「あー、ソフィーがそんな事をねぇ」
「らしいかな。クリスと違ってまだそうやって本音を言える分素直なとこが可愛いし」
大浴場で翼達と合流した響達は、入浴し終えた後にそこにいた妊活中の響と未来へソフィーからの話を教えて、自分達に出来る事は何かを尋ねていた。
「その、あの子は純粋に姉妹、いえ家族が増える事を願っているの。でも、そのためには……」
「中々出来ないみたいだって聞いたけど」
「うん。シキさんの体質って言うか、能力があれでしょ? そのせいでどうしても出来にくいんだ」
「あの、実は私達要さんの生命のスープ、でしたっけ。その事あまり知らないんです。どうしてそれが赤ちゃんと関ってくるんですか?」
響の質問に二人は顔を見合わせ、少しだけアイコンタクトすると悪戯めいた笑みを浮かべて翼を見つめた。
「え?」
「そっちの翼さんなら知ってるはずだよ?」
「うん、教えてもらったら?」
「ええっ!?」
思わぬところで指名され、赤面してしまう翼。それこそが二人の狙いだった。そう、彼女がそんな反応を示せば、その場にいるもっとも翼を知る者が事の真偽に気付くと踏んでいたから。
「何? 翼、あんた本当に知ってるの?」
「っ!?」
「……そのようね。そういえば、あの時ミカが翼へ彼の能力について話したと言って怒られていたわ」
マリアもその時の記憶を思い出し、奏の言葉へ説得力を与える。そうなると響達から教えてくれとばかりに視線を向けられるのは避けようがなかった。その視線の問いかけに屈するように、翼は力なく項垂れてこう警告した。
「あまり気分のいい内容ではないぞ。それでもいいか?」
返ってきたのは無言の頷き。こうして翼はポツリポツリと話し出す。あの時、シキから教えてもらった真実を。その内容に少女達から悲鳴などは出なかったが、皆一様に赤面して時折それを知っている二人へ目を向けては肯定するように頷かれてトマトにされるのが常であった。
「と、という訳だ。故に子が出来にくいのだろう……」
「そういう事なんだ。でも、これでもかなり出来やすくなった方なんだよ? 色々とシキさんも自分の能力関係は手探りだったし」
「は? どうしてだ。自分の事だろ?」
クリスの言葉で響と未来がはたと気が付いた。彼女達にはシキが記憶喪失で保護された事を話していないと。
「実はね」
「シキさんは……」
二人の口から話される内容に響達は何も言う事が出来なかった。記憶がない。その言葉の持つ意味を考えて。もし自分が己に関する一切を覚えていない状態で保護されたら。そう考える優しさが彼女達にはある。
簡易的に語られるシキの略歴。保護されてから了子に名付けられ、奏や翼と出会い……と、それは簡単な彼と装者の交流を知る事にもなった。とはいえ、響と未来もまた聞きのようなもので、全てを知っている訳ではない。それでも、それらは彼女達にとって中々興味深いものだった。
ただ、二人もその全てを話した訳ではなかったが。
「……そっか。記憶がないから要さんは自分の能力をちゃんと分かってないんだ」
「ま、分かってないからこそこうなったのかもしれねーけどな」
「クリスちゃん、シキさんは悪用した事はないから。それに、スープには中毒性はないって証明もされてる」
「それとも、クリスはそんな人に自分が惚れると思う?」
「……その言い方はズルいだろ」
少しだけ頬を赤め、クリスは顔を背けた。実際、以前この世界の自分から話を聞いた事もあり、どれだけベタ惚れかを彼女はよく知っている。その可愛らしい反応に女二人が笑う。
「それにしても、こうなると実際見てもらう方がいいかもね」
「響?」
「だってさ、こんなの口では何とでも言えるって。それに、私達はこの頃には男の人知ってたし」
「それはそうだけど……」
目の前でされる会話に八人の顔が再び赤みを増す。響が告げた内容もだが、その意図も理解したからだ。二人は、シキとの性行為を自分達へ見せようとしている、と。
「ちょ、ちょっと待って頂戴! 私達はそんな事」
「信じ切れる? 今の話を聞いて、本当にシキさんがスープを利用して私達をお嫁さんにしちゃったと思ってない?」
マリアの言葉を遮って問いかける響の顔は、どこか真剣なものだった。まるで、愛する夫を疑われる事が嫌だと言うような表情で。その秘めた想いにマリアだけでなくクリスや奏も息を呑んだ。どこかでその可能性を疑っているという証拠である。
