みなもvsネリーは、次回になります。
栄子が対局室に姿を現した。
「(みなもちゃんからのアドバイスに従って打てばイイ。絶対に、トップでみなもちゃんに繋ぐから…。)」
さっきまでと違って、栄子は気合いの入った表情をしていた。
永水女子高校の中堅は狩宿巴の従妹、萌。臨海女子高校の中堅はアンチニーマンのドイツ人、アグネス。粕渕高校の中堅は亦野誠子の従妹で緒方薫2年生。萌とアグネスは非能力者だったが、薫は一応能力者で誠子と同じ力を持っていた。
また、萌は、巫女姿ではなく制服を着ていた。
一方のアグネスは、いまだに殺伐とした雰囲気をまとっていた。それだけ、ニーマンの元にいたみなものことを嫌っていたし、みなものいる清澄高校が気に入らなかった。
場決めがされた。起家はアグネス、南家は萌、西家が栄子、北家が薫になった。
恭子の予想通り、萌も薫も、栄子から良くて7000点を削るのが限界の力量しか持ち合わせていなかった。
一方、アグネスは、本来の力量なら数絵と同等で、栄子から15000点くらい削れるはずだった。しかし、平静を保てていないため、自分の実力を十分発揮できず、結果的に萌や薫と同程度の力量まで落ちていた。
それでも、東一局の親で、アグネスは、
「リーチ。」
4人のうち最初に聴牌し、聴牌即で先制リーチをかけた。
{二三四五六③③③⑤[⑤]678} ドラ{白} 打{八}
そして、
「一発ツモ!」
ただし、ツモ牌は安目の{一}。裏ドラも乗らなかった。
「3900オール!」
この時だった。
「「「ドン!」」」
アグネス、萌、薫の3人は、衝撃波のようなものを感じた。発生源は、栄子。
ただ、それが何を意味するのか、3人には分からなかった。
東一局、一本場。ドラは{北}。
アグネスは、使いにくいドラを早々に切った。すると、
「ポン!」
薫が攻めてきた。彼女は、亦野誠子と同じで3副露した後、5巡以内にツモ和了りする。
北は、薫の字風。これで満貫が確定した。
「チー!」
栄子が捨てた{④}を薫が鳴いた。副露されたのは、{横④③[⑤]}と赤ドラを含んでいた。
次巡、栄子が捨てた{7}を
「チー!」
またもや薫が鳴いた。副露されたのは、{7[5]6}。これで、薫のハネ満が確定した。そして、3巡後、
「ツモ。3100、6100!」
薫が和了った。すると、
「「「ドドン!」」」
より一層激しい衝撃波がアグネス、萌、薫の3人を襲った。
これで栄子の失点は7000点に達したため、ここからは栄子を一切削ることはできなくなる。当然、栄子からの出和了りはできないし、ツモ和了りまでもが強制的に禁止されたのだ。
東二局、萌の親。
ここでも、
「ポン!」
薫が早々と鳴いてきた。
「チー!」
2副露、そして、
「ポン!」
3副露。これで聴牌。しかも、まだ序盤。
ところが、5巡過ぎても薫はツモ和了りできなかった。
「(何故?)」
和了れない理由が薫には分からなかった。
栄子は、これまでに数回団体戦には出場していたし、個人戦にも出場していた。しかし、補員だったこともあり、他校からは完全にノーマークだった。
ただ、愛宕洋榎のように振り込まない選手であることだけは知られていた。秋季大会での寺崎弥生との試合で、見事な打ち回しを見せたことは有名だった。
しかし、それ以外の特性は、全く知られていなかった。
この局は、結局、そのまま流局した。
「「「「聴牌。」」」」
4人聴牌で、萌の連荘となった。
東二局、一本場。ドラ{七}。
ここでも、薫が積極的に鳴きに出た。そして、6巡目には、
アグネス手牌
{二三四[⑤]⑥⑥⑦⑦4[5]688}
{⑤⑧}待ち、タンヤオ平和ドラ2の7700点の手。
萌手牌
{六六⑥⑦112233東東東}
{⑤⑧}待ち、ダブ東一盃口で7700点の手。
薫手牌
