……チンポケース宣言とかしちゃうぐらいですしね(汗
「眠った、か」
可愛い寝顔を見せて横になる空を見つめ、翼は微笑みを浮かべる。姉様と呼ばれる事も慣れるぐらいにここを訪れ、その度に自分も子を産みたいと言う欲求を強くしていた。そんな彼女へ優しく声がかけられる。
「ごめんなさい。いつも空の相手をさせてしまって」
「いえ、構いません。私も、この子を妹のように思っていますので」
「そう言ってくれると助かるわ。で、この後は……どうするの、翼」
名前で呼ばれる意味。それを悟り、翼は少しだけ赤い顔をした。切り替わったと察して。
「その、出来れば伽を教えて頂きたく」
「ふふっ、そう。では、移動しましょう」
「はい、姉様」
静かに空の部屋を後にし、二人の翼は一路シキの部屋へと向かう。先を歩く要翼の後を追い、翼は期待で胸を高鳴らせていた。何度交わっても底が見えない男女の営み。そして、どれだけでも味わってしまう、生命のスープの美味しさ。それらは、とっくに彼女を女へ戻し、雌へと変えていた。
(今夜も、要さんに沢山可愛がってもらわねば。そ、そして、出来れば空のような愛らしい子を……)
一度だけ下腹部を撫でる翼。自身の世界でトップアーティストであるにも関わらず、スキャンダルにしかならない事を望む辺り、それだけ彼女は歪んでしまっているのだ。いや、あるいは正されたのかもしれない。人としては歪んでも、女としては真っ直ぐに、と。
シキの部屋に着くと、まず翼がドアを開けて要翼を入室させる。そして続く形で彼女が入った。
「やぁ、翼ちゃん。うちの子の相手、いつもありがとう」
「いえ、空だけでなくみなとてもいい子達です。歌や踊りへの熱量も高い。こちらで姉様が後進を育てる道を選んだ理由が分かります」
「母校で教鞭をとるなんて夢にも思っていなかったけれど、ね」
「私も、もし可能なら考えてみたい道です。一人で羽ばたく事を怖がっている誰かを、支えてあげられる道を」
噛み締めるように胸を押さえる翼だったが、そんな神妙な空気もそこまでだった。シキが少しからかうような顔を浮かべた事で、場の空気が変わったのだ。
「それで、翼ちゃんは何をしに来たの?」
「そ、それは……」
「翼、はっきり言いなさい。殿方が望んでいる事を出来る限り応えるのが伽の基本よ」
「……か、要さんにまた伽の相手をお願いしたいのです。姉様と共に、私へ男を教えてください」
本当はそうではない。彼女が今望んでいるのはその先の事だ。だが、それを口にする事が翼には出来なかった。どこかでまだ彼女の人としての部分が顔を出しているのだろう。しかし、そんな事に気付かぬ要夫妻ではない。
「翼ちゃん、それは本当に望んでるものの前段階じゃないかな?」
「え?」
「そうね。翼、貴女が本気で望んでいるのはもっと形として残るものじゃない?」
「っ!? そ、それは……」
見抜かれた。そう思って顔を真っ赤にする翼へ、そっと夫妻は微笑みかける。そんな彼女の姿が過去の記憶を甦らせたからだ。
「シキさん、翼は子を望んでいるみたいです」
「だね。だけど、それは難しいって分かってるかな?」
「わ、分かってはいます。だから」
「違うわ。出来る事ではなく、その後よ。貴女、自分の世界で相手のあてがある? それに、ソロで活動して有名なアーティストなのでしょう。それが浮いた話も噂もなく、いきなり妊娠もしくは出産じゃ大騒ぎになる。そこまで考えている?」
突きつけられた言葉に翼は反論の言葉を飲み込んだ。目の前の女性はそれと似た事を経験し、乗り越えたからこそ言っているのだと。
要翼だけでなく、奏とマリアもそうだった。彼女達には浮いた噂など一度としてなく、故に長期休業を発表した際には病気療養と思われた程だ。そして出産後復帰したものの、一年程で引退。その後は一度としてメディアへ顔を出す事もなく、揃ってリディアンで名誉教師として指導に当たっているのだから。
