「ふふふふふ」
世界はゆらゆらとしたクラゲのよう。
体が世界を飛んでいる。精神が世界を旅している。視界は右左へと絶賛迷路中。
ハッピーハッピー。オールハッピー。
君も俺も幸せ。世界は丸っと亀の子。亀の上に地球があってそこで人々は踊っている。――あれっ、そういえばここは地球ではなかったっけ?
「な、なにか笑ってるけど! いいの? こいつ大丈夫なの!?」
「トリップ! トリップ状態だわ!」
「目が虚ろで笑っているのに、顔色変わらないのが余計怖いんですけど!? 殺人事件の現場にばったり遭遇した一般人みたいな心地なんですけど!」
「そ、そう慌てる必要ないわよ、ふにふら。この男の人、酔っているだけなんだから。酔っているわよね? え、なんで顔色変わらないの……。瓶二本も殆ど飲んじゃったし」
どどんこさんは瓶を逆さにして振るも、中から一滴たりとも魔法薬は落ちてこない。
紅魔の里特製の魔法薬らしく一杯の値段は少々したが、もう一杯もう一杯と続けて気づけば二本目を飲み干してしまっていた。
といっても、勘違いしないでもらいたい。俺一人で飲み干したわけではない。
そこまで俺もケチではないのだ。幸せはわけることにこそ意味がある。クズな俺もこれだけ幸せに酔っているなら、幸せのおすそ分けぐらいする。
それが証拠に――彼女達も幸福だろう。
「ふにふらさんとどどんこさん。今楽しいですか? ちなみに俺は楽しいです」
「……楽しいわけないでしょうが!」
地団太を踏みながらふにふらさんは吠えるも、すぐに下を向いて口を抑える。
「……うう、気分悪いわ。吐きそう」
「ふにふら。女の子としていけないわ。でもうっ……私も限界近い……かも……」
座り込んだ女の子二人が顔を見合わせて喋っているが、そのどちらも表情は芳しくない。
何故だろう。……幸せ、そうじゃない?
彼女達は顔を赤く染めたと思ったら青白くなったりと、気分悪そうに息を荒くしている。
「……まさか、こんなに勧められると思ってもみなかった。文化祭の商品として仕入れたけど、結局一度も飲んでなかったのに」
「ええっ。この前酒なんて私にかかれば楽勝だったと言ってなかったっけ?」
「嘘よ。嘘。まあお酒飲んでもそこまで言われない年頃だけどさ。……怖いじゃん、お酒って。頭変になってしまうんでしょ。私達がもっと大人になってからでいいよね。……だから、さっきだって最初は飲む振りだったのに……。無理矢理こんなに飲まされるなんて。これがあの有名な絡みざうぷっ!」
「ダメダメダメ! うら若き乙女として胃からの乙女吐瀉物は限度を超えてるわ! 弟のような男性がユニコーンに乗って迎えに来るというふにふらの夢からリザードランナー並みに遠ざかるわよ!」
「た、耐える! わかった! 耐える! 待ってて。未来の弟みたいな私の旦那!」
……ブラコンすぎてちょっと怖いわ。
なにやら青春物語のように二人で手を握り合って叫んでいるふにふらさんとどどんこさんだった。
あれだけ幸せな気持ちだったのが萎えかけている自分に気づく。
気づけば――なにやら体がぶるぶるっと震える。
「ううぅ」
トイレだ。トイレがしたい。
お手洗いに行きたい。小便が漏れそうだ。漏れる。さっきまでまったくわからなかったが、膀胱は破裂寸前のようだ。
大人になって漏らすなんて恥である。
なので俺は普段ならば――絶対しないような解決策を取ることにした。
「こうなれば!」
上着の内ポケットの中に手を入れる。そこにあるのは銀で作られた懐中時計。奥の手。俺の最終兵器ともいえる神器だ。
躊躇いもなく俺はスイッチを押した。
時が――止まる。喧しい二人の声が、僅かに聞こえてきた学園祭の音が、中断したかのように聞こえなくなる。変化は突然で、見た目はなにも変わらない。
俺の前にいる二人が必死に耐えるように喉を押さえているのも、叫んでいるから口を大きく開けているのも、変わらない。ただ写真に切り取られたように、変化しないようになるだけ。
「これで時間が止まったから今の内にトイレに……って俺だけは止まってないか!」
誰も動かなくなった世界で自分自身に突っ込む。
神器の性質上、時間を止めようが俺の膀胱は止まってくれなかった。ただの神器の無駄遣いだ。