{[⑤]⑥⑦⑧} ポン{中中横中} チー{横七八九} ポン{五横五[五]}
{⑤⑧}待ち、中ドラ3の7700点の手。
偶然にも、3人が同聴だった。
3人の間で互いに振り込むことがない以上、これは、栄子の強制支配下では、3人とも和了ることができない。
「ツモドラ1。600、1100です。」
結局、栄子が和了った。
東三局、栄子の親番。
この局では、栄子がさっき和了った2300点まで、栄子から奪うことが許される。
そのような中、アグネスも萌も出和了り3900点の平和手を面前聴牌した。ツモった場合、栄子から2600点を奪うことになる。当然、この2人の和了りは、栄子以外からの出和了りのみに限定された。
薫も鳴きに出て満貫手を聴牌したが、当然、これを5巡以内にツモ和了する薫の特性自体が、栄子支配下では禁忌行為になった。
結局、
「ツモ。1000オール。」
栄子が和了った。
東三局一本場、栄子の連荘。ドラは{三}。
二度の和了りで、栄子から5300点まで削ることが可能になった。しかし、一本場のため40符3翻(5200+300の計5500点)を栄子から出和了りすることはできない。
ここでも、
「ポン!」
薫が積極的に鳴いた。そして、3副露した時、
{三四五六} ポン{南横南南} ポン{白白横白} チー{横八七九}
{三六}待ちで、{三}で和了ればハネ満だった。
萬子で染めているのはバレバレだったので、振り込む人はいない。しかし、薫は3副露した後、5巡以内にツモ和了りできる。
ただし、{三}のツモ和了りは栄子に対する禁忌事項になる。結局、
「ツモ。2100、4100。」
薫は{六}を引いて和了った。
各校の順位と点数は、
暫定1位:粕渕高校 109600
暫定2位:清澄高校 105300
暫定3位:臨海女子高校 99400
暫定4位:永水女子高校 85700
これで粕渕高校がトップに立った。
しかし、今の薫の和了りで、栄子から削れる点数は1200点になった。この制限が、再びアグネス、萌、薫の3人に重く圧し掛かってくる。
東四局、薫の親番。
「ポン!」
「チー!」
「ポン!」
薫が、いきなり3副露した。ただ、親の最低の和了りは1500点。当然、栄子からの出和了りは不可能であった。
萌は、平和手3翻を聴牌していた。しかし、これも和了れない。ツモると栄子から1300点払わせることになる。これも禁忌行為だった。
この局は、
「ツモ。1000、2000。」
アグネスが和了った。ただ、これで栄子を削る上限値は、あと200点になった。これは、実質ツモ和了りを封じられたに等しい。
南入した。南一局はアグネスの親番。
アグネス、萌、薫の3人は不可解な空気の中にいた。何か良く分からない。その正体が掴めない。
ただ、栄子が切る牌からは和了れないし、ツモ和了りもできない。
結局、
「ロン。5200。」
アグネスが萌に振り込んだ。
南二局、萌の親番。
不可解な空気がさらに強まってきた。前局と同じ、栄子が切る牌からは和了れない。ツモ和了りもできない。その状態が継続していた。
アグネスは7700点、萌は5200点、薫は満貫を聴牌していた。
結局、この局は、
「ロン。7700。」
アグネスが萌から和了った。
南三局、栄子の親番。
栄子は、最初からこの親を捨てていた。正しくは、東三局一本場から、ずっと和了り放棄していた。
「(みなもちゃんからのアドバイスは三つ。一つ目は、この人達が私から和了れる限界値を見定めること。多分、7000点だってことが分かった。そして、二つ目は、オーラスまで限界値近いマイナスを保つこと。そうすれば、私から削れない状態が続く…。)」
この局は、
「ロン。5200。」
アグネス、萌、薫の3人聴牌の中、萌がアグネスから和了った。
オーラス。薫の親番。ドラは{四}。
栄子から発される圧力が、最大になった。
