地下三階。
そして地下四階をクリアしてまた俺とめぐみんは階段を下っている。
めぐみんはというと、自分の胸を隠すように抑えている。
「今日一日で……一生分のおっぱいを触られた気がします……」
「……あー、うん」
「その生返事はなんですか。私のおっぱいが気にいらなかったとでも。満足できなかったとでも? ふーん、ゆんゆんの熟したおっぱいでないと満足できなかったのですか」
「返答に困っていただけだって。……前も言ったけど、めぐみんはそのままで充分可愛いし、体で不満なところはないぞ」
「ほー、そうですかー」
胸を抑えて、気にいらないようにそっぽを向く。
めぐみんのおっぱいは小ぶりではあるが、張りがあって素晴らしい。今回意識がある状態で初めて触ったけど、随分敏感だし。ゆんゆんに劣っているなど思ったことがない。
後、めぐみんは熟していると言ったが、ゆんゆんのおっぱいはまだ成長途中である。末恐ろしいおっぱい……。
地下三階の限定クエストをクリアした俺達は――地下四階もクリアした。
クリアしちゃったのだ。
地下三階は射精させろといった馬鹿な限定クエスト。
地下四階は一本の鉄骨を渡り切るというもので、鉄骨を股に挟んで二人はゆっくりと進んでいたのだが、途中でめぐみんが拘束されて機械によって胸が揉まれそうになっていたので、俺がそれから守るようにめぐみんの胸を抑えるというこれまた馬鹿なことが起こった。
剣があればすぐ斬って助けることもできたのだが、触手に取られたのでそれもできずに拘束が解かれるまでめぐみんの小さくても柔らかい胸を触っていた。俺の手の上から機械が彼女の胸を揉もうと動くので、実質俺がめぐみんの胸を揉んでいたのだ。
なんというか、こういってはなんだが俺は普通に気持ち良かった。いまだにめぐみんのおっぱいの感覚が手に残っている。
カツンカツンと階段を降りる音がする。
もうどれだけ地下深くまで来ただろうか。これだけ地下に来たとしても息苦しくならないのは、空調がしっかりと整えられているからだろう。無駄に技術と金がかけられている。
「今までの試練的に考えてもここは絶対エロ遺跡でしょうけど、そろそろこの旅路も終わりでもいいですよね」
「もう次で地下五階だもんな」
「昔、紅魔族の学校の図書室でエロ遺跡についての情報をちらりと読んだことがありますが、それによれば大体試練は五回から八回あると書いてありましたよ」
「そうなると、次で終わりってこともあるのか」
「……次で終わりならいいんですけどね。このダンジョンは女の私の方が負担が大きいですし。……いや、本当にです。凄い勢いでユウスケとの関係が危ないことになっているのですが」
右手で胸を隠しながら、めぐみんは先ほどまで自分の胸を揉んでいた俺の手を左手でツンツンと刺す。
爪がブスブス刺さってちょっと痛い。
めぐみんとのスキンシップはちょくちょくあったが、ここに来てから意識のある状態で裸を見る、手コキをしてもらう、おっぱいを揉むと関係の階段を五段ほどジャンプしている。
「こうなったとはいえ、明日から突然恋人気取りはやめていただきたいです。まだ、私達付き合ってすらないのですから」
「わかっているよ。そんな勘違いはしないって」
「今回のは事故みたいなものですからね。犬に噛まれるようなものです。これについてあまりにしつこいようでしたら蹴ってキャインと悲鳴をあげさせます」
「犬扱いかよ」
あくまで状況によって無理矢理そうなっただけだからな。
めぐみんが俺を好きということはない。
「ふふ、ちょっと可愛い野良犬ですかね。懐いてくれるならまあ私としても気分が良いですし、芸を上手いことしてくれれば、またおっぱいでも触らせてあげましょうか?」