それを見抜いて響と未来は揃ってため息を吐いた。無理もないとは思うが、やはりいい気分ではないのだろう。特に反応を見せたのが、シキの事を強く愛している母性の強い者達だった事もそれに拍車をかけた。
「うん、響、これは見てもらうべきだね」
「「「「ええっ!?」」」」
未来の言葉に学生組のクリスを除く者達が声を上げる。
「嫌ならいいよ。ただ、その場合は絶対に私達の関係を疑わないでね」
「それと、その気持ちや感情を誰にも感じ取らせないで。特に子供達には」
はっきりと、そしてやや強い口調で告げられたそれは、女ではなく母のそれだった。そこで彼女達は感じ取る。目の前の二人は子を産んでいないだけで、既にその在り方は母なのだと。そして、それを成したのは他ならぬあの子供達だとも。
「それで、どうするの? ソフィーの頼み事から思わぬ事になったけど、ある意味ではそれに応じる事にはなったよ。今、私はシキさんと愛し合いたくて仕方ないもん」
「ううっ、自分の顔で言われると複雑な気分になるよぉ……」
「ど、どうするデスか? 何かとんでもない流れデス」
切歌の問いかけにゆっくりと手が上がる。それはクリス。
「あたしは、見学する。てか、あたしが行かなきゃダメだろ。ある意味あたしが怒らせちまったんだ」
「クリスらしいね。安心して。私と響ならマニアックな事はほとんどしないから」
「んなっ!?」
未来の発言で顔を赤めるのは響と切歌と調を除く全員。特にマリアのそれは誰よりも強い。
「それで? 見学者は、ううん疑ってるのはクリスだけ? 後はもう私達が本当に想い合って結ばれたと思ってくれるって事でいい?」
「……なら、あたしも、かな」
「奏……」
「あの人の体質や馴れ初めを聞かなきゃ疑問は無かったんだけどね。見た感じイイ人そうだったし、子供への接し方なんかも優しかった。でも、どうしても……さ」
「奏さんもね。これで終わり?」
「いえ、私も見学させてもらうわ。以前私はここのマリア・カデンツァヴナ・イヴから色々聞いた事があるの。その内容にその時は信じられなかったけれど、今の話である意味信じられる事が出来た。だから、後はそれがあの男の能力によるものか。それとも本当に想いを通じ合わせた結果なのか。それを確かめたいの」
そのマリアの発言以降少しだけ響と未来は他の見学者を待った。だが、もういないと判断して立ち上がると、そのまま三人を手招きしてその場から出て行ったのだ。それにマリア達が続いて出て行き、残された響達は思わず顔を見合わせる。
「翼さん、どうしましょうか? 何というか、これって……」
「あ、ああ。他の夫婦の営みを目の当たりにするとは、何と淫靡な……」
「そ、そうじゃなくて! ソフィーちゃんのお願いに即してるんですか!?」
「……結果的には、だろうな。おかげでこの世界の立花と小日向はやる気になっていただろう」
「それは……そうですけどぉ……」
素直に喜ぶ事は出来ない。そう響の声は告げていた。翼もそれは分かっていたが、何分男女の性的な事への耐性はないにも等しい彼女では、この手の話題ではまったくと言っていい程弱かったのだ。
「マリア達は、その、シキさん達のエッチを見ちゃうデスか?」
「そうなると……思う」
「実地での性教育という事か。いや、真実の性教育とも言うのか?」
「翼さん?」
「っ!? こほん、とにかく、私達に出来る事は何もない。それぞれ部屋へ戻って寝るべきだ。ではな」
「あっ、翼さん!」
言うだけ言って翼はその場から出て行った。残されたのは響達四人である。彼女達は顔を見合わせた。そこに浮かんでいるのは、多かれ少なかれ同じものだ。それは興味。本や話でしか知らない事への、知識欲とでもいうのだろうか。それらが今の四人にはあった。
「……今からでも見学って出来ますか?」
「どうだろ? というか、調ちゃん見たいの?」
「…………はい」
「あ、アタシも見てみたいデス。その、いつかアタシ達もする事になるかもデスし……」
「切歌ちゃんもか……」
えへへと照れくさそうに笑う切歌に未来は小さく苦笑するしかない。何故なら彼女も似たような考えだったのだから。男性と違い、女性は具体的な映像でそれらを見る事は多くはない。何故なら、男性は繁殖を一気に複数の女性と出来るが、女性はそういう事が不可能であるためだ。つまり、生物としての違いからそういったものへの欲求が異なるのである。
