「あー、クソッ」
任務を終えた雪音クリスは、恨めしそうに天を仰ぐ。
沈みかけた太陽は未だ夏の暑さを盛大に振りまいていた。
クリスの衣服も泥や埃、汗に塗れて肌へと張り付いている。
溢れる不快感に苛立ちながら足早に歩いていたクリスだが、ふとその足が止まった。
「銭湯……か」
視線の先には、最近できたばかりの銭湯。
スーパー銭湯と呼称されていたそれは、内部にコインランドリーまで併設されていると大きな文字で張り紙に書かれていた。
家に帰るまでの時間が耐え切れないと、クリスは暖簾を潜る。
クリスは料金を支払うと“当然のように男湯の扉を開け”、中へ入っていく。
脱衣所にはそれなりの人数、客が着替えを行っていた。
近場にこういった施設が少ないこともあり、お年寄りから子供までがひしめき合うようにロッカーを利用している。
クリスは隅に配置されたコインランドリーへ近づくと、財布から硬貨を取り出した。
汗に濡れた衣服を脱ぎ捨てると、大きく膨らんだ乳房が露出する。
周囲の男たちが一斉に視線を向けだしたが、早く汗を流したいクリスは視線を気にも留めず脱ぎ捨てた衣服を全てコインランドリーに放り込み蓋をしてスイッチを入れる。
全裸になったクリスは、その裸体を一切隠すことなく鼻歌交じりに浴場へと入っていく。
男たちは突如現れた痴女の光景に瞬き一つせず、その様子を見つめ続けていた。
「ふぅ……!」
シャワーで汗を流し、髪に付いた汚れを落とす。
不快感が一斉に流れ落ちる感覚に、クリスは上機嫌だ。
「……げっ」
そして、すぐに気分が沈む。
急な思い付きで銭湯に入ったせいでシャンプーもボディーソープも持っていないことに、この段階でようやく気付いたのだ。
備え付けの石鹸やシャンプーが置かれた店も多いが、どうやらここには無いらしい。
湯で流すだけでも十分汚れは取れたものの、心情的に物足りない。
「ん、いいのか?」
クリスの隣に座っていた青年が、困っているなら貸し出そうと口にした。
クリスは礼を言うと、青年の肉棒へと手を伸ばす。
「いやぁ、悪いな。アタシもうっかりしててさぁ……」
世間話をしながらクリスは青年の肉棒を優しく握り、刺激した。
右手で男根を扱き、左手で二つの玉を揉んでいく。
手慣れた動きに青年はあっという間に射精し、クリスの両手に大量の精液を吐き出した。
「ん、あんま泡立たねえのな……普段使ってるのと違うから妙な気分だ」
両手の精液をシャンプー代わりに、クリスは己の髪を洗い出す。
汚れが落ちるどころか現在進行形で汚れていく髪を、しかしクリスは丹念に洗う。
髪の一本一本にまで精液を塗りこみ、満足したクリスはシャワーでそれを洗い流す。
見た目は綺麗になったものの、精液の臭いがこびり付いた髪。
だがクリスは満足気に鏡を覗き、洗い残しがないかを確かめていた。
「ん? ボディーソープの出が悪いな……」
青年が貸し出した“ボディーソープ”を扱き、クリスは首を傾げる。
同じ青年の肉棒なのだから、出したばかりで元気がないのは当然なのだが。
数瞬考え、クリスは己の両胸で青年の肉棒を包み込む。
九十センチの爆乳に包まれ、青年の肉棒は再び固くそそり立つ。
そのまま上下に胸を動かすクリス。
柔らかな両胸が動きに合わせてスポンジのように形を変え、肉棒を刺激する。
「んじゅ、ん、ちゅ……」
更にクリスは肉棒の先端を咥えると、唇と舌を使って口淫奉仕を開始する。
未体験の快楽に、青年は先程よりも濃く多い精液を発射した。
口から垂れた精液はクリスの胸元に落ち、起伏の大きな体を伝う。
二発も連続で発射した青年は満足気な顔を浮かべながら、フラフラとした足取りで去っていった。
「ん?」
クリスが視線を周囲に向けると、そこでは大勢の入浴客がクリスの姿で自慰を行っていた。
それは、精液に塗れたクリスの姿に興奮した男たちだ。
通常であれば悲鳴を上げて逃げ出すような地獄絵図だが、クリスは動じない。
「わっ、ぷ……!」
続々と絶頂を迎えた面々がクリスの体に精を放つ。
だがクリスはその精液を全て己の体に塗り込み、客に礼を言う。
