもう1度、砲が放たれた。

 

 放たれた砲弾がどこかの空間へ移動しているような、放った出力を維持したままどこかへ消えていた。

 

『あ、そ、そんな!?!。ば、馬鹿な!?!。あ!?!あああぁぁぁーー~・・・!!!』

侵略者であろう声が断末魔の様に掻き消えていった。

 

『・・・やったか。第3波、並びに敵拠点・・・殲滅。作戦、完了だ』

ロボット搭乗者が言った。

 

 雲間から覗いた夕陽がロボットを照らす。あれだけの戦闘が有ったにもかかわらず、傷ひとつ無い様に見えた。

 神の化身、いやこれは巨神と云うべきか、昔教えて貰ったロボットに思えた。

・・・輝く姿が神々しい。頼みの綱だったから、なのだろうか・・・。

 

 

 ロボットの出入り口であろう場所が開き、男性が倒れながら出て来た。

続いて艦に居た深海棲艦が扉から出て来て、倒れた男性を抱きかかえた。

 

「提督、提督!!」

男性を抱きかかえながら深海棲艦が言った。

 

 深海棲艦に抱きかかえられた男性に近付く。

・・・私とそっくり、いや、同一人物とも云える容貌だった。・・・君と同じ様な存在も居る?!

 

「贈り物、如何だったかな?・・・」

男性が弱々しい声で呟いた。死に掛けに近い。

 

{提督、敵反応未だ在りません。作戦完了を通達します}

「・・・ありがとう。君が居なければ全滅だっただろう」

サングラスを外しながら答えた。・・・男性と抱きかかえている深海棲艦が驚いた。

 

「私とそっくりさんだったか・・・そんなボロボロになってまで、情熱的だったとは、な・・・」

「最後のは?」

「もう一度やってくれと言っても無理だぞ?。どの道もう私は死ぬが、な・・・」

「感謝の印に、私からも贈り物をさせて貰おう。君、彼を置いて離れてくれるかな?」

男性を抱いている女性に話しかけた。

 

「え?、ええ・・・」

彼女は疑問符を浮かべている様子だが、一縷(いちる)の望みを賭ける様に離れた。

 

「・・・さて」

体から鳥を出す。

 

{え?!}

『え?!』

皆が疑問符の声を出して居た。

 

 鳥が男性に向かって火炎を吐いた。

 

『ちょっ!?!』

「皆落ち着け。彼なら大丈夫な筈だ」

{いや、筈って、ちょっと?!}

 

 ムクリと彼が起き上がる。元気になったようだ。

 

『嘘ーん・・・』

彼以外の皆が納得行かない声を挙げた。

 

 鳥を体の中へ入れた。

 

「・・・すまないな」

「今言うのは感謝、だろう?。しかし先ずは・・・ほら、後ろの彼女が見ているぞ?」

私の投げ掛けに彼が後ろを向く。

 

「提督・・・」

「・・・君は、何て呼べば良い?」

「・・・○○と、呼んでください」

彼女が彼に抱きついた。名前が聞き取れなかった。

 

「・・・お帰り、○○・・・」

彼も彼女の名前を言ったが、やはり聞き取れなかった。

「ただいま。提督・・・」

お互いに厚い抱擁を交わして居た。

 

「聞かせてくれ、その深海棲艦は?」

「同じ呼称だったか・・・。この娘は私の部下となった、艦娘達の魂の集合体・・・と呼べば良いのかな?」

彼の言葉に深海棲艦が頷いた。

 

「そう、だったか・・・」

「私の世界はな・・・その星に住む者は私と艦娘だけに任せ、誰も何もしなかった。提督の私だけが生き延び、艦娘はおろか、私の鎮守府も皆無くなってしまった。君の鎮守府を見た時、・・・妬ましかったよ」

「・・・」

「でも、この世界に来て、私を慕ってくれて居た・・・いや、くれている者にまた巡り逢える事が出来た。こんなに嬉しい事は無い」

彼が彼女の肩を引き寄せ、涙を流しながら言った。彼女も彼に身を寄せている。・・・嬉しそうだ。

 

 

 途端、艦とロボットが光り輝いた。

 

「何だ?!」

武装して周囲を確認する。

 

「私達は別の世界から来た者。元居た世界に帰る時が来たようだ。君には、世話になった。・・・ありがとう」

「・・・君達に、この先、幸があらん事を祈っているよ」

「君もな・・・」

 

 お互いに手を挙げた。

・・・直後、光が激しくなり、思わず目を閉じた。

 

 ・・・目を開けると、艦とロボット、彼と彼女が居なくなっていた。

 

{・・・艦とロボットの反応、消失しました}

「・・・元の世界へ帰って行った、で良いのかもな」

{・・・そうですね}

『隊長ーー!』

 

 人型の深海棲艦達が呼んだ。

 

「如何した?」

近付いて聞いてみた。見るに、先程の戦闘による怪我等は有るが軽傷の様だ。

 

「目の前に居る隊長は・・・夢じゃ、無いんですよね?」

「・・・勿論だとも」

「隊長ー!」

1体、抱き付こうとして来たのでスッと避けた。

 

「あれ?!・・・何で避けるのよー?」

避けられた深海棲艦がむくれた。

 

「・・・姿、容姿的に・・・な」

「あ、・・・いつか、受け止めてよ。ね?」

「・・・ああ」

「で、向かって来るあの艦は味方なの?」

「ん?」

 

 後ろを振り向くと、航空機の着艦を行いながら、美賀であろう艦が近付いている最中だった。

 