「こっちでも色々と大変だったんだから。シキさんの扱いもあって、見えない圧力の助けも借りて事なきを得たけれどね。空達が苗字を要としていないのは、そういう事でもあるの。私達は事実婚であり、書類上は誰一人として要姓を名乗ってないわ」
「……そう、なんですか」
「ああ。この国は重婚を禁止してるからね。だからこうするしかなかった」
「でも、貴女は無理でしょう? 緒川さんに偽装結婚してもらう?」
「っ! そんな事無理ですっ!」
「……では、世間と戦いながら子を産み育てる?」
その一言は翼に息を呑んだ。無策で風鳴翼が子を成す、子を産むとはそういう事なのだと突きつけられて。そんな彼女へシキが頬を掻きながらこう助言を与えた。
「実は、誤魔化し方と言うか、そういう追及を受けない方法もあるにはあるよ」
「ほ、本当ですか?」
「奏がね、自分達が君達が子を産むまでの間そっちへ行って成り変わったらどうだって。そうするといつまでも活動を続けていたのに、いきなり子持ちとなる。そんな事は不可能だろ? 成長して母親そっくりになってもだ。きっと親戚か他人の空似だと周囲は自分で自分を納得させるだろうしって」
「……でも、我が子として籍を入れ、愛情を注ぐ事は出来る。で、ですが」
「私は構わないわ。今でもボイストレーニングなどは欠かしていないし、動きも貴女とそこまで差はないはずよ」
「どうだい? ただ、これには一つ翼ちゃんの覚悟を見せてもらう必要があるけど」
「覚悟?」
どういう事だと小首を傾げる翼へ、シキはチラと要翼へ視線を向けて何事かを耳打ちする。それに苦笑すると、彼女は聖詠を唱えた。
「……何故ギアを?」
「それはね、これがただのギアではないからよ」
「ただのギアではない?」
見慣れた感のある天羽々斬のギア。多少異なる部分もあるが、劇的な変化のようなものはない。と、そんな翼の目を見開かせるような光景をそのギアは起こす。
「なっ!?」
何とギアによって守られているはずの乳房が剥き出しにされたのだ。しかも、大した力も使っていないような動きで。シキの手で露わになる要翼の右乳房。すると今度は同じように左乳房も剥き出しとされる。
「どう? これが今の私、こちらの風鳴翼が纏えるギア。その名もスケベギア」
「スケベ……ギア……」
「こんな事にギアを使える女となった。ギアさえも夫の、男のために利用する女となった。それが私。貴女がもし子を先程の手段で得ようと思うのなら、このギアを纏ってみなさい。こちらで過ごす間、貴女は私となってシキさんの伽を務めるのだから」
冷静に考えれば無茶苦茶な話である。だが、今の翼にとっては要翼の言葉が姉からの試練にも聞こえていた。子供のために自分を変える覚悟もない者が親になれると思うな。そう言われたような気がしていたのだ。
(防人たる力を淫猥な事へ使う。それが、それを許せる程に愛と言う感情は人を変えるのか。……子と世界、どちらしか守れないと問われた時、きっと姉様は迷う事なく子と答えるのだろう。今の私には、それだけの覚悟がない……)
だが、世界と即答も出来ない。そう、翼は理解していた。今の自分が中途半端である事を。もう防人ではいられないし女にもなり切れない。どっちつかずの状態の己を、翼は自覚し答えが出せないでいた。
進む事も戻る事も出来ない、進退窮まったと言える状況ではあったが、そんな彼女の脳裏に空の顔が浮かび上がった。
―――姉様っ!
あの笑顔と愛らしさ。それと同じような生命を授かれるのなら、自分が得てきた事の全てを注いでやれる存在を得られるのなら、そして何より、もう戻る事は出来ないのなら、風鳴翼が選ぶ道は一つであった。
室内に響く聖詠。それを口ずさむ翼の顔は、この上なく緩んでいた。母と、女となる覚悟を決め、完全にこれまでの自分と決別したのだ。
身に纏うは幾多ものノイズを斬り伏せ、世界を、人々を守り抜いてきた青を基調とする聖なる鎧たるギア。だが、その胸部を翼は静かに開いていく。簡単に出来た切れ目を広げるようにし、己の小ぶりな乳房を両方共露わにして。
