今日は秋桜祭。
私立リディアン音楽院で開催される学祭に他の装者たちから招待された風鳴翼とマリア・カデンツァヴナ・イヴは、多くの客と学生で賑わう入口で待ち合わせ、合流した。
「どう? かつての母校は」
「前に来てからそう時間が経ったわけでもないからな……だがこの楽し気な雰囲気は悪くない」
超人気アーティストの二名がこの場にいると判明すれば、勿論大騒ぎになるだろう。
だが現状、パンフレットを受け取りながら談笑する二人の正体には誰も気づいていない。
普段通りにしていればそうバレるものでもないわとマリアが笑い、いいや、私達の変装技術の賜物だろうと得意げに胸を張った。
マリアの恰好は定番のサングラスに、肌にぴっちりと張り付いた白のシャツと太股まで大きく露出されたホットパンツ。
豊満な肉体と肌をこれでもかと見せつける性的なファッションは人目を引いているが、それ故に周囲の視線は首から上へは集中せず、意図とは違う方向性で変装に成功している。
翼の恰好はかつてリディアンで着ていた制服を魔改造したものだ。
マリアと同じくデザイン性を重視したサングラスで目元を隠し、胸元は乳首がギリギリ隠れるレベルまで開かれ、スカートは立っているだけで尻の肉が見えるほどに短い超改造制服。
普段であればすらりとした長身で美しさを振りまくはずの肉体が、今は性的な魅力を全開で解き放っている。
「あ、翼さん! マリアさん!」
「来てくれたんですね」
初めに立ち寄ったのは、立花響と小日向未来のクラスだった。
「その恰好は……二人のクラスの出し物って」
「はい、メイド喫茶です」
マリアの質問に未来が答え、響と共に教室の中へと翼とマリアを案内していく。
「わたしはお好み焼き屋がよかったんですけど……火や生ものを使う出し物は規制とか色々あるらしくて」
「随分と立花らしい主張だな。だが、その恰好も似合っているぞ」
「ええ、二人ともキュートよ」
響と未来の恰好は、無論メイド服だ。
だが、一般的なものとは違い随分と露出が多い。
クラシカルな正式のものとは違うミニスカメイド服……よりも、更に。
二人のクラスメイトである板場弓美が提案・実装したその衣装は、乳輪と秘部がギリギリ隠れるレベルのマイクロビキニにフリルと十センチ程の何も隠せない超ミニスカートを付けメイド服だと無理矢理言い張ったようなデザインであり、布地の総量は際どい下着よりも遥かに少ない。
ガーターリングにはピンクローターのスイッチが挟まれており、コードは無論ビキニパンツの中へと繋がっていた。
響と未来の顔が紅く染まっているのは、衣装を誉められ照れているというだけではないのだ。
「お待たせしました、アイスコーヒーとレモンティーです!」
席について注文した飲み物は、既製品であるが故にあっという間に配膳される。
響から受け取ったドリンクを飲みながら翼が入口に目をやると、未来が別の客の会計を受け付けていた。
「オレンジジュースにコーラ、クッキーが二つにゴムフェラとパイズリサービス、ディルドオナニー鑑賞にゴム無しハメ撮りセックス二回で……千二百五十円です」
「──ずいぶん安いのね」
「学祭ですし、こんなものですよ? むしろ儲けを出さないようにしないといけませんし」
「へぇ……」
マリアは初めての学祭にカルチャーショックを受けた様子で、周囲を見回す。
右の席では、安藤創世がローターの刺激に耐えながら接客を行っている。
左の席では、寺島詩織がテーブルの上でM字に足を開き秘部を客に見せつけながら自慰を披露していた。
正面の席では、板場弓美が両手と口で三本の肉棒に奉仕しながら膣を犯されている。
繁盛している店内の様子に、あまり長居しては迷惑になるかと考え、マリアは残ったレモンティーを飲み干した。
「アイスコーヒーとレモンティーで、三百円です──そういえば、他の子たちの所へはまだ?」
「ああ、ここが最初だ」
「切歌に調、クリスのところも楽しみね」
響と未来に見送られ、翼とマリアは次の出し物へと向かっていった。
次に向かったのは体育館。
ここにクリスがいると、二人は響から教えてもらっていた。
「げッ!」
「なんだ、突然不躾な」
「いつもの照れ隠しでしょ。似合ってるわよクリス」
雪音クリスは全裸に猫耳と尻尾を付けた状態で両手を背中に回し、両足は大股を開いて立った姿勢で四肢を拘束されていた。