クリスの認識では、彼らはうっかりした自分にボディーソープを分けてくれた優しい人たちということになっているのだ。
多種多様な人々の精液を全身に塗り込み、シャワーで洗い流す。
すでにクリスの体には精液の臭いがこびり付いていたが、綺麗になったと認識している本人は上機嫌でサウナへと向かっていったのだった。
その後もサウナや水風呂、露天風呂などを満喫したクリス。
そろそろ上がろうかと歩いていると、見慣れない施設が目に留まった。
「……何風呂だ、これ?」
それはとても小さな、一つの湯船だった。
個人用にしても小さな、子供用としか思えないサイズ。
なにより奇妙なのは、男湯なのに『女性客専用』の文字が書かれていることだ。
当然、誰も利用などしていない。
不思議に思いながらも、クリスは興味本位で湯船の中へと足を踏み入れた。
「──あぁ?」
だが、その瞬間にクリスは顔をしかめる。
透明な湯が張られていると思った湯船には、なにも入っていなかったのだ。
なんの意味があるんだと、クリスが空の湯船を出ようとした瞬間。
集団の男性客が、クリスに己の肉棒を突きつけたのだ。
「……あぁ、なるほどな」
聖遺物による、文字通り天からの啓示。
クリスは全てを理解し、突きつけられた肉棒へ奉仕する。
一本を口に咥え、両手で別の肉棒を扱く。
三人同時に奉仕をするクリスに、他の客の手が殺到する。
「お、おい、ちょっとは待て!」
胸を、尻を、秘部を。
全身を揉みしだかれながらも、クリスは奉仕の手を緩めない。
「はぅっ、んぅ、んんっ……!」
快楽に身をよじりながら、クリスの奉仕は止まらない。
精を放った瞬間に、クリスは新たな肉棒に手を伸ばす。
次々と発射される精液はクリスの全身を白く染め上げる。
そして体を伝った精液は小さな湯船に溜まっていく。
「んんっ、ぷはっ。キリがねえなこりゃぁ……」
困ったような言葉とは裏腹に、クリスの顔は笑みを浮かべている。
むせ返るような精液の臭いも、今のクリスには快楽を増幅させる香りでしかない。
「──ッ!」
荒々しい愛撫に、クリスも絶頂を迎える。
秘部から愛液が決壊したダムのように噴き出し、立っていられなくなったクリスは半強制的に膝立ちの体勢になる。
びちゃり、と音を立て、湯船に溜まった精液が跳ねた。
既に精液はクリスの膝を埋め尽くすほどになっていた。
そう、この湯船は“精液風呂”だったのだ。
それを理解したクリスは、男たちから精を搾り取り続ける。
完成した光景に舌なめずりをしながら、クリスは快楽を貪った。
「――ふぅ」
数十の男たちが床に倒れる異常な光景。
その中央でクリスは完成した湯船に浸かっていた。
ドロドロの白濁液に全身を沈め、上機嫌にクリスは深呼吸する。
周囲を満たす悪臭を堪能するだけで、クリスの股からは愛液がとめどなく溢れ出ていた。
「んっ、んぅ……」
自然と、己の股に手が伸びる。
ぐちょぐちょと大きく音を立てながら、クリスは分泌される蜜の量をさらに増やしていく。
「んん、あぁッ――!」
あっという間にクリスは絶頂し、脳に駆け巡る電流のような快感に身を任せ始める。
意識が薄れても手の動きは止まることなく、より激しさを増していく。
精液と愛液が混じりあい、より強烈な臭いを放つ。
その匂いに蕩けながら、クリスはより強く自慰を行った。
絶頂するたびに、クリスの体は感度を増していく。
そして敏感になった体はより強い快楽を求めて激しい自慰を繰り返す。
結局、満足したクリスが精液風呂から出たのはそれから一時間弱もの時間が経過してからだった。
コインランドリーから衣服を取り出し、クリスは満足気に銭湯を後にする。
近くを通る人々が精液の臭いに顔をしかめるものの、その様子を見てもクリスには原因が分からなかった。
「まだ臭うのか……? しっかり洗ったはずなんだけどなぁ……」
軽く鼻を鳴らして己の臭いを確認するも、精液の臭いが悪臭だと認識できていないクリスでは首を傾げるだけだ。
帰ったら念のためにシャワーでも浴びるかと考え、クリスはそのまま帰路に就いた。