十人ずつのグループに分かれ、二次審査会場へと到着したマリア達。
そこは、一次審査会場と似通ったコンクリート壁の空間だった。
先程と同じようにマリア達をカメラが取り囲み、裸体を撮影している。
一次審査会場には無かった審査員席が配置され、数名がそこに座っていることが唯一の違いだ。
AV監督や深夜バラエティのプロデューサー達がパイプ椅子に腰を下ろし、目の前のマリア達に下卑た笑みをぶつけていた。
マリア達は案内されるまま一列に並び、二次審査の説明を受けていた。
二次はダンス審査。
一度だけ流されるお手本通りにダンスを踊ることが出来れば合格。
質問や意見を受け付ける気は無いと、スタッフは流れるように動画を再生する。
マリア達は慌てて意識を集中し、再生されたダンスに意識を集中させた。
誰の胸が好みだ、あの娘は個人的に楽しみたいだのと囃し立てる審査員の声を無視し、一挙手一投足までを網膜に焼き付ける。
「衣装はこちらの中から選んでください」
二分ほどの動画が終わると、スタッフは人数分の箱を運んできた。
箱には“セーラー服”や“スクール水着”など手描きのメモが貼られている。
喜んで着たい衣装ではないが、一次審査のように全裸で踊らされると思っていたマリアは戸惑いを覚えてしまう。
「衣装は早い者勝ち。箱の中身を全て身に着けた方から審査を開始します」
その言葉が合図であったかのように、参加者たちは慌てて箱へと走り出した。
二分程度の短いダンスとはいえ、最後の審査となればかなりの時間を待たされることになる。
一度しか見れなかったダンス映像の記憶が鮮明なうちに審査を受けたいと思うのは自然な思考だ。
メモを見比べる時間も惜しいと、マリアは一番近くの箱を開け、中身を取り出す。
「──えっ?」
セーラー服のメモが貼られていた中身を見て、マリアの喉からはどこか間抜けな声が漏れた。
中に入っていたのは、安っぽく生地の薄い、いかにもコスプレ衣装というようなセーラー服。
上下共に丈が半分近くにまで切られているが、そこは問題ではない。
問題は、それがアクセサリーだとでも言いたげに付属されていた、一本のバイブだ。
そういうことか。
心中で毒を吐き、マリアの手に力がこもる。
軽く周囲を見渡すと、他の参加者たちも戸惑いや怒りの感情を見せていた。
中には涙を流している者もいる。
そしてそんな様子を見て、審査員席の人間たちは笑っていた。
だが、どうしようもない。
ここで怒ろうと怒鳴ろうと、奴らを喜ばせるだけだ。
マリアは急いでセーラー服に袖を通し、残ったバイブを手に取った。
男根を模したデザインのバイブはかなり太く、秘部に固定する用のベルトが付いている。
「んっ……」
マリアはバイブを口に含み、唾液を付着させると、ゆっくりと己の秘部に挿入していく。
「ふっ……んっ、くぅっ……!」
膣を押しのけ入ってくるバイブの感覚に、思わず甘い声が漏れた。
押し寄せる快楽に抗うように、マリアは先程のダンス映像を脳内で反芻する。
奥までバイブを挿入し、ベルトを腰の位置で締めて固定した頃には、マリアの前には二人の参加者が着替え終わっていた。
待機中に振り付けを忘れないよう脳内で復習を行いながら、マリアは早く自分の順番になってくれと祈りを捧げる。
眼前では一人目の参加者が、スクール水着を着てダンスを踊っている。
マリアが見てもそのダンスは中々の腕前で、表情もある程度余裕がある。
「きゃっ!」
ダンスが半分ほど消化されたタイミングで、参加者は急に踊りを止めて蹲ってしまう。
スクール水着の裏地に装着されていたローターが彼女の乳首と秘部を刺激したのだ。
「待って……これ、違ぅっ!」
ローターに刺激されながらの抗議の声は届くはずもなく、一人目の挑戦者は無慈悲にも失格となった。
荷物のように運ばれていく参加者を見ながら、同時にマリアの頬に冷や汗が浮かぶ。
ローターですらあの様なのに、今秘部に入っているバイブが動作したら……。
「次の方」
その声で、マリアはハッとした。
俯いていた顔を上げると、既に二人目の参加者は合格していた。
歩を進め、審査員たちに視線を向けると、彼らの手元にリモコンがあるのが見えた。
「三、二、一」
粛々と進むカウントダウン。
マリアは両の頬を軽く叩き気合を入れ、ダンスを踊り。
「──ぐぅっ!」
開始と同時に稼働したバイブの衝撃に意識を持っていかれそうになった。
バイブは甲高い音を立て、小刻みに振動を繰り返す。
マリアはなんとかダンスを踊り続けるものの、その動きは素人のようにぎこちない。
普段であれば考えられない無様な踊りに、マリアの自尊心は傷ついていく。
だが、踊りを止めれば待っているのは破滅の二文字だ。
薄れゆく記憶をなんとか掘り返していると、審査員はもう一度リモコンを操作した。
「うぐっ……ふぅっ……!」
振動していたバイブが挙動を変え、生き物のようにうねりだす。
膣内をかき回される衝撃に、マリアは思わず嬌声を漏らしてしまう。
(耐えろ、耐えろ、耐えろッ……!)
秘部から漏れた愛液が床を汚し、口をだらしなく開きながらも、マリアは踊りを止めない。
「──ッ!」
最後のキメポーズを取ると同時にマリアは絶頂し、その場に崩れ落ちた。
陸に打ち上げられた魚のように肉体を痙攣させ、愛液を噴き出しているが合格は合格である。
審査員たちの残念そうな目線を受けながら、マリアはスタッフに運ばれて合格者用の扉を潜っていく。
その秘部にはバイブが挿入されたままであり、マリアが意識をはっきりとさせてバイブを抜き取るまで外されることはなかった。