特殊な折檻を受けているというわけではない。その証拠に、体育館にはクリスと同じように拘束された生徒が十数名ほど並び、クリスの足元には“ミスコン参加者・八”と書かれたプレートと投票箱が置かれている。
周りを見れば三番と十番の子は今まさに犯されているし、六番の子は挿入されたバイブの振動に喘ぎ声を漏らしている。
クリスの方に視線を戻せば、彼女の胸は白濁液で汚れ膣からもポタポタと漏れた白濁液が足元に水溜まりを形成していた。
「見られたくないから内緒にしてたのに……馬鹿後輩どもの誰だ? 二人に教えたのッ――!」
ぶつくさと呟いた文句が急に途切れる。
クリスの背後に立っていた客が、彼女を背後から犯し始めたのだ。
「あら、可愛い声」
「甲高い声で鳴いていると本当に猫のようだな」
可愛らしいと褒められ、クリスの表情が瞬く間に赤く染まっていく。
甘い喘ぎ声は体育館に響き、新たな客を呼び込んでいく。
マリアと翼は労いの言葉をクリスにかけ、投票箱に一票を投じ、体育館を後にした。
「来てくれたんだ」
「おお、翼さんにマリア!」
月読調と暁切歌は、クラス入口で客の引き込みをしていた。
バニー衣装に身を包み、料金表の書かれた看板を手に持っている。
「“お風呂屋さん”へようこそデス」
「学園祭で風呂……?」
「あぁ……なるほどね。二人は受付役?」
「ううん、交代制。指名してくれれば二人も接客できるよ、マリア」
折角だからと、翼とマリアは二人と指名し教室内へ入る。
パーテーションで区切られた区域一つ一つには先ほどの料金表とビニールマットが置かれ、ローションに塗れた生徒が奉仕を行っていた。
「女性客も受け付けてるの?」
「時代は、多様性……」
案内された個室もどきの空間に四人は入り、切歌がカーテンを閉める。
「コースは?」
「じゃあ、お任せで。なんだか照れくさいけどね」
マリアの言葉を受け、切歌と調は三つ指をついて一礼する。
そして切歌が翼の、調がマリアの正面に移動しゆっくりとした手つきで服を脱がせていく。
「んっ……」
「ちゅっ、んむぅ……」
唇を重ね、舌を入れて口内をかき回し、快感を刺激する。
どこでこんなテクニックをとマリアが考えている間に、四人は全裸になっていた。
調はマリアの全身をねっとりと舐め回しながら、愛撫を行っている。
ローションと唾液でマリアの肉体が濡れていくと共に、彼女の秘部からは愛液が漏れ始めていた。
「ちょ、ちょっと待って調……」
「大丈夫。マリアはお客だから、じっとしてるだけでいい」
その様子を眺めながら、翼の頬に赤みが差す。
「では、こっちも始めるデスよ」
「……お手柔らかに頼む」
四人分の服を脇に畳み終えた切歌は、代わりに性具の入った箱を抱えて翼と対峙した。
翼の首筋にたらりと垂れた冷や汗は、期待と不安が半分ずつといった様子だ。
三十分後。
翼とマリアが入店した際に持っていた、愛娘の初仕事を微笑ましく見守るような様子は完全に消え失せていた。
「──ッ!」
ビクン、とマリアの肉体が跳ね、噴水のように愛液が噴出される。
ペニスバンドを装着した調に両腕を掴まれたままバックで犯されながら、マリアは獣のような嬌声を上げて絶頂を繰り返していた。
共に女の肉体とはいえ、調とマリアの体格差はそれなりに大きい。
平常時であれば、調の拘束を解くことなどマリアには容易である。
しかし、クリトリスに装着された吸引機と両胸を覆うニップルドームによる性的刺激、そして調の緩急を入り混ぜたピストン運動によってマリアの肉体は完全に骨抜きにされていた。
「──ッ!」
同時に、翼も何度目かわからないほどの絶頂を迎えた。
膣と尻穴に咥えたバイブの刺激を受け続けながら、仰向けのまま切歌のディープキスで口内を凌辱され続けている。
締まりのなくなった口端からは涎がだらしなく垂れ続け、時折零れる静止を求める懇願は人の言葉をなしていない。
「も、もぅ……止め……」
「た、のむ……もぅ満足、したからぁ……」
二人の懇願に、調と切歌は悪戯っぽく笑う。
「でも、おススメコースを注文されてしまったデスから──」
「より高額な接客が店のため。だから二人のコースは時間無制限フルオプションコース」
周囲の客が入れ替わろうと、その空間だけは終わることなく。
マリアと翼の嬌声は、いつまでも室内に響き続けるのだった。