異世界転生したら、長身グラマラス女軍人なヒロインに死ぬほど愛されている件について 作:KeI77777
KEY(ドM)と申します。
久々の投稿。
必要なので挟むスタイルの幕間
それでは、ご覧ください
KEY(ドM)
「・・うーん。」
ギルド長だけが使うことのできる一室。
ギルドマスタールーム。
そこの黒革でできた椅子に座りながら、彼、
ジーノ・ナッツは資料にペンで記載をしていく。
すなわち、エドが持ち帰った情報をまとめているところだ。
有益な情報は得られたものの、その取扱いに頭を悩ましている。
(・・どうしたものでしょうかねぇ)
エドから得られた情報。それは、ドラゴンの存在。
彼の衣服についていた龍の鱗がその証明となった。
その硬さから加工するのさえ手間がかかり、
上流階級の貴族がこぞって欲しがるアクセサリーの材料にもなる。
当然、ドラゴンを倒せる人間は一流の冒険者ぐらいなので、
価格も高い。
ドラゴンの存在を資料としてまとめて、王都に届けなければならない。
しかし、その際に証明としてこの龍の鱗も一緒に送らないといけない。
これをチャンスとみた貴族らは私兵を動かし、
龍がいたというポイントに軍事訓練として派遣してくるかもしれない。
近隣を支配する貴族はその大義名分をほかの貴族にも使わせるため、
金と引き換えに私兵を置かせる許可を出すかもしれない。
パワーバランスの安定を図っているというのに、
争いの種にもなりそうで、彼はうんうん、とうなり続ける。
(・・・・しかし、あまり見たことのないタイプですね・・・?)
ジーノはここ、ギルドマスターに在職してから10年以上の経歴を持つ、
ベテランであった。
当然、彼自身もゴーレム・マスターの二つ名を持つほどに強いし、
経験に裏打ちされた観察力も並大抵のものではない。
その彼でさえ、エドが持ち帰ってきた龍の鱗が、
それまで見てきたどれにも当てはまらないと判断していた。
色は黒。漆黒と言ったほうがなおいいだろう。
そういえば、前にここに来た少年が持っていた刀に似た色をしているな・・・と
彼はどうでもいいことを思い出したが、まあ、関係ないなとすぐに頭の中から追い出す。
(・・・・さて。これが吉と出るか、凶と出るか・・・・。
エド君。どうか、頑張ってくださいね?)
自分が歩いてきた道を、これから歩くであろう少年に向かって、
ジーノは笑みを浮かべながら、エールを送った。
それが、険しいものだと知っているから。
◆
---エドの故郷 レグルス---
ここはレグルス。
エドとルビアが育った故郷。
若者は一番近い帝国方面で働くために出ていく者が大半。
けれども、何人かは村の暮らしを忘れられずに戻ってきたり、
最初からどこにも行かず、この村で一生を終えるものに別れる。
かつて、ルビーを連れてやってきたブル・ファーガスも、
故郷の暮らしを懐かしみ、一時的に戻ってきた口であった。
木造りのコテージのような小屋。
その中で、眼鏡をかけた40代くらいの白髪の男性は、
ずず、とティーカップを口に近づけ、お茶を飲みながら本を読む。
近くにいた、その彼の妻である女性は、洗い物をしながら、
かちゃかちゃと音を立て、自分の仕事をしていた。
洗い物をする音と、時折ずずず、とお茶を飲む音だけが部屋に響く。
「・・・ねえ、あなた。」
「・・・なんだい?」
洗い物をすべて終えたのか、エプロンをはずして、
妙齢の女性は男性が座っている椅子の隣に座りながら話しかける。
「・・・あの子は、元気かしらねぇ。」
「・・・・。」
彼らの頭の中に浮かぶのは、ずっとこの村で生まれ、育っていた一人の少年の姿。
すなわち、彼らの息子のこと。
小さいころからしっかりとしていて、手間もかからない。
----けれども、特に何もねだってもこなかった不思議な子。
どこか、遠慮しているようにさえ思えたほどに。
前世のことなど知る由もない彼らにとっては、
あんなにできた子供が生まれ、育ったことが今も信じられないほどである。
