献血へ行った翌日、男は郵便受けに入った一枚のチラシを手に取った。
それは近所に新しくできた風俗店の宣伝チラシだ。
ナース服コスプレの美女三人が大きく映り、新装開店記念割引と大きく記されている。
男は下半身に血流が流れる感覚を感じ、その夜早速店舗へと向かうことにした。
路地裏の奥、チラシに書かれた地図が無ければ絶対にたどり着けないような場所。
廃ビルのようなボロボロの建物、その地下に入ると、チラシ通りの美女が男を出迎えた。
「いらっしゃいませ……チラシを持ってこられたお客様?」
『ヴァネッサ』と名札に書かれた彼女は生地の薄いピンク色のナース服を着ている。
谷間を大きく晒し、太股が丸見えで、まさに性的なコスプレ用ナースという風格だ。
「お客様、血液型は?」
風俗店とは思えぬ質問に、男が首をかしげる。
壁に貼られたチラシに目をやると、“日替わり、血液型割引”などという文字が目に入った。
イメージプレイの店とは言え中々凝っている、そう思いながら男は自分の血液型──Rhソイル式と答える。
「ッ──情報通りね……」
小声で何か呟いた声は、男には届かない。
珍しい血液型らしいので伝わらなかったのだろうか、と判断していると。
「ああ、いや、失礼しました……随分珍しい血液型なのですね。A・B・O・AB以外の珍しい血液型は割引額が大きくなりますよ、特にRhソイル式ともあれば……」
口角を上げてそう答え、ヴァネッサは男の手を引いてプレイルームへと案内していった。
男は知らない、この店が男のためだけに急遽作られ、廃病院から拝借した機材でそれらしく彩った未認可風俗店であるということを。
体裁だけ整えた廊下を抜けた先のプレイルームは病室を模している。
男は凝った作りで小物に力が入っていると感心したが当然だ、ベッドもカーテンも、それら全ては実際に使用されていた本物なのだから。
患者衣に着替えベッドに横になった男の元に集まったのは三人の美少女。
ヴァネッサ、エルザ、ミラアルクの三人は誘惑するように着ているナース服をはだけさせベッドの周りで献血の作業を行っている。
「チクっとしますが我慢……気付けをどうぞ……?」
ヴァネッサは己の胸を完全に露出させると、男のズボンを脱がせ肉棒を露出させた。
豊満な乳房で勃起した肉棒を包み込み、唾液を垂らして潤滑油代わりに利用する。
ぱんぱんと肉の打ち付けられる音がリズミカルに響き、パイズリ奉仕が行われる。
男はミラアルクに両腕を押さえつけられ、抵抗が出来ない。
眼前には男に覆いかぶさるように頭の方から身を乗り出したミラアルクの乳房が広がり、視界を塞いでいる。
ぱん、ぱん、ぱんという音と性器への快楽のみが男の脳を満たし、思考を溶かしていく。
「──ッ!」
我慢の限界に達し、吐き出された白濁液がヴァネッサの谷間を汚した。
口端にまで勢いよく届いたそれを彼女は舌の先で舐め取り、怪しく微笑んでいる。
「はい、一回目の採血が終わりましたよ」
射精直後のぼぅっとした頭に届いた、奇妙な言葉。
その意味を考えていると、男の視界の隅には容器に入った赤い液体を回収するエルザの姿があった。
己の腕を見れば、そこには血を抜かれた跡である小さな傷が残っている。
いつの間に──男は心臓が冷える感覚と軽い恐怖、そしてようやく夢から覚めたかのように今の奇妙な状況に対する不信感が芽生えだす。
「じゃあ、次はウチの番だな」
そしてそれを見透かしているかのようにミラアルクはベッドに乗り上げ、男の体に跨った。
お互いの胸を密着させ、抱き着くように顔を近づけるとそのまま捕食するかのごとく嗜虐的な表情で唇を重ね合わせる。
「んっ……ちゅ、じゅ……じゅるぅ……!」
ミラアルクは舌を入れ、口内を犯しながらあらかじめ口に含んでいた薬品を男の喉へと流し込んでいく。
射精直後の肉棒は男の興奮と薬品の効果によって再び勃起し、金玉は急速に精子を量産し始めている。
ムクムクと膨れ上がる肉棒に腰を落とし、ミラアルクは男を犯し始めた。
彼女の細腕でがっちりとベッドに固定された肉体は万力で固定されたように動かない。
一切抵抗することが出来ず、湧き上がる恐怖は徐々に快楽へと塗り潰されていく。
ミラアルクは腰を一気に落とし、焦らすようにゆっくりと引き上げ、そうして何度も何度もピストンを繰り返す。
舌を絡めた口内は唾液で溢れ、口端からはだらしなく涎が垂れ落ち、男の脳は快楽のこと以外が考えられなくなっていく。
「──ッ!」
二度目の射精とは思えぬほど多量の精液が放たれ、ミラアルクの膣を満たした。
彼女は男を逃がすまいと両腕に力を込めて射精を受け入れ、最後の一滴までしっかりと搾り取る。
「ふぅっ……もう少し搾り取っても大丈夫そうかぁ?」
それはどちらの意味だったのだろうか。
射精直後で冷静になるたびに、男の脳裏に恐怖の感情が蘇る。
暴れようとしても両腕はミラアルクに固定されたままだ、女の細腕だというのにどんな拘束具よりも脱出の希望が見えない。
「まだまだ、試してない穴があるんだから……ほら、サービスは終わってないですよ?」
背後から、ヴァネッサの囁き声が男の耳に届いた。
先程まで彼から血を搾り取っていたエルザがミラアルクの隣に移動し、股を開いて秘部と尻穴を見せつける。
ごくり。と、生唾を飲み込む音がやけに大きく響いた。
どうせ逃げようとしても逃げられないのだし。
下手に抵抗して逆上させれば命が危ういかもしれない。
そんな都合の良い言い訳ばかりが男の思考をかき乱す。
抵抗の意志が消え両腕から力を抜いた男を見て、彼女たちは怪しく微笑むのだった。
それから数時間。
周囲には薬の空き瓶等が散乱し、部屋中に精液の臭いが充満している。
二重の意味で限界まで搾り取られた男は出口へと視線を向けるが、それを見越したかのようにヴァネッサは男の両肩に手を置いた。
「もし“お客様”が望むのなら、延長も受け付けていますが?」
聞きたくない。
聞いたら最後、本当にここから出られなくなるから。
そんな警告音が男の脳裏に鳴り響く中、ヴァネッサは言葉を紡ぐ。
「延長料金はゼロ円、献血サービスに少しご協力頂くだけで衣……は無いですが食住完全補償。二十四時間三百六十五日いつでも私たち三人が“サービス”しますが……どうですか?」
永久就職という名の終身刑。
抵抗する力も意志も失った男は、全身から力を抜いてその場で目を閉じた。
目が覚めれば快楽と言う名の拷問が待っている。
男は永劫続く未来を思い浮かべ、股間を膨らませて意識を失ったのだった。