「要さん、姉様、これでいかがでしょうか? 私の覚悟、伝わったと思います」
「……見事なスケベギアよ、翼。さぁ、ならば分かるはず。この後どうするべきか」
「はい……。要さん、いえ兄上、女と覚悟を決めた翼にどうか子種を注ぎ、見事母にしてくださいませ」
蕩けた表情で股間へも切れ目を入れてヴァギナを露出させつつ、翼はとても淫らな微笑みを浮かべて自分の願望を述べた。その堕ちた戦姫の願いに、シキのペニスがビクンと大きく跳ねるのだった……。
同じ色のギアを纏う同じ顔の女が二人、雄々しく反り返る剣を愛おしげに手入れしていた。その綺麗な舌で根本からゆっくりと何度も舐め上げ、その度にその表情を淫らに変えながら。
「はぁぁぁぁ……兄上のチンポ、美味しいです……」
「ええ、今日は一段と味が良いです。シキさん、翼との子作りがそんなに嬉しいんですか?」
「そりゃあね。翼との子作りも興奮したけど、翼ちゃんはそれとはまた違った興奮があるから」
天羽々斬を纏いし二人の戦姫は、今やただの淫姫と化していた。眼前のペニスへ屈服し、それで貫かれるいや、それを納めてもらう事しか考えない鞘として。だが、彼女達は鞘というような洒落た言い方はもうしない。
「じゃ、そろそろあれを使用させてもらおうかな?」
シキのその言葉に二人は揃って顔を上げて頷いた。そして静かに立ち上がり、両腕を頭の後ろで組んでがに股となる。
「シキさん専用チンポケース、今も見事にピッタリなのを是非体感ください」
「兄上専用ち、チンポケース、今から見事にピッタリとなるので是非お試しをっ」
妖艶に微笑む要翼と、顔を少しだけ朱に染めながら告げる翼。だが、共通してそのヴァギナからはペニスを待つように愛液が涎のように流れ落ちていた。まるで彼女達の理性が流れ落ちるように。
しかし、だとしても代わりに彼女達へ注がれるものがある。それこそが二人が望むもの。雄の子種、遺伝子だ。今、シキはそれを注ごうとペニスを勃起させ、ゆっくりと二人へ近付いていく。
「翼の使い心地が良いのは知ってるから、そっちは後でじっくり楽しませてもらうとして……」
「ぁ……」
翼のヴァギナへピタリとあてがわれるペニス。その熱に彼女は嬉しそうな声を漏らした。
「まずは、こっちの使い慣れてない方を使わせてもらおうかな?」
「翼、感謝を述べなさい」
「あ、兄上、私を選んでいただきありがとうございます。遠慮なくご使用ください」
「ああ、ならお言葉通り遠慮な……くっ!」
「ああっ……な、何と雄々しい……」
いつもよりも硬さも熱さも違う。そう思って翼は全身を震わせた。彼女は知らない。それもスケベギアの効果であると。このスケベギアは、言うなれば交尾用のギア。ギアを展開する事でスープを欲しがる体の欲求を高め、更にそれへの依存度を増させるという淫魔のギアなのだ。
それに、体全体をギアが引き締める事により、乳房や臀部を強調させて雄を煽る効果も持っている。このギアを使う必要な心構えはただ一つ。何よりもセックスをしたい。全てにおいてペニスが、スープが欲しいという混じり気なしの性欲である。
「翼ちゃんもチンポケースとして優秀だね。本当に俺専用でいいの?」
「は、はい。兄上だけの鞘に、ち、チンポケースになりたいのです」
「それは嬉しいけど、まだチンポケースって言うの恥ずかしいんだなぁ。翼ちゃん、それが意図的なものなら俺は嬉しいけど、自然な恥じらいならちょっと残念だよ。俺と交尾して子供を作るなら、そしてこっちに残って子供を産むなら翼に負けないぐらいの裏の顔を見せてくれないと」
「姉様ぐらいの、裏の顔……」
瞬間、翼の脳裏にはこれまで見てきた要翼の痴態が甦った。普段は凛としながら母としての優しさや美しさも見せる彼女の、床で見せる雌の姿を。それが自分と重なる。同じ顔、同じ声の存在だからではない。今、翼は彼女と同じ在り方へと変わった事を理解してしまったのだ。ジュンとヴァギナが熱を上げ、トロリと愛液を滴らせた。それが、翼の最後の防人部分だったのだろう。何せその直後、翼はとても淫靡な笑みを浮かべて口を開いたのだから。