寂しそうにそういう妻を安心させるように、
男性は彼女の手を握りしめる。
「・・・大丈夫さ。僕と、君の子供なんだから・・・。」
「・・・そう、ね・・・。」
窓の外から出る月を二人は眺めた。
きっと、自分たちの息子も同じく見ているであろう、
青く光る月を-----。
---エド・マークスの名が世界中に知れ渡るまで、
もう少しかかるのだった。
◆
「学園長。」
「・・・・・・・・。」
リーダス王立学院の学園長室にて。
3人の人物が一堂に会していた。
1人は、リーダス帝国最強の水使い、
"血の雨"ことブレンダン・アックス。
1人は、リーダス王立学園、教頭、
"雷神"イリヤ・ボルティクス。
そして、リーダス帝国最強の剣士、
"剣神"、学園長こと-----。
「----やるのか?やっぱりよ。」
「・・・・・無論。」
「・・・・・・・・・。」
ブレンダンの言葉に、当然と返す学園長。
テーブルの上には、サファイアローズと、
エド・マックスについての資料。
そして、黒い鱗と、その隣に置かれているギルドのマークがしるされた、
とあるペンダント。
青色の鉱石によって作られたそれは、鈍く輝いている。
イリヤ・ボルティクスは不機嫌そうに、顔をぷくーと膨らませ、
明後日のほうを向いている。
その見た目と相まってふざけているようにも一瞬見えるが、
彼女の眼は笑っていなかった。
「・・・・・あの子は、私の教え子なんですけドー?」
「・・・しょうがねえだろ。だからといって、ひいきするのはありえねえし。」
「・・・・そりゃね?Bクラスのクエストをクリアしたってことは、
"十王の膝元"レベルはあるってことだけどサ・・・。」
「これは、決定事項だ。覆らん。」
いまだに納得いかないという顔のイリヤに対して、
たしなめるように言うブレンダン。
それでもまだ文句を言う彼女に対して、
学園長はきっぱりと言い放った。
「・・・わかってるよ。それぐらい。
才能のある子を放っておくのは、教育者としてありえないっていうのも。
・・・・でもさ、
あの子はさ、レグルスにいる私の姉の、大切な---。」
「----私情を挟むな。自分の仕事を全うしろ、教頭。」
「・・・・・。」
----パリパリパリ、とイリヤの周りを電流が流れ始める。
自分の言葉を遮られたからか、それとも、石頭すぎる学園長にムッと来たのか。
ブレンダンはそれを見計らっていたかのように、彼女の周りに水の膜を作り出し、
取り囲んでいた。
「・・・ちったぁ冷静になれや。・・・たく。自分の教え子に恋する教師なんざ、ろくでもねーだろうに。」
「-----今、なんつった?」
「・・・あっ。」
ゆらり、とイリヤは体を動かし、立ち上がる。
それまで、張り付けていたかのような笑みは引っ込み、
真顔でブレンダンのほうを向いていた。
「ちょっーー?!!おまっ、ここ室内だぞ!!!?
やっと修復したばっかの校舎でやるんじゃねぇええ!!」
「・・・・・。」
「くっそ!!これだからシスコンはよぉ!!!
・・・・学園長っ!!てつだ---」
自分が彼女にとっての地雷を踏んでしまったことに気が付いた彼は、
慌てて学園長に助けを求める。
---が、彼が振り返った先にはすでに誰もおらず、
出口のドアがきいきい、と音を立ててわずかに動いていた。
「あ、あ、あの野郎おおおおおおおおお!!!!逃げやがったああああああ!!!!」
「・・・・・"●●"」
---その日、リーダス王立学院に雷が降ったとか。
以上、終わり!!
閉廷!!解散解散!!
必要だったので入れた幕間。
自分の子供を心配する親ってこんなカンジ。
ちなみに、学園長はいつものことだけれども、
ブレンダンがいるから大丈夫だろ、
訓練しに行こ、と考えてさっさと出ていったゾ。
やったね!!ブレンダン君!!!信頼されているね!!!
そして、頭を悩ますジーノさん。
エドはどこ・・・?ここ・・・?
感想くれ。
全部見ているからくれれのれ。
KEY(ドM)