「ハッピーハロウィン、デース!」
「今日は特別野外配信。ゲストも登場……投票機能オンにしてるから、誰の仮装が一番好きかコメントしてね」
十月三十一日、ハロウィン。
日本に伝わり仮装大会と化したお祭りは夜だというのに非常に盛り上がっており、周囲に人がいないにもかかわらず男女の喧騒が配信に乗っている。
公園の公衆便所に設置したカメラに手を振る暁切歌と月読調。そしてゲストとして呼ばれたマリア・カデンツァヴナ・イヴと風鳴翼は、ハロウィンということで全員が仮装をしていた。
切歌は魔女、調は赤ずきん、マリアは猫、翼はヴァンパイアの仮装だ。
しかしその恰好は健全とは言い難く、配信先の視聴者たちはあっという間に股間を固くしている。
切歌の魔女衣装は異様なまでにスカートが短く、もはやスカートというよりはフリルの付いたベルトといった有様だ。
胸元も大きく開いた衣装で当然下着など付けていないために胸の谷間と尻の割れ目を惜しげもなく晒しており、白い肌が黒い衣装で強調されていた。
調の赤ずきんは露出という意味では四人の中では最も健全である。
しかし子供らしさを強調した衣装のチョイスと調の起伏に乏しい肉体、それと相反するような色気とちらりと見える下着は“そういう趣味”を持った一部の視聴者に大盛況であった。
マリアの猫衣装はそういう意味では最も直接的な性的興奮を掻き立てるものだった。
毛皮を模したビキニは豊満な胸や尻を隠しきれておらず、猫耳と肉球の手袋はこの衣装がコスプレであるという主張を強めている。
この衣装は性的な要素を高めるために用意されたものである。
そんなメッセージを強く主張したマリアの恰好はコメント欄でも大人気だ。
翼のヴァンパイアも、端的に言えば裸マントである以上性的な衣装であるのは明らかだ。
しかし端正な顔立ちやチラリと覗く付け八重歯はどちらかと言えば女性層に刺さる姿であり、今回の視聴者層を捕らえることが出来ているかと言われれば疑問が浮かんでしまうものだった。
故に。
「順位発表! 最下位の翼さんは残念デスが罰ゲーム!」
投票数最下位となった翼は小便器に手錠で拘束され、丸出しになった秘部にバイブをずぷりと咥えされられた。
「お、おい、聞いていないのだが……!」
「翼さん真面目だし、企画の趣旨を説明しちゃったら対策されちゃうから……最下位はこのまま企画終了まで絶頂耐久……」
調はパンプキン柄の鞄からタイマーや防犯ブザー等を取り出し、拘束された翼の周りで準備を着々と進めている。
バイブを落としたりタイマーがゼロになると大音量が鳴り響き、人を集める仕掛けを完了させると、翼の太股や腹部に“悪戯してください”“ご自由にお使い下さい”と落書きしていく。
治安が悪く性犯罪が多い公園の公衆便所をわざわざ撮影場所に選んだ理由はこれかと、翼は呆れたように溜息を吐いた。
「三位のわたしは凸待ち耐久エッチ……ゴムが五十枚あるから、先着五十人ね……」
調は移動先の住所を配信の固定コメントに記載すると、視聴者に軽く手を振って指定された場所へと一人で歩いて行った。
「二位のアタシと一位のマリアは素直にハロウィンを楽しむデスよー!」
「素直に、ねぇ……」
トリックオアトリート、と書かれた安っぽい蛍光色のハロウィングッズを手に、切歌はカメラをアピールをしている。
「二位のアタシがトリック担当デス。これから街でいっぱい“イタズラ”してくるデスよ」
「じゃあわたしはトリート担当? 何をすればいいのか見えてこないのだけど……」
困惑するマリアに、切歌はお菓子を入れる用の手持ちバスケットを手渡した。
「もちろん、ハロウィンらしくお菓子を貰ってくるデスよ。この籠いっぱいになったら戻ってきてOK、衣装もお菓子を貰いに行く用に準備万端デス」
「なんだ、随分簡単……一位の特権かしらね」
拍子抜けというように笑ったマリアは、手渡された衣装に個室で着替え、そして。
「ちょっと、なによこれ!」
叫び声を上げて出てくるも、切歌はすでに出発した後であった。
マリアの恰好は小学生や園児が着るようなピンク色の女児服であり、ご丁寧に赤色のランドセルまで付いている。
大人のコスプレ用でサイズは調整されているが、それでも四人の中で一番豊満なマリアの肉体を収めるには小さすぎたのかあちこちがパツパツになっていた。
「こ、これで人前に出るの? ちょっと、ある意味一番罰ゲームじゃない……!」
