暁を味方につけることができたと思ったら、今度は希美が攫われていた。
今の状況はこれで説明することができる。プレイヤーにわかりやすくいうなら第6章が終了したタイミングなのだが、俺としては特にそんなことは関係ない。希美が攫われたことそのものは問題なのだが、俺が気にしてもどうにかなる問題ではないので、望相手に『絶対に助けろ』なんて言って無駄に重圧をかけることはしない。むしろそれよりも
「ぶー」
暁に邪険に扱われたことでご立腹な
前世今世合わせても女性経験の全くない俺にどうしろっていうんだ。こういうのは
「なんかそれだと納得いかないんだよなぁ…」
普段から希美と生徒会長の巻き起こす修羅場によって甚大な被害を受けているから頼りにならないんじゃないか、とかそういう問題ではなくて、俺のことを『兄』と慕ってくれている少女のことを
幸いなことにむくれている彼女には俺のつぶやきは聞こえなかったらしく、特に反応されることはなかった。多分、これは『嫉妬』と呼ばれる類の感情だろう。原作に関われるんじゃないかと思っていたら、結局のところ中心人物にはなれずモブ止まり。そんな俺が『ユーフォリアの兄』という唯一無二の役割を得られたにもかかわらず、ここで
この差異のおかげで、
「それにしても珍しいな、ユーフォリアがぶーたれてる姿なんて」
一応、俺はまだ誰からも聞いていないことになっているので、理由は知っていてもこうして聞きださないといけない。
「暁さんがひどいんです!」
うん。やっぱり原作通り邪険に扱われたのか。でも、そこに関してはあいつの性格だから俺にはどうしようもないことなんだけどなぁと考えていたせいで、次の一言に関しては理解できなかった。
「兄さんはロリコンじゃないから私に見向きもしてくれない、とか言ってきたんです!」
いや、これに関してはちゃんと聞いていても理解を放棄していただろう。少なくとも『ロリコン』なんて言葉がユーフォリアの口から出るとは思っていなかったので、それを聞いたことによって固まるのはしょうがないことだと理解してもらえると思う。
「あの、ユーフォリア? ちゃんと『ロリコン』って言葉の意味、理解できてる?」
「?」
あ、これ理解できてない奴だ。理解できないまま「
「ロリコンってどういう意味なんですか?」
もう、これダメかも。どうやって説明したらいいんだこれ。ロリコンなんて言葉を説明したら、学内の面々に袋叩きにされること確定だよ。俺が神剣使いならまだ耐えられるだろうけど、一般人にはただの拷問にしかならないよ。
そんなことを思いながらも、純粋にわからない単語の意味を聞こうとしているだけのユーフォリア相手にどう説明すればいいのか。誰かに聞きなさいと言ったら聞いた相手に俺が殺されるし、かと言って本当のことを説明すればユーフォリアの純粋さが失われるような気がするし。
『ユーフォリアのことが好きな人』みたいなことを言えば、そもそもユーフォリアのことを嫌いってことになるから間違いだし、それを言ったら絶対泣かれる。そしてその場合は『ロリータ・コンプレックス』ではなくて『ユーフォリア・コンプレックス』になるからユーコンではないだろうか。いや、そこに関してはどうでもいい。
本気でどう説明すればいいのかわからない。そんな中で
『神剣使いは、生徒会室に集合してください』
そんな救いの神が降りて来たのだった。
「ほら、集まらないとダメだろう。行ってこい」
頼むから。俺にこんな答えづらい質問をしないでほしい。そして願わくば、集まったところでそのままロリコンという言葉の意味について聞いて、それを教えてしまった暁に対するお説教も済ませてきてほしい。
そんなことを考えながら、ある意味では一番恐ろしい相手の本拠地である『理想幹』へと向かうものベーからの外の景色を眺めるのだった。
………ええい、エロはまだか!! 今の想定だとユーフィーのエロより先に、ユーフィーのエロのための主人公のグロが来そうなんだけど!?