めぐみんは悪戯っ子な笑みで、そう言いながら抑えた手で自分のおっぱいをふにふにと触った。
シャツでブラジャーもしていないから、おっぱいが指によって形を変えるのがよくわかる。
……こうやって冗談でエロい誘惑をしないで欲しい。ちょくちょく自分のことを可愛いと言ってるくせに、こいつ自分の魅力がよくわかっていないのだろうか。
階段を降りると、また扉がある。
もうここまできたら大丈夫かと油断して俺は手でボタンを開ける。
二回抜いたし、触手との対決もあったし、俺もそこそこは疲れてきているのだった。
今回の部屋はまた趣向が変わったものだった。
「これが終わりの部屋、って感じでもないよな」
「もしかすればこの通路を抜けていけばゴールに……とは私もそこまで楽観的に物事を考えられませんね。分かれ道がありますし」
扉を開けると細い道があって、すぐに行き止まりとなる。
その行き止まりの左右にはまた道があるようだった。
「地下五階の試練はちょっと予想がつかないな。迷路? そんなわけないか」
「ここでぼんやり突っ立っていても埒があきませんから、とにかく進んでみましょう。なるようになるですよ」
ケ・セラ・セラだな。
なるようになる。どうにかなる。記憶を失う前の俺が一度クリアをしたことがある遺跡だ。命を奪われることは決してない。
しかし、そうだとしてもなかなか心は決まらない。
「……この最初の一歩が嫌なんだよな」
「罠にわざわざ飛び込むみたいなものですからね」
心境的には絶対に進みたくないのだが、ここで立ち往生するわけにもいかず俺達は扉の先に一歩踏み出した。
背後で扉が閉まる。剣がある時ならまだしも、今の鞘しか持っていない俺ではここから戻ることができない。
逃げ口が塞がれた俺とめぐみんは周囲を警戒しながら、更に二歩、三歩と進んでいくと、地面が光った。
どうして地面が光ったのか、どういう光り方をしたかを気にする前に俺は叫んだ。
「めぐみん!」
「はい!」
バッと俺達は入ってきた入り口の方にへと飛び退く。
光は消える。だが、もう始まっているのかもしれない。遅かったのかもしれない。明らかに罠が発動した。
二人で背を預け合って、辺りを警戒する。
地下一階のようにスイッチ型の罠か? なにが機動した? なにが今から起きる?
俺は鞘を握って全神経を集中していたのだが、一分がすぎても何も起きることはなかった。
罠は……発動していない?
いつまでたっても何も起きないので、後ろから困惑した声が聞こえてくる。
「……どうしたんでしょう。確かに地面が光りましたよね?」
「光ったはずだけどな。何も起こらないのはどういうことなんだろう。まさか光るだけのトラップなわけないし。……まあどっちにしろここは通らないといけないから、罠だとしてもこの道を進まないといけないんだが。……よしっ、俺が試してみる」
「慎重にですよ。なにかあったら後ろから引っ張りますから」
めぐみんにズボンを掴まれながら、俺は鞘で光った辺りの宙をぶんぶんと振り回したり、地面を叩いたりする。
だが何にも起きないので、ゆっくりと俺は片足を出してその場所を踏むと、また光る。すぐに足を戻すと、また消える。それによってなにも起きる気配もない。
「んー、さっぱりわからないぞ。光って、何が起こるというんだ。まさか本当に光るだけだったりして」
めぐみんは何か考え込んでいるようだった。
考えがまとまったのか、彼女は頼みごとをしてきた。
「ユウスケ。私が良いというまで足を出してもらってもいいですか?」
「わかった」
めぐみんが言うからにはなにかしら意味があるのだろう。俺なんかよりよっぽど賢いからな。
俺は何故かも聞くこともなく、足を出して地面を踏むと、同じように光る。よく見れば、その光っているのは文字みたいになっている?