「要さんの部屋、行ってみる?」
ただし、女性にも性欲はあるというのを忘れてはいけない。響の言葉に三人は小さく頷いたのがその証拠であった。
その頃、シキの部屋では響と未来が舌を伸ばしていた。それに彼も舌を伸ばして求め合う。勿論全裸で。ベッドの上で繰り広げられる前戯。二人の女性と一人の男性によるそれは、まだ乙女な三人には中々に刺激的な光景であった。
「あ、あんなになるのかよ……」
「……あれって、大きいのかね?」
「あたしが知るかっ」
「舌を絡め合いながら互いの性器を刺激し合っている……き、気持ちいいのかしら?」
ひそひそと部屋の隅で固まってベッドを見つめて話すクリス達。話しながらもその目は一度としてベッド上の光景から放される事はなかった。特に三人の視線は、雄々しく反り返る男性器へ集中している。そのともすれば醜悪ささえも感じる場所を、三人の乙女は体を熱くしながら見つめ続ける。
それに、彼女達はこの部屋の中へ漂い始めた匂いにも気付いていた。例えようのない、だがとても好きな匂いだ。そう言い切れるものだが、マリアはどこかでこの匂いに覚えがある気がしていた。
(この匂い……一体どこで? それにしても……)
チラリと彼女は視線を横へ向けた。そこでは、奏とクリスが赤い顔で妙にその手を動かしたがっているように見える。マリアは、その光景で察する。二人は自分を慰めたいのだと。何故なら、それは彼女も先程から我慢している行動だったのだから。
「シキさぁん、そろそろオチンポしゃぶっていいですか?」
「「「っ!?」」」
「あ、ズルいよ響。シキさん、私もいいですよね? 我慢汁ナメナメしたいです」
「「「っ!?!?」」」
「分かった。じゃあ、お願い。代わりに俺は二人のマンコを沢山味わう事にするよ」
「「「っ!?!?!?」」」
シキ達が何か言う度にクリス達の顔が赤みを増していき、遂にはトマトもかくやとばかりになっていた。そして、それに比例して彼女達の秘部から分泌される愛液も増えていき、その生殖本能を刺激していたのだ。
そんな少女達の目の前で繰り広げられるは濃密な性交、いや、この場合は交尾と呼ぶべきか、その準備であった。シキの男性器へ響と未来がその舌を這わせる。その動きの艶かしい事はなく、経験不足どころか未経験な三人には毒物ではなく劇薬だった。なのに、目を離せない。喉がカラカラに乾いていくのに、体の熱は増していくばかり。まさしく視覚から訴える刺激。その毒物であり劇薬を彼女達はその許容量をとっくに超えるだけのものを吸収していた。
「あはぁ、やっぱりこの味好き。シキさんのチンポから出るのは我慢汁もミルクもぜぇんぶ好きなのぉ……あむっ」
「あー、ズルいよ未来。私にもオチンポしゃぶらせてってばぁ」
まるでじゃれ合うようにしながら、男性器を奪い合う二人に驚きを抱きつつもクリス達は無意識にその指を咥えていた。それを彼女達が咥えているものに見立てているのだろう。最早会話も忘れ、濃い雌雄の匂いにあてられたように夢中になっていた。もう、彼女達は自分しかその場にいないように思い始めていたのだ。
「そろそろこっちも味見をさせてもらうよ?」
「ひゃんっ! シキさん、もっと舐めてください。とっても気持ちいいし、あったかいからクンニされるの好きなんです」
「っぷは、響も十分ズルいじゃない。私だって指じゃなくて舌がいいのにぃ」
「はいはい。じゃあ交互にしてあげるよ」
シキの舌が這う度に響や未来が嬉しそうに表情を変える。それが演技ではないと分かるのか、クリス達の息も荒くなっていく。聞こえてくる声もそれを加速させていく。響と未来が口々に告げる男性器への感想。それらが彼女達にそれを味わってみたいという欲求を呼び起こすのだ。
更に室内に充満している匂いである。それがどこから出ているかを、もう三人は知っていた。視界の中一杯に広がる男性器の先端部、亀頭の裂け目である鈴口と呼ばれる部分から絶え間なく出ている分泌液。カウパーがその出所であると。
(ああ……またあんな美味そうに舐め取りやがって。んな顔すんなよ。そんな蕩けた顔で、美味いとか言うんじゃねー……ホントに美味いのかな……?)