「……兄上、私、分かりました。昼は淑女、夜は娼婦。それが、正しい妻の在り方なのですね?」
「正確には、夫に望まれれば娼婦かも」
「ああっ! そういう事なのですね。兄上だけに見せる顔。それこそがチンポケースの意味っ! 分かったっ! 私は今、完全に理解出来ましたぁ!」
歓喜の声を上げる翼。それに呼応するように膣内がペニスをこれでもかと締め上げ始めた。ギアと翼の一体化が進んだのである。スケベギアと今の風鳴翼が遂に噛み合ってしまったのだ。
「翼ちゃん、なら俺にしがみついて。そして意識はチンポへ」
「はい、兄上。天羽々斬と私の力、とくとご賞味あれ」
「おうっ!? こ、これは……凄い締め付けだ……」
シキの首へ両腕を回すと同時に、両足も彼の腰へ回す翼。その華奢な身体を支えながらシキはペニスを襲う締め付けに驚いていた。同じ頃の妻を超えると思い、彼は文字通り全身で抱き締めてくる翼の頭をそっと撫でる。そしてそのままベッドへと移動する―――のではなく、愛しいの妻の前へと移動した。
「翼、あっちの素質も一緒だと思うから調べてみてくれ」
「シキさんらしいですね。翼、少しだけ力を抜きなさい」
そう言うと要翼は翼のアナルへ手を伸ばす。薄布以上に防御力がなくなったギアを破り、その未だ逆方向からの侵入を許した事のない場所へ、細く綺麗な指が少しだけ挿入された。
「ぁ……」
「どう?」
「……少しきつめですけど、おそらくこれは初めてで戸惑っている部分もありますから。シキさんがあれをしてあげればすぐにでも……」
「そっか。翼ちゃん、聞こえてるかい? 今日はしないけど、いつかアナル、つまり菊門へチンポを入れるからね。そのために今日は翼にじっくり慣らしてもらうから」
「ね、姉様に……」
「ええ。大丈夫よ。貴女はシキさんとの伽へ集中なさい」
こうして始まる前後同時調教。翼はその未知の快楽に呆気なく溺れていく。舌を絡めるキスをされながらの子宮を揺らすノックと、徐々に拡張していこうとする優しく淫靡な指使い。アブノーマルな扉を静かに、だが確実に開かれている事を自覚しつつ、彼女はそれを止める事も抗う事もしない。
(兄上と姉様に愛されているようだ……。ああっ……分かる。私は今夜堕ちるのだ。もう二度と這い上がれぬ淫蕩の沼へ。底なし沼へと堕ちる。堕としてもらえるのね……)
そう自覚した瞬間、翼のギアがよりその能力を発揮した。翼の感度を上げたのである。それは、より快楽を貪ろうとするもの。故に膣内で感じ取っているペニスの熱なども上昇するため……
「っ!? はあんっ!」
「ぐっ! いきなり締め付けが……」
「こちらもです。……そういう事ね」
翼に起こった変化をいち早く察知したのは要翼だった。ギアの食い込み具合が増していたのだ。それがより一層快楽を求めているための変化と察し、彼女はシキへ目をやると妖しげに笑みを見せる。
「シキさん、アナルスープだけでもしてあげてください。昔、私に最初してくれた時のように」
「……そうだね。それが良さそうだ」
「え……? あっ」
あまりの快感にぼんやりとしていた翼だが、シキがペニスを抜いた事で意識が軽く引き戻される。その目は引き抜かれたペニスを追い駆けていた。が、それが再び自分の体へ押し付けられるのを感じて笑みを浮かべた。とても蕩けた淫らな笑みだ。
「翼ちゃん、力抜いてくれ」
「はい、兄上……」
「翼、少し準備をするから」
「はぁんっ……姉様ぁ、乳首をそんなに強く弄るなんて……ああっ、それ好きぃ!」
「当然でしょ? 私は貴女でもあるのよ。さぁ、じっくり可愛がってあげるわ」
「ね、姉様ぁ……」
二人の翼による絡みを見て、シキはペニスの扱く速度を上げた。更にカウパーを塗り付けるように翼のアナルを刺激し、前準備を整えていく。姉と慕う女性からの愛撫と、兄と呼んで子を成そうとする男性の愛撫。それらに翼は思考を完全に溶かされる。気付けばアナルが男を誘うようにひくつきだし、まるでペニスを納めてくれと言うように動き出したのだ。