「ああ、味方だ」

「あれは・・・加賀だね」

「・・・艦が来るなんて、さっきのも合わせて、変な世界になったな」

「君たちは艦に為れないのか?」

『なれないわ{(ぞ)(よ)(わよ)(です)}』

「それに、なるって何さ?」

「・・・そうか。話し変わって、君達はこの後如何する?」

「隊長の住んで居る所に行きたいわ。・・・良い?」

「・・・条件が有る」

「知能の無い個体を纏める役、そして数減らし、でしょ?」

「そうだ」

「喜んでやるわよ。但し、出来るだけ、毎日私達と顔を合わせてよね?」

「・・・勿論だとも」

 

 

『隊長、俺達は明石さんの元へ戻ります』

残った隊員達が来て言った。

 

「・・・そうか」

『・・・隊長、達者でいてくださいね?』

「き・・・ああ!」

君達も、と言いそうになったが口を噤(つぐ)み別の言葉にした。

 

『・・・隊長、では!』

「ああ!」

隊員達が遠退いて行った。

 

 

 

 近くまで来た美賀の乗る艦から梯子(はしご)が降りて来た。

 

「皆、乗ってくれ!」

『了解』

 

 先に上に行くと、梯子を降ろしていた美賀を見つけた。

 

「隊長、お疲れ様」

「美賀、お疲れ様」

「・・・盾、無くなったのね」

「あれは、また作れば良いさ」

「・・・そうね」

「そうさ」

 

「よいしょ、っと。・・・あれ?!。深海棲艦?!」

登って来た深海棲艦が開口一番にこう言った。

 

「君もだろうに?」

「・・・そうだったわ」

「よっ!、っと。あれ?!。深海棲艦?!」

「私の繰り返し、とは感心しないわよ?」

「・・・だってぇー・・・、聞こえた声が面白かったんだもん」

「今度言ったら、尻に魚雷を食らわすわよ?」

「はい、はい。おお怖い、怖い」

「・・・全く」

「あれ?!。深海棲艦?!」

『深海棲艦?!』

「やめてよぉ・・・」

 

 登って来る全員が面白がって言っていた。そして最初に言った者が手で顔を覆って居る。

 

「・・・」

美賀が深海棲艦と言われる度に不機嫌になっていく。

 

「深海棲艦の皆、降りる?。降りて良いのよ?」

耐えかねた美賀が声を低くして言った。青筋が浮いているのが見えた。

 

「何なら今から海へ飛び降りて・・・」

『ごめんなさい!』

 

 謝った全員の息がピッタリだった。

 

 

「・・・で、隊長、どこに行けば良いの?」

美賀の言葉にサングラスを外し、

 

「BY、地図の表示を」

{はい}

サングラスから地図が表示され、現在位置と住んで居る鎮守府が表示される。

 

「今、この鎮守府で生活をしている」

「鎮守府って事は、提督になったんだね」

「皆、美賀には確認したんだが、君達は人間への敵意が有るか?」

「・・・皆、無いよ」

「・・・そう、か」

「・・・と、言っても隊長を見つけるまでは、向かって来た艦娘を追い払っていた」

「私達は深海棲艦への変異体よ。陸戦を生き、海戦になった後で人間達に不満を持ちながら沈んで行った艦娘。・・・正直、人間が憎かったわ」

「でも、隊長、こうして生き返って、生きている貴方を見つけました」

「心の闇が晴れた気分よ。・・・体は深海棲艦に生(な)ってしまったけれど、ね」

「あたし達はもう、人間と艦娘を襲う事は無いよ」

「・・・信じよう」

 

 深海棲艦達から安堵の息が漏れた。・・・全員が嬉しそうだ。

 

「さあ、私の居る鎮守府へ行こう」

「もう、そこに向けて進んでいるわ」

{その事なんですが・・・}

「如何した?」

{今、逆方向を進んでますよ?}

『え?』

全員で声を上げた。

 

「目標へ進んでるつもりだったんだけど・・・」

{何で180度転進してしまったんですか?}

「転進して良かったんでしょ?」

{え?!}

「え?」

{・・・提督、1人にすると方向音痴な可能性が有ります、注意を}

『そうかぁーー・・・』

美賀以外の全員で声を上げた。

 

「待って!?。目印や案内が無いと私はこんなものよ!?」

{操舵室等に方位盤が有るでしょう?}

「・・・意識すれば見れるけど・・・あれは、どう見れば良いの?」

{・・・誰かに誘導して貰った方が良いですね}

「私達がやるわ。BY、位置情報の伝達をお願いね」

{分かりました}

「降りる前に、隊長、水を持ってるならくれる?」

「勿論だ。・・・はい、どうぞ」

水を渡す。

 

「んっ…んっ…ぷはっ!。・・・じゃ、行ってくるわ。加賀…あっと、美賀。付いて来て」

「分かったわ」

2名が降りて行った。

 

「隊長、あたし達にも水を頂戴?」

「わかった。はい、あっ・・・」

「あ」

渡そうとした所で手から滑り、甲板(床)へ落とした。

 

「・・・疲れてますね。休んでくださいな」

「・・・そうさせて貰う。水と栄養剤は有るだけ置いておくよ」

「さっきの私が使った落下傘を寝巻きにすると良いわ。濡れずに回収出来たから使えるわよ?」

「そうするよ。ありがとう」

寝袋として受け取り、

 

「お休み」

その場で包まって寝始める事にした。

 

「あ、ちょっと?!室内で休めるわょ・・・・、・・・?!」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。