(男のアレに舌を何度も這わせて、しかもあの透明なヌルヌルしたのが美味いって…………嘘、じゃないんだろうね。だって、二人してあんなに幸せそうな顔してる……あたしも……)
(こちらの私が言っていた。身も心も求め合うのは幸せだと。愛し合う形は時に人から理解されない時もある。その一つがこれだとすれば…………ああっ、ダメ。思考がまとまらない。今は、この体の熱に身を委ねないようにするので精一杯っ!)
思考が完全にそういう風になっているクリス。まだなり切っていないが時間の問題の奏。そして、何とか踏み止まろうとしているマリアという具合に差はあるが、既にここから出て行こうなどとは思っていない辺りでお察しである。
さて、実はもうこの時既に観客は増えていた。が、そこで多少のトラブルがあったのでそれをまずご紹介しよう。
まず、響達は何故かこそこそとシキの部屋へと向かっていた。その辺りに四人の潜在的な後ろめたさが見て取れる。すると、何故かその目当ての部屋の前に先客がいたのだ。そう、翼である。
「だ、男性器をあんな風に……た、立花も小日向も何と大胆な……」
ドアの隙間から覗き見している様は、とてもトップアーティストにも、ましてや防人にも見えない。ただの年頃の、ちょっとムッツリな女性であった。
「翼さん?」
「っ!?」
「部屋に戻って寝ろみたいに言ってたデスのに……」
「自分だけここで覗き見……」
「い、いやこれは……」
「違うんですか?」
「そ、その……っ。要さん達が奏達に妙な事をしないかと思って念のために監視を」
「今、思いっきり唾飲んでましたよね?」
容赦なく放たれた響のジト目からの言葉であえなく翼撃沈。このようなやり取りがあって、現在シキの部屋の前には五人が仲良く覗き見しているのだ。クリス達程ではないが、彼女達も既に出来あがり始めており、特に切歌と調はその無知さも手伝ってか、体の欲求に素直になっていた。
「はぁ……はぁ……っ」
「凄い……オチンチンをあんなに……」
その未成熟な身体をまさぐりながら、二人は荒い息で目の前で行われる本物の性行為に夢中になっていく。
「わわっ、顔にオチンチンついた。……なのに嬉しそうだね、未来」
「そ、それを言うなら響もでしょ? さっきなんて、思いっきりオチンチンをほっぺたでスリスリしてたじゃない」
会話こそしているが、響と未来も既に片手は己の胸を触り出している。自慰行為こそした事はないが、やり方は知っているのだろう。残る手が秘部へ伸びるのも時間の問題といえた。
「淫らでいやらしい。だが、要さんはともかく、立花も小日向も本当に嬉しそうだ。夫婦の事は当人達にしか分からないと、そういう事だろうか……?」
自問する翼だが、彼女もその片手は自分の体へ伸びている。しかも、彼女はその濡れている秘部を優しく……というよりはおっかなびっくり触っていた。まさしく初めてしているのだ。
こうして五人の少女達も急速にその性欲を、生殖本能を目覚めさせられていく。三人での性交という、本来の形ではない事もそれに拍車をかけているのだろう。なのに当人達が嫌がるどころか、むしろ余計に幸せそうにしているのもよりその事を助長した。
「「シキさん、そろそろ入れてぇ」」
愛する夫へ臀部を突き出すような体勢を取る二人。それに見ていた者達が揃って喉を鳴らす。そのおねだりにシキの男性器が一度だけ大きく動いたからだ。
「二人共、分かってると思うけど……」
「はい、大丈夫です」
「いつでも出来るようにしてますから」
「ん。じゃあ……」
聞こえてくる会話に内心で疑問を浮かべる者と浮かべない者という差はあったが、遂に行われる性交を誰もが固唾を飲んで見守った。だが……
「ああっ! オチンポきたぁ!」