「これならいいか」
未だに女性同士の絡み合いに夢中となっている翼を見て、シキはならばと、彼女のアナルへペニスの先端だけを挿入したと同時に我慢していたものを吐き出す。腸内へ注がれる熱い精液。それを翼が感じた瞬間、彼女のギアに目に見える変化が起きた。
「ああっ! か、体が熱い……っ! ああああああっ!!」
叫びと共に翼の体を光が包む。そして、それが消えた時、彼女のギアは変色していた。白と青が基調のギアが、黒と赤を基調とするイグナイトのようなものへと。
「これは……」
「響ちゃんと同じだ……。きっと、翼ちゃんも快楽に溺れる事を良しとしない気持ちがあるんだよ。で、ギアがそれを反映させたんだ」
「……心象変化、でしたね」
変化したギアに身を包む翼を見つめ、夫婦は彼女の反応を待った。静かに俯いたままの翼だったが、やがてゆっくりと顔を起こす。その顔は、初めて見る程にだらしなく緩んでいた。
「ふふっ、兄上、姉様、ご心配おかけして申し訳ありません。この通り、私は大丈夫です」
「な、何か悪堕ちしたみたいだな……」
「あながち間違ってもいないかと。だって、シキさんがスープでこの子達をエッチに変えたんだし」
「まぁ、そう言われると返す言葉はないけれどさ」
困った顔で頭を掻くシキと苦笑する要翼。そんな二人へ漆黒のギアを纏った翼は妖艶な笑みを浮かべて正座をするや三つ指を付いた。
「改めて、お願いします。私に子種をください。そして、兄上の子を宿して頂きたいのです」
「シキさん、どうします?」
「うん、こうなったら毒喰らわば皿までだ。このまま悪堕ちプレイといこう」
「えっと、私もそれはよく分からないんですけど……」
「大丈夫。要するに二人は快楽に負けて悪になった正義の味方って感じだから」
「……要するにこの子はそのままでいいって事ですね。はぁ……私が大変って事じゃない」
文句を言いつつ、彼女も翼の隣へ移動し同じように正座して三つ指を付いた。
「私もお願いします。アナタの子種を注いで、見事に孕ませてください」
今、シキの目の前には、ギアを纏って土下座する二人の装者がいた。その光景と認識に彼は大きな興奮を覚えていた。そのペニスを雄々しく反り返らせ、少し荒くなる呼吸のまま彼は二人へ問いかける。
「いいのか? もう今までのようには戻れなくなるぞ?」
「「覚悟の上です」」
「チンポに忠誠を誓えるか?」
「「はい」」
「っ……なら、誓いの口づけをしてみろ」
自分の中にある新しい扉を自覚しながら、シキはそう告げて二人の反応を待つ。すると、二人の翼は同時に顔を上げると、ゆっくりと動き出してペニスへ手を伸ばした。そして、優しく撫でながら目配せをするや同時に亀頭へキスをしたのだ。
瞬間、シキの中で何かが高まる。ピクンっとペニスが動き、それで堕ちた装者が二人、不敵に微笑む。
「ああ、最高だよ翼も翼ちゃんも。じゃあ、そのままフェラをしてくれ。淫語も沢山使ってな」
「はい、兄上。兄上のチンポはとても立派で、雄々しく、見ているだけでオマンコが疼いてしまいます。レロォ……どうして私はこれをもっと早く求めなかったのか。今は後悔ばかりです」
「私もその気持ちはよく分かる。レ~……この味を知ったら、絶対思うの。これを独り占めしたいって。そして抱かれて思うの。もっとこれで貫いて欲しい。ずっとこれを納めていたいと!」
「ああっ! はいっ! 分かります姉様! このチンポをずっとオマンコの中へ入れていられたら……もう私は死んでしまう程の幸せを感じるっ!」
「あら、翼ダメですよ。ちゃんとご奉仕もしないと……こうやってぇ、裏筋をゆっくりと……レェロォ……」
妖しげな眼差しをシキへ送りながら二人はペニスへ舌を這わせる。それさえも今のシキにはプレイのように見え興奮材料だ。特に翼は演技などではなく本心である。つまり、本当に堕ちた。それを分かるからこそシキは複雑な心境なれど興奮していたのだから。
