あなたはソファに座り、目の前のアイドル──マリア・カデンツァヴナ・イヴと向き合っていた。
大ファンであり世界の歌姫である彼女と同等の立場で向き合える幸運を噛みしめ、スポンサーである社長の息子としてこの世に生を受けた自分自身の幸運を神に感謝する。
親の意向により半ば職場体験のような気軽さで、会社にとって比較的優先度の低い仕事があなたへと回された。
空気感に今のうちに慣れておけということなのだろう。まだ未成年の学生なのだから跡継ぎ云々には気が早い気もするが、こうして役得という飴を与えてもらっている以上文句をいう気も無い。
緊張して乾く喉を自覚しながら、あなたは目の前の女神に向き合っている。
マリアはテレビで何度も見た優しくも凛とした表情を崩さず、一枚の契約書を差し出した。
「不備は無いはずですが、一応読み上げさせて頂きますね」
手元に用意した写しに目線を下げ、マリアは口を開く。
慌ててあなたは差し出された契約書を手に取り、同じように書かれた文字へと目線を落とした。
「枕営業は週に一度、毎週日曜日十七時からとする」
大真面目に紡がれた単語に耳がおかしくなったのかと思い、思わずあなたは顔を跳ね上げた。
しかしマリアは何がおかしいのかと怪訝な表情を浮かべており、契約書に目を通せば堅苦しい文章で同様の内容が記されている。
「問題が無ければ続けますが……。何か不備があればすぐにおっしゃって下さい」
咳払いを一つ。
そしてマリアは続々と契約書の内容を嚙み砕いて説明していく。
「スポンサー……この場合は貴方には絶対服従であり、契約対象……マリア・カデンツァヴナ・イヴはいかなる状況であっても貴方の命令に従うこと。これは枕営業日以外も含む全ての日付時間が該当し、公私どちらの状況でも成立する」
何度読み返してもその通りの内容が、公的に認められる文章としてこの場に存在している。
雄の妄想を具現化したにしてもあまりにも都合が良過ぎる内容に、あなたの下半身に意図せず血流が集まってしまう。
その様子に、というより座る姿勢が不自然になったことをマリアは見逃さなかった。
彼女はクスリと悪戯気に笑うと席を立ち、あなたの隣に移動すると大きな乳房を押し付けるように密着し耳元で契約書に無い内容を囁き始める。
「例えば……今ここで“服を脱いで土下座しろ”と命令してもいいです。そのズボンの中で苦しそうにしている陰茎を気持ちよく開放させろと一言口にするだけでも気分は楽になるでしょうし……日曜日が待ちきれないのなら今ここで生ハメセックスに興じても……」
脳が理解を拒む。
夢を見ているのかと錯覚しそうになるのだが、鼻腔をくすぐる甘い香りも、腕を通じて伝わる乳房の柔らかな感触も強いリアリティを持ってあなたを現実に引き留める。
「んっ……」
だから、それは意識の外だった。
本能がいつの間にか契約書にサインを済ませ、あなたの両手はマリアの乳房を揉みしだいていた。
服越しだというのに指の一本一本が吸い付くように乳房に沈み込み、マシュマロのように柔らかく形を変える。
猿のように荒々しく力任せの愛撫に、マリアの肉体は敏感に感じ甘い声を漏らす。
「そんなにがっつかなくても、ほら……」
マリアはあなたの手を取ると、手早く慣れた手つきで己の衣服を脱ぎ捨てる。
ネットのコラ画像でしか見ることの無かった、マリア・カデンツァヴナ・イヴの裸体が目の前に広がった。
服越しでも大きい乳房は更に数段大きくなったように感じられ、誘蛾灯のように手が吸い寄せられる。
「ふふっ……ん、ちゅっ……」
胸の感触を堪能する貴方に、マリアは唇を重ね合わせながら股間に手を伸ばした。
夢にも見ることの無かったマリアの唇が触れ合い、彼女の手が自分の不浄な部分に触れている。
背徳感と、それを遥かに上回る優越感と快感があなたを満たし、夢と現の感覚があいまいになっていく。
「あら、勿体ない……」
気付けばあなたは射精していた。
パンツとズボンを情けなく精液で汚し、べっとりとした不快感がじんわりと広がってくる。
どこか助けを求めるようにマリアへと視線を移すと、彼女は一瞬の躊躇も無くあなたのズボンをパンツを下ろす。
下半身が露わになったあなたへとマリアは精液で汚れたパンツを見せつけると、クスリと微笑んだ。
「代わりの着替えはすぐに用意しますが、その前にそちらも綺麗にしないとね……」
マリアはあなたの両肩を掴みソファに深く座らせると足を開かせ、自身は開いた両足の間にしゃがみ込む。
強い臭いを放つ射精直後の精液で汚れた肉棒を前に、彼女は躊躇無くその肉棒を奥まで一気に咥える。
「んっ、じゅる、じゅぷッ……じゅぅぅ……」
唾液を多量に含ませながら、精液をこそげ落とすように舌で舐め回す。
あなたは感じたことも無いような刺激に腰を抜かし、ソファに体重を預けることしかできなかった。
「──ッ」
いとも容易く、あなたは二度目の射精に導かれる。