「やはりこれは魔法陣ですね。それもかなり規模は大きそうです。この規模の魔法陣は初めてみます。ユウスケそのまま足を出したままにしといてくださいね。私が解読してみます」
「魔法陣ってことは、あのーめぐみんさん。こうやって足出しているとその魔法の効果が俺にかかるということでは……」
汗水がドバっと出る。崖に向かって足をプランプランと突き出しているようなもので、身の危険に焦りが出てくる。
めぐみんは真剣な表情で浮き出た文字を解読しながら肯定する。
「多分今もガンガン魔法がかかっているのではないですか。体が変形したりしていません? 急に爪が伸びていたり髪の毛が伸びていたり」
「嫌すぎるんだけど! 足引いていいかな!?」
「少々体が変わろうが私が治してあげますよ。そういうの私達の種族は得意なので。それよりか体に異常はありませんか? ちょっとでも思い当たることがあれば言ってください」
そういう問題でもないと思うが、ここを通らなければならないのは事実なので、俺は必死に自分の体を確かめる。
足を突き出したまま俺は急いで髪の毛を触ったり爪を触ったり上半身を確かめたりと触診していくが、触った限りではおかしいところはないように思える。
思考も変になったりしていない。
今のところ急激な変化は出てないような?
「ほんの少しだけ、体が熱くなっているだけかな。それ以外は何の変化も出ていないように思える」
俺の感想を聞いてめぐみんはこくりと頷く。
じっと見つめながら、彼女も光る地面の部分を手で触る。
「……なるほど。まあそんな感じですか。体に干渉するタイプの魔法陣の作り方だとは推測できましたが、多分ですがこれ、性的快感を与えるといったものですね」
「……そんなことまでわかるのか?」
巨大な魔法陣の一部分を見ただけでその内容までずばりと当てることができるのだろうか。
めぐみんは地面から手を離して、俺の手首を掴んで手のひらを見せるようにする。
「例えばあなたの手を見ただけでどのような人物かわかるようなものですよ。この剣タコからは剣士だということがわかりますし、手のひらでどの程度の身長かなんかもある程度は推測することができるでしょう? 同じことです。文字の配列パターンなどで、おおよそはどんな効力を持つかなんて察することができます」
めぐみんは簡単ですねなどといった口ぶりだが、手どころか爪の先を見て、相手を当てるようなものだと思う。
つくづくぶっ飛んだ天才だよなこいつ。
こいつといると自分の凡才っぷりに嫌でも気づく。
めぐみんが月だとするなら、俺はスッポンだよ。
「こんなこというのもなんですが、実に見事な魔法陣ですよ。昔の人が描いたと思えないほど洗練されています。この大きさで破綻なく成立させているというだけでも大した腕です」
「魔法使いから見ればそんなに凄いものなのか」
「技術もさることながらこの文字として埋め込まれている鉱石はマナタイト石を混ぜた合金でしょうね。かなりのお金もかけられています」
「数百万エリスぐらい?」
「一つ桁増やしてください」
うわ……。
数千万エリスか。たかがエロのために数千万エリス。それも一つの階でだ。情報屋使って大金を払った俺も人のことを言えないけど、このエロ遺跡にどれだけ気合入れているんだ。
「文字が描かれているだけなら鞘で削れば効果を消せるかもと思ったけど、埋め込まれているならそういうわけにもいかないか」
「……そんな反則技よく思いつきますね。ただこういう相手の魔力を変換する高度な魔法陣は、一部分を削ればどういう効果になるかわからないので、下手に手を加えない方がいいですよ」
めぐみんは手をかざして魔法陣を発動させながら、もう一度魔法陣の文字を見る。
「……おそらくこの魔法陣はその人の魔力を変換して性的快感にするといったものですが、魔力を僅かな割合ずつ変換していくので、この魔法陣の上で時間をかければかけるほど性的快感が溜まっていくといった具合ですかね」