(これ、絶対ダメなんだろうけど、今更過ぎるもんな。きっと朝になれば戻ってるよ、うん)
そうやって自分を納得させ、彼は堕ちた戦姫達のフェラを堪能する。一方が執拗に亀頭周辺を攻めれば、ならばともう一方は陰茎やカリ首を舐め上げ、その逆にペニスをしゃぶれば、負けじと片方が陰嚢をしゃぶる。
そのまるで取り合うような光景にシキは大いに満足し、気分はまさしく悪の首領であった。正義を背負うはずの装者を淫らに変え、しかもその際たる格好であるギアまでも淫靡なものへとしてしまう。まさしく悪魔の所業であった。
「兄上ぇ、下腹部が切ないです。早く、早くチンポぉ!」
「それなら私だって。ずっとお預けなの辛いのぉ。アナタぁ、チンポケースにしてぇ!」
「分かった。じゃ、ベッドに行こう。で、翼が対面騎乗位。翼ちゃんは俺の顔にケツを乗せて翼の胸を可愛がってやるんだ。いい?」
「「はぁい」」
やっと望むものが与えられると、そう思って笑みを浮かべる要翼。翼は形はどうであれシキに愛してもらえると思って笑みを浮かべる。
こうしてベッドに横になったシキへ二人の翼がそれぞれ跨る。ペニスを挿入する者とヴァギナを愛撫される者と分かれ、だけどもその二人は向かい合って互いを求め合うようにキスをし、また乳房を愛撫するのだ。
「ああ、いつもよりも感じてしまう。この快楽を知ったら、剣ではいられない。女に、雌になるしか出来ないのぉ」
「綺麗です、姉様ぁ。それとチンポ羨ましい」
「んふっ、そうは言うけど、舌で愛されるのも好きでしょ?」
「はぁい、好きです。兄上の舌でマンコペロペロ幸せですぅ」
シキの顔に臀部を乗せ、ヴァギナを愛撫される翼。クリスが指よりも舌がいいと言ったように、彼女もまたクンニの方が手でされる愛撫よりも好きだった。最早凛々しさの欠片もないその姿に、要翼は小さく笑みを見せるとそっと頬へ手を伸ばす。
「貴女も綺麗よ、翼。女を取り戻して、今、貴女は蝶となったの」
「蝶……」
「ええ。生命のスープという蜜を飲まないと生きていけないとなった、美しく儚い蝶よ。もう、恋の歌や愛の歌がよく分かるでしょう?」
「……はい。今なら見事に歌い上げられます。恋とは、愛とは、こんなにも……」
そこで翼は目を閉じる。そして色々と思い浮かべるのだ。友人達や仲間達との時間、大勢の観客を前に歌った感動、平行世界で再会した別の奏との思い出、いくつもの愛を噛み締めて。と、その瞬間シキが陰核を舌先で刺激する。その快感に翼は目を見開いてだらしない顔と声で告げた。
「気持ちいいものなんですねぇ!」
「そうよ、んっ! 愛は、とても気持ちいいのっ。求め合って抱き合って、ああっ、それで感じる愛は最高に幸せで気持ちいいのよぉ!」
「姉様ぁ、私、もっと愛を知りたい! 感じたいっ!」
「だ、大丈夫よ。シキさんに、全て委ねなさい。あはぁ……チンポに体を委ねてしまえば、後はシキさんが何度でも極楽へ連れて行ってくれるから……っ!」
「ね、姉様ぁ!」
腰を振り続ける要翼と膣内だけでなく陰核も時折刺激される翼。更に互いに乳首を弄り合い、常に二つ以上の快楽を得ていたのだが、ここにきてシキが二人を同時にイカせるべく動き出したのだ。
まず、ペニスをより深く打ち付けられるよう要翼の腰を掴み、翼へは膣内の刺激を一切止めて陰核への舌による攻撃に変更。その成果はすぐに出た。元々シキと交わり合っていた方は早々に抵抗を止め、与えられる快楽のままによがり出し、そうでもない方も強めの刺激と弱めの刺激を交互に与えられる事でよがり出したのだ。
その頭の中も、どんどん同じ事しか浮かばなくなっていく。女同士でキスをし、舌を絡め合いながらも、その思考はペニスの事しか考えていなかったのだ。
(ああ、チンポがピクピクしてきた。シキさん、そろそろ出してくれるんですね!)
(ああ、さっきから舌がクリトリスの周囲を這い回ってる。下腹部が切ない……。チンポが、チンポが子宮まで欲しいっ!)
