エロいのは次回か次々回あたりかなぁ
『聖なるかな』というのは、かつてXuseから発売された18禁ゲームである。永遠神剣シリーズの第二章であり、前作『永遠のアセリア』に比べるとダークな雰囲気は皆無と言っていいほどありはしない。システム的にも、主要キャラが死んだら戦闘中に蘇生できなければおしまいな前作と比べて、死んでも拠点で復活させられるというのはライトだろう。物語的にも前作主人公とのあまりの条件の格差に『異世界修学旅行』なんて揶揄されることすらある。
ただ、主人公たちの境遇がそんなものだからと言っても、別に見所がないわけではない。キャラクターは可愛いし、そもそものシリーズの世界観の設定とかはかなり好きな部類だ。
だがそれもゲームとしてプレイする、あるいは第三者として見ていることが好きなだけであって、少なくとも俺は、転生したいとは思わなかった。それも
「絶対に、一緒に帰りましょう!!」
こんな、別世界観光用神獣「ものベー」の客員。永遠神剣の担い手として関わるのではなく、ただのクラスメイトとして一緒に参加させられることなど、誰も願ったことなどないに違いない。誰か、話の本筋にすら関われないだけではなく、彼らの活躍を見ているだけの立場になって、しかも本筋の連中が死ねば俺たちも家に帰れずにどこともしれぬ場所で野垂れ死ぬBADENDになることが確定しているような立場になりたい奴がいるなら手をあげてくれ。
「なんだ、このクソゲー…」
横にいる、生徒会長の演説に熱狂しているモブにも聞こえない程度の声でそう呟いた。
「そんなこと言ってたはずなんだけどなぁ…」
今の状況はおそらくセカイ系主人公な皆になら理解してもらえると思う。少なくとも『
「で、なんでお前は俺の後ろについてくるんだ、
「え、えっとついて来ちゃダメでしたか?」
「いや、ダメってわけじゃないけど…」
本当、なんでこのエターナル様はついてくるのやら。こんな少女が今の旅団でも最高レベルの戦力であることは知っているのだが、それでも実物を見ているとただの子供にしか見えない。
後ろからついてくる少女はユーフォリア。《魔法の世界》で仲間になった記憶喪失の少女で、前作主人公の娘。三位以上の永遠神剣と契約した存在はエターナルと呼ばれる存在になるのだが、彼女は唯一の
それほどの力を持った少女は今、記憶喪失になってから一番最初に見たのが俺だったからか、妙に俺に懐いてくる。特に何もなければ寝るときまでついてこようとする少女に対して流石に苦言を呈したいのだが
「そろそろ次の世界に到着しますし、何があるかわかりませんから」
懐かれることが嫌なわけでもないし、俺のことを心配しての発言もあるのでなかなか文句を言えないのだ。なぜか楽しそうな様子の彼女を見ながら、これまでのことを思い返す。
この世界に生まれてまず最初に感じたのは、わけがわからないという思いだけだった。なぜ死んだはずの俺がかつてよりも古い時間に生まれたのか。ただ、前世はオタクだったおかげですぐに自分が転生したことには気づけた。そして、すぐに両隣の家の子の名前を聞いて転生した先のことを理解した。
これを聞いたことで、自分が『聖なるかな』の世界に転生したことにはすぐに気づけたのだ。そしてそれと同時に絶望した。
この世界ごと滅ぼせる連中がポンポン湧いてくる世界に生まれ変わるとか、常にそれに怯え続ける必要があるじゃないか、と。ただ、それに気づいた後にもう一つ気がついた。その力は努力して得られたものではなく、基本的には『永遠神剣と契約したことで得られた力』だ。つまり、俺自身も上位の永遠神剣と契約できれば生き残れる可能性も高い。
そして次に、俺の立ち位置の異常さに。『主人公とヒロインの幼馴染』なんて立ち位置、どう考えても何かあるに決まっている。むしろ何もなければ怒られるレベルだ。だからきっと、永遠神剣と契約できるだろうと思っていた。
「はぁ……」
「どうかしたんですか?」
「いや、ちょっとこれまでのことを思い出すとな……」
しかし世の中そんなに甘くはない。俺も普通に
幸いなことに俺はよく怪我をしていた望の治療をしていたので、怪我の治療に関しては神剣魔法を除いては一番役に立つことができた。そのこともあって俺は保健室に常駐している係になり、ヤツィータさんとも多分一般生徒の中では一番仲良くなれたと思う。
しかし、それもユーフォリアが来るまでだった。この少女が来た途端、なぜか俺に対して懐いて来たせいで神剣使いからは俺たち2人を兄妹か何かを見るような微笑ましい視線になり、「妹にしたいランキング一位」らしい彼女から「兄」と呼ばれている状況に、男子生徒からは嫉妬の視線を向けられている。なら、引き離せばいいのかと言われると、「記憶喪失で不安だろうから」と彼女のことを任されているような状況の俺にはそれが許されない。
別に、俺はユーフォリアが嫌いなわけではない。むしろこんなに可愛い子と知り合いになれたこと自体は嬉しい。しかし、エターナルである彼女はこの時間樹から出るときに記憶も記録も残さずに去ってしまう。つまり、この旅が終われば俺は彼女のことを忘れてしまうのだ。それなら、そんな彼女よりも旅が終わった後にも覚えていられる仲間との関係を深めてあわよくば恋人に、と思うのは当然のことではなかろうか。
そう、俺が永遠神剣と契約してないと気づいて、上位の神剣と契約することも諦めてから原作に望んでいるのはたった一つ。『原作キャラと…あるいは
なのになぜ…なぜ…俺と
望に転生させてオーラフォトン触手した結果ブチギレた聖賢者にぶっ殺させる話も考えてた。