「そもそも……この学園のトイレってどこだ?」
茹ったようにへたれている今の俺の頭では、初めてきた学校のトイレの位置がわからなかった。今までの経験からすると、普通は建物の端に作ってあるものだが紅魔族の学校だしな。常識が通用しなくてもおかしくない。
逃げ回っている途中はトイレの位置など確認する余裕なかったし。
俺は胡乱とした頭でどうしたものかと焦りながら見回す。
いざとなれば窓から外に落ちてやるか? けど、どうも今の状態では危なそうだ。俺は元気になりすぎて、不安定になっているみたいだから。
便器便器。便器となるもの。昔一度聞いたことがあるが、ペットボトルで用を足す人もいるんだったか。
茹った頭。
混乱する世界。
不安定な俺は――なんと丁度いいものを見つける。
それも――二つもだ。
「良いー手を考えついたな。さすがは魔法薬。頭も働いているわ」
勢いよくズボンを下ろす。それも下着ごとだ。
部屋の中とはいえ、熱くなった体には爽快感が走る。
普段は使われている教室でフルチン状態になる俺。
「はっははは、気分爽快!」
いつもと変わらず人間がいるようで俺以外はいない世界の中叫ぶ。
あれ、俺こんなキャラだっけ、と思うも思考が混濁し、考えは穴の中に落ち、俺は気にすることもやめて下半身をブルンブルンさせながら歩く。
なんという間抜けな格好。だけど、誰も見ていなく、俺の視界には二人の女性の姿がある。
見目麗しいこの学校の女生徒。紅魔族の学校のらしいピンクの上着の制服を着ている。どちらも紅魔族らしいわんぱくっぷりはありそうだが、同時に彼女たちの姿は愛らしかった。
左にふにふらさん。元気溌剌。勝気な少女。その大きく開いた瞳はどんぐりみたいにくりくりしている。
右にどどんこさん。相方に比べて大人っぽさがある少女。大人っぽいというのは顔だちだけでなく胸の大きさからもくる印象だろう。
どちらも自分の喉に手を当てて苦悶の表情をしながら口を開けている。
「じゃあ使わせてもらうか」
俺は便器代わりにその可愛らしい口にパンパンに膨れ上がったちんこを近づける。
まずは近いふにふらさんからと思ったのが、どうしてから照準が合わない。
「……なんだ?」
大きく口を開いているというのに、ぷにっぷにっとした頬にぺちぺちとちんこで叩いていた。
「あ、あぁ。まるで酔ってるみたいだ」
酒場で見たことがあるダストみたいに不安定な動作。
ははは、馬鹿な。アルコールなんて摂取してないんだからそんなわけがないと俺は首を振る。同時に陰茎もまるではたくかのように彼女の頬に当たる。ぺちぺちぺち。
しかし、実際狙いをつけにくいのは確かなようで、どうしたものかと思案するもすぐに良い案を思いつく。
「冴えてる。これで確実に酔っているわけがないわ」
俺はガシッとふにふらさんのツインテールを上から掴む。
自分の体を固定して、将来の夫がどうのこうの言っていた口に小便の汁が僅かに零れているようなちんこを突っ込んだ。
温かく、粘ついている。
「おおお」
思わず歓喜の声を漏らした。
そのお口は俺の陰茎を咥え、発射させる準備が完成しているようだった。
とはいっても、俺のちんこを丸々咥えこめるほどではない。元々が小さな口だ。パンパンに頬は膨れ上がり、三分の二ぐらい入ったところで喉奥に辿りついてしまう。ただ急ごしらえの便器にしては上出来だろう。
青白くなったふにふらさんの顔を見ながら小便が零れないようにとツインテールを掴みながら喉の奥へ奥へと突っ込むも、なにやら小便が出ない。
「おっかしいな」
あれだけ飲んだのだから今すぐ出てきて当然だというのに、小便が膀胱で止まったみたいだ。
俺はツインテールを向こう側へと少し押し、彼女の頬内でちんこの具合を確認するも、小便するときの陰茎の張りと違うように感じる。
……多分これ、射精するときのやつだ。
どうしよう。どうしよう。この状態では便器は使えない。小便ができない。
「――いや便器だからいいか」
小便も射精も然程差異はない。
一発抜いてから小便したらいいか。
というわけで俺はまずは一発抜くために、便器という名のふにふらさん。いや、ふにふらさんという名の便器? どっちでもいいか。