その時、翼は違和感を覚えた。まるで自分の膣内にペニスが入っているような感覚が生まれたのだ。それは、どんどんはっきりとしてきて、勘違いではないと思った瞬間、何か熱い物が子宮目掛けて放たれた。
「「っ! ああああああっ!!」」
同時絶頂。それも、互いに射精を感じ取ってのだ。そう、響にも起きた共感現象が翼にも起きたのである。その思考を一致させる事に加え、スケベギア同士の共鳴もあり、同一人物としてその感覚をリンクさせてしまったのだ。
「……ふぅ、まさか翼ちゃんまでイクとは思わなかったな」
絶頂したため、翼が顔からどいた事でシキはやっと喋れるようになっていた。そのペニスはまだ出し足りないと言う様に雄々しく反り返っている。彼は快楽から放心しているような二人の翼を見つめ、ふと首を傾げた。
「もしかして……響達と同じ事が起きてる?」
同一人物を同時に抱く事で起きる現象をシキも感覚で理解していた。かつて、響は平行世界の自分に影響を受けて精神が衰弱した事がある。ならば、同じような自分と同時に同じ場所で、しかも同じ相手から抱かれたらどうなるだろう。当然、影響を受けないはずはない。それが、この共感現象であった。
「じゃあ……翼ちゃん、聞こえるかい?」
「……兄上?」
「チンポ、掃除してくれる?」
「チンポ……掃除……っ! はいっ!」
弾かれるように動き、ペニスを頬張る翼。まだ残っていたスープを吸い出して恍惚の表情を浮かべると、頭に感じる温かさがあった。
「気持ちいいよ、翼ちゃん。ありがとう」
優しい声、優しい笑み。させている事は最悪だが、今の翼にはそんな風に感じない。むしろ望んでいるものをくれた上に優しくしてくれたと思って、彼女の心と体が一致した反応を見せる。この雄の子を産みたい、と。
気付けば翼はペニスから口を離して、シキの事を見上げていた。その眼差しはねっとりと絡み付くようなもので、高い熱量を秘めている。
「……翼ちゃん?」
「兄上、次は私の中へ注いでください。姉様のように立派な子を産むために、何度も何度も注いで孕ませて欲しいのです」
「父無し子になるのに?」
「表向きは、です。写真などで兄上の事をちゃんと父と教えておきます」
「……キャロルやエル、了子とフィーネにも頼んでそっちへ行けるようにしてもらうよ。いつになるか分からないけど、必ず」
「兄上……」
キュンと胸がときめき、ジュンと子宮が疼く。父無し子にはさせない。そう言外にシキは約束したのだ。責任は必ず果たすと、せめてそれぐらいはさせてほしい。その想いが翼の中に残っていた微かな躊躇いを消し飛ばした。産めば彼は自分の夫にもなってくれる。常に一緒は無理だが、時々は共に過ごしてくれる。そう思った瞬間、翼はシキへ臀部を突き出すようにベッドへ手を付いた。
「兄上、私を、私を妻にしてください。そして母にして、必ずその子へ会いに来てください」
「ああ、約束だ。じゃあ、入れるぞ」
「はい、来てください」
ズブズブとゆっくり翼の膣内へ侵入していくペニス。その太さや長さをヒダの一つ一つで感じ取りながら、翼は理解していた。今、自分は改めてシキのペニスを覚えさせられているのだと。これ以外のペニスは入れてはいけないし、もし入れる事があっても違和感を感じて排出しろと教え込まれているに違いないと。
(覚えていく、刻まれていく。兄上の、いえ旦那様のチンポがしっかりと体へ。ああっ、何て雄々しく逞しいのだろう。私を女にしたチンポ、私を鞘へ堕としたチンポ、そして、私を母へしてくれるチンポ……)
全力でシキのペニスを包み込み締め上げる翼。その締め付けに彼は笑みを浮かべると、一番奥まで突き入れた。その刺激に不意打ちを喰らった翼は大きく仰け反った。それでも、表情は幸せそうに蕩けている。子宮口へ突き当てられた事で、軽く絶頂したためだ。そこで翼ははっきりと理解させられていたのである。このペニスこそが自分の夫となるべき相手なのだと。
「翼ちゃん、いいか? 動くからな?」
「ひゃ、ひゃい……」
呂律が怪しい事に気付いたシキだったが、そんな翼の痴態により興奮を高めたのか、そこから一気に激しいピストン運動を開始した。まるで翼の子宮まで届けとばかりに打ち込まれるペニス。その力強さと頼もしさに翼の思考はドロドロと溶けて行く。
(凄いっ! 何と力強く! 何と雄々しい腰使いだっ! まさしく、これが益荒男と呼ぶものなのだ! 私の、私の剣は、この人だっ!)