「(そして、みなもちゃんからのアドバイス、三つ目。誰も私から削れない状態で、最後に無茶な和了りを冒険してみること!)」
薫が、
「ポン!」
{中}を鳴いた。打{白}。これを、
「ポン。」
栄子が鳴いた。再び、
「チー!」
薫が鳴く。打{北}。これを、
「ポン。」
栄子が鳴いた。
「ポン!」
またもや薫が鳴いた。これで、薫は聴牌。しかし、和了り牌がツモれない。薫が、とうとう3副露から5巡目のツモ牌を切った。打{⑤}。
「ポン!」
これを栄子が鳴いた。栄子の晒した牌は、
ポン{[⑤][⑤]横⑤} ポン{北北横北} ポン{白白横白}
北白赤2が確定している。そして、次巡、栄子のツモ番が回ってきた。
「ツモ!」
開かれた手牌は、
{①①⑧⑧} ポン{[⑤][⑤]横⑤} ポン{北北横北} ポン{白白横白} ツモ{⑧}
「北白混一対々ドラ2で、4000、8000です!」
前半戦最後に倍満を和了った。
栄子の能力があれば、ここで暴牌と言われるような危険牌を捨てても問題ない。そもそも、和了られる牌を捨てる状況にならないと言うことだ。
それに、この局面では絶対にツモ和了りもされないし、ノーテン罰符も発生しないことまで、約束される能力だった。だからこそ、この無茶な和了りに賭けてみたのだ。
中堅前半戦終了時点での各校の順位と点数は、
暫定1位:清澄高校 120300
暫定2位:粕渕高校 99600
暫定3位:臨海女子高校 96700
暫定4位:永水女子高校 83400
再び清澄高校がトップに立った。
休憩に入った。
愛宕洋榎と花田煌が高校を卒業した今、高校生麻雀最強の守備力は、恐らく栄子であろう。みなも達は、それを実感していた。それが、補員のまま、ずっと団体戦に出られずにいたことは、非常にもったいない。
栄子が控室に戻ってきた。
「一旦、ただいま~。」
「エイちゃん、凄いじょ。ご褒美に京太郎が作ったタコスをやるじょ!」
「ありがとう。」
栄子は、優希からタコスを受け取ると、それを一口かじった。
「(もう、この味ともお別れなんだな…。)」
そう思うと、このタコスがもったいなくなった。それで、一先ず残りを袋に戻した。
「あとは、後半戦が終わってから食べることにするね。それで、臨海、永水、粕渕の人達の打ち方で、何か分かったこととかはありますか?」
この栄子の問いに恭子が答えた。
「特に、今のところ事前入手した情報からは変わってないよ。臨海のドイツ人も、思ったとおり調子が出ていない。ただ、精神的なコンディションかもしれないから、立ち直ったら上限値が変わるかも知れないってところかな。」
「わかりました。」
「まあ、みなもや咲でない限り、お前から25000点以上削れるやつはいない。後半戦も、この調子で頼んだよ。」
「はい。」
栄子は、精神的に余裕ができてきたのか、前半戦開始前に比べると、随分と表情が和らいでいた。
一方、永水女子高校も臨海女子高校も粕渕高校も、栄子の能力の正体が掴みきれずにいた。傍で見ていて、ただ、運悪く和了れないパターンにはまったくらいにしか思えなかったのだ。
同時進行でBブロック準決勝戦を行っている阿知賀女子高校と白糸台高校も、栄子の能力のことは知らずにいた。それに、今は、目の前の戦いに集中していてAブロック準決勝戦のことをチェックしている余裕などなかった。
後半戦が開始された。
場決めがされ、今度は、起家が薫、南家がアグネス、西家は萌、ラス親が栄子になった。前半戦と同じ並びで、起家の位置が変わっただけだった。
閑無のスマホから、
「電話です! 電話です!…」
電子音が聞こえてきた。メロディーではないのが、ある意味閑無らしい。色気が無いとも言うが…。
番号の主を見て、
「(げっ! 熊倉さん!)」
閑無は驚いた。そして、急いで電話に出た。