何故道が別れているとのかと思えば、そのための時間稼ぎか。
迷路で迷っている間にどんどんエロい気持ちになっていくというのが第五階の試練なんだな。相変わらず馬鹿げている。まあこれを利用しようと考えていた俺も同じぐらい馬鹿なんだが。
ただこの第五階の試練は、俺にはそこまで影響がないだろう。
なんせ魔力なんて殆どない。そもそも燃料がないのだから、変換しようにもできない。……心配なのはめぐみんである。
「めぐみんは……不味いよな」
「ユウスケの魔力は窓際に貯まった埃程度ですが、私の魔力は膨大ですからね。その人が今持っている魔力の割合によって変換されるので、もし万全の状態であれば、ヤバいことになっていましたね。本気で。すごく」
魔法使いとしてトップクラスの魔力を持つめぐみんは、この試練とは相性が悪かった。
もし完全な状態ならたちどころに絶頂するめぐみんなんていう光景があったかもしれない。
「ただ朝早くに爆裂魔法を放ったので、大丈夫じゃないですか。……あれが五時間ほど前ですから普段の二十パーセントほどの魔力ですかね。これでもユウスケの十倍はあると思いますけど、なんとか我慢できる程度でしょう。……それに、魔力を消費するというのは都合がいいですしね」
最後の方のめぐみんのボソッとした声は聞こえなかったが、まあいけるというならいけるのだろう。
爆裂魔法を使わせていて良かったと思うと共に、少しばかり使っていなかったらどうなっていたかと想像してしまう。うーむ、クズだ。
エロはもういいだろう。二回も抜いたし、おっぱいも揉めたしで、疲れてそうなめぐみんをとっととエロ遺跡から脱出させよう。
「なら、第五階は楽勝だな。もしかすると他に罠があるかもしれないからある程度は警戒しながら進まないといけないが」
「そうですね。複雑な迷路になっていても私なら簡単に解けますからね。ユウスケは私にもっと感謝してくださいよ。あなただけなら迷ってえーんえーんと泣いて困っていたでしょうし」
「子供じゃないんだから俺一人でもすぐに突破できるわ」
失礼なと怒る俺にクスクスとめぐみんは笑う。
「子供ではなくわんこでしたっけ」
俺の腕を掴んで、めぐみんはグイッと引っ張る。
「ほら、ユウスケ。リードを持ってあげるので、よそ見せず私についてくるのですよ」
そんな風にめぐみんは楽しそうに俺をからかう。
俺とめぐみんの二人は第五階の試練に挑戦するのだった。
「私が眼帯を貰ったあるえは小説が趣味でしたね。常日頃から作家になるなどと言ってました」
「へー、小説家志望か。めぐみんは本好きなのか?」
「そこそこですかね。食べられないのは減点対象ですが、暇つぶしとしては読んだりしていました。体を動かさないので、腹が減ることもありませんから。それに妹のこめっこに絵本を読んだりもしていましたね」
「……世知辛い話とほのぼのとした話を一緒に並べないでほしい」
俺達は警戒を保ちながらもただ歩くだけでは暇なので、会話をしながら迷路を進んでいた。
突然罠が襲い掛かってくるということはない。
俺の魔力が元々少ないから性的興奮もあまりなかった。体が僅かに熱くなってきているなという程度だ。余裕で我慢ができる。
だが今でも俺の十倍は魔力があるめぐみんはというと。
「ここを右ですね。……紅魔族の学校では基本的な知識と魔法についての勉強をするのですが、春か夏ぐらいには校長の気分によって学校で色んな催しをします。丁度今頃の季節ですね」
「文化祭みたいなものか。楽しそうだな」
「最後のダンスが私としては気に食わないですけど、割と楽しいです。もう彼女は学生ではありませんが、そけっとが占いをするコーナーがあったり、何かしらのコンテストみたいなのもやりますし。……こうやって喋ると懐かしいですね。そんなに楽しい場所はないかもしれませんが、いつかあなたを紅魔の里に連れていきたいです」