クリス達三人は見た。シキの男性器が響の菊門へ挿入されるのを。最初は見間違いかと思った。だが、しっかりと三人の目には愛液を垂れ流す女性器が目に入っている。そんな三人の視線に気付いたのだろう。未来がどこか妖艶に笑って見せた。
「私達は普通に膣内射精されても、スープのせいで吸収しちゃうんだ。だから、吸収率の高い直腸内へ出してもらって吸収量を満たしてからじゃないと妊娠出来ないの。それとぉ……ね、響」
「アナルセックスもすっごく気持ちいいんだよぉ。だって、こんなとこに普通オチンポ入れたいなんて思わないでしょ? なのにシキさんは入れたいって思ってくれるの。何も妊娠し易くするためだけじゃない。私達を全部愛したいって事なんだからぁ!」
「……って事なの」
三人へそう笑みを見せて未来はチラとドアの方へ流し目を向ける。普段は良識人である未来だが、セックスの最中ではその限りではない。むしろ、普段抑圧されているものが吹き出すような雰囲気さえある。特に響と共に愛されるとその要素が強くなるのだ。サドの気が出てくるのである。
「ああっ、響のケツ穴最高だ。そろそろ出すよ? いいね?」
「はいっ! いっぱい出してください! 私をお母さんにするための熱いスープ、アナルへゴクゴクさせてぇぇぇぇっ!」
「くっ……響ぃぃぃぃぃっ!」
「ああああああっ!!」
射精された。そう見ている八人全員が理解するぐらいの絶叫。だが、恐怖や嫌悪感は彼女達にない。何故なら、抱かれている響の顔はとても幸せそうで、そしてとても綺麗に見えたからだ。雌の顔。いやらしくも美しいそれに、少女達は思わず息を呑んだ。それと同時に体の奥底から湧き上がる熱も感じ取る。
「……綺麗」
「ああ……それと凄くエロいね」
「あんな、顔になっちまうのか? 抱かれるってやつは」
見惚れているような表情でうわ言のようにマリア達は呟く。一方ドアの外でも……
「響さん、幸せそう……」
「デスね。それとすっごく気持ち良さそうデス……」
「恍惚とは、まさにあの表情だろう。あれが……女の顔」
「何だろ? 私じゃないのに、私がああなってる気がしてくる……」
「響にも、あんな一面があるのかな……?」
顔を赤くしながら、五人はそれぞれ寝間着の下をずらしていた。秘部はトロトロに愛液を分泌し、彼女達の思考を溶かしているかのように垂れ流す。最早そこに正常な者はいない。ただ、初めて見る男女の交わりに魅入られた穢れを知らない乙女達がいるだけであった。
「……未来、悪いけど」
「はい、綺麗にしますね」
いつの間にか用意したウェットティッシュでシキの男性器を綺麗にしていく未来。だが、もう八人は知っている。その後は未来が響と同じようにされるのだ、と。
その予想通り、やがて未来が再び臀部を突き出すように体勢を変える。響はどこか焦点の合っていないまま、そんな彼女へ微笑みかけた。
「未来、今日いつもよりも硬いよ。多分だけど見られてるからじゃないかな?」
「そっか。ふふっ、シキさん、早く入れてください。シキさんの、かたぁいチンポ」
「ああ、分かってるよ。しっかり見てもらおうな、俺と未来もとっても仲良しだって……さっ!」
「んんっ! きたぁ……かったぁいチンポぉ……」
挿入された瞬間、未来の顔がとても情けないものへ変わる。だが、嬉しそうなのは伝わる顔へ。そして再び聞こえ始める腰を打ち付ける音。それに混じるように時折水音のようなものが聞こえる。
「んはぁ……未来ぅ……んっ」
「……響ぃ、もっとぉ……」
響と未来のキス音であった。しかも、舌と舌を絡めるものだ。それにも八人は喉を鳴らす。女同士の禁断の交わり。その一端を見せられているからだろう。当然そのしている二人と同じ名と姿を持つ少女達はより一層意識していた。
(うわぁ……み、未来とキスしてるよ。で、でも、未来となら……って、違う違う! ……未来は、どう思ってるのかな?)
