深夜の繁華街。
ピンクのネオンが暗闇を消し去り静寂はアルコール臭の混じった喧噪に飲み込まれる街中に、月読調と暁切歌は立っていた。
正式な認可の降りていない裏の風俗店とぼったくりで有名なキャバクラの間にある路地に立っている二人は、俗にアメスクと呼ばれる衣装を着用している。
極端に短いブラウスを胸の下で縛り、下は十数センチのベルト付き超ミニスカート。
黒い下着は上下共に丸見えで、その下着を含めても布面積は非常に少なく露出狂のような格好だ。
風俗かアダルトビデオの中でしか着ないような服装は、当然のことながら人目を惹く。
この地域の近辺調査用に場所に溶け込む衣装を着てきたとは調の談だが、その試みは完全に失敗していると言っていいだろう。
「──お兄さん、なにか用……?」
だからこうして、神待ちや援助交際と勘違いした男に声をかけられるのも必然だろう。
断るのも不自然かと、調と切歌は男の手を引いて路地の奥へと歩いていく。
男の脳裏に、この先で屈強な男が待ち受けていて、そして財布の中身だけを奪われるのではないかという不安がよぎる。
しかし目の前の美少女二人の色気に逆らうことはできず、されるがままに歩を進めていった。
結論から言って、男の予想は二重の意味で外れていた。
路地の奥には更に四人の女がいて、彼女らはすでに別の客を相手していたのだから。
「あれ、また声かけられたの?」
そう声をかけてきた立花響は、壁に手をついたまま足をI字に開脚し、サラリーマンの肉棒を受け入れていた。
太ももに書かれた二つの正の字が、彼女の経験回数を物語っている。
「ったく、この世間知らずに任せるんじゃなかった……!」
「はいはい、愚痴言わずに手を動かしなさい。あなた、順番待ちできてる位の人気者なんだから」
マリアとクリスは豊満な乳房を生かして肉棒を挟み込み、精液を搾り取っている。
スカートに付いているリングに結ばれた使用済みコンドームの量は凄まじく、もはや腰蓑のようになっていた。
「二人から話は聞いているか? まだ? そうか。手なら五千、口は一万、本番は二万。ゴム無しは二倍でホテルに行きたいなら要相談だ」
「翼さん、駄目デスよ!」
「この人は……わたしたちのお客……」
調と切歌に両脇から抱き着かれ、男は今見ているのが夢か現かと困惑する。
だがしかし。
調が口でチャックを下ろし、切歌が背後から抱き着き胸を押し付ける。
「うわ、汗臭ッ……!」
「おぉ、大きいデスねぇ、今日最大サイズデス」
こんな光景と状況に、雄としての本能が抑えきれるはずもない。
気づけば男は財布を取り出し、二人の体に手を伸ばしていた。
「ぉ、ぉぉっ……この、人……凄っ……!」
「だ、弾数無限のオートリロードデス……!」
溜まった情欲をぶつけられ、調と切歌は息も絶え絶えに男の肉棒で犯され続けている。
既に口、秘部、尻穴の三か所×二の射精を終えているというのに未だその肉棒が萎える気配はない。
疲労困憊の様子な切歌と調を見かねて、己の客の相手を終えた他の四人が交代で相手をしたのだが。
「ぶむっ、んぐぅっ……!」
翼はイラマチオフェラから喉奥へと流し込まれた精液に溺れかけ。
「あっ、あぁっ、くぅっ……!」
バックで犯された響は三度の射精でグロッキーに。
「こいつ、どこまでッ──」
「薬とか使って……ないわよね……!」
クリスとマリアのダブルパイズリでも肉棒は一向に衰える気配がない。
「すま、ない、も、もう勘弁してくれ……」
翼の尻穴が蹂躙されたところで、ついに降参の言葉が出た。
一対六で完全敗北を喫した装者達を尻目に、男は既定の金を財布から支払い路地から去っていく。
「とんでもない目にあいましたね……」
「ああ、完全に想定外だった……」
「その、また会えるかしらね……」
「おい何言ってんだ! いや、まあ気持ちは分からなくもないけどよ……」
「気持ちよかった……」
「涅槃が見えたのも事実デスけどね……」
精液塗れになった六人は、疲労で動けないまま未だ火照る肉体と今後を相談していた。
そこに、先ほどの男が再びやってきた。
「あら、何か忘れ物……? ──ッ!」
マリアは驚愕し、一拍遅れで他の五人が事態に気づく。
男が先程とは明らかに異なる膨らみの財布を取り出したのだ。
六人は舐めていた。
酒も煙草も賭博も女も無縁であった独身貴族の、性欲と財力と執着を。
「ホテルの代金は……要相談、だったな」
「その、オールを希望で、いいのよね……?」
一人の雄と六人の雌は、そうしてホテルの中へと消えていった。
一月後。
男は先月と同じ場所に足を運ぶと、同じ格好、同じ様子の切歌と調を目に留める。
二人は男に気づくと、小走りで男に駆け寄り抱き着いた。
「約束通り、時間通りデス!」
「しっかり、貯めてきた……?」
二人に案内されたホテルでは、既に残りの四人が待っていた。
団体用の大部屋で六人は既に発情しており、行為前だというのに雌の臭いが部屋中に立ち込めている。
「ホテルの代金は、要相談がルールだ……」
「一人十円の、合計六十円でどう……?」
「その、シャワーとか浴びてないですよね……?」
「あ、あたしは別に……お前に犯されたくてこの一月何も手についてないとか、そんな訳……」
「先輩……沈黙は金、話すは銀どころかガラスのごとき有様……」
「あれから一度も出してないんデスよね、さぁ、誰から召し上がるデス?」
翼が、マリアが、響が、クリスが、調が、切歌が愛おしげな視線で男を見つめる。
あの日のことを忘れることもできず、任務が終わったというのにこうしてアメスク衣装で三つ指をついて懇願する。
男の肉棒はズボンの上からでもわかるほどに膨張し、それは今夜も嬌声が鳴り止まないことを予告しているのだった。