「めぐみんの故郷か。行きたいような行きたくないような」
「おいこらお前。喧嘩を売っているのですか。買いますよ高く買わせてもらいますよ」
「嘘嘘。本当は凄く行ってみたい。正直、かなり興味ある」
「最初からそう言ってください。帰りに学生時代ゆんゆんに賭け勝負の結果、たまに奢ってもらっていた喫茶店でご馳走しましょう。……んんっ。……失礼しました」
顔がほんのりと赤みを差している。
俺はなんともないのだが、めぐみんには影響があるようだった。少し前まで魔力は使いきったというのに。――魔力の回復率や吸収率が異常すぎる。
めぐみんの顔を見下ろしながら心配そうに声を出す。
「大丈夫か? めぐみん」
「ははは、まさかユウスケは私がおかしいように見えるとでもいうのですか。問題ありません。元気です。ふー、ふー、ここは左ですね」
「辛いなら言ってくれよ。いっそ罠など気にせず俺がお前を担いで走ろうか?」
「それには及びませんよ。やけに遠回りさせるように作っていますが、この感じだと後七分もすればつくでしょうし。まあ……今そういう刺激はあれですし。ふぅ……」
隣で歩いていてもめぐみんの呼吸が段々と荒くなってきているのがわかる。
汗も出てきているようで、シャツ一枚のめぐみんの肌にピッチリと吸い付き、随分扇情的な姿になっている。小さな乳首の形まではっきりわかる。
なんだか臭いがする。めぐみんから発せられる臭いだろうか。
くらくらしてきた。俺の魔力ではそんなに性的興奮しないのだが、それとは別要因で俺は興奮しそうになっている。
突然俺の腕をめぐみんが掴んでハッとする。
頭がぼんやりしていた。
「……どうしたんだ?」
「えっ、これはなんでしょう。……り、リードです! ユウスケが迷わないように掴んでおこうというわけですよ! 野良で歩かせておくと危険ですからね!」
めぐみんもぼんやりしていたようで、慌てて自分の行動を説明する。
もしかして、無意識にめぐみんは俺の腕を取ったのだろうか?
少しの間、無言で迷路を歩いていく。腕からめぐみんの手の汗が伝わってくる。腕からめぐみんの熱が伝わってくる。
順調に進んでいたのが、ここに来て足取りが重くなる。めぐみんが歩くのが遅いので、自然と進みが遅くなる。
「なあ、めぐみん」
「……なんですか?」
「腕が当たっているというか……わかっていると思うけど」
めぐみんのぷくりと硬くなった乳首がシャツ越しに腕が当たっている。
ただ腕を掴んでいただけなのに、どんどん俺の腕を自分の方に寄せていくものだから、彼女の体に当たってしまっていた。
たまに俺の指先が彼女の臍の下辺りをトンっトンっと軽く叩いたりしてしまっている。
「んぃ。わ、わかりませんね。自意識過剰ではありませんか。いやらしいことばかり考えているから――うんっ。そ、そういったおかしなことを言いだすのですよ」
めぐみんはそのことをまったく認めようとしない。
気のせいですますつもりなのだろうか。無茶があると思うのだが。あまりめぐみんの頭も働いていないのかもしれない。
そんなめぐみんがエロすぎて、俺もかなり思考に靄がかかってきた。
「そ、そこは左ですね」
「……左か。……あっ、ここ行き止まりだぞめぐみん」
「行き止まりですか。では、戻ってみましょう。んん。じゃあ、右に行って、次は真ん中。右と、左、左に行けば……行き止まりですね」
「この行き止まりって、さっきの行き止まりじゃないか。戻ってきてしまっているよな?」
もうすぐゴールまでたどり着くというのに、ここにきて迷いだしてきている。
めぐみんの頭脳でこうやって間違えるのは不思議だ。
「お、おかしいですね。不思議なこともあるものです。何かしら罠にでもはまっているのかもしれませんんんんんぅ!?」
