少し文章を直しました。
ベロベロベロベロベロ
「っ!!??」
美女の口腔内を蹂躙すべく舌を縦横無尽に動かし回る。
ふと、美女が頭を浮かし逃げようとしたので手を廻し頭を押さえ・・・
「んん?」
手が動かせない。
「ぷはっ♡甘露甘露♡やっと意識が定着してきた感じだね。」
「意識が・・・定着?」
美女は立ち上がる。
綺麗な真っ赤な顔が空へ上がっていく。
「そそ、右側向ける?」
美女は俺の上空で右側を右手親指で指差す。
「右・・・側?」
中々に上手く動いてくれない首を右に回す。
回した視線の先、落ちているのは形は歪だが紛れもなく見慣れた俺の頭。
地面に接した左側。
割れた頭部からはグズリと赤茶けた柔らかそうな脳が、紅に交じり流れ出ていた。
眼球は視神経を残したまま、在るべき場所からドロリと零れ、地面に触れている。
唇を無くした半開きの醜い口から舌が行き場を無くしアホみたいに垂れていた。
見える範囲で歯はボロボロに欠けたり無くなってたりしていた。
ただ、気にするべきは其処ではない。
右目・・・、間違い無くまだ動いているのが解った。
ウロウロしていた視線は先程から俺を注視していた。
紛れもなく此方を視認している。
半開きの口は何かを伝えたいのか、ピクピクと微動し始めた。
「気持ち悪い・・・」
口から出た単語は、今の俺の素直な感想だった。
「あはは、本の自分の頭部を見て『気持ち悪い』はとっても素敵な感想だね♡」
首を正面の上空に戻し美女を見上げる。
「でも君はとても綺麗だ。」
「うん。ありがとう♡キミは本当に素敵だよ♡」
こんな状況で口説き文句が出てくる辺り、もう俺は既に人では無くなっているんだろう。
「で、そんな素敵なキミに素敵な選択肢♡」
美女は無邪気な笑顔から凛とした真顔に変わる。
こんな状況の俺に選択の余地はあるのか?
――
8X―・・・・・・・・
「悪い、これから飲み会になった。遅くなる。」
ブツンッとスマホのスピーカーから音が無くなる。
「はぁ・・・また携帯の買い替えか。」
お察しの通り電話の相手は色好。
今電話が切れたのは色好が電話を切ったからじゃない。
電話を壊したからだ。
「おっまた彼女に怒られたのか?」
「まぁ・・・帰ったら
「ん?お仕置きさせられる?まぁいいや、よし店行こうぜー。」
会社の
正直面倒なのでさっさと帰りたいのだが、こいつらが中々しつこくて無理やり連れて行かれる。
取り敢えず
今回のようにしつこ過ぎる時だけは参加する事にしているのだ。
「
「いえ、たまにです。」
「ふーん・・・」
8X―・・・・・・・・
――――店に入り1時間半
「コータさんってぇ、ほんとかっこういいですよね~えへへぇ」
さっきの後輩がべろべろに酔っている。
こう言う奴が居るから面倒なんだ。
「飲み過ぎですよ。それと、僕はそろそろ帰ります。」
飲みに来て1時間半、十分だろう。
「えぇ、もう帰っちゃうんですかー?じゃあ、私もコータさんと帰りまーす♪」
「いやいや、それはおかしいですよ」
立ち上がろうとする俺の腿に何故か縋りついて来た後輩。
鬱陶しい。
8X―・・・・・・・・
――――10分後
ガシャンッ
「「「「「きゃーっ!!」」」」」
大きな破壊音の後、店内から悲鳴が上がる。
俺はヤレヤレと顔に手を当てる。
「なんでしょう?」
後輩は先程の体制のまま能天気な事を言っている。
バゴンッ
俺達の飲んでいる個室の襖が乱暴に破壊される。
「「「うわぁっ!!!」」」
【おい・・・好汰は何処だ?】
いつもと違い低いドスの効いた声。