パンッパンッと大きな音を立てて打ち付けられるシキのペニス。今まで以上に感じる快感と熱が、翼の中へ形を作り出す。それは、雌としての喜び。雄に愛され求められる幸せである。今、文字通り翼は鞘と打ち直されていた。膣内を何度も何度も蹂躙するペニスに相応しいようにと、チンポケースとなれと。
「翼ちゃんっ、どうだい? チンポケースになった感想は?」
「し、幸せですっ! ずっと、ずっとこうしていたいっ! 旦那様のチンポを感じて生きていたいっ!」
「っ! そんなに?」
「はいっ!」
即答。それにシキは何とも言えない快感を得ていた。何せ、今抱いているのは昔から肌を重ねてきた相手ではない。つい数か月前から関係を持ち始めた相手なのだ。歌に、戦に生きていた、まさしく戦姫だったのだ。
「なら、ライブとチンポどっちが好き?」
故に、問いかけた。妻にさえした事のない、する必要のない質問を。
「チンポ!」
返ってきた答えは卑猥な方だった。それも、迷いなく。それに更に快感を覚え、シキはより強く腰を振る。
「じゃ、天羽々斬とチンポは?」
「チンポっ!」
遂には大事であろうギアさえも捨てた。それがより強い快感をシキへ与える。ならばと、彼はそこで腰を止めた。
「最後だよ。歌とチンポなら?」
それは、勢いや快楽に流されて選ぶのを阻止するためだった。強い刺激も何もなく、ただ膣内にペニスが入っているのみ。だが、子宮口へペニスはピッタリとつけられてはいたが。
さすがの翼も歌と比べられて即答は出来なかった。ギアは非日常の象徴だ。必要なくなる事が望まれている。故に捨てられる。しかし、歌は違う。歌こそ翼にとっては何よりも大事であり、亡き片翼との繋がりでもあった。それを捨てる事など出来ない。
「そ、それは……」
両方と答えたい。それが翼の本音である。だが、姉と慕う女性の言葉がそれを阻むのだ。伽の基本は殿方の望む事へ応える事。今、シキが聞きたいのは快楽に負け、歌を捨てる翼である。それを分かっているからこそ彼女は何も言えなくなっていた。
しばらくそんな時間が続き、シキが何かに気付いてゆっくりとペニスを抜き始める。その感覚を翼は素早く気付いた。
「あっ……」
「ん? 何?」
「な、何故抜こうと……?」
「聞かなくても分かってるよね」
「ぁ……」
少しずつ、だが確実に抜かれていくペニス。熱が、力強さが、頼もしさが失せていく。その寂寥感が翼を襲い、だけども最後の矜持だけは捨てられないとばかりにきつく口を結ぶ。しかし、そんな彼女へ淫魔の声が囁かれた。
「翼、嘘を吐きなさい」
「嘘……?」
「ええ。今だけ、殿方を喜ばすための嘘を吐くの。一度でもシキさんが本音を言えと言った?」
「ああ……ああっ!」
暗雲垂れこめていた翼の気持ちが一気に晴れたように変わる。嘘でもいい。今だけ、愛しい人を喜ばせる嘘を。そういう大義名分を得て、翼は遂に最後の一歩を踏み出すよう仕向けられてしまう。
「チンポ、チンポですっ!」
「何が?」
「私は、歌よりチンポが好きぃ!」
何か大事な物が砕けた気がした。だが、残念ながらそれを翼が感じ取る事はない。何故なら、それを一気に塗り潰すような凄まじい快楽が押し寄せたからだ。シキが一気にペニスを奥まで挿入して打ち付けたのである。
「はぁぁぁぁあんっ! 来たぁ……チンポ来たぁ」
「とてもいい顔をしてる。翼、その顔をシキさんへ見せてあげて」
「はい、姉様……」
だらしなく蕩け、淫らに染まり切った雌の顔。それをシキへ見せる翼。すると、そんな彼女へ彼は優しいキスをする。舌も絡めるそれに、翼は嬉しそうに目を閉じた。そこへ聞こえる声がある。
「分かった? シキさんは、私達がどんな風になっても受け止めてくれるの。例え淫らに狂おうと、楚々としていようと。愛は、そんな事では揺らがない。その証拠を、今、貴女は感じ取れているでしょ?」
目を開け、翼は要翼を見る。その眼差しは肯定するように潤み、蕩けていた。そんな彼女へ要翼は微笑むと、ピンと主張している淡い桃色の突起を優しく摘む。
「さぁ、またイクの。何度もイって、シキさんのチンポケースとしての役目を果たしなさい」
「……ふぁい、ねえしゃま」
こうして翼は幸せの中、何度も絶頂する事になる。姉と慕う女性に胸を愛撫されたり、時にはその蜜壺を舐め回して。そして、旦那と呼んだ男性には、強くペニスを打ち付けられ、時にはその精を顔で受け止めて。
後日、風鳴翼は新曲として初めての明確なラブソングを発表する。それにファンのみならず、業界関係者も驚愕したのだ。そう、作詞は他ならぬ翼本人によるものだったのだから。
曲名は”Synchrogazer”。無論由来はあの時の経験だ。
その時のインタビューで彼女は何故ラブソングをとの質問にこう告げる。
―――私も成人を迎えるにあたり、そういう歌を歌ってもいいかと思いまして。
そっと胸元へ手を当てて、彼女は微笑みながら答えた。そうインタビュー記事には書かれる事となる。さり気無く、翼が下腹部へも手を当てていた事を気付かぬままに……。
風鳴翼がスケベギアを使えるようになりました。堕ちるシチュエーションが好きになりました。Mの気質に目覚めました。