顔を真っ赤にして、マリアは早足で出発したのだった。
数時間後。
「くっ……ふぅっ……皆、早く来てくれッ……!」
翼はバイブの振動に身を捩じらせながら、なんとか耐え続けている。
バイブを落とさぬよう力を込めて秘部を閉め、湧き上がる快楽から逃げようと無意識に腰が浮き、滑稽な腰降りダンスを視聴者に披露していた。
翼が我慢をすればギリギリ耐えられる程度の設定をされたバイブは今も振動を繰り返し、全てを捨てて楽になればいいと彼女を誘惑し続けている。
落としてしまった場合の未来を想像し、大量の雄に犯される空想で濡れた股に慌てて力を込め、翼は撮影を終えた切歌と調が返ってくるのを待ち続けていた。
「ちゅっ、んっ……」
某ラブホテルの一室、最高級スイートルーム。
先着五十名の視聴者に囲まれた調は極薄のコンドームが付いた肉棒を次々と咥え、白濁液を搾り取っていた。
特に“特殊な性癖”を持った男は順番待ちで焦らされた後に肉棒と玉にキスをされるだけで暴発してしまう者も多く、調の小さな秘部を堪能できたのは二十人程度であった。
「なので、今は延長戦中」
視聴者が購入してきた追加のゴムを開封しながら、カメラに向けて定期的に現状を報告している。
ツインテールの結び目や衣装のあちこちに括られた使用済みのゴムは調の肢体と相まって異様なまでの背徳感を演出し、周囲の男達は己の順番が来るまで暴発事故が起きないよう我慢を強いられていた。
「はい、次。んっ、ちゅっ……三度目なのに元気だね。そろそろ挿入できるように頑張って……?」
肉棒へのキス、玉へのキス、亀頭へのキス。
裏筋を舐め上げ、喉奥まで咥えて一分間の本気フェラ。
それを耐えて白濁液を熟成させた者だけが許される、調との本番行為。
予定を超えて繰り返されるハメ撮り配信は、脱落者が半数を超え調という幼きサキュバスが満足するまで続くのだった。
「トリックオアトリート!」
切歌は電車に乗り、“誘い”を待った。
今の切歌は立っているだけで尻の割れ目が丸出しになり、太股に固定されたリモコンからは秘部に向けてピンク色のコードが伸びており、電車の振動音に混ざって小刻みな振動音が小さく響くような状態である。
ハロウィンの仮装という大義名分を盾に変態性を発露する痴女として扱われているであろう恰好を忌避せず己の欲望に正直な雄を待ち、そして。
「んっ……捕まえたっ……!」
己の尻を撫で上げる手を掴み、切歌は背後の男を手を引いて降車した。
反撃が来ると想定していなかった男の肉体は硬直し、単純な筋力では勝っているというのに一切抵抗できずされるがままに連れていかれる。
そして駅構内の個室便所で、切歌は男の肉棒を露出させると手慣れた手つきでゴムを取り出し、口を使って被せていく。
流れるような動きで口淫奉仕に移行され、男は混乱したまま射精欲だけが高まり続けていた。
「ぷはっ……結構大きいデスね……んぷっ……!」
理性は溶け、シンプルな欲求のみに脳内が埋め尽くされる。
目の前の美少女が精液を吐き出す自慰用の道具にしか見えなくなり、そして──。
「──ッ!」
ドクドクと注がれた白濁液は極薄のゴムに包まれ、風船のように膨らんだそれを切歌は目を細めて眺めていた。
「ふぅ、お疲れ様デス。痴漢の変態さんはおっきいおちんぽ見せてくれたお礼に見逃してあげ……もう一回デス?」
ふぅ、ふぅ、と息を荒げて差し出された万札に、切歌はニヤリと笑みを返す。
「お兄さんで四人目でしたけど、ようやくイタズラしがいのある人が引っかかってくれたデスよ。搾り取ってあげるから覚悟するデス──」
「ほら、頑張れ、頑張れッ……あと二回出せたらおまんこ使わせてあげるデスよ~」
三度目の射精を終えたばかりの男に、切歌は容赦なく次のコンドームを被せていく。
口でしてほしいというリクエストを無視して手だけでもう出ないと懇願する肉棒から文字通り精液を搾り取り、悪戯気な笑みを浮かべて切歌は目の前の男を玩具にして遊び続けていた。
「うぅ……」
マリアは奇異の視線を浴び続け、顔を茹蛸のように赤く染めながら道行く人々にお菓子をねだっていた。
すでに夜は終わりかけており、祭りの雰囲気は収まりつつあるが未だお菓子は目標の半分も集まっていない。
体を売る行為の方が万倍楽だと文句を呟きながら、甲高い作り物の猫撫で声でマリアは夜が明けるまで声をかけ続けるのだった。