(響と舌を絡めてキスしちゃってる……。あ、あんな事しても平気、なんだ。こっちの私と響は、シキさんを通して繋がってるのかもしれない。だけど、こ、こっちの響とは無理だよね?)
ふと二人の視線が動いて親しい相手へと向く。その視線が合った瞬間、慌てて二人はそれを外す。だけども、その胸の高鳴りは激しくなるばかり。視線を隙間へ戻せば、既にキスだけではなく胸の愛撫まで始まっていた。それに二人は目を奪われる。
(未来の胸を触ってる。未来、凄く気持ち良さそう……)
(響に胸を触られてる。響、凄く嬉しそう……)
((私がしたい(されたい)って言ったら、どうなっちゃうのかな……?))
思った時には、二人はその手を自らの胸へと伸ばして揉み始めていた。これが彼女の胸なら、あるいは彼女の手ならと仮定して。
「あっあっあっ! ダメ、ダメぇ! もうイキますっ! イっちゃうっ!」
「いいよ未来。好きな時にイってくれ。それに合わせて俺もイクから!」
「響、響ぃ! 乳首いじってぇぇぇぇっ!」
「うん、分かったよ未来。……はいっ!」
「っ!? イクぅぅぅぅぅっ!!」
「うおっ!」
腰を突き出すようにして震えるシキ。それが射精の合図だと分かってしまっている八人は、咄嗟にそれぞれ口を閉じるために寝間着の裾を噛んだ。そしてほぼ同時に体を震わせる。彼女達も達したのだ。
「い、今の何デスか? 全身がブルブルしちゃったデス……」
「た、多分、シキさん達が言ってた”いく”って事?」
「そう、だよ。イクっていうのは気持ち良くなりすぎて頭の中が白くなる事だから……」
未来の説明に切歌と調は無言で頷き、秘部へ入れていた手をゆっくりと顔の前へ動かすと、それをじっくり見つめた。
「「イク……」」
愛液で濡れた手は、とてもいやらしい匂いを放っていた。だけど、それが嫌いになれず、二人の少女はその濡れた指を可愛らしい舌でペロッと舐めた。
「「……変な味(デス)」」
そう言いながらも、それで再び下腹部が熱を持つのを二人は感じ取っていた。
「先程のが、絶頂……。まさか、他人の情事を覗いてそうなってしまうとは……」
ぼんやりと荒い呼吸をしながら翼は遠い目で呟く。初めて感じた絶頂は、それまでのどんな感覚をも凌駕する程の衝撃を彼女に与えていた。ライブでの高揚感や戦闘での達成感。それらを霞ませてしまう程の強さと心地良さを覚えてしまったのだ。
「…………本当に、自らの中へ男性を迎え入れたらどれ程までのものを感じられるのだろうか……」
正気に戻る事なく、翼は隙間へと視線を戻す。そこでは、シキの反り返る男性器を響が未来がしたように綺麗にしていた。その雄々しい肉杭に翼は思わず唾を飲む。
(何と雄々しい……)
胸をときめかせるような眼差しで男性器を見つめる翼。こうしてドアの外でも異様な熱気を放ち始めたのを察したのか、それまで蕩けた顔で倒れていた未来が顔を上げて隙間へ向かって手招きをした。
「「「「「っ!?」」」」」
「ふふふっ、いいよ。そこじゃ切なさを忘れられないでしょ? こっちなら何してもいいよ。どうせみんな同じだし、ね?」
それは悪魔の誘い。室内へ入れば、間違いなく五人はもう今までと同じには戻れないだろう。だが、初めての絶頂で思考も理性も蕩けた今の彼女達にその淫魔の罠を見抜く事は出来なかった。ゆっくりとドアが開き、五人がふらふらと入って行く。そして、最後の一人が入室したのを見計らって、未来がベッドから降りてしっかりと施錠する。こうして、八人の乙女は淫臭漂う室内に閉じ込められた。隙間も消えた事で匂いはより濃度を増して、八人の思考をドロドロに溶かしていく。
更にシキのスープの匂いもあって、三人が子作りを始める頃には彼女達は着ていた物を脱いでいた。愛液で濡れて気持ち悪くなったのもあるが、一番はシキに愛されている二人と同じ格好になる事で、自分をそれに見立てて自慰を始めたからだった。