「はい、石飛です。」
「熊倉だけど、今、中堅で出てる子。面白い子ねぇ。この子について、ちょっと教えて欲しいことがあるんだけど。」
「栄子のことですか?」
「そうよぉ。以前、そっちに伺った時にも、いた記憶はあるけど、麻雀は打たなかったからねぇ。今、会場の前まで来てるから、ロビーまで来てもらえないかしらねぇ?」
「わ…わかりました。」
「恭子ちゃんも、同行をお願いしたいんだけど。」
「はい。では、いますぐに。」
「よろしくねぇ。」
閑無は、電話を切ると、
「恭子。熊倉さんから呼び出された。恭子と一緒に来てくれって。」
「なっ…、何かヤったんですか?」
「別に、私とか恭子が何かやったってわけじゃない。道々話す。じゃあ、みんな。悪いけど、ちょっと出かけてくる。」
閑無と恭子は、慌てて控室から出て行った。
丁度この時、中堅戦は東三局が終わったところだった。
東一局では萌がハネ満をツモ和了り、東二局では薫が満貫をツモ和了りした。そして、この東三局では、アグネスが満貫をツモ和了りした。
その結果、栄子は3000+2000+2000の丁度7000点を失った。
そして、
「「「ドン!」」」
強烈な衝撃波が、アグネス、萌、薫の3人を襲った。ここから先は、栄子を削ることは一切許されない強制力が働く。
閑無が会場ロビーを見渡すと、壁際にトシの姿を見つけた。
「熊倉さん。」
「忙しいところ、済まないね。ここだと、マスコミに嗅ぎ付けられても困るんでね。ここの会議室を取ったよ。」
「では、そこで?」
「そう。ちょっと聞かせてもらいたいのよ。」
3人は、近くのエレベーターに乗り込んだ。そして、会場2階の小さな会議室に入った。
トシは荷物を置くと、椅子に座った。
「二人も座ってくれるかしら。」
「は、はい。」
「それでね。二人に聞きたいことってのは、あの中堅の子の特性についてなんだよ。信越大会の打ち回しは、マグレじゃなかったってことだね。」
「そうです。でも、何故、栄子のことを?」
「今年の世界大会メンバーの選考基準に、あの子が使えないかと思ってね。今年から、レギュラー5名に補員3名の合計8名が選考されることになったんだけど、やっぱり、8名とも総合力の高い子を選びたいからね。」
「栄子自身が選ばれるってことは?」
「枠が埋まらなければ入るかもしれないね。まだ、なんとも言えないよ。」
「そうですか。」
「今年から、留学生をメンバーに入れても良いことになったけど、臨海の子達は、日本のメンバーにならない契約でつれてきているらしいからね。あくまでも、祖国のメンバー候補のままでなければならないってね。」
「たしかに、そうでなければ、ムリムリ強い選手を海外から引っ張ってくることはできませんからね。」
「そうなると、やっぱり日本人選手から選ぶことになる。でも、例えば、清澄の次鋒は、東場では相当強いし、そこだけ見るとメンバーに選びたくなるんだけどねぇ。けど、南場で失速する。そうすると、世界大会メンバーに選べるかどうか分からない。仮に天和を和了れても、前後半戦のトータルがマイナスじゃ困るからね。」
「では、総合力判断の装置として栄子を?」
「そう言うことになるね。ただ、あの子は、まだ延び代がある。今は、代表に選ばれなくても、いずれ怪物キラーとして頭角を現すね。その実感はあるんだろ?」
「はい。それは、私も恭子も思っているところです。」
「それで、あの子の特性は?」
「多分、総合力判断装置に使われる可能性をお考えでしたら、既に熊倉さんの感じたとおりかと思います。彼女は…。」
閑無は、栄子の持つ特殊なディフェンス能力のことをトシに話した。細かい事例は、恭子が補足的に説明した。
各選手の力量によって栄子から削れる点数上限が決まる。たしかに、これは総合力判断装置として使うには、うってつけだろう。
