望が帰って来た。とりあえず心配かけたことに対するお説教として、一般生徒全員から一発ずつ殴られていたが、まあ、そこに関してはしょうがないことだろう。
俺は、彼が誰と付き合うことになったのか一切知らない。けれど、誰と付き合うことになったとしてもこの旅路が終われば2度と味方として会うことはない。準とはいえエターナルになった俺はユーフィーとともに”渡る”わけだし、望がエターナルになれば敵対は確実だ。まあ敵手が同じなら共闘ぐらいならありえるかもしれないが。
それでも、今は友人であることには変わりないので、とりあえず準エターナルの全力を利用して殴った。さすがにそれに対しては怒ってきたので幼少期以来の全力での殴り合い勃発。そろそろ
「もう…兄さんは少し自重してください!」
「悪い悪い。久しぶりの喧嘩だったもんでつい…」
「つい、じゃありません!」
全くもう、と文句を言いながらもユーフィーが治療してくれる。まあ、彼女もこんなことをできる機会なんてもうないことは理解しているので、そこまで文句を言ってきたりはしない。精々が先の「自重しろ」と言う程度だ。
「結局、決着つけられなかったな…」
「引き分け、ですよね?」
「いや、そうじゃなくて」
これまでの全体での戦績だ。俺とあいつの戦績は勝った回数も負けた回数も同一。だから、どっちのが強いとか決まってなかったのだけれど
「まさかの初引き分け…」
こう、勝ち逃げして見たかった。
そんな会話をしていると
「うわ…!?」
「きゃ…!」
なにやら地震が起きた。ああ、多分最終決戦開始の号砲だなこれ。この地震についての話し合いが始まるとのことでユーフィーもそちらに向かうことになった。
そこから先は、原作の通り。
そしてその夜
「まさか、兄さんたちがあんなことしてくれるなんて思ってもみませんでした」
「案を出したのは森と阿川だけどな」
そう、俺はただ手伝っただけ。実際に意見を出したのはあいつらで、それに賛成したのはこの旅に参加していた生徒たち。俺はそれを手伝っただけなのだ。
「それに、望さんたちに皆から何か渡してましたし…」
俺はその買い物には参加していないので、それが何かは知らないことになっている。まあ、そういう細かいところまで前世の記憶が残っているかと言われると、疑問に思わざるを得ないのだが。
「ああいう、形に残るものって素敵だと思います」
「そうだな…」
記憶にも記録にも残らないエターナルが言うと、重みのある言葉だ。その言葉に込められた思いを想像もできないが、これから先一緒に過ごすとはいえ、未だその苦しみを知らない俺が何か言うのも憚られた。
「兄さん」
そうして少し経ってから、ユーフィーに名前を呼ばれる。その顔は真剣そうで、でも少しばかり恥ずかしそうでもあって…
「私も、形に残るものが欲しいです…」
「お、おう」
何やら怪しい感じの雰囲気になって来たような気がする。でも、恋人のお願いなら応えられるところは応えてやりたいし
「何…」
何が欲しいんだ。そう尋ねようとしたのに、途中でユーフィーに唇を塞がれた。
「兄さんの赤ちゃん、欲しいんです」
「お前なぁ…」
一応、明日は最終決戦に向かうことになるんだってことを理解してるんだろうか。そう苦言を呈することもできたが、ユーフィーはどうやら本気で言っているようで、引く気はないらしい。
「本気、なんだな?」
「はい」
それなら、しっかりと応えてやらないとダメだろう。俺の方からユーフィーにキスをして、そのまま2人きりの夜の宴へとその身を浸すのだった。
明日投稿されなければエロ有り(あるいはノヴァで消し飛ばされた)。もしも投稿されたら続きは