とうとうめぐみんはギュッと俺の腕に抱き着く。
まるで自分の物のように俺の腕を抱き寄せるものだから、彼女の体の感触がよく伝わってきてしまう。濡れたシャツだけのめぐみんの体は、もう素肌とそこまで変わりがない。
彼女の臍にお腹におっぱいに、腕を押し付けられる。
「あ……あぅっ……くぅ……」
それどころか――俺の腕に僅かずつ上下に自分の上半身を擦りつける。
ゆっくりとだが確実に俺の腕で体を振っていた。
まるで発情した雌犬みたいに快感を得るために擦りつける様は、彼女の方が犬のようだった。
「も、戻りましょうか……」
「お、おう。そうだな」
めぐみんの濡れた瞳で提案されるのに、俺は拒否することも突っ込むこともできず従う。
リズミカルに体を揺らしながら俺の腕を抱きしめるめぐみんと少しずつ移動して、また分かれ道に戻る。
「こ、ここは右に行くのが正解だとおもひぃ! ま、ます。次は左です、かね……」
もうまともに喋ることができていない。
彼女の頭にあるのは迷路を解くことではなくて、如何に快感を得るかに変わってしまっている。ここで時間を使い過ぎた。めぐみんの残った魔力は大部分が性的快感へと変わってしまっている。
魔力を使いきるまでは快感に上限もないのか、今もなお魔力を性的快感に変えられ、めぐみんは気持ちよくなっている。
何て恐ろしい階なのか。……甘く見ていた。まさかあのめぐみんがこんな姿になるなど想像もしていなかった。
とろんとした目をしためぐみんは、乳首が擦れるのが気持ちいいのか、俺の肘を使って自分の乳首に押し付けている。
「んっ、うぅ……くんっ………んんぅ!」
しかし、幾らなんでも彼女は興奮しすぎだ。
……もしかしたら地下四階の影響もあるのかもしれない。あれだけ彼女のおっぱいを揉んだりしていたのだ。――元々彼女は少し興奮していたとしてもおかしくない。
下地はできあがっていたのだ。
牛歩のような進みで俺達は迷路を歩く。
一歩に五秒はかかっているような気持ちだ。めぐみんを引きずるようにして、俺は迷路のゴールにたどり着くために進む。
二人とも会話はないのに、めぐみんの口から時折漏れ出る声だけが迷路に足跡を残す。
ろくに意識がないようだ。口元には笑みを浮かべ、とろけたような顔をしている。その刺激では足らなくなったのか、めぐみんはとうとう俺の手を握って自分の股間に――
「め、めぐみん! 流石にそれ――」
「ユユユユウスケ! 私はここまで案内したので、こ、今度はユウスケが私を先導してください!」
俺が言い終わる前に意識を取り戻しためぐみんが、慌てふためきながら大声を出す。
「もう後五分もすればたどり着くでしょう!」
大声でなんとか場を切り抜けようと、彼女はする。
握られた俺の手は、どうすればいいのかめぐみんの中で葛藤があるのか、ふらふらと動き回る。
「ユウスケの勘を信じて、連れていってください。し、信じていますからねっ!」
「それは、わかったけど……」
めぐみんは耐え切れなくなったのか、ふらふらと目的地場所がわからないとしていた俺の手を自分の股間に当てる。
ぐちょりと、そこは濡れていた。
「あん、んっ! わ、私はちょっと調子が悪いので、あっ! だ、黙りますけど、エスコートするのですよ! うっぅ!」
ここまで言われたら俺も何も言うことはできない。女性だし、こんなことをしているとはっきりと口に出されるのは恥ずかしいのだろう。
なんとか早くにゴールまで先導するしかない。
それでも自分の手が気になるのは仕方がない。シャツ越しに彼女のおまんこを触っているのだ。気にならないという方が変だろう。
シャツの上からもわかるマンスジを俺のゴツゴツとした手を使ってめぐみんはなぞる。くにゅくにゅと彼女の手によって俺の手がオナニーの道具として扱われている。