彼女のツインテールを乱暴に動かして、温かい少女の口を前後に動かす。
自分の腰を動かさなくてもその髪の束を二つ引っ張ったり押したりするだけで、彼女の口は俺の射精を促そうとちんこに必死に食らいつく。
ちゅ、ずちゅ、ちゅという卑猥な音を鳴らしながら俺の陰茎を頬張り、そして扱く。
彼女の柔らかな舌が汁を出している鈴口を舐めとり、なに一つ抵抗しないふにふらさんの口内を蹂躙する。
ぺろぺろという生易しいものではなく、ぐちゅぐちゅと生々しい肉と汁がぶつかる音が、ツインテールの女子生徒の口から漏れる。
荒っぽい動きだからだろうか、その粘り気のある汁がぽたぽたと彼女のピンク色の制服に落ちたのだが、どうも気にならず視界はぼんやりとしている。
なのに、めぐみんより少しだけ発達した体躯で、ちんこをずっぽずっぽと咥えている姿だけはやけに鮮明に映っている。
ごくりと、唾を飲み込む。
静寂と化した世界で、唾とちんこをしゃぶる音はやけに大きく聞こえる。
紅魔族の学校でにゅぽにゅぽと出会ったばかりの明るく元気な彼女の口は卑猥な音が鳴らしている。
こつんこつんと喉の奥にへと鈴口が当たる。
乱暴にツインテールをハンドルとして動かし、便器への射精をしようと彼女の時間を止めたまま続ける。
「くちゅ、ずちゅ。……じゅっ!」
最初の小便の目的も忘れ、快楽に導かれながら彼女の口にへとちんこを突きたてていた。
彼女の口は必死に射精させようと俺の陰茎を何度も何度も口に含み、喉奥まで咥えこむ。
それはまるで最愛の人への奉仕にも似ているが、まったくといっていいほど違うものである。
じゅぷんじゅぷん! といよいよ音が大きくなる。
俺の便器の使用も終わりだろう。
さっさと小便をしないといけないんだから、そんなに時間をかけてはいけないんだった。この便器には早めに射精しないと。
俺はずっと手を動かしていただけだったが、腰も動かすことで更にふにふらさんの喉奥へとちんこが押し入る。
乱暴に。無遠慮に。彼女の体を荒らす。
普通なら入るはずもない場所だが、本当に無抵抗だからこそ奥へ奥へと進んでいく。
ずちゅずちゅとゼンマイの切れた玩具みたいに彼女の可愛い頭は前へ後ろへと動く。ちんこによってその頭はガクガクと前後するが、できるだけ後ろにはいかないようにと俺はツインテールを強く掴んでいた。
柔らかそうな唇は唾液と先走り汁が混ざって粘ついており、元々体調が優れないからだろうか、焦点の合わない紅魔族特有の赤い瞳がこちらを見ている。
角度を変えてこつんこつん。
ちょっと下を向けるのがコツだったらしい。ちんこがなんとか全部彼女の口に収まった。これなら精液を余すことなく飲み干してもらえるだろう。
「便器! ふにふらさん! 便器ふにふらさん!」
俺は彼女の名前だか、便器だかを叫びながら一番喉奥へと射精した。
どぴゅどぴゅと鈴口から出ていくのがわかる。それが彼女の喉を通って胃を通っていくのを、ちんことツインテールから感じ取れる。
震える手でぐぐっと強くツインテールを掴みながら、俺は上を見ながら白濁液を彼女の胃の中にへと流し込んでいく。
ブラコンである便器にへと、大量の精子をご馳走してあげる。便器の仕様としては若干違うかもしれないが、まあ大目に見てほしい。
びゅびゅっと射精した鈴口を彼女の食べ物しか入れたことのない口の中で、擦りつける。気持ちいい。射精の後のほんの一瞬は最良の時間だった。
「……ふう、良い便器だった」
最初は簡易にしてはいいかな程度に思っていたが、満足いく出来だったといえるだろう。
俺はずっと握っていたツインテールから手を離す。思いっきり引っ張っていたからだろう。彼女はこちらに倒れそうになるが、口の中に入れているちんこで支え、倒れないようにした後、俺はゆっくりとふにふらさんの口からちんこを離した。
あれだけ奥に押し込んでいただけあって、精液は流れ出すことなく胃に収まったらしい。
「んー」
……本番の小便だが、流石に射精した便器でやるのは気が引ける。
このままやってもいいのだが、どうせならもう一つの方でいいだろう。なんせ彼女達は二人いるわけだし。