「シキさんのオチンポがぁ、子宮の入口まで届いてるぅ! んんっ! やっぱりそれ好きぃ。奥をオチンポでグリグリされるの大好きぃ」
八人の観客を得て、響はいつも以上に感じていた。そして、いつも以上に説明をしていた。それは、無垢な乙女達への淫魔のレッスン。男が喜ぶ言い方や表現、更に性行為への興味をもたせるという淫靡な行為だった。
「そっか。じゃ、ずっとこうしてようか?」
「ダメぇ。ずっとはダメなのぉ。出来れば奥をオチンポでズンズン突き上げても欲しいな。硬くて太くて、大きなオチンポでいっぱいオマンコ気持ち良くして、最後に美味しいオチンポミルクをたっぷり頂戴?」
「ああ、分かった。今日の響はいつも以上にエロくて可愛いよ」
「んっ……」
そこから始まる行為は、八人の処女へ見せるには中々ハードなものだった。俗にいう種付けプレスを始めたのである。呻くような喘ぎ声を聞かされながら、八人はしっかりと勃起した乳首や、濡れに濡れた女性器へ手を伸ばし、それぞれが拙い自慰行為を続けていた。
「ああっ! 死ぬっ! 死んじゃうよぉ! 気持ち良すぎて死んじゃうぅぅぅぅっ!」
「おらっ! どうだ響! チンポ届いてるか? 子宮まで届いてるか!?」
「はあんっ! うん、うんっ! 届いてる! 届いてるぅ! オチンポがさっきから子宮にキスしてくれてるよぉ!」
獣の交わり。まさしく交尾。そんな光景を見て、八人の少女達は我も忘れて自慰に耽る。その頭の中は男性器の事でいっぱいだった。あれを入れたらどうなるのか。ああされたらどうなのか。子宮にキスとはどういう事なのか。
もう彼女達に当初の目的など欠片として残っていなかった。あるのは”チンポ”への興味。セックスをしてみたいという欲求のみだ。そんな彼女達を見つめ、未来が妖しく微笑む。
「今ならあの時の響の気持ち、分かるかも……」
艶かしく唇をペロリと舐め、未来は静かにマリアへと近付く。
「マリアさん、そろそろもっと気持ちいいオナニーしよっか?」
「えっ……?」
そっとマリアの手を取り、未来はそれを彼女の陰核、クリトリスへと当てる。
「そ、そこは……」
「敏感だから怖い? 大丈夫。こうやってね……」
「はぁんっ!」
未来による自慰教習。何故マリアが最初に選ばれたか。それは、彼女が一番年長であり、そして一番いやらしい顔を秘めていると知っていたからだ。更に、八人の中でのリーダー格でもある彼女が快楽へ堕ちれば、残る少女達も連鎖的に堕ちていくと読んでいたからである。
(な、何これ? 自分でやっていたのよりも快感が凄い! だ、ダメ……)
「これダメぇぇぇぇぇっ!」
未来によるクリトリスの愛撫と、耳打ちされる淫語の数々。それらによってマリアは大きく仰け反る程の絶頂を迎える。その姿に残る七人は思わず意識を奪われた。
「……どうかな? 気持ちイイでしょ?」
「…………ええ」
恍惚の表情でそれだけを返し、マリアは意識を失う。それを見届け、未来は翼へと近付いていく。それに恐怖と期待を覚えて翼は震える。
「さ、みんなにも教えてあげるね。気持ち良くなる方法……」
こうして、シキ達の子作りを見ながらその時その時で相手されていない方が周囲へ自慰行為を教えるという時間は過ぎる。翌朝、要家の者達に見送られ八人は自分達の世界へと帰っていった。だが……
「んっ……未来、もっとぉ」
「響ぃ……」
リディアンの生徒寮。そこの一室で響と未来が裸で絡み合っていた。互いの女性器を擦り合わせる貝合わせをしながら、その指を絡め合い、顔を近付けキスをする。そう、あの夜で彼女達は知ってしまった。強烈な快感を、その会得方法を。
「ねぇ、未来。オチンチン入れるとどうなるのかなぁ?」
「分からない。でも、もっと気持ちいいんだと思うよ」
ディルドーへ手を出さないのは、禁じられているからだ。そう、あの響と未来に。処女は道具に捧げてはいけない。捧げるのならちゃんと男性に、と。それが何を意図して告げられたかを理解出来ず、少女二人は互いで慰め合う。