「ふあぁ……ひゃ……いぃ……」
できるだけ彼女も声は漏らさないとしているのだろうが、それでも敏感な部分をなぞる度に彼女の口端からポロポロと嬌声が零れる。
普段のめぐみんでは考えられない乱れっぷりに、知らず唾を飲み込む。
そっちに集中しようとする意識を正し、なんとか俺は迷路を抜けようとする。散々記憶を失う前の俺も迷ったと見える。ちょくちょくと行き止まりにたどり着くも、着実にゴールに近づいてきているのがわかる。
「んふっんん、あぁ……たりません……これでは足りませんよ……」
腕が離される。
ようやく正気に戻ったのかと迷路に集中していた意識をめぐみんにやると、信じられない光景があった。
「な……!?」
めぐみんはシャツの前を持ちあげていっていた。そうすることによって当然見えてしまう。汗に濡れた彼女のおっぱいも臍も、そして彼女のピッチリと閉じたおまんこさえも露出している。
迷路の中で今、めぐみんは生まれたままのような状態を自ら晒している。俺がいるにもかかわらず。
「むっ……」
めぐみんはシャツの裾をパクりと咥えこみ、シャツが落ちないようにして、また俺の手を取る。
まさかと思う。
止めようと思う。
それが口に出なかったのは、これから起こる出来事を期待してしまっていたからだろう。
「ぁああんんんんん――!」
一際大きい嬌声がめぐみんの口から出る。
俺の手はめぐみんのおまんこを直接触っていた。めぐみんの柔らかな大陰唇にペタリと素手がついてしまっていた。
誰であろう。めぐみんの手によって。
「ひゃ! んんっくくううう……これです……」
とろけたような声が俺の脳を揺らす。
歩かないと、歩かないとと思っているのに、更に進みが遅くなる。
俺が一歩進むごとにめぐみんは自分の大陰唇に俺の手を擦りつける。現実か夢か曖昧になる。
指が濡れる。トロトロと粘着性がある液体のせいで。
彼女のおまんこから流れ落ちる体液によって。それは決して汗ではなく、彼女が気持ち良くなっている証拠だった。
「はっっはあ……ひゃ……はっ!」
興奮した獣のような浅い呼吸が耳を打つ。
自分のしているものかと思ったが、それはめぐみんのものだった。
「んんう……きもちいいです……」
だらしなく潤んだ目で彼女はシャツを咥えながら、自分の股間と俺の手を見ている。骨太な手が幼いおまんこに不躾にも触っている姿を嬉しそうに見ている。
「……でも、たりません……んぁ! ああ……もっと……もっとです……」
彼女は俺の人差し指の根元を掴んで、自分のその閉じた女性器にそっと当てた。
「ああっ、んあ! や! ぁあああ! んんんんんん!」
つぷっと指がめぐみんの小陰唇の中に挿入される。
一本でもキツキツ。二本なんてとても入らないような未成熟な膣に剣ダコがある指が入ってしまう。
「あっ、くぅ! うん! あああああああ!」
彼女の体が小刻みに震えるのは、快感の証だった。
自分では得たことのない快感の波に、小さな体が打ち震えているのだった。
指がじっとりと濡れ、膣がきゅうきゅうと吸い付いていくる。その指をめぐみんが自分の体から逃さないとでも言っているかのように、膣は俺の手を離そうとしない。
ゆっくりとゆっくりとめぐみんは俺の手を動かす。
少し入れて、戻して、少し入れて、戻しての繰り返しだ。
ただ完全に俺の指が膣から出てしまわないようには気を付けながら、幼い少女のような体で快楽を貪る。
「んっ……くぅっんぅ……あ、あああぁ」
くちゅくちゅと膣壁に指が引っかかる。
完全に足が止まる。そのめぐみんの卑猥な姿から目を離せない。
指が熱い。まるで溶かされているようだ。彼女のおまんこに挿入されている指は自分のものではなくなったような不思議な感覚だった。
もう彼女の一部分になってしまったみたいだ。
「む、むぅ……!」
声を出す度に落ちそうになるシャツをめぐみんは強く噛みしめる。