綺麗な赤い髪の毛先が、風も無いのにゆらゆらと上へ靡いている。
めっちゃ怒ってるな。
「好汰・・・?あっ、もしかして好汰の彼jぺっ・・・」
話している途中で下等種の上顎から上が弾け飛ぶ。
色好は下を向いたまま右手を振り被っていた。
下顎の歯の上に舌がペロンと乗っている様が滑稽だ。
「えっ?」
頭を失った体はその切り口から赤い噴水を上げる。
「「「ぎゃーーー!!!」」」
周りの
騒ぐ奴から順に身体が弾け飛んでいき肉塊に変わっていく。
それに併せて部屋は赤黒く染まっていく。
煙草や料理、アルコールや香水に鉄の臭いが混じり俺に吐き気を催させた。
「ふえ?何かあったんですか?」
今の今まで俺の腿にしがみ付いて居た所為でこの凄惨な状況をまだ見れていなかった後輩。
後輩は怠そうに頭を持ち上げる。
【あ゛っ?】
四季の髪の頭頂部が黒く暗く変色し始める。
あぁ、終わった。
「きゃあ!?なに?え?どう言う・・・」
【
右手をバキバキと開閉する。
「好汰からって・・・あなたがコータさんの彼女・・・前から文句が言いたいと思ってた。」
何故かスッと立ち上がり文句を言いたいと色好に近付いていく。
グチャグチャと
後輩、お前意外に度胸あるんだなと思ったが、酔っている所為で状況認識が巧くいって無いだけのようだ。
【あ゛ぁ?】
「コータさんみたいな良い人は、私みたいにつk【黙れ
色好は右手を薙ぐ。
瞬間フワッと心地よい風が吹いた後、バゴンと騒がしい音と共に俺の右側の壁に五筋の断裂痕が付く。
色好の方を向くと、後輩の身体がズルリと達磨落し宜しく6つの輪切りになり崩れていった。
「悪い、これから帰ろうかと思ったんだがその輪切りになった
立ち上がり色好の前に立つ。
パンと乾いた音がした。
俺の首が強制的に右側を向いた。
直後左頬に心地の良い優しい痛みが広がりだす。
色好が左手甲で俺の左頬を叩いた。
「心配した・・・」
色好の目から透明な滴が溢れていた。
「ごめん。帰ろう。」
「うん・・・」
俺は壁に掛かっていた血塗れの上着を羽織り、鞄の中から財布を出すと、自分の飲み代をテーブルの上に飛び散った
「お先に失礼します。では、また来週。」
身体全体を汚物で汚した生き残った会社の
凄惨な店内を、手を繋いで歩いて行く俺達を唖然と眺める生き残り達を尻目に店を出る。
店の外に出て数歩進んだ後、右腕で涙を拭っている色好に向き直る
店の周りでは下等種が集まり騒いでいる。
「色好・・・嫌なのは解ってるけど頼む。」
「うん、本当に嫌だ・・・やっぱあいつらは死んでて良いよ・・・」
「それでも頼む。」
「・・・」
色好は無言で右手を掲げ、掌をぐっと握る。
直後、先程飲んでいた店を中心に広範囲でぐしゃりと重いものに潰された様に平らに崩壊した。
店の周りで騒いでいた下等種や、雑音を出していたスピーカー、煌々と偽物の光を産んでいた看板など、その場の全てを平面に変えた。
それを確認した色好は握った左手を掲げ、手を広げた。
8X―・・・・・・・・
―――一週間後
「じゃ、行ってきます。」
「好汰、今日は遅い?」
「上司次第。」
「もうあの会社は
「前にも言ったけど、俺はあの仕事とあの場所が好きなんだ。
「・・・うん。納得できないけど納得する。今日帰ってきたらち○○ん突っ込んでね♡今日は金曜だし、自己再S○Xで良いよね♡」
「変な言葉を作るなよ。まぁ、わかったよ。」
『はぁ』と小さく溜息を吐く。
「ちゅー♡」
玄関の扉を開ける。
今日も日差しが熱い。
振り返ると色好の綺麗な赤い髪が、朝日に負けない程赤く紅く輝いていた。
書き溜めは此処までです。