今日はハロウィン。
古代アイルランドの祭りを起源とする十月三十一日のイベントは、ここ日本に伝わるまでに大きく様変わりしている。
現代では宗教的な意味合いは焼失し、その実態はもはやただの大規模な仮装祭である。
「トリックオアトリート!」
何度目かもわからない、そんなお化けの仮装をした子供たちの問いかけに、マリア・カデンツァヴナ・イヴと風鳴翼は笑顔でお菓子の袋詰めをプレゼントした。
袋には二人のライブやCDの宣伝ミニポスターが封入されている。
黒いローブと三角帽子で仮装した二人の左右に撮影用のカメラがあることからもわかる通り、これは二人の音楽活動を宣伝する目的……というのが表の理由。
そして、マリアと翼の表情が妙に赤いのは、疲労や仮装の気恥ずかしさではなく、裏の理由が原因だ。
「トリックオアトリート!」
「はいはい……あら、ごめんなさいね、手元のお菓子が切れちゃって……いまスタッフさんに追加の分を──」
「じゃあトリート!」
きゃっ、という悲鳴と共に、マリアのローブがスカートめくりの要領で少年の両手によって勢いよく捲られる。
マリアが慌てて裾を抑えたころには、犯人は無邪気な笑い声をあげながら走り去っていた。
「だ、大丈夫かマリア……」
「え、えぇ……」
(ば、ばれてないわよね……?)
過剰ともいえる反応も無理はない。
マリアと、そして翼も、ローブの中身は全裸なのだから。
これが、彼女たちの表情が羞恥に赤く染まっている理由。
カメラは宣伝用ではなく、十八禁バラエティ番組の撮影用なのだ。
痴態に気づかれることなくイベント終了までに規定量のお菓子を配り歩くことができれば、この映像は破棄され代わりにフル尺で二人のライブ宣伝用映像が流されるようになっている。
しかし誰かに気づかれた場合、その度に二人にはペナルティの罰ゲームが待っているというものだ。
二人の纏うローブはコスプレ用の安っぽい作りであり、生地は非常に薄いうえにサイズも小さい。
ぴったりと肌に張り付いた上半身をよく見れば、浮き上がった乳房や乳首の形で彼女たちが下着を着用していないことに気づけるのだが、幸いなことに開始から一時間経っても帰ってくる反応はお菓子をもらえた無邪気な喜びだけだった。
しかし、配り歩く相手は色気より食い気の勝る無邪気な子供だけではない。
性の興味に最も満ち溢れているであろう高校生男子が、気恥ずかしそうにマリアへと声をかけてくる。
年齢制限は無いと事前に告知しているが、思春期男子がアイドルにお菓子を貰うのはという思いなのだろう。頬はうっすらと赤くなり、キョロキョロと周囲を落ち着きなく見渡している。
「はいどうぞ。今度発売のCDもよろしくね?」
マリアは笑顔でお菓子を差し出したが、男は手を伸ばさない。
視線はお菓子ではなくマリアの胸に吸い寄せられ、その顔はますます赤みを増していた。
衣装が張り付き、露になるボディライン。
そこに浮き出た乳首の形に気づいたのか、男は何も見なかったと言わんばかりの速度で踵を返し、己のそそり立った男根を隠すように前傾姿勢で走り去っていった。
「……今のは」
「バレてるわよねぇ……」
マリアが溜息を吐くと同時、取れ高の発生に喜びを隠せないスタッフが罰ゲーム用のくじ入りボックスを笑顔で運んできた。
「まぁ、まったくバレないで終われるとは思ってなかったけど……」
差し出された箱に手を入れ、マリアは四つ折りのくじを一枚取り出す。
くじをカメラに向けて開くとそこには“パンツ着用”と書かれていた。
「下着を付けるのが罰……? むしろ有難いのだが……」
「そんな訳ないでしょ翼。どうせ……ほら、やっぱりね」
二人に手渡された二枚の黒下着。
片方にはローターが、もう片方にはバイブが内側に固定されている。
「違いがあるのか。どうする?」
「まあ、気づかれたのはわたしだからね……」
マリアは翼にローターパンツを手渡し、バイブパンツに足を通す。
「んっ……」
あらかじめローションが塗布されたバイブはすんなりとマリアの秘部へと挿入される。
膣が押し広げられる感覚に、マリアの喉からは甘い声が漏れた。
「大丈夫か?」
「えぇ、そんなに太くないし、激しく動かなければッ……!」
途端、バイブが振動を開始し、マリアは慌てて口元を抑えた。
音で周囲にバレないようにだろう。振動は最小限で、刺激は弱い。
だがそれでも、マリアは嬌声を抑えようと口元を両手で抑え、身を捩じらせている。
視線を翼の方に向ければ、彼女もプルプルと体を震わせていた。
「だ……大丈夫?」
「あ、あぁ、なん、とか……」
「そう、こっちもなんとか……ッ!」
平気そうなのは強がった口調だけ。
マリアの肉体がビクンと跳ね、周囲に絶頂を伝えている。
再開されるお菓子配り。
マリアも翼も、表面上は平静を装っている。
だがその表情筋はピクピクと痙攣し、時折漏れる甘い嬌声はファンの下半身を刺激していた。
ただでさえ衆目を集める二人が不自然な挙動を取っていれば、異常を隠し通すのは当然ながら不可能である。
当然、二人の異常はあっという間に露呈し、二人はまたもや罰を受けることになる。
罰を受け、そしてその結果更に罰を受けやすくなる。
悪循環は留まることなく、二人は用意された罰ゲームのくじを引ききってしまった。
「ぐっ、うぅっ……おねがいだから、早く止めッ……!」
イベント開始から一時間強が経過した。
マリアは何度目かもわからない絶頂に震え、スタッフに懇願する。
しかしイベントの終了規定は、お菓子を配り終えること。
もはや渡すどころではなくなったお菓子が数袋残っている以上、解放されることは無い。
バレないように宣伝企画という大義名分も消え失せ、行われているのはただのAV撮影だ。
マリアの両腕は後ろ手に拘束され、ローブは前が完全に開いて裸体は丸出しになっていた。
秘部にはバイブが挿入され、陰核には吸引機が固定されている。
尻穴にはアナルパールが深々と突き刺さり、入りきらなかった分が尻尾のようにぶらぶらと揺れ動いている。
両の乳首にはクリップが痛々しく挟まれ、その先にはお菓子袋がご自由にどうぞとぶら下げられていた。
誰かが取ってくれればこのイベントも終わりに近づくのだが、通行人はマリアの裸体に股間を膨らませるばかりだ。
無様にも絶頂を晒すマリアだが、しかし翼に比べればマシだろう。
口はボールギャグで塞がれ、鼻フックによって端正な顔立ちは崩されていた。
両手足は一纏めに縛られ、立つこともできずに地面へと転がされている。
子宮内へは無数の小型ローターが入っており、膣に挿入された大型のバイブが蓋になっている状態だ。
翼はくぐもったうめき声を上げることしかできず、絶頂のたびに噴き出した愛液で水たまりを形成していた。
夜が明ける直前まで彼女たちは衆目に晒され続け、絶頂を繰り返す。
そしてお菓子を配り切れなかった二人に、新たな罰ゲームが通達される。
スタッフは二人を映せるカメラを設置すると、マリアと翼の腹部にマジックで“『撮影中』ご自由にお使いください”と書き、そのまま撤収していった。
二人はライブ宣伝の映像を流す代わりとなる輪姦映像を撮影するため、そのまま周囲の男性たちの肉欲へと沈められていくことになる。