しかも、みなもや咲のレベルにならないと、栄子をトバすことはできない。和で18000点が限界だし、数絵は15000点が限界。
大星淡や高鴨穏乃、石戸明星のクラスなら、たしかに20000点以上削ることが可能かもしれない。
これを聞いて、
「やっぱりねぇ。」
トシは満足そうな顔をしていた。
「ただ、彼女は、この大会を最後に転校することになっています。」
「あら、それは残念だねぇ。でも、行った先なら、たいてい、どこでもレギュラーになれるんじゃないかしらね。しかも、即、エースとして。」
「そう思います。」
「でも、行く先の指導者のレベルは、大丈夫なんだろうね? せっかくの原石を潰されちゃこまるからね。」
「そこは、問題ありません。私や慕も知っている人間ですから。」
「なら大丈夫だね。で、どこに転校するんだい?」
「準決勝に残っているところです…。」
この頃、対局室では、既にオーラスを迎えていた。
東三局で、栄子が計7000点支払いになった後、誰もツモ和了りできなくなった。
東四局では萌がアグネスから7700点を和了り、南一局では萌からアグネスが逆に5200取り戻すように和了った。
南二局では能力によるツモ和了りを諦めた薫が、能力を抑えてアグネスから何とか2000点を和了り、南三局ではアグネスが薫から7700点を和了った。
オーラス直前での各校の順位と点数は、
暫定1位:清澄高校 113300
暫定2位:臨海女子高校 100900
暫定3位:粕渕高校 93900
暫定4位:永水女子高校 91900
臨海女子高校が原点復帰したところだった。しかし、粕渕高校も永水女子高校も、ともに1万点のマイナスにもなっておらず、まだ勝敗は分からない状況だった。
オーラス。栄子の親番。ドラは{二}。
この局の栄子の配牌は、
{一九①⑦⑧19東南南北白中中}
10種12牌だった。
「(これって、本当にムリしてもイイんだよね?)」
栄子は、国士無双を少しでも匂わせなくするため、あえて{南}から切り出した。
7巡目、アグネスのツモ番。ツモった牌は{③}。
彼女の手牌は、
{二二二四五六④[⑤]11266 ツモ{③}
この時点での栄子の捨て牌は、
{南⑦北⑧中28}
アグネスは、打{横1}で、
「リーチ!」
リーチをかけた。リーチドラ4。裏が乗ればハネ満の手だ。
8巡目、栄子は{7}をツモ切り。
そして、アグネスが次にツモってきた牌は、{西}。和了り牌でない以上、アグネスは、それを切らなければならない。
ただ、他家がとんでもない手を張っているようにも感じなかったし、彼女はノーケアーで西を切った。その時だった。
「ロン! 国士無双。48000点です。これで和了りやめにします。」
開かれた手牌は、
{一九①⑨19東南南北白發中}
{西}待ちだった。
これで、各校の順位と点数は、
暫定1位:清澄高校 162300
暫定2位:粕渕高校 93900
暫定3位:永水女子高校 91900
暫定4位:臨海女子高校 51900
臨海女子高校の、まさかのラス転落であった。
「「「「ありがとうございました。」」」」
これで中堅戦が終了した。
臨海女子高校控室では、ネリーの全身から発される殺気が、一層増していた。
「やっと戦えるね、ミナモ・A・ニーマン!」
アグネスの失点など、ネリーは、なんとも思っていなかった。チームの勝敗など眼中になかったのだ。
自分がミナモを落とせればイイ。自分が高得点をあげ、ミナモに絶望的な大失点をさせることができれば、それで満足する。
ただ、それだけだった。
お気づきの人もいらっしゃると思いますが、園田栄子は、『その他A子』です。
もともと、第二局の咲不在時の穴埋め用に、殆ど失点しない子という設定で登場させました。
ただ、他の使い道はないかと考えていたところです。