「トリックオアトリート」
「デース!」
暁切歌と月読調は、仮装をしたまま町中を歩き回っていた。
今日は十月三十一日、ハロウィンだ。
「ハロウィンって楽しいデスね、調!」
「特別割引、オマケのお菓子……!」
二人の目当ては買い物のキャンペーンだ。
仮装して来店すればサービス、という宣伝が町のあちこちでされている。
年の割に庶民的……いや、経済的な思考が強い調は商店街の特売狙い。
切歌はサービスで貰えるお菓子目当てに、小走りで街を巡回している。
「トリックオアトリート、お菓子をどうぞ」
そして仮装を行っているのは彼女たちだけではない。
お祭り騒ぎの子供たちも、切歌と調にお菓子をねだってやってくる。
調は先程の買い物で手渡されたチョコレートを目の前の子供に手渡した。
子供は顔を真っ赤にしながらお菓子を手に、急いで走り去っていく。
「……どうしたんだろ」
「照れ屋さんだったんじゃないデスか?」
二人は意識していないが、問題は二人の恰好にあった。
切歌の仮装は死神だ。
普段のギアとは違う、プラスチック製の鎌を手に、黒のローブを被っている。
問題はそのローブが非常に薄く、透けているということにある。
よく見れば中の裸体が見えてしまい、おまけに薄いせいで風に吹かれて捲れ上がることも多い。
定期的に全裸を晒しながらも、切歌の顔に羞恥の色はない。
調の仮装はドラキュラだ。
黒のマントは切歌と違いしっかりとした作りで、透ける心配はない。
だが、マントの丈は腰ほどまでしかない。
しかも調はマントの下に何も身に着けてはいなかった。
ただ立つだけで後ろからは尻が見え、前からはマントの隙間から胸が、下に目をやれば丸見えの秘部がある。
露出狂以外の何物でもない恰好だというのに、二人にとってはただハロウィンの仮装をしているという認識でしかないのだった。
「トリックオアトリート」
「お菓子をどうぞデース!」
男たちは目を奪われ、下心を持って彼女たちへと近づいていく。
何も知らない二人は笑顔で彼らへお菓子を配っていた。
「トリックオアトリート……あ、もうお菓子がないよ切ちゃん」
「なんデスと?! じゃあいたずらデスか……ヒャッ!」
目の前の男は迷いなく、切歌の両胸を揉みしだく。
悲鳴に似た声が切歌の喉から漏れ出るが、切歌はただされるがままに立っていた。
数分間切歌の胸を堪能した男は去っていった。
「いたずらとはいえ中々の威力……くすぐったかったデスよ……」
当の切歌はいたずらとしかとらえてはいなかったが。
その後も二人は街を回って祭りを楽しみ、時折“いたずら”を受けていった。
「と、トリックオアトリート……!」
「トリックオア、トリート……デス……!」
数時間後。
二人は複数の男に囲まれ、今も“いたずら”を受けている。
両胸と秘部には小型のローターが張り付けられており、小さな振動音と共に二人へ快楽という刺激を与え続けていた。
黒を基調とした仮装は精液であちこちが白く汚されている。
全身を撫で、揉み、叩かれ続け、二人の両足は小鹿のように震えていた。
「──ッ!」
調が三度目の絶頂を迎える。
膝をついてその場に崩れ落ち、口端からだらしなく涎を垂れ流しながら小刻みに痙攣を繰り返す。
「あ、あぁっ……!」
その間にも人間と機械による愛撫は止まらない。
絶頂したばかりで敏感な性感帯は、通常の数倍増しで快楽を提供する。
「ひ、あっ……」
切歌もすでに四度の絶頂を経験し、足元に愛液の水溜まりを形成している。
漏れ出る声は虚ろで、人の言葉を成してはいない。
「――ッ!」
切歌は五度目の絶頂でついに限界を迎えた。
意識を失い、仰向けに倒れる。
体は外部の刺激に未だ反応しているのか、気を失いながらもピクピクと痙攣している。
だが“いたずら”は止まらない。
意識を失った切歌の膣に、一人の男が己の肉棒を挿入した。
自慰の道具として使用される切歌。
その横では別の男に調が犯されている。
二人を取り囲む集団は次々と増えていき、減ることが無い。
「切ちゃん、起きて」
「ん……ハッ!」
切歌が意識を取り戻すころには、すでに夜も更けていた。
ハロウィンの盛り上がりも落ち着き、片付けや掃除が始まっている。
「そろそろ帰らないと」
「デスね」
服に付いた埃を払い、切歌は立ち上がる。
膣からドロリと精液が垂れ落ちるが、気に留めている様子はない。
全身に精液がこびり付き、全裸同然の恰好をした二人。
どう考えても異常な光景だというのに、溶けこんでしまっている異常な現実。
二人が数十名に犯され続けたことも、この世界では祭りの一幕として片づけられた。