二度目とは思えない量の精液は全てマリアの口内へと注がれ、彼女自身も吸い上げるように喉を鳴らして精液を嚥下していく。
最後の一滴まで搾り取り、ようやくマリアは肉棒から口を離した。
「ぷはぁッ……今度はこっちを綺麗に……」
唾液でベトベトになったあなたの肉棒を見つめ、マリアはあなたの金玉に狙いを定める。
右の玉に軽くキスを落とし、パクリと咥えると舌で包み込んだ。
甘噛みに近い唇による刺激と舌で飴玉を転がすような刺激。
先ほどのようなものとは違う、緩く甘い刺激はしかし退屈とは無縁であった。
美女が己の金玉に奉仕しているという異世界の常識に近い体験はあなたの肉棒を再び起き上がらせるには十二分だ。
マリアもそれを理解しているのだろう。媚びるような視線で時折あなたを見上げながら金玉にキスをし、焦らすように右に左にと二つの玉を舌と唇でマッサージしていく。
先走り汁で再び肉棒が汚れだすと、マリアは大義名分を手にしたと言わんばかりに再び肉棒を咥え性を搾り取る。
無限地獄という名の天国はいつまでも続き、あなたは最後の一滴まで甘く性を搾り取られたのだった。
日曜日。
契約を結んだあの日が夢であったのかと錯覚する日常が終わりを迎え、あれは現実であったのだと突きつけられる。
なぜなら、あなたの目の前ではマリア・カデンツァヴナ・イヴが土下座をしているのだから。
裏取引や性接待目的のためだけに使用される完全防音仕様の超高級ラブホテルの一室。
そこに案内されたあなたを出迎えたマリアは、だらしなく顔を歪めあなたという雄を待ちわびていた。
ここにいるのは世紀の歌姫マリア・カデンツァヴナ・イヴではなく、あなたに媚びる雌犬のマリアだ。
それを証明するように、彼女は牛柄のマイクロビキニ衣装でこちらを誘惑している。
甲斐甲斐しくあなたの服を脱がせるとベッドに案内し、マリアはあなたに覆いかぶさると唇を重ね合わせた。
「んっ……」
舌を絡ませ、じゅるじゅるといやらしく音を立てながら行われるディープキス。
それだけで暴発しそうになる下半身に力を入れ耐えながら、あなたは唇と押し付けられる乳房の感触を堪能する。
恐る恐るといった手つきで尻に手を回すと、マリアは満足気に一層キスの激しさを増していく。
「ぷはっ」
酸素を取り込むように唇を離し、マリアは再びキスに移行する。
今度は乳首や腹など、様々な場所に啄むようなバードキスを繰り返す。
そして全身にキスマークを作ると最後に雄々しく勃起した肉棒へ誓いのキスをすると、マリアは興奮で濡れ切った秘部へ一気に肉棒を挿入させた。
今まで毎日行っていた自慰が児戯に思えるほどの快感があなたを包み込む。
初めての性交がこれでは今後風俗に行っても絶頂できなくなるのではないかと思えるほどの名器に加え、マリア・カデンツァヴナ・イヴという存在が己の上で喘ぎ声を漏らしながら献身的に腰を振っているというシチュエーション。
天に昇りそうな心地を我慢するのは不可能だった。
あっという間に限界に達し、あなたはマリアの膣に射精する。
「──ッ!」
ドクドクと注がれる精液を、マリアは膣奥でしっかりと受け止める。
あなたの体に四肢を絡ませ全身を押し付けながら、最後の一滴まで搾り取っていく。
「次は、どうします?」
耳元で囁かれる誘惑は最高の精力剤だ。
これは一発いくらの契約ではなく、時間無制限無限回の契約なのだと自覚させられる。
マリアの視線の先を追えば、そこには多種多様な衣装と性具が準備されていた。
「胸元ががっぱり空いたこのドスケベピンク色チアガール衣装で“がんばれ、がんばれ”って応援パイズリされながらどぴゅどぴゅ出したい? それともハートが可愛い裸エプロン衣装で九十六センチのおっぱい吸いながらシコシコ授乳手コキぴゅっぴゅ射精? この生徒指導確実なアメスク衣装で先輩呼びしながらイメージプレイイチャイチャ正常位セックスでもいいし、過激なのが好きならこの首輪を引っ張りながら髪を掴んで雌犬奴隷イラマチオプレイで征服欲を満たすのもオススメですし、逆に責められたいならこっちのボンテージ衣装でSM女王様を演じたって……この前のライブに使った衣装で歌姫を犯しているって欲求に満たされるのも自由ですし、こちらに用意済みのブルマやスク水なんて定番もあるからムチムチパツパツを目の保養にしても……少し恥ずかしいけどマニアックなのがお好みなら向こうにあるランドセルや園児服や女児服だって命令していただければ……」
次々と提案される内容に、出したばかりの肉棒へと再び血液が送られていくのを感じる。
睾丸は即座に精子を量産し、何度でも目の前の雌に性を吐き出したいと体が叫んでいた。
「──ええ、今日はこの衣装の気分ですね? まだ夜は長いですから、何度でもリクエストはどうぞ」
そう、今日は、なのだ。
たとえ夜が明けても、この夢が覚めるわけではない。
夢のような時間はいつまでも終わることなく、あなたにとって毎週日曜日は天国への巡回と同じ意味を持つ日常に変わるのだった。