俺の指が動くと、彼女の膣のピンク色が露わになってしまう。自分の大事な場所が見られているにもかからわず、彼女は考えられる一番自分が興奮する行為を続ける。
俺の手を使ってめぐみんは自慰をする。くちゅくちゅ。にちゃにちゃ。卑猥な音が彼女の体から聞こえてくる。
いつものあのめぐみんから考えられない姿。
汗が彼女の体を滴り落ちる。おっぱいと臍を大粒の汗が流れていく。それと同じぐらいの体液が、彼女の股間から流れた。
「ひあ、んあ……うぅ……ゆ、ゆうすけ……」
めぐみんが俺の名前を呼んだことで、俺の意識は再稼働する。
とにかく早く出ないといけないと俺はまた足をゴールへと向ける。
「んんああぁ! そ、そこ! お、おくにぃ……」
俺が体を動かしたせいで人差し指も反射的に動かしてしまったのだろう。
めぐみんの意思と反して動作した指に、彼女はひどく感じたようだった。熱が籠りすぎためぐみんの吐息が、俺の腕にかかる。
その時にシャツが口から落ちたのか、彼女はまた自分の唾液でベタベタのシャツを咥える。
……おかしくなってしまいそうだ。
「……ゆうすけ。ゆうすけ……。あついです。あついですよ……んぅ……ぅあ」
熱病に犯されたようなめぐみんの声が俺の意識を叩きつける。
彼女を抱きしめたくなる。強く強く彼女を抱きしめたくなる。他になにもいらないから、めぐみんを抱きしめたくなる。
「ゆーすけ……。くうぅ……ああ……ひゃ……」
それを振り払ってなんとか俺は迷路をめぐみんを連れて歩き続けていく。
いつまで立ってもたどり着けないような感覚だけがする。遠い。遠い。何時になったらゴールまでたどり着くのか。
めぐみんの嬌声。
俺を呼ぶ声。
めぐみんの膣の感触。
うすぼんやりした思考。
「ああぁ。んああっ、ひゅうしゅけ……きもちい……んああ! うぁ!」
しかし、どんなものも終わりはある。
思考をなくしながら、めぐみんの痴態だけが頭の中で通り過ごしながらの進行にも終わりが迎える。
「…………あ!」
扉だ。
終わりだ。ゴールだ。ようやくたどり着いた。
ずっと自分の下半身を見ていためぐみんに俺は声をかける。
「めぐみんたどり着いたぞ! ようやく出口だ!」
「……え?」
焦点の合わない赤い瞳がこちらを見返してくる。
「……ゆうすけ。……ゆうすけぇ。……ユウスケ?」
段々と焦点があってくる。
正気に戻りかけてくるめぐみんに俺は元気を入れようとして――思わず人差し指を大きく動かしてしまった。
「あっ」
コリッと膣壁をかいてしまう。
人差し指を折り曲げて、彼女のピンク色の膣に強い衝撃を加える。
元々性的快感が限界まで押し込まれていた風船となっていためぐみん。それが一押しとなってしまった。
「ああああっ……」
急速に焦点がまた合わなくなる。
口からシャツが落ちる。風船を尖った針で刺したように、彼女の性的の限界が越える。
「あああっんあああああああああああっ!」
ぷしゅっと俺の手に愛液のスプレーがかかった。
一際大きな嬌声をあげてめぐみんはイッた。絶頂してしまった。達してしまったのだ。
こちらの顔を見ながら、めぐみんは口を動かす。
「ゆう、すけ……」
ぺたんと彼女は座り込む。
ベタベタのシャツ。頬は紅くなり、目は知性が見えなかった。彼女の姿は淫猥でエロくて、なにか言葉では言い表せないものだった。
「だ、大丈夫かめぐみん……。今ゴールに連れていくからな」
俺は座り込んだめぐみんをいつもしているみたいに抱き上げて、ゴールまで進む。
火照った体のめぐみんが温かかった。
そうすると、彼女は頭をこちらの胸に預けた。あれだけ色っぽかった表情は、安心したかのような表情に変わっている。
「……ユウスケ」
こうしてなんとか、本当になんとか俺達は地下五階をクリアしたのだった。
エロ遺跡長すぎて地下四階消える