「どどんこさん。失礼しますね」
彼女はふにふらさんみたいにツインテールはない。
だから一際大きいおっぱいをガシッと掬うように掴んで俺は彼女の開いている口にちんこを放り込む。
流石に胸を掴むからには失礼しますの一言ぐらいは必要だろう。それにしても大きなおっぱいだな。ゆんゆんのおっぱいには負けるし、アルカンレティアの街には巨乳もいるが、この歳でこれとは大分発達は著しい方だろう。
指で押した分だけ跳ね返ってくる少女の張りがある。
小便の方はというと、あれだけ貯まっていただけに、入れてすぐに俺のちんこは黄色の液体を放ち始めた。
溜めていただけに快感に身を捩らせる。
「危なかった……。近くに便器が二つもなければどうなっていたことやら。こんな歳になって漏らすのは嫌だもんな」
じゅぼぼぼぼぼと小便をする。
彼女の大人っぽい顔。
先ほどのふにふらさんと違って薄いけどきちんと化粧している顔の唇に入れて――黄色い小便を出しまくる。
「はぁー、気持ちいい。我慢した小便って射精と同じぐらいの気持ち良さあるよな」
飲みすぎたせいだろう。
たっぷり十秒ぐらいは小便が止まらなかった。おっぱいを揉みながらする小便はもちろん初めてだったが、いい経験である。
こんな気持ちいいなら常に家に備え付けたいぐらいだ。
「うわっ!?」
小便がドバドバと漏れそうになったので慌てて俺は彼女のおっぱいを押しながら上から彼女の顔を天井を見るようにして、上から直接喉にいくようにと小便を流し込んだ。
たまにいる公衆便所で汚く使う人はあまり許せない。便器は綺麗に使うものである。
「おっと、と」
上手いことバランスを取って俺は彼女の胃一杯に小便を排泄した。
満タンまで貯めても十秒ぐらいだ。
俺の体にある液体を尽くしたみたいに、ちょろちょろとちんこから勢いよく出ていた水は弱まり、俺は最後にどどんこさんの口の中でつんつんと奥に押し込んでから、残尿感をなくしてから彼女の口からちんこを外した。
「ふー。すっきりしたぁ」
俺はというとオナニーと小便をしたからか頭のふわふわが若干すっきりしたような気がしないでもない。
神器の時間を見ると残り八分だ。
そして顔をあげると、かなり悲惨な光景が広がっている。
「うわ、ひでえ」
ふにふらさんの服には白い染みが、どどんこさんの顔にはべったりと黄色い液体がかかっている。口端からもだらーと流れているし。
どうも便器の使い方が下手だったらしい。
俺は一分かけて多く携帯しているハンカチで拭き、元の状態に戻す。汚く使ったら使ったで後始末は大切だ。
人間清潔さは大事よね。
そして俺はいつもの癖みたいに元の立ち位置に戻って――時間を再開した。
教室の静寂が破られ、女性二人の声がまた教室の音を満たす。
「未来の旦那さん! いや未来の弟! ごぼぉ!」
「耐えるのよ! どど――うっぷ!? うぐううううううううううう!」
彼女達は二人揃って両手で口を抑える。
「んっぐ! んっぷ! んんっぷううううううううううううううっ!」
口を両の手で押さえて青白い顔から更に血の気が引いていた。
リスみたいに頬を膨らませているのは、最早口から外に出かけているのだろうか。
ぷくーとふにふらさんの鼻からは白い鼻提灯が。ぷくーとどどんこさんからは黄色い鼻提灯が出る。
「うくく! ほほんこ!」
「んんん! ふんふんら!」
彼女達は二人で顔を見合わせて口を閉じた状態で言語と思えない言葉で伝いあい、すくっと立ち上がる。
「んん? どうした?」
いまだにぼんやりとした頭で俺はどうしたんだろうと彼女達の様子を見ていると、凄まじい勢いでダッシュする。
初速が凄い。陸上の短距離世界記録保持者を更に上回るスタートダッシュだった。
手で思いっきり口を閉じて彼女達は教室を飛び出していった。止める暇もないし、止める必要性も感じなかった。
また教室には静寂が戻る。
「…………」
本当になにも聞こえない静寂だ。
いや耳を澄ませてみれば、遠くに走る足音が二つと文化祭の喧騒があるか。
「……ねむ」
射精と小便をしたからだろうか、なんだか座り込んでしまいたいほど体はだるかったが。
それはとてもとても心地よいものだった。