そして、彼女達がこうなっている以上、他の者達も例外ではない。
「ジュルルッ……」
「ああっ! し、調ぇ……気持ちいいデスよぉ」
「……切ちゃん、舌止まってる。私も気持ち良くして?」
「ご、ごめんなさいデス。レロレロ……」
相思相愛の彼女達も、言うまでもなく快楽の虜となっていた。互いに秘部を見せ合い、そこを舌で刺激する体勢となり、彼女達は求め合っていた。
「調のオマンコ、ヌレヌレデスね。オチンポ欲しがってます」
「うん。切ちゃんのオマンコもひくついてる。オチンポ、欲しい?」
「でも、アタシ達には……」
「……リディアンは女子校だし、逆ナンパなんて怖いし嫌」
「デスよ。でも、道具はダメだってあの未来さん達に強く言われたデスし……」
ここでも、しっかり淫魔の言い付けが活きていた。下腹部に感じる熱は、女同士では絶対に消す事は出来ない。慰め合えば合う程、男が欲しくなる。その意味する事にまだこの二人は気付かない。
だが、当然気付いている者達もいる。いるからこそ、余計辛いのだと残る四人は思っていた。
「んっ……たんねぇ……指じゃ、届いて欲しいとこに絶対にたんねーよぉ」
一人寝室のベッドで裸になり、秘部を愛撫するクリス。未来や響によって仕込まれた体は、自慰だけではすっかり満足出来ないものへと変わっていた。その小柄な割に大きな乳房を揺らし、己を慰めながら思い浮かべるはあの時の光景。
「ああっ、チンポぉ……チンポが欲しい……」
口に出すだけで愛液が流れ出る。下腹部の熱が増していく。クリスは、もう限界に近かった。元々寂しがり屋で甘えん坊なきらいがある少女だ。一人でいる事にも耐え切れなくなりつつあったのである。なので、彼女は一度達するや、荒い息のまま立ち上がってシャワーを浴びた。
「……本気で考えてみるか。先輩との同居」
あの夜から一週間が経過した際、翼から告げられた提案。その真意をクリスは分かっていた。互いで慰め合わないかという事だと。その翼も、自室のベッドの上で艶かしい姿のまま意識を手放していた。
「…………っ!」
飛び跳ねるように起きるや、彼女は時間を確認する。時刻は午後十時を過ぎていた。
「……十分程気をやっていたのか」
どこか恥ずかしそうに呟き、翼は静かにベッドから下りる。その肢体はどこか艶めいていて、普段の彼女からはあまり感じさせない色気を放っていた。
「やはり、下腹部の熱が消えていない。これを無くすには……」
カーテンを少しだけ開けて窓から見える夜景。それを眺めながら翼は熱っぽく呟くのだ。
「チンポが、欲しい……」
その声の色っぽい事、その眼差しの艶めいている事、何よりその翼の何と妖艶な事と言ったらなかった。そのまま彼女は外から分からぬとばかりに自分をそこで慰め始める。彼女に、微かな露出癖が芽生えた瞬間であった。
そしてマリアはと言えば、珍しい場所へ招かれていた。
「やっぱおっきいよね、マリアの胸ってさ」
「んっ、そういう貴方だって……」
「ちょっ! 乳首舐めないでよ。ああっ、甘噛みはもっとダメだっての」
「ふふっ、可愛い声出すじゃない」
奏の部屋のベッドで絡み合う二人の美女。その恵まれた肢体を惜しげもなくひけらかし、豊かな乳房を求め合うように手を伸ばす。このように八人はすっかり色欲に、いや性欲に目覚めてしまっていた。そして、その欲求が強くなればなる程、あの二人の思惑にはまっていく。
何故なら、彼女達は装者であり、普通の異性相手へそれを知られる訳にはいかない。そして、そもそも彼女達は知ってしまったのだ。あの例えようのない匂いを、心を捕らえて放さないスープの匂いを。
((((((((いつか、あれを飲んでみたい……))))))))
時は満ちようとし、器は完成した。あとは、そこへ液体を注ぐだけ……。
と、こんな感じです。こんなところが妥協点。この後は皆様の想像にお任せします。本当に飲んでしまうのか、飲むだけで終わるのか、あるいは……とね。